(4)第3章(PDF:512KB)

- 33 -
第3章
政策目標と施策の目指す方向
- 34 -
第3章
1
政策目標と施策の目指す方向
高齢社会の到来
(1) 高齢化の更なる進展
今後も高齢化が一層進むと推計されており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、本県
の高齢者人口は平成 32 年度に 442 千人と推計され、このときピークを迎える見込みです。
このときの高齢化率は 33.2%で、ほぼ3人に1人が高齢者となり、さらにこれ以後も、総人口の減
少に伴って、高齢化率は上昇すると考えられています。(表 3-1)
表3-1 日本の将来推計人口
総
人
口
年 少 人 口 ①
生産年齢人口②
老 年 人 口 ③
後期高齢者人口
高 齢 化 率
③/(①~③計)
総
人
口
年 少 人 口 ①
生産年齢人口②
老 年 人 口 ③
後期高齢者人口
高 齢 化 率
③/(①~③計)
(単位 : 千人)
全国
平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 平成 42 年 平成 47 年 平成 52 年
128,057 126,597 124,100 120,659 116,618 112,124 107,276
16,803
15,827
14,568
13,240
12,039
11,287
10,732
81,032
76,818
73,408
70,845
67,730
63,430
57,866
29,246
33,952
36,124
36,573
36,849
37,407
38,678
14,072
16,458
18,790
21,786
22,784
22,454
22,230
23.0%
26.8%
29.1%
30.3%
31.6%
33.4%
36.1%
愛媛県
平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 平成 37 年 平成 42 年 平成 47 年 平成 52 年
1,431
1,383
1,329
1,269
1,206
1,141
1,075
185
170
153
137
123
114
107
859
790
735
693
653
609
551
379
424
442
440
430
418
416
201
218
233
264
273
267
255
26.6%
30.7%
33.2%
34.6%
35.6%
36.6%
38.7%
全国の率との差
3.6 ポイント 3.9 ポイント 4.1 ポイント 4.3 ポイント 4.0 ポイント 3.2 ポイント 2.6 ポイント
資料:平成 22 年 ☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所(日本の地域別将来推計人口:平成 25 年3月推計)
※年少人口:0~14 歳
生産年齢人口:15~64 歳
老年人口:65 歳以上
後期高齢者人口:75 歳以上
①全国データ
②愛媛県データ
人口(千人)
割合(%)
140,000
120,000
年少人口
割合(%)
人口(千人)
40.0%
1,600
35.0%
1,400
30.0%
1,200
30.0%
25.0%
1,000
25.0%
20.0%
800
15.0%
600
10.0%
400
40.0%
35.0%
年少人口
100,000
80,000
生産年齢人口
生産年齢人口
20.0%
60,000
15.0%
40,000
20,000
10.0%
前期高齢者人口
前期高齢者人口
5.0%
200
0.0%
0
5.0%
後期高齢者人口
後期高齢者人口
0
平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年
年少人口
生産年齢人口
後期高齢者人口
高齢化率
0.0%
平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年 平成52年
前期高齢者人口
- 35 -
年少人口
後期高齢者人口
生産年齢人口
高齢化率
前期高齢者人口
第3章
政策目標と施策の目指す方向
◆ 愛媛県の人口ピラミッド
