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バッハIOC会長「決断に自信」 責任放棄と厳しい批判も
道新 07/25 09:49
【ロンドン共同】国際オリンピック委員
会(IOC)のバッハ会長は24日、国ぐ
るみの ドーピング が発覚したロシアをリ
オデジャネイロ五輪から全面除外せず、条
件をクリアした選手の出場を容認したこと
について「最も厳しいハードルを設け、ク
リーンな選手個人が無実を証明できる正当
な権利を考慮した。決断に自信を持ってい
る」と述べた。電話記者会見で語った。こ
れに対して欧米の関係者からは「責任放棄
だ」などと厳しい批判が上がった。 米国
反ドーピング機関のタイガート委員長は
「IOCは指導力を発揮することを避けた」と
指摘。英国反ドーピング機関のサプステッド理
事長も英メディアに「無秩序状態の始まり」と
強調。IOCのペンギリー委員(英国)もBB
C(電子版)に「責任の丸投げだ」と憤りをあ
らわにした。 バッハ会長はこうした批判に対
し「誰もが歓迎する結論ではないかもしれない
が、世界各国の選手から届いた手紙や意見も参
考にした」と決定の背景を説明した。 IOC
の緊急電話理事会は、約3時間に及んだ。ロシ
ア選手の出場については、違反歴がないことや
信用できる国外検査をクリアしていることなど
の条件を設定。可否の判断は各競技を統括する
国際連盟(IF)に判断を委ねると全会一致で
決めた。冒頭ではロシア・オリンピック委員会のジューコフ会長に弁明の機会が与えられ、
国内の反ドーピング態勢の再構築に協力することを確約した。 8月5日の五輪開幕を間
近に控え、ロシアチームの出場禁止を決めた陸上以外の27競技のIFが短期間で出場資
格確認作業に対応できるかが焦点となる。
IOC、ロシアの全面除外見送り 五輪出場は各競技連盟に委ねる
07/24 23:13、07/25 02:28 更新
【ロンドン共同】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、電話による緊急理事会
を開き、国ぐるみの ドーピング 問題が発覚したロシアをリオデジャネイロ五輪から全面
除外する処分は見送ることを決めた。出場の可否は各競技を統括する国際連盟(IF)に
判断を委ね、厳しい条件を付けた。スポーツ大国との深刻な亀裂を生むリスクを回避した
一方、8月5日の五輪開幕を間近に控えて出場資格を巡って混乱する可能性が出てきた。
IFがロシア選手の出場を認める上で、過去にドーピング違反歴がないことや、信用で
きる国外検査をクリアしていることなどの条件を付けた。出場を受け付けた選手には、追
加の検査を義務付けた。
IFは各選手の過去の検査履歴や、 世界反ドーピング機関(WADA) の調査チーム
が18日に公表した報告書に記載のあった違反について、当該選手が関わっていないか調
べなければならない。
IOCのバッハ会長は電話記者会見で「国全体の責任か個人の正義かの判断でバランス
を重視した」と述べた。ロシア陸上界のドーピング問題を内部告発した女子中距離のステ
パノワ選手のリオ五輪参加は認めない方針も決めた。国際陸連が問題発覚への貢献を考慮
し、国際大会出場を認めたが、IOCは違反歴があることを問題視した。
WADAの調査チームは、2014年 ソチ冬季五輪 などでスポーツ省が主導してロシ
ア選手の禁止薬物使用を隠蔽する不正があり、夏季五輪の20競技も対象だったと断定し
た。WADAはリオ五輪からのロシアの除外を検討すべきだとIOCに勧告。IOCは1
9日の緊急電話理事会でも協議したが、結論を先送りしていた。
21日にはロシア陸上チームの五輪参加禁止が スポーツ仲裁裁判所 (CAS)の裁定
により確定。国際 パラリンピック 委員会(IPC)は同国の資格停止に向けた手続きを
開始し、リオ大会参加が厳しい情勢になっていたが、IOCの判断が影響する可能性もあ
る。 ロシアは前回12年ロンドン五輪では金メダル数で4位だった。
【モスクワ共同】ロシア選手をリオ 5 輪から全面除外しなかった国際オリン
ピック(IOC)の 24 日の決定に、ロシアでは安堵が広がる一方、同国陸上選手
の出場の道を閉ざした国際陸連への恨み節も漏れた。
ロシアのムトコ・スポーツ相は決定について「客観的だ」と満足感を示した
上で、IOC への謝意を語った。一方、国際陸連に対しては「腐敗」があると主
張し IOC が調査すべきだと訴えた。
プーチン大統領が設置を指示したドーピング根絶に向けた独立委員会が 25 日に発
足する見込みで、ムトコ氏はロシアが反ドーピング態勢の改革に取り組むとアピール
した。ロシア選手の出場の可否を判断する各競技の国際連盟に向けて「(連盟の)多
くが(ロシアの)出場を支持することを望む」と呼びかけた。
