「静岡市障がい者計画(案)」「第4期静岡市障がい福祉計画(案)」に関する意見の概要と意見に対する市の考え方 № 項目 意見 意見に対する考え方 障がい者計画 第1章 計画の推進 障がい者の保護者の管理責任を明記してほしい。 職場や町内で、障がい者の保護者の責任を問う出来事がありまし た。障がいのある人の行為に対して保護者に改善や協力を求めて 本計画は本市の障がい者施策の基本的な方向性を定める計画であり、家庭に も、保護者の無関心や無責任な対応が続き、このような状況で障が おける看護義務等について明記することは適切でないと考えます。 い者を気持ちよく受け入れようといっても、このような保護者の態度 では、気持ちよく受け入れることはできません。 2 第4章 分野別施策 1 理解促進 職員への障がいへの理解啓発について 現在勤めている市立学校には、障がい者用の立派なトイレがあり ますが、そこに行くまでの通路に荷物が積み上げられ、車椅子利用 障がい者用トイレへの通路に荷物を置き、車椅子が通れない状況にあったことや の来客者が使用できる状況ではありません。 事務室内に置いた荷物により怪我をしそうになったことは、職員の障がいへの意 また、私は身体に障がいがあり、事務室内に積み上げられた荷物 識や理解が不足していますので、学校に指導していきます。 に足が引っ掛かり、怪我をしそうになったことがあります。障がいの 有無に関わらず働きやすい職場になるように、職員の障がいへの 意識改革に取り組んでいただきたい。 3 第4章 分野別施策 2 生活支援 現状は重症心身障がい児(者)施策として実施している事業のため、重症心身障 ライフサポート事業について、重症心身障がい児(者)以外の障が がい児(者)以外の障がい児者も対象とする記述に変更することはできません。対 い児者も対象となる記述に変更できないでしょうか 。 象者の拡充については、今後の検討課題と考えています。 1 1 2 第4章 分野別施策 4 生活環境 「市営住宅への入居支援」について 現状では、市営住宅入所に関し、保証人と身元引受人が必須と なっており、この条件をクリアできる単身障がい者は、非常に少ない と思われます。 保証人、身元引受人を代替する機能について、関係機関、団体と 協議する等の検討策を講じていただきたいと思います。(グループ ホームや福祉ホームでなくても生活できる障がい者も多く存在しま すが、生活歴から保証人や身元引受人を見つけられない方が住居 の確保に困っています。) 5 第4章 分野別施策 4 生活環境 「重度身体障害者在宅安心システム(緊急通報)」について 現在、一人暮らしの重度身体障害者や65歳以上の高齢者が対象 となっているが、65歳に満たない、一人暮らしの知的、精神障がい 本事業の対象は、緊急事態が発生した時に自ら速やかな対応が困難な方であ 者、難病患者等の「一人暮らしの在宅障がい者」に対象をひろげる り、主に電話等の通信手段が使えない聴覚障がい者の方です。そのため、知的障 ことはげきないか。災害時の安否確認網が一つ増えることにより、 がい、精神障がい、難病等の方に対象を拡大することは、現在考えていません。 支援する事業所も安心できるため。 また、この緊急通報システムをグループホームにも活用できない か。 6 第4章 分野別施策 4 生活環境 消防法の改正によって、賃貸住宅でグループホームを開所しよう 生活支援分野に掲載している「障がいのある人のための福祉施設の整備」事業 と思っても、自動火災報知設備を大家さんに設置してもらわなけれ では、運営法人がグループホーム(自己所有又は賃貸物件)に自動火災報知設備 ばならないので、その費用について助成する事業に取り組んでほし を設置する場合の費用についても助成の対象としていますので、ご活用ください。 い。 第4章 分野別施策 4 生活環境 学校のバリアフリー化について 現在、市立学校に勤めていますが、階段ばかりで、職員室に行く のにも手摺がないところがあります。私は身体に障がいがあり、学 現在、将来の学校のあり方について、検討を進めています。その中で、学校の改 校玄関先の石畳のスロープで転倒したことがありました。駐車場に 築、大規模改造等、大きく施設に手を加える時期を定め、ご指摘のバリアフリー、 ついては、障がい者用の車いすマークがありますが、事務室から遠 ユニバーサルデザインに取り組んでいきます。 く離れた場所にあります。教育現場で障がいのある人が働きやすい 職場になるように学校のバリアフリー・ユニバーサルデザイン化を 進めてほしいです。 4 7 本市としては原則として法人や団体が連帯保証人となることを認めていません が、障がい者自身が対応できないトラブルや債務等について、障がい者関係機関 や団体が連帯保証する体制等が整う状況であれば、対応を検討していきたいと考 えています。 