第6回策定会議の意見と整理(pdf)

越前市工芸の里構想策定会議(第 6 回)
課題と対応(案)
項目
意見
全体の内容・構成
・全体としては、これまでの会議での検討が踏ま ・行政計画として、政策の
等
対応・施策アイデア
えられており、内容も深まってきたという印象
中では強弱をつけず、実
だ。
(江川)
施段階で強弱をつける
・構想全体は非常にバランスが良くなった。ただ
ということが多い。実施
し、全体としてフラットな感じがする。もう少
段階で産地の方と議論
し強弱があっても良いと思う。強さを出すとす
を進めるうち、自然に強
れば、工芸の里の目的や位置づけの部分だろ
弱がついていくし、でき
う。越前には世界に誇れる技術がたくさんあ
ることとできないこと
る。工芸の里構想の目的の部分で、もっと強い
の色分けもできていく。
決意が表明されても良いと思う。
(渡辺)
総花的に見えてしまう
・新幹線の話が出たが、構想全体として、2023
ことが政策の弱いとこ
年をターゲットとして組み込むことは、非常に
ろではあるが、中身には
良いことだ。越前市として「工芸の里を中心に
強弱をつけて取り組ん
まちづくりをするのだ」というような思いを客
でいる。
観的に描ければ良い。いかに世界的にアピール
していくかということは、住んでいる人にとっ ⇒p5
ても重要な事だ。もっと明快に、大意としての
工芸の里構想を謳っていくと良い。
(渡辺)
・委員の皆さんの意見が反映され、まとまった構
想になったかと思う。しかし、渡辺委員がおっ
しゃったとおり、総花的になりすぎている部分
がある。現在、構想に反映されていないのは、
江川委員から指摘のあった新幹線についての
話と、議会意見であがってきた、後継者、世界
遺産についての話だ。これらの意見はどう反映
していくのか、気になっている。
(保坂)
・総花的な形になっており、工芸の里の目玉が見
えてこない。もう少し重点プロジェクトという
形で打ち出しをした方が良いと思う。前回、渡
辺委員よりアクションプランについての指摘
があり、もっと中身をつけた修正をされている
のかと思ったが、最後に表が付録されているだ
けだった。もう少しアクションプランを具体化
した方が良いのではないか。本文中には書いて
あるが、事業によってはイメージ的なことしか
1
目的に新幹 線開
業を入れる。
⇒p65
新幹線開業を推
進期間に追加
書いていなかったり、あるいはとても具体的に
書いてあったりと、内容がバラバラだ。
(坂本)
目指す姿、基本方 ・体系的な整理がなされており、工芸の産地とし
針、振興策の体系
ての位置づけが、ある程度明確になったと思
等
う。26 ページ以降では、全体を通す串として、
工芸の里のビジョンが明確になったと思う。27
ページでは、各振興策を、クラフトマン、クラ
フトシチズン、クラフトツーリズムそれぞれに
当てはめて再整理していただいている。どこに
当てはまるか悩ましい部分もあるが、全体とし
て非常にバランス良くなっている。前回までの
資料は、市民生活から離れた内容だという印象
だったが、こういう整理がなされれば、市民の
目線で見ることができる。ただし、あくまで観
念的な整理であり、ここで整理されたことを、
具体的にどのように事業として落とし込んで
いくかが重要だ。
(江川)
・ビジョンやコンセプト、アプローチの手法が体
系的にまとめられたので、これからいよいよ必
要条件や求められる機能、施策に取り掛かって
いくのだと思う。改めて、一汗、二汗かかない
といけないな、と実感した。
(升田)
新幹線開業の 前 ・北陸新幹線延伸時期の前倒しがほぼ決定したこ ・北陸新幹線開業前倒しに
倒しに関して
とだ。確定ではないが、平成 35 年春開業を目
関しては、事務局で検討
指すということなので、工芸の里構想の計画期
し、内容を書き足すなど
間中である。これは明らかに気をつけなくては
して、対応させていただ
いけない視点だと思う。これまでは、工芸の里
く。
構想の計画期間中に北陸新幹線の福井県開業 ・武生駅の龍のオブジェが
はしないという前提で、あまり議論せずにいた
目立ちにくいという点
が、もう一歩議論を進める必要があるのではな
については、武生駅と相
いか。工芸の里構想において、南越駅をどう位
談し、ライトアップをす
置づけるかといった程度のことは、書くべきだ
るなど工夫をしていき
