健康3 第6期板橋区介護保険事業計画について

健康福祉委員会資料
平 成 27 年 2 月 17 日
健康生きがい部介護保険課
第6期板橋区介護保険事業計画について
1
計画策定の背景
板橋区の高齢化率は、平成 26 年 10 月の時点で 22.4%に至っており、75 歳以上の後期
高齢者については、高齢者人口の 46.7%を占めている。今後も高齢化は進み、団塊の世
代が後期高齢者となる平成 37 年(2025 年)には、後期高齢者の割合は、高齢者人口の 55%
を超えることが予想されている。
そのため、平成 37 年(2025 年)に向け、認知症施策、医療との連携、高齢者の居住に
係る施策との連携、多様な主体による生活支援サービスなどの地域包括ケアシステムの実
現に必要な取り組みをより一層発展させていく必要がある。
また、本計画では、平成 37 年(2025 年)の介護需要や、そのために必要となる保険料
水準を推計し、中長期的な見通しを示していく。
2
地域包括ケアシステムの確立に向けた具体的取り組み
第5期計画の施策を充実・強化し、
“地域のちからを協働の輪でつなぐいたばし版地域
包括ケアシステム”の確立に向け、7つの施策に取り組む。
(1)地域包括支援センターの拡充・機能強化
各地域センター担当区域内に1か所以上配置し、日常生活圏域を 16 圏域から 19 圏域
とする。第6期計画期間中においては、新たに熊野及び清水地域の2地域で開設を進め
る。新しい日常生活圏域については、本編 P58 の地図を参照。
(2)介護予防・日常生活支援に関する新たな取り組み ~新しい総合事業~
介護保険制度の改正に伴い、平成 28 年4月から、これまでの介護予防給付に代わり、
地域の NPO やボランティアを担い手とする生活支援サービス等を加えた多様なサービ
ス事業を展開していく。また当該事業の提供体制を整備していくにあたり、平成 27 年
度からサービス資源の開発とネットワーク化等に取り組む生活支援コーディネーター
を配置する。
(3)介護サービス基盤の適切な整備と高齢者の安定居住の確保
小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスや特別養護老人ホーム等の施設サ
ービスをはじめ、都市型軽費老人ホームの整備について計画的に取り組むとともに、
比較的低廉な家賃で入居できるサービス付き高齢者向け住宅の確保を図る。
(4)在宅医療・介護の連携
在宅療養環境整備事業、在宅医療連携拠点事業及び在宅医療・介護連携推進事業等、
医療と介護の連携を図る取り組みを充実させる。
(5)認知症施策の推進
「板橋区認知症支援連絡会」の拡充、東京都健康長寿医療センターとの連携、認知症
ケアパスの構築等、認知症に対する施策を充実させる。
(6)権利擁護の充実
成年後見制度の普及及び利用促進、虐待防止に向けた相談窓口の充実と関係機関との
連携等、高齢者の権利擁護のための取り組みを充実させる。
1
(7)介護保険事業の適正な運営
給付適正化事業の推進や利用者、介護者及びサービス提供事業者に対する適切な情報
提供や支援等により介護保険事業の適正な運営に努める。
3
介護サービス利用量の見込み
第6期計画期間中における後期高齢者数は、3年間で約 5,600 人増加(約 10%増)
することが見込まれ、要介護(要支援)認定者数については、3年間で約 3,100 人(約
14%増)の増加が見込まれる。このことに伴い、居宅サービス、地域密着型サービス、
施設サービスの各々で利用量の増加が見込まれる。
4 介護保険事業の費用と負担
(1)介護保険事業費の見込み
第6期計画期間の3年間における介護保険事業費は、約 1,135 億円を見込んでいる。
この推計に当たって留意した点は、以下のとおりである。
○要介護(要支援)認定者の増加
○介護サービス事業所及び介護保険施設の新規整備
○介護報酬改定の減額改定(2.27%の引き下げ)
○介護報酬地域加算の引き上げ(18%から 20%へ)
○介護保険制度の改正
※予防給付の見直し(訪問介護・通所介護が地域支援事業へ移行)
※一定以上所得のあるサービス利用者の自己負担額が1割から2割へ引き上げ 等
●第6期計画期間中の介護保険事業費の推計
平成27年度
(単位:千円)
平成28年度
平成29年度
32,521,819
33,418,228
35,672,411
101,612,458
30,324,299
32,464,881
34,603,080
97,392,260
2,197,520
953,347
1,069,331
4,220,198
特定入所者介護サービス費等
給付額(B)
905,751
897,949
952,602
2,756,302
高額介護サービス費等給付額(C)
814,540
901,008
996,703
2,712,251
37,500
39,900
42,900
120,300
34,279,610
35,257,085
37,664,616
107,201,311
1,039,806
2,604,987
2,682,162
6,326,955
342,421
-
-
342,421
-
1,862,783
1,892,400
