週刊原油

週刊原油
世界の原油情報がここに凝縮されています。
毎週木曜日午後発行
原油価格反落
発行日
:
2015/2/19
18日のNY原油3月限は▲1.39ドル安の52.1ドル。 先行きの減産期待なども、原油在庫増加の見通しや世界的な
供給だぶつきなどに圧迫されることとなった。3月限は、夜間取引では急落後に急反発した前日の流れから転じると、
立会い開始後に52ドルをやや割り込んだ。19日発表される米エネルギー情報局(EIA)統計での原油在庫増加見通し
や、世界的な供給過剰などが背景。一方で、引き続き石油掘削リグ稼動数の減少や石油会社の支出削減の動きなどを背
景にした先行きの減少期待などから、序盤は下げ幅を縮小したものの、53ドル台前半までの戻りが精一杯だった。依
然として世界的な供給だぶつきが解消されるまでには時間がかかり、価格の再下落を見込む向きが多いことなどもあり、
中盤以降は戻り売りなどに押されると、一時、朝方の安値を下抜く51.84ドルまで下落した。なお、立会い終了後の
時間外取引では51.49ドルまで下押された。
石油製品は、ヒーティングオイルは軒並み下落、改質ガソリンは期近が続落。在庫減少見通しなども原油安に追随し
軟調に推移した。ブレント原油期近4月限は急反落。米市場につれ安となり、前日に一時、期近ベースで昨年12月11
日以来の水準(63.00ドル)へ大きく上昇した流れから一変し、終盤には60.04ドルまで切り下がった。
国際機関協働データイニシアチブ(JODI)に掲載されたデータによると、サウジアラビアの2014年の原油輸出高
は日量711万バレルと、11年ぶりの高水準となった前年の754万バレルを下回った。昨年12月は予算均衡に必要な
水準700万バレルを下回った。英アシュモア・グループの中東責任者は、「2014年はサウジアラビアと石油輸出国
機構(OPEC)にとって厳しい1年だった。需要は停滞し、米国は輸入を減らし、中国経済は2桁成長なく、非OPEC
加盟国からの供給は鈍化していない」と指摘した。
イランの最高指導者ハメネイ師は、同国に対する国際制裁が続くなら、原油と天然ガスの輸出を停止すると警告した。
国営イラン通信が同師のテヘランでの講演を基に報じた。ハメネイ師は18日、「将来的に制裁が続くのであれば、イ
ラン国民も制裁でこれに応じる」と発言し、「世界の原油とガス全体の大半はイランのもので、そのガスを世界や欧州
は必要としている。イランは必要に応じて制裁措置を講じることができる」と述べた。
UBS、バンク・オブ・アメリカとコメルツ銀行は、反発している原油相場は再び下落に転じるとみている。米原油
生産増加により世界供給過剰が拡大するため。同行のアナリストらによると、米石油掘削リグ稼動数減少、石油会社は
少なくとも計400億ドルの支出削減計画を表明し、ヘッジファンドの買い越し玉は7カ月ぶりの高水準となったことな
どから、ブレント原油は強気相場入りしている。ただし、これらの要因はどれも今後3カ月以内にバレル当たり45ド
ルかそれ以下に再び下落することに歯止めをかけない見通し。
UBSによると、掘削リグ稼動数減少も30年間で最高水準にある米原油生産が縮小するようなことはなさそうで、在
庫は増加し続ける見通しとのこと。コメルツ銀行は原油相場反発は需給ファンダメンタルズよりもセンチメントに基づ
いていると説明し、バンク・オブ・アメリカは貯蔵スペースが満タンのなか、生産者は売却するために値引きする必要
があるだろうとの見方を示した。(つづく)
UBSのアナリスト、ジョバンニ・シュトーノボ氏(チューリヒ在勤)は、原油価格は再び下げ圧力に見舞われるだ
ろうとし、生産はさらに増加する可能性が高く、在庫は引き続き拡大するとみられ、今年上期は供給過剰の状態が続
くとの見通しを示した。同氏はブレント原油価格が向こう3カ月間に40ドルに下落すると見込んでいる。(日本先
物情報ネットワーク)
TOPICs
米国原油短期需給予測
(Short
Term
Energy
Outlook)2月号
by
★ 2015年1月は、原油価格が7カ月連続で下落した。北海ブレントオイル価格は48ドル
となり2009年3月以来の最安値となった。原油価格が下落したために、米国内のタイ
トオイル生産量は逆に増加を続けている。世界の原油需要の伸びが弱まる間に世界の
