参考資料3−2−1 千葉市保健医療計画 (素案) 概要版 平成 19 年 3 月 千 葉 市 第1編 総論 第 1 章 保健医療計画の策定にあたって ▼計画策定の趣旨 「千葉市保健医療計画(ちばヘルスプラン 21) 」は平成 13 年 3 月に策定され、本市ではこれ まで関係機関・団体と一体となって計画の推進を図り、施策を展開してきました。前回の計画 から 7 年が経過し、少子高齢化の急速な進展、生活習慣病の増加を中心とする疾病構造の変化、 医療技術の進歩による医療の専門・高度化や社会情勢の変化、健康危機管理への意識の高まり など、保健医療を取り巻く環境が大きく変化する中で、保健医療に関する新しい課題が現出し ています。 また、国民の健康づくり・疾病予防を積極的に推進することを目的とした健康増進法の施行 (平成 15 年) 、介護保険制度の「予防重視型システム」への転換(平成 17 年) 、さらに、医療 制度改革において、患者の視点に立った安全、安心で質の高い医療が受けられる体制の構築を 目指した新しい医療計画の策定、医療費適正化に向けた取組、超高齢社会を展望した医療保険 制度体系などが打ち出されています。 こうした状況を踏まえ、市民の多様化したニーズに的確に対応していくため、本市の保健医 療施策に関する基本的な指針として、新たな「千葉市保健医療計画」を策定することとしまし た。 計画の位置づけ 及び性格 計画の期間 ○ 「千葉市新総合ビジョン」に掲げている『安心して暮らせる健康福祉のま ちを創る』という将来像実現のための方向を、保健医療の面から総合的に推 進するための部門別計画 ○ 千葉県が医療法第 30 条の 4 に基づいて、千葉県保健医療計画の一部とし て策定する「千葉地域保健医療計画」(試案は、本市が千葉県から委託を受 けて、本計画と同時に作成)と内容を同じくするもの ○ 本市における保健医療施策に関する基本的な指針を示すもので、保健医療 関係機関・団体に対しては、施策推進の方向性を示し、また、市民に対して は、自主的、積極的な活動を誘引する役割を持つもの ○ 平成 20 年度を初年度とし、平成 24 年度を目標年度とする 5 か年 ▼計画の目標、方向性 千葉市新総合ビジョン 保健医療福祉分野 「安心して暮らせる健康福 祉のまちを創る」 千葉市保健医療計画 目標 「心身ともに健康で安全に暮らせるまちの実現」 基本的な方向性 ①良質な医療の提供体制の構築 ②生涯にわたる健康づくり及び保健医療施策 ③安全な生活環境の確保 ④保健医療従事者の資質の向上・確保 1 第 2 章 千葉市の保健医療の現状 ▼保健医療圏 千葉県には9圏域の二次保健医療圏が設定されており、本市は単独で千葉保健医療圏を構成していま す。 ▼千葉市の人口 ○ 平成 12 年には約 89 万人だった人口は、平成 17 年には約 92 万人となり、近年はゆるやかに増加し ています。 ○ 65 歳以上人口の割合は平成 12 年には 12.6%でしたが平成 17 年では 16.5%となり、平成 22 年には 20.6%になると見込まれています。本市でも高齢化が確実に進んでいます。 ○ また、本市の合計特殊出生率は、千葉県、全国よりも低い水準で推移してきました。平成 16 年は 1.22 で、千葉県と同水準ですが全国より低くなっています。 ▼死因別死亡率 本市の人口 10 万対主な死因別死亡率を千葉県及び全国と比較すると、悪性新生物の死亡率は 211.7 で千葉県・全国の 0.8∼0.9 倍であり、心疾患(高血圧除く)の死亡率は 93.2 で千葉県及び全国の 0.7 ∼0.8 倍、脳血管疾患の死亡率は 69.3 で千葉県及び全国の 0.7∼0.8 倍と、いずれの死亡率も低くなっ ています。 