3,755,183
697,385
742,204
789,762
2,229,351
35,319,416
37,862,072
40,346,778
113,528,266
総給付費(A)
介護サービス給付費
介護予防サービス給付費
審査支払手数料(D)
標準給付費見込額
(A+B+C+D)
地域支援事業費(E)
介護予防事業
介護予防・日常生活支援総合事業
包括的支援事業・任意事業
合
計
(A+B+C+D+E)
2
合計
(2)第1号被保険者の保険料
①第6期介護保険料基準額
第6期の介護保険料基準額については、介護給付費の増加や、第1号被保険者の保
険料負担割合の引き上げ(21%から 22%へ)などにより大幅な上昇が見込まれる。そ
のため、保険料の大幅な上昇を抑える方策として、介護給付費準備基金を活用する。
基金活用前の介護保険料基準額月額 ⇒ 5,599 円
推計した介護保険事業費(1,135 億円)を基準とし、介護保険料基準額月額を
算出すると 5,599 円となる。
(第5期の介護保険料基準額月額:4,450 円)
介護給付費準備基金の活用
保険料の大幅な上昇を抑制するため、介護給付費準備基金を活用する。平成
26 年度末の基金積立額は、約 12 億円と見込まれ、このうち 10 億円を取り崩し、
負担軽減を図る。
基金活用後の介護保険料基準額月額 ⇒ 5,380 円
基金の活用により介護保険料基準額月額につき 219 円の軽減。
第6期介護保険料基準額月額:5,380円
(基金活用前の基準額月額:5,599 円)
②所得段階別保険料
○所得段階の見直し
負担能力に応じた保険料負担の考え方に基づき、第5期では特例を含め 12 段階
であった所得区分を第6期では 14 段階に設定し、所得に応じたよりきめ細やかな
保険料設定を行う。第6期の所得段階別保険料については、本編 P94 の表を参照。
○公費による低所得者の保険料軽減
低所得者については、消費税を財源とした公費により軽減措置を実施する。軽減
内容については政令により定められ、第1弾として平成 27 年4月には、特に所得
の低い方(第6期の第1段階の方)を対象として行われ、第2弾として平成 29 年
4月には、非課税世帯全体(第6期の第1段階から第3段階の方)を対象として行わ
れる。公費による軽減後の所得段階別保険料については、本編 P95 上段の表を参照。
③平成 37 年(2025 年)のサービス水準等の推計
第6期計画では、地域包括ケアシステムを計画的に推進していくための1つのアプ
ローチとして、後期高齢者が急速に増加する平成 37 年(2025 年)におけるサービス
水準等の推計を行った。
その結果、現状のまま推移すると、介護保険事業費は約 516 億円、保険料基準額は、
8,190 円程度と推計された。これは、国が試算した平成 37 年(2025 年)の全国平均の
保険料基準額(8,200 円程度)と同程度の額となる。
3
●平成37年度介護保険事業費の推計
(単位:千円)
平成37年度
総給付費(A)
介護サービス給付費
45,602,121
43,969,305
介護予防サービス給付費
1,632,816
特定入所者介護サービス費等給付額(B)
高額介護サービス費等給付額(C)
審査支払手数料(D)
標準給付費見込額(A+B+C+D)
1,150,340
1,698,671
76,619
48,527,751
地域支援事業費(E)
3,083,005
2,259,178
介護予防・日常生活支援総合事業
包括的支援事業・任意事業
合
823,827
計(A+B+C+D+E)
51,610,756
●介護保険事業費と保険料基準額の推移
介護給付費
地域支援事業費
保険料額(月額)
9,000円
8,190 円
600億円
30.83
8,000円
500億円
7,000円
5,380 円
6,000円
400億円
4,296 円
5,000円
4,000円
3,084 円
3,084 円
1,000円
128.8
198.2
26.05
4,450 円
300億円
7.07
6.80
4.45
3,000円
2,000円
4,119 円
485.28
307.15
200億円
352.57
226.2
262.55
19年度
22年度
25年度
28年度
37年度
(第3期)
(第4期)
(第5期)
(第6期)
(第9期)
100億円
0円
0億円
平成13年度
(第1期)
16年度
(第2期)
※地域支援事業は平成18年度から開始されたため、平成13年度と16年度は実績なし
4
第6期板橋区介護保険事業計画
「中間のまとめ」からの変更点
■第1章 計画策定にあたって
節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
第1節
1
1
中間のまとめ
「中間のまとめ」からの変更点
節タイトル
計画策定の背景
・国の指針に基づき平成37年(2025年)の介護需要や保険料水準を推計する趣旨について追記
■第2章 高齢者・要介護(要支援)認定者の現状 節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
第1節
5
5
