3 2015 月 March No. 3 72 平成27年2月25日発行 落語×クラシック音楽 異色のコラボが実現 クラシック音楽を身近に感じていただ くための試みとして、この春落語とクラ シック音楽のコラボレーション企画「お ちクラ」を開講! 司会進行役と高座を務 はなし める噺家・秋風亭てい朝さんにクラシッ ク音楽と落語の共通点などを伺いました。 ■今回の講座の聴きどころは 今回選んだ演目は、六代桂文枝さんが三枝時 代に作った「君よ、モーツァルトを聴け」という 創作上方落語です。笑いの中にクラシック音楽 やモーツァルトについてわかりやすい説明を織 り込んであり、企画の趣旨にぴったりかと(笑)。 落語とクラシック音楽は全く異質な世界ですが、 古典の名作を中心に時代を超えて同じ演目や曲 が繰り返し上演されている点は似ていますね。 同じ演目や曲でも演じる人の解釈や表現によっ て味わいが異なり、その世界観を聴き手が想像 力を膨らませて楽しむところも共通点でしょう か。とっつきにくい、敷居が高いといった先入観 はなし をとっぱらって、ぜひ生の音、生の噺に触れてみ てください。 ■広島での落語活動の現状は 秋風亭てい朝さん(しゅうふうてい・ていちょう) サラリーマン落語家 1956 年佐伯郡佐伯町(現廿日市市)生まれ。広島大学落語研究会出身。卒業後は建設会社に勤務 しながらサラリーマン落語家として活動。98 年、第 13 回大分国民文化祭・落語競演会で文部 大臣奨励賞(第1位)受賞。99 年、全日本社会人落語選手権で第3位入賞。01 年、第 10 回けん みん文化祭で優勝。04 年、第 14 回福岡国民文化祭入賞。現在、年数回の独演会「てい朝の落語 をぶつ会」をはじめ、広島市内の区民文化センター事業や公民館の高齢者大学など年間 100 ヶ 所以上で口演。また中国新聞文化センターで月 2 回落語入門講座の講師も務める。4 月 18 日に は南区民文化センターで 47 回目の「秋風亭てい朝の落語をぶつ会」を開催予定。 演奏会 クラシック入門講座 おちクラ~落語×クラシック 落語とヴァイオリンの異色のコラボレーションでお届けするクラシック入門 講座です。クラシック音楽にまつわる落語や軽快なトーク、そして生演奏と噺 家とヴァイオリニストが繰り広げる愉快でお洒落なエンターテインメント。 落語を好きな人も、クラシック音楽を好きな人も、どちらも知らないという人 も大いに笑ってお楽しみください。 時/ 3 月 25 日(水)18:30 ~ 所/アステールプラザ 多目的スタジオ(中区加古町 4-17) ¥/無料 ※要申込:E メールまたは電話で・先着 150 人 問/広島市文化財団事業課「クラシック入門講座~おちクラ」係 TEL.082-244-0750 [email protected] 1998 年に落語や漫才、コントなど話芸の面白 さを知ってもらいたいと広島演芸協会を設立。 次第に仲間が増え、現在会員は 19 名を数えま す。 「話芸に親しむ夕べ」 「あさみなみ落語会」 「あ さきた寄席」といった区民文化センターの事業 や公民館の高齢者大学など引っ張りだこでして ひ い き (笑)、各所でご贔屓いただいております。私個人 の活動としてはちょうど 20 年前に独演会をス タートし、今年4月に行う会が47回目となります。 協会の活動や催しなどの出演を含めますと、昨 年の高座回数は 160 席を超えました。落語を始 めてから今年でちょうど 40 周年。二足のわらじ を履いて文字通り東奔西走の日々ですが、ここ まで続いたのはお客様や周囲のおかげ。ありが たいですねぇ。 ■今後の抱負を聞かせて下さい ずっと「90 歳まで高座に上がりたい」と公言し てきましたが、最近残された時間は少ないぞと 少々焦ってきました(笑)。落語の演目は古典で 約 300、新作・創作はそれ以上ありますが、現在 のレパートリーが約 100、新しく覚えて自分が そ しゃく 咀 嚼 し、練り上げた噺にするには 1 年に3つぐ らいが限度となると、あと 30 年で 90 程度しかモ ノにできない計算に。若い世代には「長屋」や「引 き戸」って何? という時代ですから、現代感覚 にマッチした新作落語も作りたいし、後進も育 てたい。ボヤボヤしてはいられません(笑)。
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