若年層の減少と高齢者の増加により、逆三角形の形に移行していくのがわかります。(図 3-1)
図3-1 人口ピラミッド
(年齢)
男
平成22年(2010年)
女
(年齢)
90~
90~
80~84
80~84
70~74
70~74
60~64
60~64
50~54
50~54
40~44
40~44
30~34
30~34
20~24
20~24
10~14
10~14
0~4
0~4
70000 50000 30000 10000 10000 30000 50000 70000
(人口)
(年齢)
男
平成37年(2025年)
女
平成27年(2015年)
女
70000 50000 30000 10000 10000 30000 50000 70000
(人口)
(年齢)
90~
90~
80~84
80~84
70~74
70~74
60~64
60~64
50~54
50~54
40~44
40~44
30~34
30~34
20~24
20~24
10~14
10~14
0~4
0~4
70000 50000 30000 10000 10000 30000 50000 70000
(人口)
資料:平成 22 年
男
男
平成47年(2035年)
70000 50000 30000 10000 10000 30000 50000 70000
(人口)
☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所
(日本の地域別将来推計人口:平成 25 年3月推計)
- 36 -
女
第3章
政策目標と施策の目指す方向
(2) 高齢世帯の増加
高齢化の進展に伴って高齢世帯(世帯主の年齢が 65 歳以上である一般世帯)の増加が見込まれて
おり、国立社会保障・人口問題研究所の推計等によると、本県の高齢世帯数は、平成 22 年の 208 千
世帯から、ピークを迎える平成 32 年には 38 千世帯増の 246 千世帯に達し、その後、平成 47 年の 223
千世帯にまで減少すると見込まれています。これに対して、一般世帯数は、平成 22 年の 590 千世帯
をピークに、その後、平成 47 年には 505 千世帯まで減少すると見込まれています。
この結果、一般世帯数に占める高齢世帯の割合は、平成 22 年の 35.3%から平成 47 年の 44.2%に
まで上昇し続けると見込まれています。
このうち、高齢単身世帯は、平成 22 年には 69 千世帯でしたが、平成 32 年には高齢夫婦のみ世帯
の数を上回り、平成 47 年の 90 千世帯にまで増加し続ける見込みです。
一般世帯に占める割合では、本県が全国に比べて、高齢世帯で 3.4~5.2 ポイント、高齢単身世帯
で 2.4~2.9 ポイント高くなっています。(表 3-2、3-3、図 3-2、3-3)
表3-2 高齢世帯の推移(全国)
平成 22 年
(単位:千世帯)
平成 27 年
平成 32 年
平成 37 年
平成 42 年
平成 47 年
世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比
一般世帯
高齢世帯
高齢単身世帯
51,842
100% 52,904
100% 53,053
100% 52,439
100% 51,231
100% 49,555
100%
15,986 30.8% 18,887 35.7% 20,060 37.8% 20,154 38.4% 20,111 39.3% 20,215 40.8%
4,791
9.2% 6,008 11.4% 6,679 12.6% 7,007 13.4% 7,298 14.2% 7,622 15.4%
高齢夫婦のみ
5,390 10.4% 6,209 11.7% 6,512 12.3% 6,453 12.3% 6,328 12.4% 6,254 12.6%
世帯
資料:平成 22 年 ☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所(平成 25 年1月推計)
表3-3 高齢世帯の推移(愛媛県)
平成 22 年
平成 27 年
(単位:千世帯)
平成 32 年
平成 37 年
平成 42 年
平成 47 年
