要旨 [PDFファイル/165KB]

国際観光学科卒業論文 要旨(2013年12月提出)
担当教員:喜田慶文教授
五輪招致活動に関する―考察
~2012年、2016年、2020年の五輪招致活動を比較して~
1820100187 神戸 詩門
〈論文構成〉
序章
研究方法
第1章
国際オリンピック委員会
1-1
IOC委員とは
1-2
選考過程
第2章
2012年の招致活動
2-1
2-1-1
2-2
2-2-1
2-3
2-3-1
第3章
近代五輪と経済効果
ロビー活動とIOC委員
ロンドンの逆転劇
慢心のパリ
投票結果からからの類推
勝利の一要因
2016年の招致活動
3-1
追い風に乗ったリオ・デジャネイロ
3-1-1
投票結果からの類推
3-1-2
評価報告書からの類推
3-2
無風の東京
3-2-1
別の力学
3-2-2
敗北の一要因
3-3
第4章
比較による考察
2020年の招致活動
4-1
ラストチャンスの東京
4-1-1
第125次IOC総会
4-1-2
プレゼンテーション
4-1-3
無記名投票という罠
4-2
最高のライバル
4-2-1
勝ちきれないマドリード
4-2-2
IOC委員の属性
4-3
第5章
比較による考察
まとめ
5-1
各国の招致活動の違い
5-2
招致活動の要素
5-3
考察
謝辞
主要参考文献
URL
五輪招致活動に関する一考察
~2012年、2016年、2020年の五輪招致活動を比較して~
1820100187 神戸 詩門
指導教員
喜田
慶文
【目的】
2020年夏季オリンピックの開催権を決めた東京。2008年大阪オリンピック構想、20
12年広島オリンピック構想、2016年東京オリンピック構想と1964年の栄光から50年
経った今、悲願を叶えた東京招致委員会は2020年がラストチャンスだと振り返る。ではいか
にしてそのラストチャンスをモノにしたのか。並々ならない思いで初開催を目指す新興国を相手
に圧倒的不利に強いられる先進国が再びオリンピックを目指す狙いとは。オリンピック招致が単
なる大運動会開催地決定権ではないことの一因を探る。
【方法】
まず第1章では世界で最も認知度がある国際大会・オリンピックを動かす組織 IOC に関して、
そして選考過程について述べる。
2012年夏季オリンピック招致活動で熾烈な争いを繰り広げたロンドンとパリを IOC 作業
部会による評価報告書及び117次 IOC 総会での評価や投票動向、尚且つ両都市の置かれていた
社会的状況などから先進国同士による招致レースを第2章で論じる。
続いて東京が涙をのんだ2016年夏季オリンピック招致活動に関して、自国初・南アメリカ
大陸初・南半球初開催を叶えたリオ・デジャネイロと石原慎太郎東京都知事(当時)が率いた東
京招致委員会の活動を IOC 作業部会による評価報告書及び121次 IOC 総会での評価や投票動
向を踏まえながら新興国が先進国に対して勝利を収めた招致レースを第3論で論じる。
そして悲願を叶えた2020年夏季オリンピック招致活動は最後まで壮絶な招致レースを繰り
広げた東京を含む3国の招致活動に関して IOC 作業部会による評価報告書及び125次 IOC 総
会での評価や投票動向、加えて再びの栄光を手に入れた先進国と敗北を喫した新興国との間で繰
り広げられた招致レースを第4章で論じる。
【結果】
勝利の要素は過程と結果の2つで分類される。過程では最高のパートナーとなるための IOC 委
員へのロビイング・スポーツ振興による国家規模の理解・開催までの憂慮すべき懸念に対する真
摯な対応。結果では最終プレゼンテーション・綿密な開催計画。以上に万全をきし追い風に乗る
ことである。
【考察】
アラブの春に代表される社会的情勢や隣国シリアのテロ活動といった国家間の課題など外患に
見舞われた際の懸念がある場合でも如何に7年後の開催を成功させることが出来ると思わせるか。
更なる研究が必要と考える。