【Perspectives】配当成長に支えられ見通し明るい米国

フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントが考える
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21 世紀の投資テーマ
お客さま用資料
PERSPECTIVES
2015 年
2月
配当成長に支えられ
見通し明るい米国株式
インカム投資が注目される時代が到来しています。米国
株式の配当成長の高さは極めて魅力的で、配当の持続的
な伸びが米国株式市場のパフォーマンスを支えるはず
です。S&P500 指数は次期米国大統領が就任するまでに
2,400 ポイントを超えている可能性があります。
フィデリティ・ワールドワイド・インベストメント
グローバル株式最高投資責任者
ドミニク・ロッシ
低インカムの構造的な理由
現在の環境ではインカム、すなわち定期的な所得を得ること
いるものの、賃金上昇率の低迷によって、その影響が緩和され
がとても難しくなっています。資本にも労働にも価格決定力
てきたのです。生産性の上昇分は常に資本の所有者に帰着し、
がなく、それほどの所得を生み出せないという金融の歴史で
営業利益の上昇となって現れました。
は異例の事態に陥っています。名目ベースでも実質ベースで
も平均賃金はほとんど伸びておらず、一方資本は利回りをほ
一方、先進国では所得の伸びを上回るペースで貯蓄をふやす
とんど生まない銀行預金か国債にとどまっています。
傾向が高く、世界中で利回りを低下させています。日本やド
イツ、イタリアのように、貯蓄超過を抱えながら経済成長が芳
これには構造的な理由がいくつかあります。世界中の政府が
しくない裕福な諸国は、資本を輸出することしかできず、それ
労働移動性を促す政策に力を入れてきたため、労働が経済の
が結果として利回りを引き下げています。各国中央銀行によ
付加価値拡大の恩恵を受けられなくなってきました。ほとん
る量的緩和策(QE)も、利回り低下を加速しているだけです。
どの先進国では、国内総生産(GDP)に占める労働の割合が低
債券購入プログラムによって、自国のソブリン債や債券市場
下し続けているのです。米国では昨年、300 万という記録的
から押し出され、海外に出て行く資金も利回り低下を増幅さ
な数の雇用が増加しましたが、その米国経済でさえ、労働の
せる原因となっています。
シェアは 50 年来の低水準にとどまっています。雇用は伸びて
※記載は当レポート作成月時点の投資環境の見方です。今後の相場を保証または示唆するものではありません。
また予告なく変更されることがあります。最終ページを必ずお読みください。
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2015 年 2 月
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世界中で求められているインカム資産
『 21 世紀の資本』の著者トマ・ピケティの説を信じるのであ
ピケティは、資本/所得比率が今世紀中は上昇を続けるはず
3 四半期までの過去 12 カ月の 1 株当たり配当金の伸び率は
11.3%でした。過去 15 四半期にわたって、1 株当たり配当金
は、平均 14.2%の伸びを示してきたのです。米国株式市場が
だと主張しています。今日、民間資本は所得の 450 %で、こ
近年で最も高いリターンを実現した資産クラスの一つで
れが 2100 年までには 700 %に近づくはずです。純貯蓄
あったことは不思議ではないのです。
れば、インカム(所得)は今後一層高く評価されるでしょう。
(キャピタル・ゲイン後)は、現在は所得のおよそ倍のスピー
ドで上昇しています。人口の高齢化は所得の伸びを抑制する
私はこの傾向は今後も続くと思っています。さらに、米ドル
ので、資産の収益率が低下したとしても、この問題はさらに
で見た時にこれだけ高水準の持続的なインカム収入の伸び
悪化します。すなわち、ピケティは過度な資本が過小なイン
を提供する資産クラスは他にありません。新興国の株式市場
からは、通貨下落と資本収益率の低下で(ドルベースで見る
カムを追い求める世界を描いているのです。
と)配当の伸びがそれほど期待できません。欧州では、1 桁台
債券利回りが低い現在のような金融環境では、投資家は、実
の配当の伸び率が見込まれますが、ドルベースのインカムは
質レベルで一定のカレント・イールドを提供し、なおかつ毎
ユーロ/ドルの為替レートに大きく左右されるでしょう。日
年インカム収入が増加する資産クラスを高く評価するで
本はいつものように全く予想がつきません。今後の見通し
しょう。これこそまさに S&P500 種指数が提供してきたこと
は、コーポレート・ガバナンス改革がどの程度実効あるもの
です。2014 年第 3 四半期末時点で、S&P500 種構成銘柄は
15 四半期連続して 2 桁の増配率を記録しました。2014 年第
となるか、そして余剰資金を分配するよう投資家が企業を説
得できるかどうかにかかっています。
配当成長に支えられている米国株式市場
これとは対照的に、S&P500 種指数採用銘柄の 1 株当たり配
当が伸びています。また 6 セクターでは増配率が 10 %を超
当金は 2 桁の伸びを続けそうです。これは増益率よりも高い
えました。伸びたセクターには規制当局からの影響が弱い一
ですが、配当性向は 32%です。エネルギー関連会社の配当は
般消費財、情報技術(IT)、資本財が含まれており、規制リスク
減少するかもしれませんが、金融セクターの配当の伸び率が
が他国より低いと言えます。
まだ低く、今後はエネルギー関連会社の減少分を補って余り
あるほど上昇すると思われます。
インカム投資の時代には、配当成長の高さという S&P500 種
S&P500 種指数は銘柄の分散度が高いため、他のベンチマー
社の試算によると、S&P500 種指数の配当は 2016 年には 48
クのように配当がわずか一つか二つのセクター、あるいは少
ドルを超えるかもしれません。配当利回りを 2 %、つまり米
数の銘柄に集中することはなく、幅広い業種および銘柄から
要です。指数を構成する 500 社のうち 421 社が配当を支
10 年国債利回りの中間値と置くと、S&P500 種指数は 2017
年 1 月に次の米国大統領が就任するまでに 2,400 ポイントを
超えている可能性もあります。実際、2020 年までには 3,000
払っており、過去 12 カ月の間に 10 セクターのうち 9 つで配
ポイントの大台乗せも達成可能だと思われます。
指数の特徴が今後も投資家から高評価を受けるでしょう。当
配当を得られるというメリットがあります。この点は大変重
米国における持続的な配当成長
(米ドル)
50
40
30
20
10
S&P 500種総合指数構成銘柄の配当
0
1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
出所:ISI(2014 年 12 月)
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フィデリティ・ワールドワイド・インベストメントは、アジア太平洋、欧州、ラテンアメリカの 25 か国において投資家向けに資産運用
サービスを展開しています。運用資産 33 兆円※、従業員数約 7,000 名を有し、世界有数の資産運用会社としてさまざまなアセットクラ
スを網羅する投資商品や、リタイアメント・ソリューションを提供しています。資産運用に特化し、優れた運用ソリューションとサー
ビスによって、お客様の求める資産形成を実現することを使命としています。当社は 1946 年米国ボストンで創業された「フィデリ
ティ・インベストメンツ」の国際投資部門として 1969 年に設立しました。1980 年に米国の組織から独立し、現在は経営陣と創業家が
主要株主となっています。日本においては、フィデリティ投信株式会社が投資信託および企業年金や機関投資家向け運用商品やサービ
スを提供、フィデリティ証券株式会社が投資信託を中心にお客様の長期的な資産運用をサポートする各種サービスを提供しています。
(※ 1 ドル =119.895 円で計算、データは 2014 年 12 月 31 日現在)
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