世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比 世帯数 構成比
590 100%
586 100%
574 100%
555 100%
532 100%
505 100%
208 35.3%
237 40.4%
246 42.9%
242 43.6%
234 44.0%
223 44.2%
高齢単身世帯
69 11.7%
83 14.2%
89 15.5%
90 16.2%
91 17.1%
90 17.8%
高齢夫婦のみ
世帯
76 12.9%
84 14.3%
85 14.8%
82 14.8%
77 14.5%
72 14.3%
一般世帯
高齢世帯
資料:平成 22 年 ☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所(平成 26 年4月推計)
- 37 -
第3章
政策目標と施策の目指す方向
図3-2 高齢単身・夫婦のみ世帯の推移
(全国)
(愛媛県)
(単位:千世帯)
(単位:千世帯)
16,000
200
14,000
12,000
150
10,000
6,453
6,512
6,328
6,254
85
82
77
72
83
89
90
91
90
平成27年
平成32年
平成37年
平成42年
平成47年
84
6,209
8,000
100
5,390
76
6,000
4,000
2,000
4,791
7,007
6,679
6,008
7,298
7,622
50
69
0
平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年 平成47年
高齢単身世帯
0
平成22年
高齢単身世帯
高齢夫婦のみ世帯
高齢夫婦のみ世帯
資料:平成 22 年 ☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所推計(全国:平成 25 年1月推計)
〃
(愛媛県:平成 26 年4月推計)
図3-3 高齢単身・夫婦のみ世帯の一般世帯に占める割合
(全国)
35.0
(愛媛県)
(単位:%)
(単位:%)
35.0
30.0
26.6
25.0
20.0
23.1
24.9
28.0
25.7
25.0
19.6
15.0
10.4
10.0
28.5
30.0
30.3
11.7
11.4
12.3
12.6
9.2
12.3
14.2
12.4
12.6
14.8
5.0
10.0
32.1
17.8
15.4
15.0
31.6
24.6
20.0
13.4
31.0
12.9
16.2
17.1
14.8
14.5
14.3
15.5
14.2
14.3
11.7
5.0
0.0
0.0
平成22年平成27年平成32年平成37年平成42年平成47年
高齢単身世帯
高齢夫婦のみ世帯
計
平成22年平成27年平成32年平成37年平成42年平成47年
高齢単身世帯
高齢夫婦のみ世帯
資料:平成 22 年 ☞ 国勢調査
平成 27 年以降 ☞ 国立社会保障・人口問題研究所推計(全国:平成 25 年1月推計)
〃
(愛媛県:平成 26 年4月推計)
- 38 -
計
第3章
政策目標と施策の目指す方向
(3) 認知症高齢者の増加
本県の認知症高齢者数は、平成 37 年時点で 64,800 人となり、65 歳以上高齢者人口の 14.7%になる
と推計しています。
なお、厚生労働省が平成 27 年1月に策定した「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」
においては、全国の認知症高齢者数は平成 37 年時点で約 700 万人になると推計されています。
(表 3-4、図 3-4)
表3-4 認知症高齢者数の将来推計(愛媛県)
認知症高齢者数(65 歳以上)
平成 26 年
平成 27 年
平成 32 年
平成 37 年
50,470
52,600
61,200
64,800
(12.3%)
(12.4%)
(13.9%)
(14.7%)
※( )内は 65 歳以上高齢者人口に占める認知症高齢者の割合
資料:平成 26 年 ☞ 長寿介護課調査
平成 27 年以降 ☞ 平成 26 年の要介護認定データに基づき、要介護認定者数に占める「認知症高齢者