と思う。具体的に、南越駅に工芸のショールー
たい。未定だが、南越駅
ムを設ける、案内ができるガイド機能をおく、
に移転するということ
工芸の集客施設をおくなど、色々と案はあると
も考えていきたい。
思う。しかし、当策定委員会では議論がなされ ・越前市として、南越駅周
ていないので、そこまでは踏み込んだ内容を示
辺整備計画を策定中だ。
すことはできない。そこで、頭出しでも良いの
計画に入ったばかりの
2
で、今後の計画見直しの際に踏まえられるよ
段階だが、南越駅とその
う、受け皿的に内容を加える必要があるのでは
周辺を含めてどう活用
ないか。
(江川)
するかなどについて検
・武生駅にある刃物でできた龍のオブジェについ
討している。工芸の里構
てだが、武生駅に置いていても目立ちようがな
想を、その計画にも反映
いと思う。市外との連携という話があったの
していくことになる
で、例えば南越駅など、もっと人目につくとこ
ろに置くなどして、それを呼び水に産地に訪れ ⇒p53、59、63
てもらえるような打ち出し方をしていければ
南越駅における伝統産
良い。
(高村)
業の拠点機能強化を追
・南越駅を訪れた方にとってわかりやすく、かつ
加
リーズナブルな 2 次交通の提供を計画に入れ
⇒p65
新幹線開業、オ
リンピック、福井国体を
ていただきたい。
(森)
・新幹線の話があったが、東京オリンピック、福
推進期間に追加
井国体が間近に迫っている。そういったことも
見据えて、今後どういったことをするのか、具
体的に見える形にしていただきたい。
(坂本)
産業振興策に 関 ・海外展開のための支援というのは、ありがたい。 ・越前箪笥の振興として
して
一方、国内に関してだが、今まで長く販売して
は、タンス町を中心とし
いても、越前打刃物という名前が浸透しない。
た取り組みを行ってい
問屋側から「越前打刃物を取り扱いたい」と言
く予定だ。後継者育成に
われるような仕掛けが必要になってきている。
関しても、産地全体で取
(高村)
り組むべきことと、個人
・越前市にある木工に関係する施設は、工芸解放
単位で取り組むことが
試験場のみだ。木工に関してわからないことが
あると思う。木工業界で
あった場合、工芸解放試験場の森川さんに聞く
は親方、子方という形で
という形をとっている。しかし、工芸解放試験
の技術継承を行ってい
場は 2 年後に取り壊され、その後釜になる施設
るということだが、今後
を作る予定がない。先日もイタリアから、一竿
どういう形で技術を継
80 万円程度の越前箪笥を月に 2,000 竿ほど作
承していくか、産地の方
ってほしいという依頼があったが、越前の職人
とやりとりし検討して
全員を集めてもこなせない仕事だったので回
いく必要があると思う。
答を保留にしている。その依頼があったので乾
燥技術を学びたいと考えたが、1 年間ほど休業
して遠方の学校に入る方法しか見つからなか
った。技術継承に関しても、現在使っている技
術だけではなく、新たな技術を学びたいと思っ
た時、勉強できる場所があれば良い。
(三崎)
3
・新商品の開発、有名デザイナーやブランドとタ
イアップなどと書いてあるが、そんな甘い考え
では商品は作れない。根底から認識を改めてい
ただきたいと思う。新しい商品を作ることは、
のたうち回るほど苦しいことだ。人に頼って行
うと考えているうちは、新しい商品はできな
い。死に物狂いで生み出した新しい作品を、世
界の大きなショーで認めてもらうなどといっ
たことを繰り返しながら、広げていくべきだと
思う。
(保坂)
拠点施設に関 し
て
・越前打刃物拠点施設の整備が構想の中に組み込 ・打刃物の拠点施設整備に
まれているが、拠点施設は 52 ページにある「瓦
ついては、平成 27 年度
が印象的な富山水墨画美術館」のような建物が
中に組合と具体的な検
良いなと感じた。打刃物だと火が関係してくる
討を進めたい。
ので、漠然と鉄筋のシンプルな建物を想定して
・紙の文化博物館の改修
いたが、毎年毎年少しずつ手直しができるよう
については、プロの方
な建物が、非常に良いと思った。
(高村)
と検討を進めている。
・タケフナイフビレッジには若手が多く、独立し
また、実際の使い手が
たいと言っている。現状の場所が手一杯になっ
どう使いたいかという
てきている。我々からも色々と提案をさせてい
ことも大事な観点なの
