用語解説・添付資料

7.問い合わせ先:
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 教授
東京大学大学院工学系研究科 電気系工学専攻 教授(委嘱)
齋藤 宏文
E-mail: [email protected]
Tel: 050-3362-2657
8.用語解説:
(注1)直交振幅変調
振幅位相変調方式の 1 種であり、直交する 2 つ搬送波それぞれの振幅に変調を加え、合
成する方式。
(注2)シンボル
情報を伝送する単位。シンボルには複数の状態を設定でき、それを識別して情報を伝送
する。16 個の状態を設定すると 1 シンボルで 4 ビット伝送でき、64 個の状態を設定すると
1 シンボルで 6 ビット伝送できる。より多くの状態を設定することで、与えられた周波数
領域で多くの情報ビットを伝送できる。
(注3)ターボ符号
送信時に冗長なデータを付加することで、雑音によって誤りが発生しても受信時に訂正
できるようにする「誤り訂正符号」の 1 種である。ターボ符号は自動車のターボチャージ
ャのように繰り返し処理することで、少ない冗長データでも効率的に誤りを訂正できる方
式。スマートフォンの Long Term Evolution(LTE)や深宇宙通信でも使用されている。
(注4)中利得アンテナ
電波を放射するアンテナには、電波を狭い範囲に集中して放射する大型の高利得アンテ
ナと、広い範囲に放射する小型の低利得アンテナがある。中利得アンテナは、その中間的
な特性を持つ。
(注5)振幅位相変調
情報を伝送するために、搬送波の振幅と位相の両方に変調を加える方式。
(注6)合成開口レーダ
衛星や航空機からマイクロ波を放射してその反射波を計測することで画像を得るレーダ
の 1 種。マイクロ波レーダは悪天候時や夜間にも撮像できる利点があるが、マイクロ波は
可視光よりも波長が長いため、高い地上分解能を得るためには非常に大きなアンテナが必
要である。衛星や航空機が飛行する移動距離にわたる反射波を記録して、データ処理を行
うことで、等価的に移動距離のサイズのアンテナ受信と同程度の分解能を得るもの。
9.添付資料:
図 1: 超小型衛星「ほどよし 4 号」に搭載した高速送信機の外観。重量は 1.3 kg、大きさは幅
12 cm、奥行 12 cm、高さ 7 cm。
図 2: JAXA 宇宙科学研究所で受信した「ほどよし 4 号」からの信号(青い点群)を振幅と位
相の座標平面で表した図。赤の十字はシンボルの正しい位置を示し、16 個それぞれが 4 ビッ
トを表す。
図 3: 超小型衛星「ほどよし 4 号」に搭載した小型の中利得アンテナ
図 4: 衛星からの信号を受信した JAXA 宇宙科学研究所の 3.8 m アンテナ