の日常生活自立度Ⅱ」以上の割合(認知症患者率)を算出し、市町の要介護認定者
数の将来推計に認知症患者率を乗じて推計
なお、「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ」とは、日常生活に支障を来たすような
症状・行動や意思疎通の困難さが見られても誰かが注意すれば自立できる状態
図3-4
認知症高齢者数の将来推計(愛媛県)
(単位:人)
80,000
70,000
13.9
12.3
(単位:%)
16.0
14.7
12.4
14.0
60,000
12.0
50,000
10.0
40,000
8.0
30,000
20,000
50,470
61,200
52,600
64,800
6.0
4.0
10,000
2.0
0
0.0
平成26年
平成27年
平成32年
認知症高齢者数(推計)
平成37年
高齢者人口に占める割合
資料:平成 26 年 ☞ 長寿介護課調査
平成 27 年以降 ☞ 平成 26 年の要介護認定データに基づき、要介護認定者数に占める「認知症高齢者
の日常生活自立度Ⅱ」以上の割合(認知症患者率)を算出し、市町の要介護認定者
数の将来推計に認知症患者率を乗じて推計
なお、「認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ」とは、日常生活に支障を来たすような
症状・行動や意思疎通の困難さが見られても誰かが注意すれば自立できる状態
- 39 -
第3章
2
政策目標と施策の目指す方向
高齢者を取り巻く課題
この章において、これまでに整理した高齢社会の現状と将来推計や、第2章で検証した介護保険制度
の実施状況などを踏まえ、今後の本県における課題を明らかにします。
<主な課題>
➤ 高齢者人口の増加に伴う要介護者等の増加
⇒ 高齢者人口の増加により、介護を必要とする者の増加が見込まれる中で、高齢者が地域でこれ
からも健やかに過ごしていくためには、健康寿命を延伸するための食事や運動などの生活習慣を
含めた健康づくりや生きがいづくりなどの取組みが重要です。
さらに、高齢者の多くを占める元気な方々が、これまで培った豊かな知識や経験等を生かして、
引き続き地域の中で活躍できるための環境整備も必要です。
また、平成 37(2025)年には団塊の世代が 75 歳以上となり、心身機能の衰え等が見られる後
期高齢者人口の大幅な増加が見込まれていますが、住み慣れた自宅での生活の継続を希望する高
齢者が多いことから、介護が必要になった場合でも、可能な限り住み慣れた自宅や地域で暮らし
続けていくため、医療・介護サービスの充実、買い物・食事など日常生活を支援するための体制
整備を進めていく必要があります。
➤ 高齢単身・夫婦のみ世帯の増加
⇒ 家族や地域とのつながりが希薄な高齢単身・夫婦のみ世帯が社会から孤立することを防ぐため、
地域における見守りや生活支援などを通じて、孤立化のおそれのある高齢世帯を支え合う体制を
構築していく必要があります。
➤ 認知症高齢者の増加
⇒ 認知症等になって判断能力が衰え介護が必要になったとしても、本人の意思が尊重され、でき
る限り住み慣れた地域で、よい環境で暮らし続けていけるよう、地域で、医療・介護・予防・住
まい・生活支援サービスが包括的に提供される仕組みづくりが重要です。
➤ 介護サービス費用の増大
⇒ 今後も介護サービス費用の増大が見込まれる中、必要な方に必要なサービスを適切に提供して
いくためには、要介護認定の適正な実施に努めるとともに、サービス提供の効率化・重点化、サ
ービスの質の確保・向上が不可欠です。
また、保険料や公費による費用負担が増加し続ける中にあって、持続可能な介護保険制度運営
を国に求めることも必要です。
➤ 介護人材の確保
⇒ 団塊の世代が後期高齢者となる平成 37(2025)年には、利用者に提供する介護サービスの大幅
な増加により、サービス提供に必要となる介護人材の不足が見込まれることから、介護人材を確
保するための参入促進、資質の向上、労働環境の改善等の取組みを進めることが重要です。
<基本的な視点>
Ⅰ 健康寿命の延伸
Ⅱ 地域包括ケアシステムの構築の推進
Ⅲ 在宅中重度者や認知症高齢者への対応の強化
Ⅳ 介護サービスの質の向上と効率的なサービス提供体制の構築
