様式 8 ー 1 受付番号: 「特定テーマに対する技術提案」 12 新生美術館 ハピネス∞ジョイフル 新生美術館は生きる喜びが自然と満ちてくる場所です。 訪れる人が笑顔になる場所。何度でも遊びに行きたくなる場所。帰って からも自慢したくなる場所。県民の幸せのための「しかけ」に満ちた場 所をつくることが設計者の使命であると考えます。 0 ● ● ● 庭園内の増築予定地 には建てない このプロポーザルの課題は、単なる美術館増築ではなく、公園、図書 館、美術館が融合した壮大な構想を実現することです。既存館の価 値を再生し、新築とともに再構築することによって、びわこ文化公園 を世界に誇れる名所に生まれ変わらせます。 プロポーザルの敷地図に示された増築予 定地に建てる分棟新築案では、今回の課 題にはこたえられないと考えます。既存館 エリアに建てる一体新築案とすることで、 公園全体の木々をそのまま生かす計画と します。 30 年を経て魅力が減じた既存館を包み込 んで新築し、新生美術館の隅々にまで新 たな魅力があふれます。 一体新築案 新築可能範囲 既存の森を守る 公園全体の木々をそのまま生かし、公園・図書館と融合した新生美術館 1 2 30 年かけて立派に育った庭園の木々 「美の滋賀」の拠点として、滋賀らしさを表現し、世界から注目されるよ うな新しい創造性に富んだ建築イメージについて 修復工房 ボランティアルーム 託児スペース 「美の滋賀」の拠点 「グランコート」をつくる ● ● 美術館建築に求められる芸術性とは、建物外観の独自性とは限りま せん。その中で営まれる人々の活動にこそ芸術性が生み出される空 間を創造します。この空間を「グランコート」と名づけます。 琵琶湖と向き合う水平な雄大さ。図書館とあ わせて 240m の間口が公園との一体感を強 め、 より多くの来館者を迎えます。 連綿と続く歴史のなかで、自然とかかわりな がら暮らしてきた日常の「美」を再認識し、い にしえの仏教美術から近・現代美術へ、市井 の人々から世界的美術作家まで、様々な「美」 が一堂に会するグランコートをつくります。 風景の中へと拡張する ライブラリー 学習コーナー ワークショップルーム ● 搬出入口 県立図書館 管理・調査・研究 部門 ● 収蔵部門 コラボスペース 長浜ちりめん 神仏 ● カバタ 梔子熨斗目 ● 屋外彫刻広場 近代 美術 収蔵庫 近江上布 導入展示コーナー アール ブリュット 華籠 穴太衆積み びわこ文化公園(文化ゾーン)全体を美術館とみなし、隣接す る滋賀県立図書館とのつながりを含む公園の整備と美術館の 整備を一体的に行うコンセプトを設定し、それを具体的に実施 する方策について 3 公共交通機関を利用した駅から美術館へのアクセスにおいて、 また、周辺駐車場(東・北・西)やバス停からのアプローチにお いて高揚感を演出する計画について 庭園の緑をくぐってエントランスへ 30 年かけてようやく立派に育った庭園の風景をそのままの形で受 け継ぎます。美術館の 3 方向に入口を設けて、公園利用者がグラン コートを通り抜けられる計画とします。 美術館と図書館は屋内の回廊によって直結させます。利便性が高ま ることで双方の利用者が増大し、年間 25 万人以上の図書館利用者 がグランコートに立ち寄ります。 すべての機能を美術館本館に入れ込むのではありません。閉館後や 休館日も営業可能なレストラン、気兼ねなく使える制作工房は公園内 に「離れ」で設置します。展望ゲート、バスロータリー、アート道の駅、 東屋、屋外トイレなど、公園施設も含めて野外アートが公園全体へと 拡張していく美術館をつくります。 ● ● ● 瀬田駅前に降りたときから文化体験が始ま ります。瀬田駅からのシャトルアートバスを 走らせます。西駐車場の入口に交差点とバ スロータリーを新設して、県道を渡らずにバ スが利用できます。 