【モスクワ時事】陸上女子棒高跳びの世界紅記録保持者、エレーナ・イシンバエワ
選手(ロシア)は 24 日、国家主導のドーピングをめぐる国際オリンピック委員会
(IOC)の決定で、ロシア陸連のリオデジャネイロ五輪出場が絶望的になったのを受け、
「五輪出場への戦いが終わったと、断念の思いを交流サイトに記した。
イシンバエワ選手は 24 日の IOC 緊急理事会後、タス通信に「(国際陸連が出場を
認めるのを)待ち続ける」と述べていたが、交流サイトには「私が陸上に打ち込んで
きたことを思うと、涙が頬を流れ落ちる」と漏らした。
一方、タス通信によると、ロシア陸連幹部は「国際陸連が再びロシアの申請を取り
上げ、条件に合致しているか審査することを希望する」と表明した。ロシアは IOC に
よる救済に希望を託していたが、 IOC がリオ五輪出場の可否を各競技団体に委ねたた
め、残された道として国際陸連の再考を求めた。
IOC・バッハ会長の会見
24 日の国際オリンピック委員会(IOC)緊急電話理事会で、ロシア選手の条件付き
リオデジャネイロ五輪出場を決めたバッハ会長の記者会見での冒頭発言と一問一答は
次の通り。
IOC は非常に難しい局面に立たされ、結論に至った。組織全体の責任と個人の持つ
正当な権利のバランスをとったと考えている。リオ五輪出場を希望するロシア選手に
は厳しい条件を求める。
Q: 今回の決断はロシアのスポーツ界にどのような影響があるか。
A: 潔癖な選手の背中を押すことになる。他のロシア選手に向けてもポジティブなメ
ッセージになるだろう。
Q: リオ五輪の開幕が迫っている。今後のプロセスは。
A: 非常に挑戦的な日程となるが、他になすすべがなかった。国際競技連盟(IF)は
数日以内に報告書を求めてくれるよう努力している。結論は、 IF から申請を受けた
IOC の承認で決まる。
Q: 自分が選手なら今回の結果をどう捉えるか。
A: 問題ないし、違和感もない。今回の決定に自信を持っているし、納得している。
世界中の多くの選手も同じように考えていると理解している。
A: 決断の決め手になったのは何か。
A: 選手個人の責任。操られ、崩れた組織の中で、どこまで個人の責任を追及できるの
かという点だった。(ロンドン時事)
いくつかの疑問点(望月喜市):
(1) ドーピングの累積効果は、人体のホルモンバランスを壊し、男性化をもたらす
と言われている。しかし、1 回のドーピング効果はどのくらい継続するのか。
つまり、たとえば、ソチ 5 輪の陸上選手がドーピングをやった場合、その効果
と人体への悪影響は、5 輪終了までには消滅すると考えるが、この考えは正し
いだろうか?
(2) 今度のリオ 5 輪では、ロシア選手をふくめすべての参加全選手が現地でドーピ
ング検査を受けるはずだが、そこで検査をパスすれば、ロシア選手も参加資格
を与えるべきと考えられるがどうだろうか?
(3) 過去の 5 輪でドーピングがクロであった選手でも、過ちを認め、再び薬物に手
を出さなければ、次の 5 輪では許すべきではないだろうか?『過ちを改めるに
はばかることなかれ』というではないか。
(4) 今度の場合、黒が立証されない限り、犯罪捜査の原則である「推定無罪」にす
べきだ。
(5) 連帯責任性を適用すべきではない。責任はあくまで個々人にあると考える。
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【モスクワ杉尾直哉】毎日新聞、オンライン記事 160713
パラリンピック
ロシア・パラリンピック委員会(RPC)のウラジーミル・ルーキン会長は
7 月23日、国ぐるみのドーピングを認定した世界反ドーピング機関(WAD
A)調査チームの報告書(「マクラーレン報告」)について、「人でなしの犯
罪者集団が(ロシアに)存在している疑いがあるということだ」と述べ、報告
書の内容を真剣に受け止める姿勢を示した。
タス通信によると、ルーキン氏は「我々はこの集団を暴き出したい。もし、
私を含むRPCの誰かがこの問題に関与していたことが証明されれば、我々は
容赦ない処置を取る」と述べた。
国際パラリンピック委員会(IPC)は22日、リオ・パラリンピックへの
ロシアの参加拒否へ向けた手続きを開始しており、RPCはIPCの結論を待
って対応を発表する。
マクラーレン報告を受け、ロシアをリオデジャネイロ五輪やリオ・パラリン
ピックから排除しようとする動きが強まったが、プーチン大統領らは「ロシア
に対する政治的攻撃」などと反発し、「国ぐるみのドーピング」の指摘には明
確に反論していなかった。報告内容を受け止めようとするルーキン氏の姿勢は
ロシア国内では極めて異例だ。
ルーキン氏はかつて民主・人権派の政治家として知られ、2014年まで1
0年間、人権問題を担当する露大統領全権代表を務めた。