原油在庫は増加中で、1月のOECD諸国の民間原油在庫は2010年8月以来の最高の水準に達している。
Highlights
★ EIAは2015年のブレント原油価格を2015年は58ドル、2016年は75ドルと予想している。WTI原油価格は
これより3~4ドル安い水準と見ている。(54~55ドル/2015年:71~72ドル/2016年)この価格予測は前月
と変わっていない。先物オプション価格は引き続き不透明であり、この点は Short-Term Energy Outlook Market
Prices and Uncertainty Report に詳しく載っている。2015年5月限のWTI価格は2月5日時点で52ドルであるが、
インプライドボラティリティーは52%で、95%の確率で入る価格は、WTI5月限で33ドル~81ドル、12月限につい
ては32ドル~108ドルである。
Short-Term Energy Outlook
Market Prices and Uncertainty Report
原油価格は、1月から2月第一週にかけて反発している。北
海ブレント期近価格は2月5日56.57ドルとなり、1月2日と
比較すると0.15ドル上昇している。2月5日のWTI期近価格は
50.48ドルで1月初めよりは▲2.21ドル安い水準にある。
2014年7月と2015年1月の価格下落は月間平均9ドルであ
り、これに比べるとこうした動きは小さなものに留まってい
る。
最近の原油市場の価格変動は、原油供給と在庫に対する新
たな情報やデータが反映されている。
米国の石油切削リグの数は1月に急激に減少し、また2015
年における主要国際石油企業の新規石油開発投資が大幅に削
減されたという情報が公開され、価格下落に対する供給側の
対応が報道された。しかし、世界の原油生産は未だ2015年
上半期は消費を上回るペースで行われている。その結果原油
在庫は2015年にはかなり積み増されることになる。
大量の原油
在庫
2月10日号
ブレント原油とWTI価格の当限先物価格
ブレント原油
WTI原油
米国の原油在庫は3週間連続で増加し、民間在庫は過去80年で最も多い水準に達している。
WTI原油価格の先物価格は先高(コンタンゴ)の割合が増加しており、期近価格が先物価格
より大きくディスカウントになっている。
期近の翌月物と13カ月先物価格の値差は2月5日に9.1
ドルと1月2日の5.4ドルより拡大大している。(右
チャート)国際市場に比較して非常に大量な原油在庫を抱
えた米国では、この3週間原油在庫の増加に対する保管コ
ストの増大が不透明であることを市場は織り込みつつあ
る。
ブレント原油先物価格は1月~2月初めにかけて比較的
安定してきている。2月5日の期近月と13カ月先物価格の
値差は▲9.55ドルとなっており、最近のレポートによれ
ば、原油をタンカーに積んで洋上に在庫し始めているとの
レポートもあり、こうした比較的高い在庫コストは大きい
コンタンゴを必要としている。
120
WTI原油当限価格と
13カ月先物価格のスプレッド
100
当限価格
80
60
13カ月
先物価格
40
20
1月2日
5.4ドル
2月5日
9.1ドル
0
-20
2014/1/2
2015/1/2
スプレッ
ド
ブレント原油とWTI価格及びルイジアナスイー
ト(LLS)のスプレッド(値差)
ブレント高WTI安
米国における大量の原油在庫とWTI原油価格のコンタ
ンゴの拡大は、米国の国内原油価格を国際価格と比較し
て低く設定されるようになる。ブレント軽質油ルイジア
ナスウィート(LLS)の値差は1月2日の0.39ドルから2
月5日の1.29ドルに増加した。ブレントとWTI価格の値
差も2.36ドルから6.09ドルに増加した。(右チャー
ト)米国の石油精製設備稼働率の低下は、米国原油価格
の下落に一役買っている。メキシコ湾と中西部の石油精
製設備の稼働率は12月から1月にかけて低下している。
いくつかの石油精製設備は2月にメインテナンスに入る
計画がある。こうした稼働率の低下は米国か原油価格を
国際価格よりも低めに誘導する。
ブレント原油-WTI
LLS-WTI
ブレント原油-LLS
ブレント当限価格と銅と金の当限価格の比差
銅と金の価格差
銅÷金の価格
銅は、インフラ建設や製造用に利用され、その価格は