最も利用者が多くなる西側からの入口に展望ゲートをつくり、そこか ら樹木の間を空中ブリッジで渡ってエントランスに導きます。 バス駐車場を含めた4つの駐車場整備をおこない、180 台増の合計 526 台とします。県道沿いの長さ 1100m の間に駐車場満空表示案 内を兼ねた巨大アート作品を 4 点設置します。 十一面観音立像 「美の滋賀」概念図 アールブリュットギャラリー 比叡山 県民ギャラリー 収蔵庫 琵琶湖 伊吹山 東 伊吹山 メディアコーナー 琵琶湖 講堂 キッズスペース カフェ 「美の滋賀」 カウンター ミュージアムショップ 創作スペース 情報コーナー 比叡山 インフォメーション 北 屋外彫刻広場 美術館 P 北駐車場 豊かな実りをもたらし、 「美の滋賀」を育んできた琵琶湖 夕照の庭が前面に広がるカフェスペース 様々な「美」が一堂に会し、 「美の滋賀」の拠点となる 「グランコート」 西 (新設駐車場) 場) P 新バス ロータリー P 公園口 P P P 西駐車場 東駐車場 制作工房 (新設駐車場) (新設駐 新設駐車場) 場) 210 台 P 160 台 東駐車場 110 P 台 既存 びわこ文化公園全体へと拡張するアート (恒久設置) 240m の雄大な外観 108 台 10 94 台 増設 +80 台 +8 +20 台 +80 台 合計 188 台 114 台 18 224 台 西 P 東 P 北 P 144 台 ピーク時の駐車場利用台数 ク時 時 駐 時の駐 駐車場 車場 場利 利用台 台 台数 様式 8 ー 2 4 「特定テーマに対する技術提案」 県民および来館者や施設管理者等から意見を くみ取る方策および新しい美術館を広くPR する 方策について 配置図兼 ● ● 受付番号: 6 12 ライフサイクルコストの縮減および環境負 荷の低減を図るための方策について 常設展示室(3) 新築展示棟が南側玄関の新たな「顔」となる FL+0 (400) 搬出 入口(2) 小さく建てても 有効面積が大きい 一体新築案 WC WC 機械室 修復室・資料室 会議室 (180) (85) 資材庫 設計期間 ● 2 階平面図 クーリングタワー 設計から開館までを イベント化する ● 1 階平面図 室外機置場 収納 設計初期に美術館スタッフと協同で他館事例調 査を実施し、共通認識を持って設計案づくりを行 います。また、設計スタッフの美術館員一日体験 を通じて施設管理者ほか館関係者の意見を吸収 します。 学芸・研究 事務室 FL-1,600 県民 ギャラリー FL+0 <156.6> (140) (740) 前室 常設展示室(1) 搬出入口 FL-700 (467) 協働室 建設費用の縮減 収蔵庫(6) (250) 基本計画の想定床面積を分析し、必要諸室を 確保したうえで、既存館との一体的計画により 有効率を向上し、分棟新築案と比べて床面積を 1,000㎡小さくすることができます。 ● FL-1,500 修復室 BIM(三次元設計コンピュータソフト)や模型を 使って設計案を立体・空間としてわかりやすく説 明します。 WC FL-700 資材庫 前室 県の伝統産業を内外装や家具・什器デザインに 活かした設計をおこない、県民に PR します。 室外機置場 企画展示室 一時保管庫 FL-620 設計中からオープンまでの期間、県民参加シンポ ジウムやワークショップを開催します。アートバ スを PR 車に仕立てて、県内各地で行う出張ワー クショップも開催します。 