8 9 第4章 分野別施策 5 子ども 「母子保健事業」について 4ヶ月、10ヶ月、1歳半、3歳児健診とありますが、保護者の意識 や環境、持っている情報にもよるのでしょうが、自分のお子様の幸 せと親としての周囲からのメンツを鑑みて、「自分の子どもの困り感 を認めたくない」気持ちが働きます。これは致し方ないかとも思いま すが、子どもの将来を考えるとやはり早期に気づいて正対すること が大切だと判断します。 そこで、この4回の健診で見つけたことを確実に伝えていただき、 専門的なスタッフに繋げ、疑いのある子どもたちへの連続した継続 的な訪問・観察・支援システムを確立して欲しいです。 また、事業目標には、健診受診率が示されていますが、これを10 0%とに設定し、なおかつ、親支援事業に繋げることを大切にすると 明示して欲しいと考えました。 第4章 分野別施策 5 子ども 障がいの早期発見と支援体制の充実について 幼稚園や小学校では、グレーゾーンの子どもが居て、保護者に話 すと否定されたり、関係がこじれたりしてしまうことがこれまでも繰り 返されてきました。保護者の構えや覚悟がないからという一面も あったかと思われます。発見が遅くなれば支援も遅いスタートしか できず、第二次障害への心配も大きくなってしまいます。そうなって は、取り返しが付かなくなってしまいます。社会へ出て行けなくなっ てしまうことも考えられます。発見と支援体制へ投げることとをセット として取り組んで欲しいと願います。 10 第4章 分野別施策 5 子ども 11 第4章 分野別施策 5 子ども 健診の結果によりフォローが必要な乳幼児は、保健福祉センターの保健師が家 庭訪問等をしています。また、医療機関への受診や専門的なスタッフの関わりが 必要と思われる場合、受診勧奨などを実施しています。今後も関係機関との連携 を図りながら、フォロー体制の充実を図ってまいります。 事業目標については、定期的に医療機関へ受診をされてい等、市の健診を必要と しない方もいるため、100%としていません。 また、事後フォローの必要な乳幼児は、親への支援事業に限らず、必要な事業 に繋げることは重要と考えております。そのため事業内容を「また、専門相談、事 後フォロー教室、親支援事業に繋げることにより、子どもの発達や育児への不安に 対応します。」に改めます。 市内の幼稚園・保育園・小中学校等へ支援員が巡回し、教師・保育士等に支援 技術の指導等を行い、発達障がいの早期発見・早期支援に努めています。 また、保護者が気軽に子どものことを相談できる場所づくりとして、今年度から市 内の子育て支援センター等での親子教室を実施しています。 「母子療育訓練センターの運営」「児童発達支援センターの運営」 「障がい児保育事業」について 保育園ベースの発想で記述してあるように感じます。静岡市では 子ども園化していくことになりました。こども園を対象として明記して ください。第二次障害の発生を食い止める大事な砦となるように、 職員への研修の機会も十分にしていただくことを大事にしてくださ い。 母子療育訓練センター及び児童発達支援センターは、障がいのある未就学児 (小学校に入学する前の児童)を対象とした事業であり、こども園への移行に伴う 記述の変更はありません。 また、平成27年度より、子ども・子育て支援新制度がスタートし、市立の幼稚園、 保育園が認定こども園に移行した後も、障がい児や気になる子への巡回相談及び 保育教諭を対象とした障がい児研修の充実を図ります。事業内容については、す でにこども園への移行に対応した記述となっています。 「特別支援教育推進事業」について 事業内容に「依頼に基づき」とあります。保護者の同意が得られな いので依頼できないというケースが増えているように感じます。グ レーゾーンと言われる子が不幸せにならないよう配慮してあげたい です。 インクルーシブ教育システムにおける就学先の決定については、本人や保護者 に対して「可能な限りその意向を尊重しなければならない」ことが障害者基本法第 16条第2項に規定されています。 このことを踏まえ、教育委員会、幼稚園、保育 園、施設等では、保護者の同意が得られるよう早期からの丁寧な情報提供を行う 等の相談・支援体制の充実を図っていきます。 3 4 12 第4章 分野別施策 5 子ども 就学時に決定した「学びの場」は、固定的なものではなく、それぞれの児童生徒 「障がいのある児童生徒への就学支援」について の発達や適応の状況を捉えて、「学びの場」の変更や通級による指導等、個に応 事業内容に「就学後の支援も継続して行っていきます」とあります じた多様な支援を提供するため就学後も専門家の意見を聴取していきます。 が、子どもの発達は連続して区切れません。支援する側の連続性 また、幼、小、中、高等学校などで一貫した支援がなされるよう個別の教育支援 も担保して欲しいものです。 計画の普及と活用を推進していきます。 13 第4章 分野別施策 5 子ども 「特別支援教育研修会の開催」について どの教室にも複数人の支援を要する子どもが居ます。その現状か らすると、どの教員にも専門性が必要とならざるを得ない状況で す。