業務管理体制を整備する上でのポイント

業務管理体制を整備する上でのポイント
1
適切な業務管理体制とは
介護サービス事業者による不正行為を未然に防ぎ、利用者の保護と介護事業運営の適正
化をはかるため,事業者に対し、業務管理体制の整備が義務づけられました。
業務管理体制とは、事業者内の介護サービス事業に携わる全役職員が、介護サービス提供
における法令等遵守の意義を認識し、日常の業務において法令等遵守を実践できるような組
織体制を指します。事業者は事業所(施設)数や法人形態に応じて、主体的に適切な方法を選
択し、これらの体制を整備することが求められます。
2
一般検査とは
業務管理体制の整備・運用状況を報告書により確認する検査を一般検査といい、定期的に
実施します。この一般検査は、事業者が法令遵守の意義を認識し、業務管理体制の整備に対
する意識を高めることを目的としております。このため、本県では、一昨年度から茨城県介護
サービス事業者業務管理体制確認検査要綱に基づき一般検査を実施しております。
つきましては、事業者(法人)は提出期限までに報告書を必ずご提出されますようお願いい
たします。
3 参考
◆法令遵守責任者とは(全ての事業者が整備必須)
事業者内において、業務管理体制を整備・運用する上で中心的役割を担う方を指します。法
令遵守責任者に何らかの資格要件は求められていませんが、以下の2点を考慮し、選任するこ
とが望ましいです。
・介護保険法及び介護保険法に基づく通知等に精通した法務担当の責任者となる方
・事業者内部に法令等遵守を周知徹底させることができる方
◆法令等遵守の方針とは
事業者が法令等に則った適切なサービスを提供する上での基本方針(理念)を指します。サ
ービス提供に係る基本方針であるため、全役職員がサービス提供における法令等遵守の意義
を理解できる内容であることが求められます。
◆法令遵守規程(マニュアル)とは(事業所数 20 以上の場合は整備必須)
法令遵守方針に基づき、全役職員が法令に則った適切なサービスを提供する上での取り決
めをまとめた規程(マニュアル)を指します。
日常業務の運営に当たり、法令等遵守を徹底するための注意事項や標準的な業務プロセス
を記載したものでもかまいません。ただし、全役職員がマニュアルを参照することで法令に則
った適切なサービスを一律に提供できるものであることが大切です。
<マニュアル内容の具体例>
・法令遵守責任者の役割及びその業務内容
・統括部門(法人本部)及び法令遵守責任者、事業所等との組織・連絡体制
・業務内容ごとのモニタリング・体制
例1○介護サービス内容や介護報酬の請求等の内容のモニタリング体制
例2○苦情・相談等の処理及び改善の手順
例3○内部通報・事故等の事実関係の調査等の原因の把握及び改善策の検討方法
・研修・指導体制の整備
・分析及び評価・改善活動に関する取り決め
◆業務執行の状況の監査とは(事業所数 100 以上の場合は整備必須)
事業者が医療法人,社会福祉法人,特定非営利活動法人,株式会社等の場合は、既に各法の規定に
基づきその監事又は監査役(監査委員会)が法及び法に基づく命令の遵守の状況を確保する内容を盛
り込んでいる監査を行っている場合は,その監査をもって介護保険法に基づく「業務執行の状況の監
査」とすることができます。
監査の方法は「事業者の監査部門等による内部監査」でも、「監査法人等による外部監査」でもどち
らの方法でもかまいません。事業所ごとの自己点検等と定期的な監査とを組み合わせて効果的に行っ
てください。
届け出る「業務執行の状況の監査の方法の概要」につきましては、事業者がこの監査に係る規程を
作成している場合には、当該規程の全体像がわかるもの又は規程全文を、規程を作成していない場合
には、監査担当者又は担当部署による監査の実施方法がわかるものを届け出てください。