世界の経済成長の見通しを予想する指標となっている。
金は反対に市場のボラティリティーや不透明性が増大す
る時に価格は上昇する傾向にある。銅と金の価格差が開
いている時は、経済成長が高まることを示唆している。
昨年7月1日~2月5日までの銅と金の値差は15%拡大し
た。この間に原油価格は50%下落している。
もし銅と金の価格差が狭いならば、需要サイドの問題
が原油価格を引き下げていると言えるだろうが、銅と金
の値差が拡大していたため、この原油価格の下落は供給
サイドの問題であることを示唆している。
ブレント原油
ブレント原油とWTI原油に対するファンドの建玉
ファンドの建玉
2014年下半期におけるWTI原油に対するファンドの
取組高は比較的安定しており、ブレント原油に対する取
組高は増加傾向にあった。(右図)2月2日までの週の
WTI原油に対するファンドの取組高は19万3千枚で、10
月第1週より▲7千枚減少している。同じ期間のブレン
ト原油に対するファンドの取組高は9万千枚増加してい
る。2008年~09年にかけて原油価格が急落したとき、
大きなファンドの取組高の減少が反転のきっかけとなっ
ている。
ボラティリティー
2015年の最初の15週間における、期近限月のインプ
ライドボラティリティは、WTIもブレントも増大してい
る。(右図)ブレント原油のインプライドボラティリ
ティーは2月5日56.1%になっている。これは1月2日よ
り10%高い。WTIは、2月5日65.2%となり14%上昇
している。インプライドボラティリティーの月間平均
は、期近限月の取引の流動性が少なくなることによる変
動の大きさを取り除いた指標であるが、ブレントもWT
Iもこのボラティリティーの月間平均指数が2009年第
2四半期以来最大を記録している。これは原油市場価格
の不透明性が増大していることを反映している。
WTI原油
ブレント原油
原油価格のインプライドボラティリティー
WTI原油
ブレント原油
2015年5月限のWTI先物価格は2月5日までの5営業
日平均で51.94ドルでその可能性は上限値65ドルを超え
る確率が14%で、1月2日の時の23%から低くなってい
る。ブレント原油価格はWTI価格より高く、同じ価格の
域値はその分高くなっている。
1月2日と2月5日のWTI5月限の価格確率分布
1月2日
2月5日
TOPICs
米国原油短期需給予測
(Short
Term
Energy
Outlook)2月号
by
EIA
★ 1月の米国の原油生産量は日量平均920万バレルで、2015年の日量平均は930万バレルとなる見込み。EIAの価
格予測に基づいた2016年の米国の原油生産量は日量平均950万バレルとなり、1970年の歴史的最大値960万バレ
ルに近づく見込み。
★ 原油価格下落によって1月の米国のレギュラーガソリン小売平均価格は2.04ドル/ガロンとなり、2009年4月6
日以来の最低価格となっていたが、2月9日2.19ドルに反騰している。2014年の平均は3.36ドルで、2015年平均
価格予想は2.33ドルである。家計のガソリンに対する消費金額は2015年は14年に比べ約750ドル減少する。
2016年のガソリン小売価格は2.73ドル平均と予想される。
★ 天然ガスの在庫は1月30日時点で前年同期比+2兆4280億立方フィート、+24%多い水準にあり過去5年平均
比では▲1%少ない水準である。ヘンリーハブ渡し天然ガス価格は3.34ドル/百万British Thermal Unit
(MMBtu)前年の4.53ドルから下がっている。これは生産増と予想以下の需要が要因となっている。2014年平均
は4.39ドル、2.15年は3.05ドル、2016年は3.47ドルと予想し、先月の予想よりいずれも0.39ドル下方修正して
いる。
世界の石油状況:石油消費量
先月の予想からファンダメンタルの状況はそれほど変わっていない。世界の生産は引き続き需要よりも多く、在庫
が積み増されている。2015年上半期の世界の原油在庫は平均日量+90万バレル増加すると思われ、下半期は非
OPEC諸国ことに米国の供給増が緩やかになり、その増加率はなだらかになるだろう。2015年の在庫量はは2014
年に+80万バレル増となるだおる。
EIAの推定では世界の石油消費量は2014年前年比+90万バレル増の日量9,210万バレルであった。2015年は