ただくので、引き続きよろしくお願いする。
(加
で、今後、コミュニケ
茂)
ーションをとりながら
・30 ページの紙の文化博物館改修についてだが、
場所がしっかりしていないと、良い作品も良く
検討を進めていきた
い。
見えないと思う。プロの方が携わり、照明を含
めて緊張した雰囲気を出していただかないと、
作家としても展示したいという気持ちになら
ない。たかが紙と思う日本人の方が多く、作品
として見ていただける場所は特殊だ。整備の際
は、展示をよくご存じのプロの方に、相談して
いただきたいと思った。
(青木)
中心市街地と の
連携
・中心市街地についてだが、今後新庁舎ができ、 ・中心市街地活性化計画
中央公園も再整備される。それらと各産地との
も、現在 2 期目の改正
連携についての検討は、なされているのか。
(河
に入っている。新庁舎の
野)
建設や中央公園の整備
・中央公園についてだが、ただの芝生の公園にな
が決まったので、それら
るということで、中心市街地に住んでいる者と
とタンス町や市内中心
してはがっかりした。
(三崎)
部とをいかにつないで
4
・先日、タンス町までの行き方について問合せが
いくか検討している。
あった。しかし、高速道路を降りてから説明が
しづらかった。例えば、武生インターチェンジ
からまっすぐ万代橋までをトンネル等でつな
ぐことができれば、イースト地区とも密な連絡
が取れる。
(三崎)
本文中の表現 に
ついて
・工芸の里構想では、
「越前箪笥」という表記に
なっているが、
「越前箪笥(指物)
」とし、指物
・事務局で検討させていた
だく。
も構想の対象に取り入れていただきたい。
(上
⇒越前箪笥(指物)は、該
坂)
・4 ページに、ボキューズ・ドールのナイフにつ
当ページを修正
いて「デザイナーは渡辺弘明氏が関わってい
る」と書かれているが、これは渡辺委員がデザ ⇒p4を修正
インしたのである。
「渡辺弘明デザイナーによ
る」といったように表現方法を修正していただ
きたい。
(保坂)
伝統産業の連携
・福井県には六つの伝統的工芸品があり、そのう
・県内での連携について
ち四つが越前市に関係している。それら四つの
も、工芸の里構想をもと
工芸に関しては、広い観点で見ると、鯖江市や
に連携をはかっていき
越前町にまたがっていると認識できる。残りの
たい。
二つの伝統的工芸品に関しても、産地間の距離
は離れているが、福井県という括りで見た場 ⇒「7つの伝統産業の連
合、連携していくべきものだと思う。また、福
携」を、
「伝統産業の連
井県内には、工芸品と結びつきやすい永平寺な
携」に修正(p27 以降)
どの精神的施設や、継体天皇など歴史上の人物
に関連した観光施設が多くある。さらに、観光 ⇒p52
客のことを考えた場合、越前市内には十分な宿
泊施設がないため、あわら温泉などとの連携も
視野に入れる必要があると思う。今後は、クラ
フトツーリズムを中心に、市外との連携にも取
り組んでいければ良いと思う。
(江川)
クラフトツー リ ・タケフナイフビレッジにも、海外の方が、ガイ
ズムに関して
ドを連れて少人数で訪れ、包丁を作ることが増
えている。他の工芸の産地も巡りながら体験で
きるような仕組みがあれば、2、3 日滞在できる
のではないか。そうすれば、越前市の美しい風
景なども見てもらうことができる。
(加茂)
・
「コアなファンリピーター」については、現在
5
市外の工芸との
連携を追加
も例がある。卯立の工芸館では 5,000 円で和紙
作りの本格体験を行っている。その体験では、
プロの職人が使っている道具を使うことがで
きる。東京や大阪からいらっしゃっている。外
国人の方も、研修制度なり本格体験を求めて訪
れる方が多い。さらに、滞在型スタイル、コア
なファンに人気なのが、墨流しの体験だ。
「墨
流し」という言葉が英語になりつつあるほど、
外国では有名な技術だ。多くの方に体験してい
ただく場所が、もっとあっても良いのではない
かと思う。
(青木)
・滞在するとなると 1、2 泊することになるのだ
と思う。当然、宿泊施設の問題も出てくると思
う。空き家問題などと上手に連携し、管理する
ことができれば、自然のなかの暮らしを体験し
てもらうことができると思う。さらにそれを維
持することが、地域のコミュニティ再生のきっ
かけにもつながるではないか。
(竹内)
・越前市はグリーンツーリズムにも力を入れてお
