IOC 会長来日記念特別式典 筑波大学長挨拶 筑波大学学長の永田恭介

IOC 会長来日記念特別式典
筑波大学長挨拶
筑波大学学長の永田恭介です。本日のトーマス・バ
ッハ IOC 会長来日記念特別式典の主催者として、ご
挨拶申しあげます。
最初に、遠路はるばるお越しくださいました国際オ
リンピック委員会トーマス・バッハ会長、またご多用
中にもかかわらずお越しいただきました多くのご来
賓の方々に、厚く御礼申し上げます。誠にありがとう
ございます。
筑波大学の前身校である東京高等師範学校の校長
を 23 年間に亘って務めた嘉納治五郎先生は、近代柔
道の父です。またアジア人最初の IOC 委員を務めら
れました。嘉納先生は日本におけるオリンピック・ム
ーブメントの立ち上げと推進に努力されると同時に、
日本人最初のオリンピック選手を生み出しました。以
来、本学はオリンピック選手を輩出し、63 個のメダ
ルを獲得しています。リオ大会においても、11 名が
オリンピックで、10 名がパラリンピックで活躍しま
した。筑波大学にはノーベル賞受賞者も 3 名いますの
で、オリンピックチャンピオン、パラリンピックチャ
ンピオン、そしてノーベル賞受賞者もいる、日本では
唯一の、また世界でも希な大学です。
嘉納先生は、また卓越した教育者でした。日本の高
等教育の門戸を海外に開放し、数千人とも言われる数
多くの留学生を受け入れました。留学生の中からは、
中国の文部大臣、大学の学長、そして韓国の大統領も
生まれました。そのグローバリズムは今に受け継がれ、
本学は国立大学の中では留学生比率のもっとも高い
大学となっています。本日も修士課程であるつくば国
際スポーツアカデミー(TIAS)に学ぶ留学生が多く
参加しています。また嘉納先生は、1908 年に本学の
附属小学校に知的障害を持つ生徒のための特別学級
を設置し、障害があっても社会で自立できる人材の育
成を開始され、日本の特別支援教育の発展にも寄与し
ました。これをレガシーとして、筑波大学は 5 つの特
別支援学校を含む附属学校 11 校と連携してオリンピ
ック教育、パラリンピック教育を展開し、全国のモデ
ルとなっています。本日は、附属学校 11 校を代表し
て、高校生、高等部の生徒も参加しています。
そして、バッハ会長に筑波大学名誉博士の称号を授
与させていただくこの場所は、東京高等師範学校が存
在していた場所です。高等教育組織として、研究、教
育、体育、そしてオリンピック・ムーブメントの重要
性を発信した原点の地です。この地に IOC 会長をお
招きし、名誉博士の称号を授与させていただくことは、
我々の大きな喜びであり、誇りです。
筑 波 大 学 の ス ロ ー ガ ン は 、「 IMAGINE THE
FUTURE.」、すなわち「未来を想え」、です。このス
ローガンとともに、IOC、JOC、東京オリンピック・
パラリンピック競技大会組織委員会、東京都、スポー
ツ庁の皆様と連携して、オリンピック・ムーブメント
の発展に勤しんでいくことを筑波大学は附属学校群
と共にお誓い申し上げ、挨拶に代えさせていただきま
す。
ご静聴、ありがとうございました。