仕 様 書 1.件名 平成27年度石油製品需給適正化調査(石油ガス流通・販売業経営実態調査) 2.調査目的 石油ガス(以下「LPガス」という。)は全国の消費世帯数の半数近くで使用される国 民生活を支える重要なエネルギーである。しかしながら、LPガスの安定供給を末端で支 えている販売事業者の多くは小規模事業者であり、経営の合理化、近代化を推進する必要 がある。 昨年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、LPガスの料金透明化のため の国の小売価格調査・情報提供や事業者の供給構造の改善を通じてコストを抑制すること を求められている。他方、平成29年度を目途として実施が予定されている都市ガス事業 等の自由化に向けた法改正が進むとともに、自由化後、多様な供給者から一般消費者が適 切な選択ができるようにするために必要な情報提供のあり方について検討が進んでいると ころ、消費者がエネルギーの垣根を越えて適切な事業者を選択するために必要な情報の提 供のあり方についてはLPガス事業についても再検討を進めていく必要がある。 そうした中で、LPガス産業の流通の実態を調査するとともに、そのコスト構造に関す る情報を整理することは、今後のエネルギー政策を検討する上で重要である。 以上のような背景を踏まえ、今年度の調査では、①LPガス販売事業者における経営の 合理化、近代化を図り、LPガスの低廉で安定的な供給に資する情報を把握するため、L Pガス販売事業者の経営実態を把握するとともに、 ②LPガス流通価格の実態調査を行い、 透明の確保や消費者への情報提供のあり方について調査する、また、③LPガスの災害時 の有用性に鑑み、病院、学校、自治体施設等の災害にその機能を維持する必要のある施設 における燃料備蓄の状況等も調査することで、LPガス業界の取引の適正化を図るととも に、料金構造の改善や、消費者への情報提供のあり方、災害時等における活用方法につい て検討するための基礎資料とする。 3.調査内容 (1)LPガス販売事業者の経営実態調査 LPガス販売事業者の売上高、売上原価等の経営状況と諸問題等の状況を把握するた め、アンケート調査を実施し、経営状況等を分析し、結果を取りまとめる。 ①LPガス販売事業者向けアンケート (ア)調査対象事業者数 調査対象は、全国のLPガス販売事業者(小売販売事業者)のうち、10,00 0事業者とし、調査票の回収率は4割以上を目標とする。 調査対象は、地域・事業規模で偏りが無いように配慮する。 (イ)アンケート項目 (1)経営環境調査 ・資本金、従業員数、組織形態、中小企業比率等 ・兼業の有無 ・小売販売状況(数量、得意先数、配送形態等) ・仕入状況(数量、価格等) ・コスト内訳 ・収支決算状況(会社全体、LPガス部門) -1- ・集中監視システムの導入世帯の割合・件数、今後の導入に向けた課題 ・将来における展望(販売事業の継続意向、事業多角化意向等) (2)小売価格に関する調査 ・小売販売状況(価格、料金表の種類等) ・料金体系(従量単価料金・最低責任使用量付区画別料金・二部制・三部制等の 採用状況、原料費調整制度採用の有無・期間等、需要促進料金、競合エネルギ ー対応価格表採用の有無、等) ・小売価格(基本料金、従量単価、価格構造開示意向等、価格構造を開示しない 場合はその理由を尋ね、取りまとめる) ・請求、集金(請求方法、集金状況等) ・小売価格決定根拠(仕入先の指導・市場の動向等)、改訂方法(仕入価格変動 市場追従等) ・小売価格の低廉化について(低廉化に向けた取組の状況、低廉化に向けた取組 を実施する上での課題等) ・エネルギー間競合時代の小売価格(あり方、意向等) (ウ)アンケート調査の具体的な業務内容 ・調査票を設計する。具体的な質問項目は、上記(イ)を踏まえ、外部有識者(学 識経験者、業界関係者、消費者等)による委員会(以下「委員会」という。) において論議した上で決定する。(委員会の詳細は4.に記載) ・調査対象のLPガス販売事業者、10,000事業者へ調査票を送付して回収 する。 ・回収した調査票は、集計、分析を行う。集計結果は地域別のほか都道府県別に も示す。また、アンケート結果の単純集計のみでなく複数項目に係るクロス集 計等についても実施する。 ②経営改善に資する方策等の検討について 上記のアンケート調査の分析結果及びこれまでの「石油製品需給適正化調査(石油 ガス・流通販売業経営実態調査)報告書」から、経営の課題や問題点を抽出する。 (2)LPガス充填所に関する調査 地域におけるLPガス供給の拠点である充填所事業者の経営実態を解明するととも に、その取引の実態・コスト構造について調査する。 また、石油の備蓄の確保等に関する法律に基づく災害時石油ガス供給連携計画を見 直して行く中で、 中核充填所を始めとした地域における充填所の防災体制等を調査し、 今後の地域における防災体制の構築に向けた検討を進める。 ①LPガス販売事業者向け小売価格に関するアンケート (ア)調査対象事業者 調査対象は、全国のLPガス充てん事業者のうち、200事業者とし、調査 票の回答率は4割以上を目標とする。 (イ)アンケート項目 ・充填事業の実態(組織形態、中小企業の割合、小売事業との兼業状況、 充填コスト等) ・充填所の敷地面積、設備状況(タンク容量、充填装置の台数、月別充てん量、 LPガス自動車の配備状況等) ・将来における展望(今後の経営上の課題等) -2- ・災害対応体制の状況(非常用発電機等災害対応設備の有無、BCPの策定状況等) (ウ)アンケート調査の具体的な業務内容 ・調査票を設計する。具体的な質問項目は、上記(イ)を踏まえ、さらに家庭用、 業務用を区分し、委員会において論議した上で決定する。 (エ)留意事項 (1)①LPガス販売事業者向け調査票と一体化し、1冊にまとめる形で作成す る。 (3)需要家側における燃料備蓄に関するアンケート (ア)調査対象は、学校、病院、介護事業者、自治体のうち、5,000事業者とし、 調査票の回収率は4割以上を目標とする。 対象は、地域・対象が偏らないように配慮する。 (イ)アンケート項目 ・災害時において活用を予定しているエネルギー、備蓄燃料の種類、 ・非常用発電機の有無(使用燃料の種類)、備蓄燃料の日数、災害時の活用方法、 避難所としての収容人数(入居者数)等 (ウ)アンケート調査の具体的な業務内容 調査票を設計する。具体的な質問項目は、上記(イ)を踏まえ、さらに家庭用、 業務用を区分し、委員会において論議した上で決定する。 (エ)留意事項 (1)①LPガス販売事業者向け調査票と一体化し、1冊にまとめる形で作成す る。 (4)アンケート送付先に対するヒアリング調査 販売情報の積極的な提供・料金の透明化に向けた取組を実施している事業者やLPガ ス供給網を活用した新サービス、BCPの策定等の防災対策に関する特色ある取組を実 施している事業者を抽出し、実施した背景、取組についての考え方、実施策の結果等に ついて30事業者程度からヒアリングを実施し、取りまとめる。 また、需要家側に対しても、災害時の備えに特色のある者に対して、その実施した背 景や実施に向けた課題等に対してヒアリングを実施して、取りまとめる。 (5)報告書の取りまとめ LPガス販売事業者及び充填事業者の経営の課題や問題点を抽出し、経営改善に資す る方策等について、委員会で検討し結果を取りまとめるとともに、需要家側への燃料備 蓄の現状や課題について、施設種別毎に抽出し、同様に委員会で検討し結果を取りまと める。 また、調査結果の積極的な活用を促すための方策について、委員会等を通じて意見・ 要望を把握し、その内容を報告書作成に反映させる。 4.委員会の開催 外部有識者(学識経験者、業界関係者、消費者等)による委員会を2回程度開催し、 アンケート調査項目並びに各調査から得られた分析内容を基に今後の課題・問題点の抽 出及び経営改善に資する方策について議論等を行う。 なお、委員は、15名程度とする。(委員メンバーについては、提案することとし、 -3- 委員決定の際は、資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課と協議すること。) 5.調査実施期間 委託契約締結日から平成28年2月29日まで 6.納入物及び納入先 (1)納入物 ○調査報告書電子媒体(CD-R) 1枚 ・調査報告書及び調査報告書から重要データ等を抜粋しパワーポイント20枚以内に まとめた概要資料(以下「報告書」という)、委託調査報告書公表用書誌情報(様 式1※1)、二次利用未承諾リスト(様式2※2)を納入すること。 ・報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式のファイルも納入すること。 なお様式1及び様式2はExcel形式とする。 ○調査報告書電子媒体(CD-R)2枚(公表用) ・報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を一つのPDFファイル(透明テキ スト付)に統合したものを納入すること。 ・セキュリティ等の観点から、資源エネルギー庁と協議の上、非公開とするべき部分 については、マスキングを実施するなどの適切な処置を講ずること。 ・報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを前 提とし、資源エネルギー庁以外の第三者の知的財産権が関与する内容を報告書に盛 り込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告書内に出典を明記し、 ③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。二次利用の了承を得ることが困難 な場合等は、下記の様式2に当該箇所を記述し、提出すること。 注:調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウンロード は、下記 URL から行うこと。 http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html ※1委託調査報告書公表用書誌情報(様式1) 本事業の報告書のオープンデータとしての公表に際し、データとしての検索性を高め るため、当該データの属性情報に関するデータを作成すること。 ※2二次利用未承諾リスト(様式2) 二次利用の了承を得ることが困難な場合又は了承を得ることが報告書の内容に大きな 悪影響を与える場合は、報告書の当該箇所に出典等を明示し、知的財産権の所在を明 らかにした上で、当該データを様式2に記載すること(知的財産権の所在が不明なも のも含む)。 ※3機械判読可能な形式 コンピュータプログラムがデータ構造を識別し、データを処理(加工、編集等)でき ること。例えば HTML,txt,csv,xhtml,epub,gml,kml,png 等のほか、 Word,Excel,Powerpoint 等のデータが該当する(スキャンデータのようなものは該当 しない)。 (2)納入先 資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課(別館4階409号室) 7.その他 ・本委託事業の実施に当たっては情報の漏えい防止が重要であるため、受託者は情報 保護に関する取扱規程を設ける等適切な管理を行うこと。 -4-
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