り、数年前には今立で全国大会が行われたほど ⇒p58 に追加
だ。グリーンツーリズムに関わっている NPO
も多くあるので、クラフトツーリズムとつなぐ
ことができれば良い。
(近藤)
・朝日新聞の記事で、首都圏の方が北陸新幹線開
業後に行きたい観光地ランキングが発表され
ていた。兼六園、黒部峡谷、黒部ダムに次いで、
永平寺が 4 位、東尋坊が 6 位にランクインされ
ていた。先ほど江川委員からも発言があったよ
うに、周辺には観光の良いコンテンツがあるの
で、市外との連携を含め、宿泊の問題も解消し
つつ、広域でツーリズムを考えていただきた
い。
(森)
市民への浸透 に ・岐阜県の関市は同じく刃物の町だが、小学生は
関して
・小学生の産地見学につ
必ず刃物の工場を見学するそうだ。市長は、子
いても、教育委員会に
供の頃から刃物の町だということを伝えるこ
伝えさせていただく。
とが重要だと思っておられる。越前市の場合、
池ノ上工業団地にしてもタケフナイフビレッ
ジにしても、見学に来る子どもたちが非常に減
6
っている。小学生は必ず各産地に見学に行くよ
うな形を作っていただきたい。
(加茂)
・作るだけではなく、使うことも、ぜひ授業に取
り入れていただきたい。先日東京で和紙関係の
方に会ったが、これからは版画用の高級な紙を
売らなくてはいけないとおっしゃっていた。版
画家というのは要望が高い。私も木版画をする
が、実際に紙に触って、刷ってみることで、に
じみ方やめり込み加減など、和紙の細部までを
知ることができる。作るだけではなく、使うこ ⇒p61 を修正
とにもクローズアップして授業をしていただ
けるのであれば、もっと和紙の良さがわかると
思う。
(青木)
・鉛筆を刃物で削れる人が、大人を含めて 3 割し
かいないそうだ。刃物を危ないと言わずに、大
人と子供がともに、楽しみながら道具の使い方
を身につけられるような取り組みができれば
良い。
(竹内)
・「ようこそ先輩」という中学校での授業に参加
した。その授業では、地域の大人として、農業
関係者、食堂の人などが話をする。その中に伝
統産業の方が入っても良いのではないか。子ど
もたちの心に残ると思う。また、夏休みに行わ
れる職場体験の体験場所にも、伝統産業の産地
が加われば良い。中学生というのは、小学生よ
りも、将来何を目指すのか、どこの高校を選ぶ
かなどといった将来についての情報を必要と
している時期だ。
(近藤)
・教育の部分については、しっかり考えていただ
きたいと思った。学校の授業に取り入れるとい
うのだけではなく、具体的にどんな形になるか
明記していただきたい。
(坂本)
・先日、小学校の生徒 70 人全員に、越前打刃物
の包丁で野菜などを切ってもらった。皆、包丁
を使って野菜を切るときの目が活き活きとし
ていた。誰一人として怪我することもなかっ
た。授業の後半になればだんだん使い方が上手
になっていった。そういうふうに、物を使うチ
7
ャンスを、大人、子供ともに与えることができ
れば良いと思った。
(高村)
市民参加の促進
・根気強く、市民に訴えていくことが必要なので
はないかと思う。実際に推進していくにあたっ
ての十分な周知が必要であり、市としてパンフ
レット等を作る予定であれば、それらの広報活
動にも気を遣ってほしい。また、工芸の里推進
協議会を設けるのであれば、なるべく多くの市
民に参加いただき、クラフトシチズンの部分を
きちんと形にしていくことが必要だと思う。
(江川)
・63 ページに事業主体が書かれているが、主体と
⇒p64 に追加
して地域の人が含まれていないことが気にな
る。地域で、文化や工芸を研究されている方が
いらっしゃると思う。住民をできるだけ巻き込
んでほしい。希望でも良いので、こういう人が
関わってほしいという人を主体に加えていた
だきたい。
(前田)
構想の進め方
・工芸の里が実現するかどうかは、プロジェクト
を担う人の本気度で決まる。担い手が本気にな
るような仕掛けも盛り込んだサポートができ
れば良い。
(保坂)
・産地の方はかなり本気だと思う。いかに応援団
をたくさん作るかが重要なのだと思う。
(竹内)
・パブリックコメントで、これまでの施策に対す
る反省がされていないという指摘があった。今
後の実施段階では、ぜひそこを意識して取り組
んでいければ良いのではないかと思った。(升
田)
8
⇒p64 に追加