未来の運用

OW01 次世代の運用リーダに必要なスキル
要旨
1.研 究 テーマ
「未 来 の運 用 リーダ は“頼 れるIT自 治 会 長 ”を目 指 せ!
~“シ ステム運 用 村 ”の村 おこし~」
2.研 究 の背 景
ITシステム運 用 を取 り巻 く環 境 は、急 速 に発 展 してい る。近 年 では、仮 想 技
術 やスマート デバイスの 普 及 など、 業 務 効 率 化 を 推 進 する 技 術 開 発 が進 み、 働
き方 の 変 革 期 を迎 えてい る。 また 、 技 術 の 進 歩 に伴 い 、自 前 で 設 備 や ソ フト ウェ
ア 等 を用 意 するオンプレミス 型 から、クラウドコンピューティングや SaaS/PaaS と
いった 外 部 のサービス利 用 型 へ移 行 する企 業 も増 えている。
一 方 で、企 業 を支 える労 働 力 人 口 は減 少 傾 向 にあり、 それを補 うため女 性 や
高 齢 者 (定 年 延 長 後 の再 雇 用 ) , 派 遣 社 員 ,パ ート など、 様 々な 雇 用 形 態 の中
から人 的 資 源 を効 率 良 く活 用 する事 が求 められ てき ている。
3.研 究 の目 的
上 記 の 様 に 働 く 環 境 が 変 化 し 続 け る 中 で 、 働 き手 に 求 め ら れ る 役 割 ・ス キ ル
もこれまでと 同 じではない。同 様 にチ ームやリーダ に対 しても会 社 か ら求 め られる
スキルが変 化 するとなると、我 々は今 から何 を準 備 すべきなのだろうか。
当 研 究 グ ルー プで は 、 IT 技 術 の 発 展 によ るビジ ネ スの 変 化 サ イ ク ルを 5年 と
定 め、2 020 年 の情 報 シ ステム 部 門 に求 め られ るミッシ ョン を以 下 の順 に導 き出
し、これ まで以 上 に ミ ッシ ョンク リティ カルな運 用 を 任 される シ ステム 運 用 の リーダ
が、時 代 の波 に飲 み込 まれないための施 策 ついて研 究 を行 った。
・現 在 (2014年 )のシ ステム運 用
・周 囲 の変 化 の予 測 (ヒト 、技 術 、周 囲 の期 待 )
・未 来 (2020年 )のシ ステム運 用 との比 較
・環 境 変 化 後 における情 報 シ ステム部 門 のリーダ 像
・未 来 (2020年 )に必 要 なスキル
2014 Beacon Users' Group
OW01 次世代の運用リーダに必要なスキル
要旨
4.研 究 結 果
周 囲 の変 化 予 測 をもと に研 究 グル ープ内 で 調 査 ・検 討 した結 果 、 202 0年 の
IT シ ステムは、社 内 開 発 から外 部 委 託 への切 り替 わりが加 速 する事 が分 かった。
こ れ に よ り 2 0 2 0 年 の 情 報 シ ス テ ム部 門 に おける 運 用 要 素 は 、 多 く の 企 業 で 現
在 と は 大 き く変 貌 を 遂 げ る と予 想 した 。 また 、 変 化 し た運 用 業 務 を 前 提 に 、 シ ス
テム運 用 を担 うリ ーダ 像 を導 き出 し 、 必 要 なス キ ルの 仮 説 を立 てた。そ のスキル
はヒューマ ンス キル 、テ クニ カル スキ ル、 ビジ ネス スキル の3つ に 分 類 する 事 が出
来 るが、当 研 究 グル ープでは、現 在 、若 手 ・中 堅 のメンバが今 後 2020年 に向
けてリーダ として 活 躍 するた めに 、ヒュ ーマンス キ ルが最 も 重 要 になると 判 断 した 。
このヒューマンスキルの中 でも、 次 の 5 つの力 について 必 要 性 が増 すと考 えた 。
① 巻 き込 む力
② 分 かち合 う力
③ 説 得 (提 案 )する力
④ 任 せる力
⑤ 褒 める(感 謝 する)力
これら 5 つの力 を総 称 して、我 々は「コーディネート スキル」と呼 ぶ事 にした。
今 回 の提 案 を聞 いて頂 く 方 は、 様 々な職 種 の方 がおられる事 を 想 定 し 、提 案
内 容 を 同 じ目 線 で聞 い て頂 くため 、企 業 を“ 村 ” へ、シ ステ ム運 用 リ ーダを“ 自 治
会 長 ” に置 き換 え 、 仮 想 事 例 をベース に コ ーディネ ート ス キル の必 要 性 を確 認 し 、
将 来 のシ ステム運 用 に適 用 可 能 か 検 討 した。
さらに提 案 するコ ーディネ ートスキルを 習 得 する ためには、これ からの活 動 が
重 要 であると考 え、スキル 習 得 のための具 体 策 を検 討 した。
5.提 言 、まとめ
前 述 した 環 境 変 化 の 予 測 か ら 、 未 来 のシ ステ ム部 門 では 業 務 遂 行 のた め に
現 在 よりも 多 種 多 様 な相 手 (ベンダ、世 代 、国 籍 など)と 共 に働 くことが必 須 とな
る。
こ の 変 化 を受 けて 、シ ス テム 運 用 リ ーダ は 、こ れま で 必 要 かつ 重 要 とさ れて き
た技 術 や業 務 知 識 に加 えて、社 内 外 を問 わ ず相 手 の話 (要 件 等 )をしっかり理
解 し 、 自 身 が 中 心 と な り 関 係 者 の つ な が り を も た せ 、 要 件 の 実 現 に 導 く 「 H UB 」
の よ うな 存 在 であ る 事 が 重 要 で あると 確 信 している 。 また 、 周 囲 と良 好 な 関 係 を
築 き、円 滑 な運 用 活 動 を行 う 為 には 、今 回 ご提 案 させて頂 く 『コーディネート スキ
ル』が必 要 であり、そのスキルを得 るには自 身 の 変 革 が不 可 欠 であると結 論 づ
けた。
以上
2014 Beacon Users' Group