人口 10 万対主な死因別死亡率(全年齢)(平成 16 年) 千葉市 死因 悪性新生物 心疾患(高血圧性除く) 脳血管疾患 肺炎 不慮の事故 自殺 老衰 腎不全 糖尿病 肝疾患 率 211.7 93.2 69.3 54.0 21.0 19.5 11.4 8.6 8.5 8.1 千葉県 死因 悪性新生物 心疾患(高血圧性除く) 脳血管疾患 肺炎 不慮の事故 自殺 老衰 腎不全 肝疾患 糖尿病 率 224.5 115.3 87.3 61.6 24.6 20.6 17.5 11.2 9.3 8.9 全国 死因 悪性新生物 心疾患(高血圧性除く) 脳血管疾患 肺炎 不慮の事故 自殺 老衰 腎不全 肝疾患 慢性閉塞性肺疾患 率 253.9 126.5 102.3 75.7 30.3 24.0 19.1 15.2 12.6 10.7 *千葉市: 「千葉市統計資料平成 17 年度」千葉市、 「平成 16 年人口動態統計」厚生労働省 *千葉県・全国: 「平成 16 年人口動態統計」厚生労働省 平成 10 年と平成 16 年を比較すると、本市の悪性新生物の死亡率は、平成 10 年には 175.1 でしたが、 平成 16 年には 211.7 と、36.6 ポイント増加しています。 人口 10 万対主な死因別死亡率の推移(全年齢)(平成 16 年) 平成10年 死因 悪性新生物 心疾患(高血圧性除く) 脳血管疾患 肺炎 不慮の事故 自殺 老衰 肝疾患 糖尿病 その他の新生物 率 175.1 86.1 68.8 45.2 22.4 20.9 10.0 9.6 8.4 6.4 平成16年 死因 悪性新生物 心疾患(高血圧性除く) 脳血管疾患 肺炎 不慮の事故 自殺 老衰 腎不全 糖尿病 肝疾患 率 211.7 93.2 69.3 54.0 21.0 19.5 11.4 8.6 8.5 8.1 *千葉市: 「平成 10 年人口動態統計」 「平成 16 年人口動態統計」厚生労働省 2 ▼保健医療福祉施設等の状況 本市の人口 10 万対病院数は 5.2、診療所数は 69.0 で、いずれも千葉県(4.8、60.0)を上回っていま すが、全国(7.1、76.0)と比較すると低い水準となっています。人口 10 万対歯科診療所数は 57.2 と 千葉県(50.2) 、全国(52.1)と比較して高い水準にあります。病床数(1,018.7)については、千葉県 (931.6)よりは高い水準であるものの、全国(1,277.8)と比較すると低い水準です。 医療施設数及び病床数の地域比較 人口 (千人) 全国 127,687 千葉県 6,039 千葉市 918 札幌市 1,868 仙台市 1,026 さいたま市 1,065 横浜市 3,555 川崎市 1,306 名古屋市 2,202 京都市 1,464 大阪市 2,634 神戸市 1,520 広島市 1,144 北九州市 1,000 福岡市 1,391 病院数 病床数 10 万対 10 万対 9,077 7.1 1,631,553 1,277.8 291 4.8 56,258 931.6 48 5.2 9,352 1,018.7 219 11.7 38,942 2,084.7 62 6.0 12,718 1,239.6 37 3.5 6,957 653.2 141 4.0 27,962 786.6 44 3.4 10,416 797.5 141 6.4 26,507 1,203.8 112 7.7 24,124 1,647.8 200 7.6 34,626 1,314.6 107 7.0 19,011 1,250.7 89 7.8 14,962 1,307.9 91 9.1 19,342 1,934.2 121 8.7 22,240 1,598.8 診療所数 10 万対 97,051 76.0 3,626 60.0 633 69.0 1,214 65.0 817 79.6 711 66.8 2,603 73.2 861 65.9 1,869 84.9 1,666 113.8 3,315 125.9 1,547 101.8 1,165 101.8 1,018 101.8 1,301 93.5 歯科診療所数 10 万対 66,557 52.1 3,033 50.2 525 57.2 1,179 63.1 547 53.3 549 51.5 1,930 54.3 673 51.5 1,394 63.3 868 59.3 2,185 83.0 896 58.9 653 57.1 678 67.8 958 68.9 *「平成 16 年医療施設調査」厚生労働省 *「平成 16 年病院報告」厚生労働省 *「2005 年地域保健医療基礎統計」厚生労働省 ※政令指定都市は、平成 16 年現在のもの。 ▼保健医療従事者等の状況 人口 10 万対でみると、本市は、保健師と准看護師以外はすべて、千葉県及び全国よりも高い水準と なっています。 しかしながら、医師数は千葉県及び全国よりも高い水準ですが、医育機関付属の病院の勤務者が 70.5 人と多いのが特徴となっています。 医師 歯科医師 薬剤師 保健師 助産師 看護師 准看護師 医療従事者数(平成 16 年) 千葉市 千葉県 総数 人口10 万対 総数 人口10 万対 2,259 246.1 9,179 152.0 1,090 118.7 4,489 74.3 2,313 252.0 10,657 176.5 243 26.5 1,513 25.1 199 21.7 965 16.0 5,470 595.9 24,842 411.4 1,688 183.9 11,907 197.2 *医師・歯科医師・薬剤師:「平成 16 年医師・歯科医師・薬剤師調査」厚生労働省 *全国及び千葉県の保健師・助産師・看護師・准看護師:「平成 16 年衛生行政報告例」厚生労働省 *千葉市の保健師・助産師・看護師・准看護師:「保健福祉局事業概要平成 17 年度」千葉市 3 (人) 全国 総数 人口10 万対 270,371 211.7 95,197 74.6 241,369 189.0 39,195 30.7 25,257 19.8 760,221 595.4 385,960 302.3 第2編 各論 第 1 章 医療提供体制の充実強化 第 1 節 地域医療の機能分化・連携 1 医療機能充実 《プライマリ・ケアの推進》 《二次医療施設の整備》 2 地域医療連携の推進 3 医薬分業体制 4 災害・救急医療体制の整備 《救急医療体制》 《小児救急医療体制》 《周産期医療体制》 《災害時保健医療体制》 5 医療におけるIT化の推進 各種調査のデータ等に基づき、平 成 19 年度に検討・策定する予定で す。 第 2 節 各種医療対策の推進 1 がん対策 2 脳血管疾患対策 3 虚血性心疾患対策 4 糖尿病対策 5 医療安全 6 結核・感染症対策 7 エイズ対策 8 難病・原爆被爆者対策 9 精神保健・医療・福祉対策 10 リハビリテーション対策 11 在宅医療・終末期医療等 12 臓器移植 13 性差医療 14 薬事 4 第2章 生涯にわたる健康づくり及び保健医療施策 第1節 健康づくり 〔現状と課題〕 ライフスタイルの変化や人口の高齢化にともない、生活習慣病やうつなどの心の健康問題が増加 しています。本市では「新世紀ちば健康プラン(平成 14 年 12 月策定) 」に基づいて市民の健康づ くり運動を推進していますが、本プランの認知度は決して高くなく、市民への周知と健康づくりの 意識啓発をさらに進めることが必要です。 市では健康づくりに関する情報を市政だよりやホームページ等を通じて提供していますが、今後 も受け手の特性を考慮した効果的な情報提供方法を工夫する必要があります。 新世紀ちば健康プラン推進協議会(市民の主体的な健康づくりを推進するため、関係機関・団体、 市民活動団体等で組織) 、新世紀ちば健康プラン推進本部(健康づくり推進のための行政内の組織 横断的な組織)がさらに連携を強めながら、健康づくりを全市的にいかに進めていくかが重要課題 です。また、民間健康増進施設は健康づくり資源として重要であり、今後どのように協力・連携し ていけるかが課題となっています。 