+100万バレル増、2016年も+100万バレル増と予想する。2014年の伸び率は+2.7%、15年は+2.8%、16
年は+3.2%である。非OPECの消費量の増加が主たる要因で、2015年は+80万バレル、2016年は+110万バ
レル増である。中国の需要は2015年、16年とも+30万バレルで2014年の+40万バレルを下回る。中国の経済
成長は2014年後半から減速し、主要経済指標が下降している。にもかかわらず中国は非OECD諸国の消費増の主要
部分を占める。ロシアの経済成長率の鈍化による石油消費量の減少が、非OECD諸国の消費の伸びが落ち込むことに
影響している。ロシアの石油消費量は2015年16年ともに▲20万バレル減少する。
OECD諸国の消費量は2014年▲30万バレル、2015年は+20万バレル、2016年は▲10万バレルと予測する。
日本と欧州が2014年の減少の主因であり、両地域の需要は引き続き2年間2014年ほどではないにしても減少する
と思われる。米国はOECD諸国諸国の増加の大きな部分を占める。2015年は+30万バレル増、2016年は+10万
バレル増となるだろう。
OPEC諸国の原油余剰生産能力
EIAはOPECの原油余剰生産能力はサウジアラビアに集中しており、2014年200万バレルだったものが、2015
年は年間平均日量230万バレル、2016年は年間270万バレルになると予想している。この余剰生産能力は市場の目
安の一つとなっており、250万バレル以下だとタイトな状況と判断されている。しかし、現在及び将来の世界の原油
在庫の積み増しにより2015年には低い余剰生産能力でもそれほど影響はなくなるであろう。
OECD諸国の民間石油在庫
EIAはOECD諸国の民間石油在庫は2014年末に27億4千バレルあったと推定している。これは年末としては過去
最高であり、消費量の約58日分に相当する。2015年末には28億3千万バレル、2016年末には28億3千万バレル
に増加すると予想している。
TOPICs
原油価格下落を織り込んだサウジアラビアの予算
サウジアラビアは世界最大の石油輸出国であるが、その輸出
収入は2014年の国家予算の中で89%を占めている。最近の原
油価格下落により、これらの輸出価額が減少し、歳入不足に陥
る可能性がある。2015年についてはサウジアラビアは2300
億ドルの支出を組み、収入は1907億ドルとしている。そのた
め歳入不足は386億ドルである。原油の想定価格は述べられて
いないが、予算は2014年12月に策定されている。当時の原油
価格は55ドル~70ドルの間であった。
ベネズエラの2,980億バレルに次いで、2,680億バレルとい
う世界第二位の原油確認埋蔵量を保有するサウジアラビアはま
た、巨大な政府保有資金を持っているので、原油価格を押し下
げることは可能である。サウジアラビアの現在の政府保有資金
は7330億ドルと見込まれ、これまでと同じ歳出を賄うために
必要とされる歳入不足約390億ドルの19倍ある。従って現在の
原油価格の下落の影響はサウジアラビアにとってはそれほど大
きくはないものと思われる。
対照的に、OPECが原油価格を下がることをいとわず、生産
量を維持すると言う決定を取ったことにより、OPECメンバー
諸国の予算には大きな影響があり、サウジアラビアに支援を仰
ぐ可能性がある。
今後一定の期間原油価格が低迷し、需要も過去のままであれ
ば、サウジアラビアの政府予算は歳入不足を続け、政府保有資
金があるとしても、サウジアラビアの成長能力や強さ、あるい
は経済の多様化に向けての堅実な発展は一重に長期契約による
石油販売の収入如何によることになるだろう。
サウジアラビアの2015年予算と政府保有資金
量(単位:十億ドル)
政府保有資金
7,330億ドル
総歳出
2300億ドル
歳入不足
▲390億ドル
歳入
191億ドル
2015年サウジアラビア
国家予算
政府保有資金
TOPICs
までの週
NY原油に対するファンドの建玉
(ネット買い残と価格の相関係
数0.43)
$120
600,000枚
ファンドの建玉
取組高
買い残
11月4日 2,373,870枚 412,129枚
11月11日 2,390,808枚 410,381枚