FL-700 (1,200) 物品庫 常設展示室(2) FL-700 (363) グランコート 前室 倉庫 控室 WC WC 常設 展示室(5) (150) 収蔵庫(4) 新生美術館 (390) <158.9> <155.9> <157.6> 前室 WC 講堂 (290) WC 情報 情報・交流・ 収蔵 展示 アメニティ アメ 整備後の 想定床面積 スタジオ (120) 必要諸室 新生 美術館 県民 ギャラリー FL-700<155.9> 空調 機械室 (80) 一体新築案の 想定床面積 3,800 1 1,500 3,800 1 1,500 単位:㎡ 廊下・ 機械室 合計 共用 3,400 500 720 5,280 15,200 既存:8,544 新築:6,656 3,400 520 750 4,160 14,130 既存:7,870 新築:6,260 新築: 400 改修:1,000 既存:2,000 新築:3,000 改修: 800 備考 調査・ 管理 研究 面積表 <155.9> <155.5> ● 収蔵庫(5) (820) <155.1> <154.7> 常設展示室(4) (350) <154.3> cafe (100) <153.9> 一体新築案は「伐採・造成しない」 「床面積の合 理化」 「外壁面積減」 「設備の集約」 「新たな地下を 掘らない」の 5 項目で新築工事費を約 5.6 億円縮 減することが可能です。最近の建設物価高騰を考 慮すると、 分棟新築案の予算超過は必至です。 <153.5> 美術館の魅力と機能を守りながらできるコスト減の手法 ART BRUT BUS 建設範囲をコンパクトにし、樹木伐採・大規模造成を極力しない ▲1.10億円 2 建物一体化により、重複する機能の面積を縮減・合理化 ▲1.57億円 3 建物一体化により、既存建物との壁の共有化をし、外壁面積を縮減 ▲1.11億円 4 建物一体化により、設備配管・配線の短縮化、中央監視の集約、 既存蓄熱層活用による熱源の最小化 ▲0.70億円 5 新たな地下をつくらない ▲1.14億円 コミッションワークとあわせて仮囲いデザイン、 シンボルマーク、マスコットの公募を行い、話題 づくりをします。 B1 階平面図 工事期間 ● ● 工事開始から竣工までライブカメラの映像をイ ンターネットで配信します。 ● アート道のえき 展望台ゲート ● 厨房 機械室 工事中に手作り敷瓦製作ワークショップなどをお こない、県民が仕上げ工事に参加できる機会を つくります。 機械室 機械室 レストラン 電気室 収蔵庫 (3) 竣工からオープンまで ● <151.4> 工事費の配分 本館新築 35.0 億円 既存館改修 7.9 億円 既存館一部解体 0.8 億円 レストラン新築 0.9 億円 制作工房新築 0.8 億円 アート道の駅新築 0.9 億円 展望ゲート新築 0.4 億円 アートシャトルバス 0.3 億円 計 47.0 億円 公園整備費 5.0 億円 総計 52.0 億円 キッズ 年間ランニングコストの縮減 収蔵庫 (2) ● 前室 設計開始からオープンまでのメイキングドキュメン トの映像、 書籍の制作に協力します。 本館新築工事費の縮減 により、公園内施設と既 存 館 改 修を充 実できま す。新築と同時に、想定よ りも 2 億多い 7.9 億円を かけて既存館改修を充 実させることはライフサ イクルコストの縮減にも つながります。 WC スペース 授乳室 前室 竣工直後の館内の空気質が安定するまでの「枯ら し期間」を利用して内覧会期間を長くとります。県 内小中高生を招待して、子供たちにも関心を持っ てもらいます。 ▲5.62億円 上記 合計金額 WC ● 削減効果 1 収蔵庫 (1) 設備の高効率・省エネ機器の採用、太陽光発 電などの一般的な省エネ手法の採用で、年間 17%縮減、一体新築案特有の面積減と、空調熱 源の一体利用などでそこからさらに 11%のラ ンニングコストが縮減が実現できます。 