〔基本的方針〕 ○ 生活習慣改善などによる「一次予防」に重点を置いた対策の推進 ○ 健康に関するさまざまな関係機関との連携強化による全市的な健康づくり ○ 健康づくりに取り組むための環境整備の推進 〔具体的施策〕 (1)新世紀ちば健康プランの推進 (5)食育の推進 (2)根拠に基づく保健事業の実施 (6)地域における健康づくり基盤の整備 (3)健康づくりに関する普及啓発の推進 (7)健康増進施設との連携 (4)インターネットを活用した健康づくり情 報の提供 第2節 1 保健サービスの充実 母子保健対策 〔現状と課題〕 少子化が進んでおり、安心して子どもを生み育てることができる社会の構築が大きな課題となっ ています。また、幼年期からの生活習慣の乱れ、児童虐待、思春期における健康課題など、母子保 健や子育てにおける新たな課題が深刻化しており、相談や支援の体制強化が必要です。不妊に悩む 夫婦に対する相談体制の整備なども課題となっています。 〔基本的方針〕 ○ 安心して妊娠・出産に取り組める環境づくり ○ 子どもが安全に健やかに育つための地域づくり、子育ての支援体制の整備 ○ 次世代を担う思春期の子どもたちの豊かな育ち合い ○ 関係機関・団体のネットワーク強化 〔具体的施策〕 (1)妊産婦・新生児訪問指導の充実 (6)地域における子育て支援の推進 (2)乳幼児健康診査体制の充実 (7)児童虐待の予防・早期発見の強化 (3)相談・指導体制の強化 (8)食育の推進 (4)不妊治療・相談体制の充実 (9)思春期保健対策の推進 (5)育児サークルの育成・支援 2 成人・高齢者保健対策 (国の動向をみながら今後検討します。 ) 5 3 歯科保健対策 〔現状と課題〕 本市でも8020運動を進めていますが、その実現には乳幼児から学齢期のむし歯の減少、成人 期・高齢期の歯周炎の減少など、ライフステージに応じた総合的な取り組みが必要です。口腔の健 康の重要性を市民に周知し、さらに普及啓発を推進することが課題となっています。また、ねたき り高齢者や障害者(児)の歯科診療体制の一層の充実が必要です。 〔基本的方針〕 ○ 8020達成を目指した各ライフステージに応じた歯科保健医療体制の充実 ○ 口腔の健康から全身の健康づくりを目指した意識啓発 ○ 高齢者の口腔機能の向上 〔具体的施策〕 (1)母子歯科保健の充実 (4)ねたきり高齢者・心身障害者(児)の歯科 ①歯科健康診査の充実 保健医療の提供 ②健康教育や保健指導の充実 (5)総合的な歯科保健医療対策の充実・強化 (2)学校歯科保健の充実 (3)成人・高齢者歯科保健の充実 ①健康教育・相談の充実 ②歯周疾患検診の実施 ③高齢者の口腔ケア 4 学校保健対策 〔現状と課題〕 定期健康診断等により疾病の早期発見とその後の管理指導には大きな成果を上げてきましたが、 児童生徒をめぐる心身の健康問題は、喫煙、飲酒、薬物乱用、生活習慣や食習慣の乱れ、いじめや 自殺などますます複雑化・深刻化しています。健康教育においては、自分自身の問題として捉え学 ぶことができるよう、より効果的な指導方法の工夫改善と授業時間の確保が求められています。 また「専門相談医制度」 「歯医者さんの喫煙防止教室」などを試行的に実施していますが、これ らの事業の確立と内容の充実、地域関係機関との連携の拡充等、児童生徒の健康問題解決に向けた 取り組みが必要となっています。 〔基本的方針〕 ○ 健康教育の推進を通じた自分で健康管理ができる能力や態度の育成 ○ 保健管理体制の充実 ○ 学校・家庭・地域との連携強化 〔具体的施策〕 (1)健康教育の推進 (2)保健管理の充実 ①保健教育の充実 ①健康管理の充実 ②安全教育の充実 ②環境衛生管理の充実 ③食に関する指導の充実 (3)学校・家庭・地域との連携の推進 ④健康教育研究校の指定 ①学校保健委員会の充実 ⑤教職員の研修の充実 ②地域関係機関との連携の拡充 6 5 職域保健対策 〔現状と課題〕 従業員の健康づくりや疾病予防対策のために市や保健所、保健福祉センター等からの支援を期待 する事業者に対し、効果的な連携や支援方策のあり方を検討する必要があります。