高齢者数の推移
・平成26年度実績データの追加
第2節
6
6
要介護(要支援)認定者数の推移
・掲載する実績データを14年間分(平成12~25年度)から直近の6年間分(平成21~26年度)へ変更
日常生活圏域別にみる高齢者・認定者数の現状
・圏域別・年齢別認定者数のデータを最新版に更新
(平成26年4月のデータから平成26年10月のデータへ)
第3節
7~8
中間のまとめ
7~8
「中間のまとめ」からの変更点
節タイトル
■第3章 介護保険事業の現状 計画本編
掲載ページ
該当ページ
10
10
15
15
第2節
19
19
第3節
20~23
節
第1節
中間のまとめ
「中間のまとめ」からの変更点
節タイトル
給付実績の現状
介護保険サービスの利用状況
・平成26年度実績データの追加
介護保険給付費の現状
・掲載する実績データを14年間分(平成12~25年度)から直近の6年間分(平成21~26年度)へ変更
サービス資源(基盤)の現状 介護サービス事業所の整備状況
20~22 地域支援事業の現状
・介護サービス事業所の整備状況データを最新版に更新(平成26年7月のデータから平成27年1月のデータへ)
・実施事業の一部追加
■第4章 第5期事業計画の検証と長期目標の達成状況について 節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
前置
24
―
第3節
37~45
中間のまとめ
「中間のまとめ」からの変更点
節タイトル
(長期目標と第5期計画における5つの取り組み)
35~43 介護サービス基盤の適切な整備
・新規作成
・平成26年度利用実績の見込みデータを更新
・地域密着型サービス事業所の開設延期等による事業所整備状況データの修正
・「福祉避難所」に関する記述の追加
(裏面に続く)
■第5章 地域包括ケアシステムの確立に向けた具体的取り組み(※章タイトル変更)
節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
前置
55~56
53~54 (第6期計画で取り組む7つの施策)
第1節
57~58
中間のまとめ
55
節タイトル
地域包括支援センターの拡充・機能強化
前置
第2節
59~61
56~57
「中間のまとめ」からの変更点
・地域包括ケアシステムの確立に向けた長期的な目標の設定
・第6期計画期間中に開設する2つの地域包括支援センター(熊野、清水)について明記
・新しい日常生活圏域の地図の追加
・介護予防・日常生活支援総合事業の開始時期を明記
介護予防・日常生活支援に 介護予防・生活支援サービスの展開 ・主な介護予防・生活支援サービスに関する具体的内容を表にして追加
関する新たな取り組み
・主な一般介護予防事業に関する具体的内容を表にして追加
~新しい総合事業~ 一般介護予防事業の展開
生活支援コーディネーターの配置
・生活支援コーディネーターの配置時期等について明記
58~60 介護サービス基盤の適切な整備と高齢者の安定居住の確保
・各サービスの整備状況の追加
・各サービスの年度別整備計画数の追加
・高齢者の安定居住の確保施策として、シルバーピア(シルバーハウジング)を追加
第3節
62~66
第4節
67~68
第5節
69~71
第6節
72~73
64
権利擁護の拡充
・各項目の記載内容を拡充
第7節
74~75
65
介護保険事業の適正な運営
・項目立ての再構成
61
在宅医療・介護の連携
・在宅医療・介護連携推進事業に関する記述の追加
62~63 認知症施策の推進
・コラム「板橋区における要介護認定者の認知症高齢者自立度分布」の追加
■第6章 介護サービス利用量の見込みと地域支援事業の実施概要(※新規)
節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
第1節
76~77
―
高齢者人口及び要介護(要支援)認定者数の推計
・新規作成
第2節
78~86
―
各サービス別利用量の見込み
・新規作成
第3節
87~88
―
地域支援事業の実施概要
・新規作成
中間のまとめ
節タイトル
「中間のまとめ」からの変更点
■第7章 介護保険事業の費用と負担(※中間のまとめにおける第6章と第7章を統合)
節
計画本編
掲載ページ
該当ページ
第1節
89
66
介護保険事業費の執行状況
・平成26年度の執行データを予算額から見込額(補正予算額)へ更新
第2節
90
67
介護保険事業費の見込み
・介護給付費見込みデータ(表)を追加
第3節
91~97
中間のまとめ
節タイトル
68~70 第1号被保険者の保険料
「中間のまとめ」からの変更点
・「中間のまとめ」における第7章を一部流用し、新たに作成
●巻末資料 資料
計画本編
掲載ページ
中間のまとめ
節タイトル
該当ページ
「中間のまとめ」からの変更点
資料1 101~102
―
介護保険制度の主な改正内容
・新規作成
資料2 103~104
―
板橋区介護保険事業計画委員会設置要綱
・新規作成
資料3 105~108
―
板橋区介護保険事業計画委員会等開催経緯
・新規作成
資料5 111~113
―
用語解説(五十音順)
・新規作成
※全体を通して表現の微調整については、除外