年間ランニングコスト 0 1000 2000 現状からの増加面積比率 によるコスト試算 15,200㎡ 新生 美術館 3000 給湯 空気搬送 動力 熱源 水搬送動力 換気 補機 1 昇降機 照明 15,200㎡ 28%減 14,130㎡ 生涯費用(ライフサイクルコスト)の縮減 ● 池沿いのアートプロムナードにはレストラン・屋外彫刻が 立ち並び、美術館への高揚感を演出する 0 その他 17%減 2 省エネ手法を採用 3 一体新築を採用 N (万円 /年) 4000 給排水 コン 動力 セント 5 10 20 40 100m 分棟新築案は近い将来に既存館の大がかりな 改修工事が発生します。それに比べて一体新築 案は、新築から解体までの 100 年間にかかる生 涯費用(ライフサイクルコスト)は約 17%、60 億 円縮減できます。 億円 17%縮減 400 (▲54.6億円/100年) (当社モデル比較) 300 5 7 子どもや高齢者、障害のある人をはじめ、 すべての人に居心地がよく使いやすい施設 にするための方策について 「コンパクト」 「フラット」 「平屋」で建てる ● ● ● 既存館エリアに集約して「コンパクト」に建てることで、動 線が短い平面とします。わかりやすくて迷いません。 ぐるっとまわってもとに戻れる 「フラット」で行き止まりのな い回遊動線をいくつもつくり、 美術館体験を豊かにします。 「平屋」建てでエレベータがいらないバリアフリーとしま す。バスロータリーから高低差のあるアプローチは展望 ゲートにエレベータを設置して、最短距離のブリッジでエ ントランスに導きます。庭園散策路のバリアフリー化とと もに車いすやベビーカーでも訪れやすい美術館です。 ● ● ● ● グランコートは直射光と紫外線を遮断し、間接光を取り 入れます。明るくて居心地の良い芸術体験の広間です。 明るく居心地良い芸術体験ができる 「グランコート」 ● 回遊動線から中が見える修復工房をつくります。ワーク ショップで美術館の仕事を体験できます。 託児室、授乳室、キッズエリアを本館の外のレストランにも 設置し、 公園利用者も使いやすい施設として整備します。 ● 美術館パスやバーコード付きチケットによる、一日何度で も出入り自由の入館管理システムを導入します。図書貸出 カードと美術館パスの共通化で、 相互利用を活性化します。 ● ギャラリー 収蔵庫 グランコート 展望ゲートの足元に設けたバスロータリーを 道のえきが新たな西の拠点となる 200 100 国宝、重要文化財等の貴重で脆弱な作品を、 良好に保管、展示できる環境確保および 安全確保の方策について 0 30 40 50 60 70 80 90 100 年 分棟 一体 頼れる美術館をつくる ギャラリー 収蔵庫 バスロータリーからの空中ブリッジを池沿いのプロムナード からの人々を出迎えるエントランス屋外回遊広場 ● 既存、新築、改修すべての収蔵庫を集約し、搬入口を既存 の一か所に限定することで、美術品の管理が確実に行え ます。収蔵庫への短い動線は公開承認施設の重要項目 である防犯対策および虫害対策にも有効です。 頻繁に展示替えをおこなう企画展示室は搬入エリアと収 蔵庫エリアに直結して配置します。 すべての展示室を管理ゾーンの近くに配置し、展示品を 管理しやすくします。 ● ● ● 収 蔵 作 品 の 特 性 にあわ せ た 展 示 空 間をつくります。 木彫や紙や染色等の脆弱な作品の展示室には高性能の 展示ケースを装備します。 断熱サッシ、複層ガラスなど高断熱化により、カビの原因 となる結露を防止します。 工事中も美術品は館外に移動させません。既存館と一体 的な改修をおこない、収蔵庫の拡張工事を最初に完成さ せて、館内で安全に保管できる施工計画を実行します。 高断熱および吸放湿性能の高い材料を採用し、災害時に ライフラインが遮断されても、温度変化が緩やかで湿度 が一定の収蔵庫を実現します。寺社が所有する文化財な ど、滋賀県の大切な宝物を寄託できる収蔵庫とします。 展示室 既存の森を次世代へ
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