また、職域保健 と地域保健とが、情報共有や資源の相互利用によって一貫した健康づくりの取り組みを推進するこ とが重要となっており、双方の連携事業の企画・実施などをいかに進めていくかが課題です。 〔基本的方針〕 ○ 民間事業所における健康づくりに関する相談・指導の充実 ○ 地域保健と職域保健の連携の推進 〔具体的施策〕 (1)民間事業所に対する情報提供・普及啓発 (3)特定健康診査、特定保健指導の実施 (2)地域保健と職域保健の連携 第3章 安全な生活環境の確保 第1節 健康危機管理 〔現状と課題〕 大規模な食中毒や感染症の発生、飲料水汚染、毒物・劇物、NBCテロなどさまざまな健康危機 事案に対し、平常時から備えておく必要があります。保健所及び環境保健研究所を中心とした健康 危機管理推進体制の強化、健康危機情報の収集整理、関係機関との連携の充実などが重要な課題で す。 〔基本的方針〕 ○ 健康危機発生の未然の防止 ○ 健康危機発生時の円滑な対応のための関係機関との連携強化 〔具体的施策〕 (1)保健所・環境保健研究所の機能強化 (4)新型インフルエンザ対策 (2)健康危機情報収集・分析・提供 (5)緊急事態における連携 (3)関係機関への普及啓発と連携体制 第2節 感染症予防対策 〔現状と課題〕 新興感染症ばかりでなく再興感染症も脅威となっています。環境保健研究所に設置されている千 葉市感染症情報センターでは各種感染症の発生とその流行を把握・分析し、情報提供・公開を行っ ており、今後も引き続きサーベイランスを強化していくことが必要です。また、ペットは動物由来 感染症の原因にもなり得るため、適正飼養の普及啓発が重要です。 〔基本的方針〕 ○ 感染症発生の早期察知及び拡大防止 ○ 感染症に関する知識の普及と発生の予防 〔具体的施策〕 (1)感染症情報収集・分析及び提供 (3)動物由来感染症対策強化 (2)感染症についての普及啓発 7 第3節 食品衛生 〔現状と課題〕 本市における食中毒は毎年度約 4.4 件(過去5年間平均)発生しています。近年はノロウイルス による食中毒が増加傾向にあり、発生予防対策が求められています。食品の安全性確保には食品営 業者の自主管理が重要であり、今後も一層の推進が必要です。また、食品衛生の監視・指導は市の 責務であり、食品衛生監視員の資質向上、監視指導及び検査体制の充実を図ることが大切です。 〔基本的方針〕 ○ 食品の安全性確保に関する体制の強化 ○ 食品等事業者の自主的な衛生管理の推進 ○ 市民の食品の安全性確保に関する普及啓発 〔具体的施策〕 (1)監視指導の強化 (4)食品等の試験検査体制の充実 (2)市民、食品等事業者との情報及び意見の交換(リ (5)食品衛生監視員の研修の充実 スクコミュニケーションの推進) (3)食品等事業者に対する自主的な衛生管理の推進 第4節 生活衛生 〔現状と課題〕 市では、生活衛生関係施設に対する衛生管理の監視・指導を強化するほか、それぞれの施設が自 主管理体制を確立できるよう支援を行っています。今後も各施設が衛生水準の維持向上を図り、自 主管理を推進していくことが重要です。また、科学的監視の実現のため、環境衛生監視員のさらな る資質の向上、監視指導の充実が必要です。 また、飲用水の衛生管理の徹底、シックハウス症候群や有害物質による健康被害に的確に応えて いくことも重要です。 〔基本的方針〕 ○ 生活環境に関する衛生管理指導の強化 ○ 良好な生活環境づくりに関する普及啓発 〔具体的施策〕 (1)生活衛生関係施設に対する監視指導 (4)住居衛生の充実 (2)生活衛生関係施設の自主管理の推進 (5)環境衛生監視員の研修の充実 (3)飲用水の衛生管理の向上 8 第4章 保健・医療従事者の確保、資質の向上 第1節 医師 〔現状と課題〕 人口 10 万対医療施設従事医師数は、千葉県、全国を上回ります。診療科別に見ると呼吸器科、 消化器科、循環器科、小児科、精神科、外科、産科は全国、千葉県より多く、産婦人科は全国、千 葉県より少なくなっています。 医療施設に従事している医師には、医療の高度化や医療ニーズの多様化に対応できるよう、研修 の充実が求められています。 