資料 6-1

資料 6-1
地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館の積立金の
次期中期目標期間の業務財源への充当について
地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館(以下「法人」)の、第1期中期目標期間の
最終事業年度である平成 25 年度の損益計算の結果生じた積立金については、設立団体の長
である佐賀県知事の承認を受けた金額を、第2期中期目標期間における業務(第2期中期計
画で定めたもの)の財源とすることが可能である(なお、承認を得た額を控除した後の残額
については、設立団体である佐賀県に納付することとされている)。
なお、知事が承認を行う際には、あらかじめ評価委員会の意見を聴くこととされている。
【法人の利益積立金処分案】(H26.7.18 第2回評価委員会席上で説明)
第1期中期目標期間終了時点の利益積立金 3,881,826,312 円については、評価委員会の意
見及び知事の承認を得た上で、その全額を、長期借入金の償還財源に充てることとしたい。
(1)利益積立金を、次期中期目標期間の業務財源へ充当することの妥当性について
○
先述のとおり、法人の第1期中期目標期間における利益積立金については、評価委員会
の意見及び知事の承認を得た金額を、第2期中期計画で定めた業務の財源に充当すること
が可能である旨、地方独立行政法人法第 40 条第4項において定められている。
○
ここで、知事の承認を受ける金額の例示として、①法人の自己収入から生じた剰余金、
②経営努力により生じた剰余金、③実施できなかった業務を時期の中期目標期間に繰り越
す場合の相当額、が示されている(地方独立行政法人法逐条解説)。
○
また上記②に関連して、「経営努力」の具体的な考え方が「地方独立行政法人会計基準
注解」において総務省より提示されており、それによると、中期計画(年度計画)の記載
内容に照らして、行うべき業務を効率的に行ったことによって費用が減少し、その結果、
生じた利益は経営努力によるものとする、とされている。
○
先に審議いただいた法人の「第1期中期目標期間における業務の実績に関する評価結果
(案)」において、全評価項目 24 項目のうち、「A+(中期計画を大幅に上回って実施し
ている)」と評価されたものが5項目、「A(中期計画を十分に実施している)」と評価さ
れたものが 18 項目であったことから、法人は第1期中期目標期間において中期計画に定
められた行うべき業務を効率的に行ったものと評価できる。
○
したがって、法人の第1期中期目標期間における利益積立金は、②経営努力により生じ
た剰余金であると判断し、利益積立金の全額を、次期中期目標期間の業務財源へ充当する
ことを承認することは差し支えないと考える。
(2)知事の承認を得た額を、長期借入金の償還財源に充てることの妥当性について
○
法人の第2期中期計画においては、「第6 剰余金の使途」の項目において、決算にお
いて生じた剰余金について、「病院施設の整備、医療機器の購入、人材育成及び能力開発
の充実、看護学生等への奨学金等に充てる」とされており、固定資産の取得及びそれ以外
の使途に充てることが規定されている。
○ ところで、同じく「地方独立行政法人会計基準注解」において、公営企業型地方独立行
政法人が固定資産を取得した場合において、公営企業型地方独立行政法人の財産的基礎を
構成すると認められる場合には、相当額を資本剰余金として計上する、とされている。
また、上記の具体例のひとつとして、中期計画に定める「剰余金の使途」としての固定
資産の取得、又は固定資産の取得に充てた長期借入金(移行前地方債償還債務を含む。)
の返済が示されていることから、剰余金の使途として、固定資産取得のための長期借入金
の返済が当然に想定されているものと考える。
○
したがって、利益積立金を長期借入金の償還財源に充てることは問題ないものと考える。
【事務局の意見】
第1期中期目標期間終了時点の利益積立金 3,881,826,312 円について、その全額を、長期
借入金の償還財源に充てることを、承認したい。
【参考】
○ 地方独立行政法人法(抄)
(利益及び損失の処理等)
第四十条 地方独立行政法人は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、毎事
業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立
金として整理しなければならない。ただし、第三項の規定により同項の使途に充て
る場合は、この限りではない。
(中略)
4 地方独立行政法人は、中期目標の期間の最後の事業年度に係る第一項又は第二項の規
定による整理を行った後、第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する
金額のうち設立団体の長の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の
期間に係る認可中期計画の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における業務
の財源に充てることができる。
5 設立団体の長は、前二項の規定による承認をしようとするときは、あらかじめ、評価
委員会の意見を聴かなければならない。
6 地方独立行政法人は、第四項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定に
よる承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を設立団体に納
付しなければならない。
(後略)
○ 地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館第2期中期計画(抄)
第8 その他地方独立行政法人佐賀県医療センター好生館の業務運営並びに財務及び会計
に関する規則(平成 22 年佐賀県規則第 5 号)で定める業務運営に関する事項
(中略)
4 積立金の処分に関する計画
前中期目標期間繰越積立金については、病院施設の整備、医療機器の購入、人材育成及
び能力開発の充実、看護学生等への奨学金等に充てる。
○
・
地方独立行政法人会計基準及び地方独立行政法人会計基準注解(抄)
第 72 法第 40 条第3項による承認の額
<参考> 経営努力認定の考え方について
4 具体的には、以下の考え方によるものとする。
(中略)
(2) 費用が減少したことによって生じた利益であって、当該利益が地方独立行政法人の
経営努力によるものであること(中期計画等の記載内容に照らして本来行うべき業務
を行わなかったために費用が減少したと認められる場合を除く。)
・ 第 19 資本金等
<注 15 > 資本剰余金を計上する場合について
1 公営企業型地方独立行政法人が固定資産を取得した場合において、取得原資拠出者の意
図や取得資産の内容等を勘案し、公営企業型地方独立行政法人の財産的基礎を構成すると
認められる場合には、相当額を資本剰余金として計上する。
2 具体的には、以下のような場合が想定される。
(中略)
(5) 中期計画に定める「剰余金の使途」として固定資産を取得し、又は固定資産の取得
に充てた長期借入金(移行前地方債償還債務を含む。)を返済した場合