11月18日 2,074,609枚 400,309枚
11月25日 2,052,379枚 397,158枚
12月2日 2,211,505枚 402,027枚
12月9日 2,285,895枚 406,353枚
12月16日 2,267,373枚 440,503枚
12月23日 2,285,073枚 424,304枚
12月30日 2,343,842枚 429,543枚
1月6日 2,500,091枚 453,041枚
1月13日 2,687,656枚 492,779枚
1月20日 2,497,521枚 486,621枚
1月27日 2,610,239枚 502,295枚
2月3日 2,727,047枚 489,420枚
2月10日 2,746,179枚 485,802枚
+19,132枚 ▲3,618枚
前週比
2か月前比 +355,371枚 +75,421枚
売り残
ネット買い残
127,289枚 284,840枚
増減
価格
+2,434枚
$77.2
+4,344枚
124,096枚 276,213枚 ▲12,971枚
$77.9
127,148枚 270,010枚
121,197枚 289,184枚
$74.6
▲6,203枚
$74.1
110,670枚 291,357枚 +21,347枚
$66.9
111,005枚 295,348枚
+3,991枚
$63.8
120,910枚 319,593枚 +24,245枚
$55.9
$100
400,000枚
$90
$80
300,000枚
$70
200,000枚
$60
100,000枚
0枚
9月4日
$50
$40
103,967枚 320,337枚
+744枚
$57.1
117,841枚 311,702枚
▲8,635枚
$54.1
138,137枚 314,904枚
+3,202枚
$47.9
166,645枚 326,134枚 +11,230枚
$45.9
161,979枚 324,642枚
▲1,492枚
$46.4
178,114枚 324,181枚
▲461枚
$46.2
161,369枚 328,051枚
+3,870枚
NY原油に対するファンドの建玉
(売り残と価格の相関係
$53.1 200,000枚
▲0.73)
$120.0
149,813枚 335,989枚
▲11,556枚
+7,938枚
+7,938枚
$50.0
+28,616枚 +46,805枚
+3,594枚
9月4日
ネット買い残
買い残
9月4日
売り残
180,000枚
価格
$110.0
160,000枚
1月末に二週連続で減少していたネット買い残はこの2週連続で増加し
ている。これは、買い残も3千枚▲減少しているが、売り残が▲1万1千
枚減少したためである。売り残はピークの1月27日の17万8千枚から14
万9千枚まで減少している。なお、ファンドの建玉と価格の相関関係は最
近まで0.85と高かったが、このところ0.43と低くなっているが、売り残
との負の相関関係は▲0.73と比較的高い水準に留まっている。
今後の動き
$110
500,000枚
$100.0
140,000枚
$90.0
120,000枚
100,000枚
$80.0
80,000枚
$70.0
60,000枚
$60.0
40,000枚
$50.0
20,000枚
0枚
12/9/4
$40.0
13/9/4
売り残
14/9/4
価格
EIAの短期需給予測によれば、2015年のWTI原油価格は年平均54ドル、2016年は71ドルと今年は現状維持、来
年は少し上昇程度に見ている。昨年末の世界の原油在庫が年末としては過去最高になり、洋上在庫も増加して在庫コ
ストがかさんでいるという。サウジアラビアは今年の予算は390億ドルの歳入不足であり、政府資金があるので良い
が、他の産油国はそうはいかない。原油価格が下がっても目立って需要は増えておらず、価格を上げるために口先だ
けでも減産を唱えるかもしれない。ファンドの売り残は二週連続で減少しており、反発の機運は熟しているが、米国
の石油生産は今のところ衰えておらず、新規油田開発が止まった程度であるため、今後の原油価格は、それほど激し
く反発する土壌にはないと思われる。
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