また、本市の保健福祉行政においては、保健所、保健福祉センターの機能や業務内容の拡充にあ わせ、医師の確保が必要となります。 〔具体的施策〕 (1)卒後医師臨床研修の充実 (3)保健所等における医師の確保 (2)資質の向上 第2節 歯科医師 〔現状と課題〕 人口 10 万対医療施設従事歯科医師数は、千葉県、全国を大きく上回っています。 歯科医療技術は高度化・専門化しており、また、生涯にわたる歯の健康づくりの推進、要介護高 齢者や心身障害者(児)に対する歯科医療などに対応できるよう、歯科医師の資質の向上が求めら れています。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 第3節 薬剤師 〔現状と課題〕 人口 10 万対薬局・医療施設従事薬剤師数は、千葉県、全国を上回っています。しかし、薬学部 6 年制移行に伴い平成 22 年度から 2 年間は新卒の薬剤師がいないため、薬剤師不足が懸念されま す。 医薬分業の進展にともない薬局薬剤師の需要は一層増加するものと予測され、また今後は、患者 の薬歴管理、服薬指導等の充実に対応できるよう資質の向上が求められています。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 9 第4節 看護職員(保健師・助産師・看護師・准看護師) 〔現状と課題〕 <保健師> 人口 10 万対保健師数は千葉県を若干超えるものの、全国を下回っています。今後も「新世紀ち ば健康プラン」の取り組みを推進し市民の健康レベル全体を上げていくうえでは、保健師の役割は 非常に重要です。保健所、保健福祉センターの機能強化にあわせ、保健師のさらなる資質の向上が 必要となります。 <助産師> 人口 10 万対助産師数は、千葉県、全国を上回っています。産前・出産・産じょくの各時期のケ アに関り、子育て支援の点でも大切な役割を担っているため、その資質の向上を図っていくことが 重要です。 <看護師・准看護師> 人口 10 万対看護師数は千葉県を上回り全国とほぼ同等、准看護師数は千葉県及び全国を下回っ ています。約 30%の医療機関が看護師の不足感を示しており、安定的な看護体制を維持していく うえで必要な数の看護師を確保していくことが必要です。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 (2)看護師の確保 ①保健師 ①看護業務の重要性の周知、若年層へ ②助産師 の啓発 ③看護師・准看護師 ②看護師等修学資金の貸与 ③看護専門学校への支援 第5節 管理栄養士・栄養士 〔現状と課題〕 本市内の医療機関で就業する管理栄養士・栄養士は、人口 10 万対で千葉県より若干多くなって いますが全国を下回ります。医療においては、生活習慣病の増加などに伴い「食」を通して健康の 保持回復が重要となっています。 さらに、市民の健康づくりや食育の推進の必要性が増すとともに、介護予防における低栄養予防 の指導が求められており、今後も管理栄養士・栄養士の資質の向上が必要です。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 第6節 歯科衛生士 〔現状と課題〕 本市内の歯科医療機関で就業する歯科衛生士は、人口 10 万対で千葉県を上回り、全国と同等の 水準となっています。歯科医療の高度化、高齢社会における口腔の健康づくりからの全身の健康づ くりの重要性が高まっており、歯科衛生士の資質の向上が必要となっています。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 第7節 その他の保健医療従事者 〔現状と課題〕 医療の高度化、保健・医療・福祉の連携が求められる中、保健医療従事者(理学療法士、作業療 法士、歯科技工士、臨床検査技師等)のさらなる資質の向上が重要となっています。 