Ⅴ 介護人材確保対策の推進
- 40 -
第3章
3
政策目標と施策の目指す方向
政策目標
この計画では、本県の高齢者を取り巻く状況を見据えたうえで、本県の高齢者人口がピークを迎え、
県民の3人に1人が高齢者となる平成 32(2020)年、さらには、いわゆる「団塊の世代」が後期高齢者
え がお
となる平成 37(2025)年に向けて、中長期的な視点から、高齢者がこれからも末長く健やかに「愛顔」
で暮らせる社会づくり、すなわち、長期計画に掲げる「高齢者がいきいきと暮らせる健康長寿えひめの
実現」を目指します。
まず、高齢期に至っても、健やかで心豊かな生活が送れるようにするためには、生涯にわたる健康づ
くりと、社会参加活動や学習機会を通じての生きがいの充足が重要であると考えます。
一方で、心身機能の低下の傾向が見られる後期高齢者の増加により、医療・介護サービスの増大や介
護人材の不足が見込まれることから、必要な住まいをはじめ、日常生活の支援や適切な介護サービスの
提供と、それらを担う人材の確保も必要になります。
以上のことから、新しい計画の政策目標を、次のとおり設定します。
え がお
-高齢者が健やかに長寿を楽しみ、住み慣れた地域で、愛 顔 で暮らせる社会づくり-
え がお
「愛 顔 」とは 「前向きな気持ちと思いやりの心が結集した愛のある笑い顔」のこと
- 41 -
第3章
4
政策目標と施策の目指す方向
施策の目指す方向
政策目標を達成するため、次のとおり4つの“施策の目指す方向”を定め、それぞれの具体的施策を
進めます。
(1) 高齢者がいきいきと暮らせる社会づくり
高齢者がいつまでも健康で生きがいを持って高齢期を過ごすためには、健康寿命の延伸が重要で
す。
このため、高齢者の生活習慣病の発症予防や重症化予防の徹底などを意識した健康づくりに取り
組むとともに、介護予防・リハビリテーションの取組みや、歯と口腔の健康づくりに努めます。
また、団塊の世代が高齢期を迎え、元気な高齢者が増加していることから、高齢者が、仕事や社
会活動を通じて、引き続き、地域を支える貴重なマンパワーとして活躍できる環境づくりを推進し
ます。
(2) 高齢者が住み慣れた地域で暮らせる社会づくり(地域包括ケアシステムの構築)
高齢者の多くは、長年生活してきた自宅や地域で暮らし続けることを望んでいます。
このため、介護が必要な状態になったとしても、可能な限り住み慣れた自宅や地域で、安心して
日常生活を営むことができるよう、地域包括支援センターを拠点として、医療・介護・予防・住ま
い・生活支援サービスを切れ目なく提供するための「地域包括ケアシステム」の構築に向けた市町
の取組みを支援します。
また、地域ケア会議や地域医療介護総合確保基金を活用した取組み等により、在宅医療と介護連
携を進めるほか、認知症の早期発見や認知症介護の質の向上等による認知症高齢者への支援をはじ
め、新しい総合事業による生活支援の推進や人材確保等に努めます。
(3) 高齢者が安心・安全に暮らせる社会づくり
高齢者が地域で安心して暮らせるように、高齢者の住まいや施設の整備・充実を図るとともに、
市町や関係機関等との連携の下、交通事故や詐欺による被害等の防止に努めます。
また、東日本大震災等の教訓を踏まえ、土砂災害や津波などから高齢者等の命を守り、安全を確
保するため、避難場所の整備などハード面だけでなく、平時からの情報提供や避難訓練など、ソフ
ト面での対策を講じることにより、災害時の効果的な「援護」に取り組みます。
さらに、市民後見人を含めた成年後見制度の活用促進を図るとともに、虐待防止など、高齢者の
権利擁護の取組みを推進します。
(4) 介護保険制度を支える仕組みづくり
介護サービスの利用者の増大に伴う介護保険料の上昇が見込まれる中で、介護保険制度に対する
信頼性の更なる向上が求められます。
このため、介護サービス情報の公表や認知症高齢者グループホーム等の外部評価、苦情処理体制
の強化等の利用者保護などとともに、サービス事業者等の指導・監督を通して、介護サービスの質
の向上と高齢者のQOL(生活の質等)の向上を図ります。
また、制度の持続可能性を高めるため、適正な要介護認定の推進や介護給付の適正化等のほか、
低所得者対策等を推進します。
- 42 -
第3章