どの教員にも必要であることを認識して機会を積極的に設ける ようにお願いします。 14 第4章 分野別施策 6 雇用・就労 教育委員会の法定雇用率について 法定雇用率の達成に向けて、平成27年度は、障がいのある非常勤職員を新たに 一昨年の1.48%から改善されたとはいえ、未だ1.6%です。不足分 8人採用する予定です。引き続き平成28年度以降においても、達成に向け努力し を教育現場で採用してください。障がい者に働きやすい職場は、健 ていきます。 常者にとっても働きやすい職場になります。 第4章 分野別施策 7 社会参加 「公職選挙における障がいのある人への配慮」について 記載されている事業内容に加えて、知的障がい者等で代理投票 が必要な人への支援について言及して下さい。現状では、知的障 がいの方が単独で投票所に行った場合は、代理投票の支援が受け られない状況があります。また公職選挙法の改正により、被後見人 に選挙権が復活したことで、相当重度の方も選挙権を行使できる状 況になりました。意思確認の仕組みも重度の方に合ったものを工夫 する必要があります。 15 現在、特別支援学級担任や通級指導教室担当者だけでなく、通常学級担任を含 む全ての教職員に向けて特別支援教育研修も実施しています。 今後も継続して校内研修を含む特別支援教育関係研修の充実を推進していきま す。 代理投票とは公職選挙法48条に「心身の故障その他の事由により自ら当該公職 の候補者の氏名を記載できない場合、投票管理者に申請し…」とあり自ら申出をし ない限り代理投票はできません。これらは、法により規定されており各選挙管理委 員会が裁量で行うことはできませんが、代理投票の申出があった場合、口頭以外 でも補助者が意思を確認できれば、代理投票をすることができます。 障がい福祉計画 障がい福祉サー ビス、相談支援 及び地域生活支 援事業の提供体 制の確保に係る 1 目標 計画では、福祉施設から地域生活に移行する方は、(H26~H29 年度)58人と、標準的な福祉施設1箇所に相当する人数であり、積 極的に感じる。しかしこの58人の内訳に、入所期間が2~3年に限 定されている市外入所施設からの退所者が含まれているとすれ ば、本来の地域移行とは別物ではないか。 市内にある入所施設の長期入所者が地域移行できなければ、重 度の待機者について入所は期待できない。また、58人の移行先が (1)福祉施設の 家庭復帰(在宅)だけでないとすれば、地域生活援助等の地域の居 入所者の地域生 住系サービスの定員を増加すべきである。 活への移行 障がい福祉サー ビス、相談支援 及び地域生活支 援事業の提供体 制の確保に係る 2 目標 計画の『見込み量確保のための方策』にもあるように、入所待機 者は減少せず、市外施設への入所者も多い。入所施設からの地域 移行は58人と見込まれているが、有期限型の入所施設からの地域 移行者も含まれることから、重度の入所待機者、とりわけ強度行動 障害の入所先がないのが現状である。加えて強度行動障害者に対 応している児童入所施設から地域移行を迫られている事例もある。 この課題については、自立支援協議会にも地域課題として提出さ (1)福祉施設の れているので、市内の入所支援施設で強度行動障害に対応できる 入所者の地域生 よう、人材面、設備面に配慮したモデル事業の創設等、実情(窮状) 活への移行 に対応した具体的な計画を作成していただきたい。 5 障害福祉計画の地域生活移行者数は、有期限の入所施設からの地域生活移行 者数を排除するものではなく、このため当該施設からの地域生活移行者が地域生 活で必要となるサービスも含め、必要量を定めています。 第4期計画の策定にあたっては、各障害者支援施設に照会を行い、その結果と して、市外施設からの移行者を30人、市内施設からの移行者を28人と見込んだも のです。 施設入所の待機者はH26.3.31現在で143人であり、地域生活移行により市内施 設の空定員が生じた部分は、この待機者が入所することを想定しております。 次期計画期間中に地域生活移行可能な58人の移行先についてですが、これに ついても各施設に照会を行っており、グループホームへの移行が適切な方は58人 のうち22人であったため、この22人分を、グループホームの必要量として算定して います。 前述のとおり、市内施設から地域生活移行する方の数を22人と見込んでおり、こ の方たちが地域生活へ移行することによる空定員部分については、入所の必要性 の高い入所待機者が入所することを想定しております。 強度行動障がいのある方については、多くの施設で受入れが可能となるよう体 制を構築していくことが重要であると考えており、現在自立支援協議会の地域生活 支援部会のプロジェクトで、行動に課題のある人に対応する人材の育成などにつ いて検討をしています。
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