〔具体的施策〕 (1)資質の向上 10 第5章 保健・医療・福祉の連携 第1節 保健・医療・福祉の連携の推進 〔現状と課題〕 保健・医療・福祉は、市民生活に密接に関わっており、それぞれの機能を考慮しながら連携 を強め、市民を中心に各分野が垣根を超えて連携したサービスを提供することが重要となって います。本市では保健福祉センターを各区に設置することとし、保健と福祉の連携体制の強化 に着手しているところです。また、平成 18 年より保健と医療が連携した介護予防事業が始ま りました。今後も、保健・医療・福祉の連携を強化しサービスの充実を図る必要があります 〔基本的方針〕 ○ 保健と医療の連携による疾病予防や介護予防の推進 ○ 保健と福祉の連携強化 〔具体的施策〕 (1)母子保健医療福祉連携 (3)障害者保健医療福祉連携 (2)高齢者保健医療福祉連携 第2節 1 保健・医療・福祉連携施設の整備 保健所・環境保健研究所 〔現状と課題〕 保健所は、今後も保健衛生行政において高度で専門的な役割を担う必要があり、また保健医療を めぐる課題は重層的で複雑化しているため、関係機関との連携体制の充実に今後も努める必要があ ります。 環境保健研究所は、地域保健と環境保全に関する試験、検査、分析、及び調査研究を実施してお り、今後も引き続き機器の整備等による機能の強化を図ること、それを支える人材の育成などが必 要です。 また、保健所と環境保健研究所は健康危機管理において中核的機能を果たすことが期待され、健 康危機事案の発生に常に備えておく必要があります。 〔基本的方針〕 保健所 ○ 保健医療に関して専門的立場から技術的支援を行う拠点としてのさらなる機能強化 ○ 健康危機管理の拠点としての機能強化 環境保健研究所 ○ 地域保健と環境保全に関する試験検査機能等の充実 ○ 健康危機管理の科学的・技術的中核としての機能強化 〔具体的施策〕 保健所 (1)公衆衛生専門機関としての機能強化 (3)保健福祉センター・保健センターにおける (2)健康危機管理機能の強化 保健活動に対する専門的・技術的支援 (4)保健・医療の連携強化 環境保健研究所 (1)試験検査及び調査研究機能の拡充 (3)職員の確保・研修と新たな課題への対応 (2)情報の収集、解析及び活用の推進 (4)健康危機管理機能の強化 11 2 保健福祉センターの整備 〔現状と課題〕 市民の保健福祉ニーズに的確に応え、きめ細かな対応を進めるためには、市民がなるべく身近な 場で情報を得たり相談をしたり、サービスを利用することができる体制を整備していく必要があり ます。各区における保健福祉サービスを総合的・一体的に行う拠点施設として保健福祉センターを 整備中で、平成 19 年度現在、中央区、若葉区、緑区、美浜区の 4 区での施設整備が完了しました。 今後は、残る 2 区の施設整備を確実に行う必要があります。 〔基本的方針〕 ○ 花見川区及び稲毛区の保健福祉センターの整備 ○ サービスを総合的・一体的に提供するための保健福祉センター内各課の円滑な連携 〔具体的施策〕 (1)保健福祉センターの整備 (3)身近な場所でのサービス提供 (2)連絡・調整機能の強化 (4)職員の確保と資質の向上 3 こころの健康センターの再整備 〔現状と課題〕 こころの健康センターは地域精神保健福祉活動の推進の中核施設ですが、自殺や引きこもりなど 複雑化するこころの健康に関する課題への新たな対応が求められています。また、建物の老朽化が 進む一方、設備等が不十分で利便性も悪くなっているのが実情です。 〔基本的方針〕 ○ こころの健康センターの機能強化のための再整備 ○ 精神障害者の自立と積極的な社会参加の推進 ○ 市民のこころの健康保持増進に関する事業の拡充 〔具体的施策〕 (1)施設の改築整備 (2)こころの健康に関する事業の拡充 ①専門的かつ複雑困難な精神保健福祉相談の充実 ②市民のこころの健康の保持増進に関する事業の充実 12
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