政策目標と施策の目指す方向
<政策目標>
え がお
「高齢者が健やかに長寿を楽しみ、住み慣れた地域で、愛 顔 で暮らせる社会づくり」
<施策の目指す方向>
1
高齢者がいきいきと暮らせる社会づくり
▪ 健康寿命の延伸への取組み
▪ 社会参加の促進と生きがいづくり
2
高齢者が住み慣れた地域で暮らせる社会づくり(地域包括ケアシステムの構築)
▪ 在宅医療・介護連携の推進
▪ 認知症高齢者への支援
▪ 高齢者への生活支援の推進
▪ 介護人材の確保・資質の向上
3
高齢者が安心・安全に暮らせる社会づくり
▪ 高齢者の住まいの確保
▪ 安全な暮らしの確保
▪ 高齢者の権利擁護の取組み
4
介護保険制度を支える仕組みづくり
▪ 介護サービスの質の向上
▪ 介護保険制度の適正な運営
▪ 介護サービス利用者等に対する支援
図3-5《政策目標と施策の目指す方向(イメージ図)》
え がお
高齢者が健やかに長寿を楽しみ、住み慣れた地域で、愛 顔 で暮らせる社会づくり
・ 健康寿命の延伸への取組み
・ 社会参加の促進と生きがいづくり
高齢者が住み慣れた地域で
暮らせる社会
・ 在宅医療・介護連携の推進
・ 認知症高齢者への支援 等
え がお
高齢者の愛顔
・ 高齢者の住まいの確保
・ 安全な暮らしの確保 等
高齢者がいきいきと暮らせる社会
高齢者が安心・安全に
暮らせる社会
・ 介護サービスの質の向上
・ 介護保険制度の適正な運営
介護保険制度を支える
仕組み
- 43 -
等
第3章
5
政策目標と施策の目指す方向
施策の体系
1
高齢者がいきいきと暮らせる社会づくり
1-1
健康寿命の延伸への取組み
(1) 新しい健康づくりの推進
(2) 地域保健体制の整備
(3) 歯と口腔のケア
(4) リハビリテーションの推進
1-2
社会参加の促進と
生きがいづくり
(1) 社会参加の促進と就業支援
(2) 生きがいづくり
- 44 -
第3章
2
政策目標と施策の目指す方向
高齢者が住み慣れた地域で暮らせる社会づくり(地域包括ケアシステムの構築)
2-1
在宅医療・介護連携の推進
(1) 新たな財政支援制度による医療・介護提供体制
の構築(地域医療介護総合確保基金)
(2) 医療と介護の連携強化
(3) 地域包括支援センターを拠点とした体制整備
(4) 介護基盤等の整備・充実
2-2
認知症高齢者への支援
(1) 認知症への理解を深めるための
普及・啓発の推進
(2) 認知症の容態に応じた
適時・適切な医療・介護等の提供
(3) 若年性認知症対策の推進
(4) 認知症の人の介護者への支援
(5) 認知症の人を含む
高齢者にやさしい地域づくりの推進
2-3
高齢者への生活支援の推進
(1) 新しい地域支援事業への移行
(2) 介護予防事業等の推進
(3) 生活支援
(4) NPO・ボランティアをはじめとする
多様な主体との協働
2-4
介護人材の確保・資質の向上
(1) 介護人材確保の取組み
(2) 多様な職種の人材の確保等
(3) 在宅介護研修センター(愛ケア)の
運営・利用促進
- 45 -
第3章
3
政策目標と施策の目指す方向
高齢者が安心・安全に暮らせる社会づくり
3-1
高齢者の住まいの確保
(1) 高齢者の住まいの確保・充実
(2) 多様な施設等サービスの提供
(3) 住環境の整備
3-2
安全な暮らしの確保
(1) 安全な暮らしを確保するための取組み
3-3
高齢者の権利擁護の取組み
(1) 高齢者虐待防止対策の推進
(2) 成年後見制度、権利擁護事業の推進
(3) 介護サービス事業者における環境整備
(4) 介護保険施設等における環境整備
4
介護保険制度を支える仕組みづくり
4-1
介護サービスの質の向上
(1) 介護サービス情報の公表
(2) 地域密着型サービス評価の取組み
(3) 福祉サービス第三者評価の推進
(4) 介護サービス事業者等に対する指導監督の実施
4-2
介護保険制度の適正な運営
(1) 要介護認定の公平性の確保、適正な実施
(2) 介護給付の適正化の推進
(3) 療養病床(医療療養・介護療養)の転換
(4) その他
4-3
介護サービス利用者等に
対する支援
(1) 関係機関が連携した苦情処理体制等の強化
(2) 福祉サービス苦情解決事業
(3) 低所得者対策の一層の充実
(4) 障害福祉サービスとの連携
- 46 -