「夢へ挑戦」 ~『全日本選抜QCサークル大会』に出て私が得たもの

***私の感動体験***
夢へ挑戦
グローリー株式会社
部品製造部
∼「全日本選抜 QC サークル大会」に出て私が得たもの∼
本社工場
板金グループ
キャッスルサークル
澤田憲二
私は、それまで QC サークル活動は業務の一環、これといった思いも目標もなく淡々とテ
ーマをこなしていました。何度か社内外の優秀事例を聞いて「凄いな」と感じていたもの
の、それだけで終わっていました。ある日、社内の事務局と話しする機会があり、「社内と
社外の発表は違いますね。」と私が言うと、事務局から「社外にはもっともっと凄い発表が
あるよ。」と聞きました。「一体、どれだけ凄いんだろう?今まで聞いた発表とそんな変わ
りはないだろう。」半信半疑のまま、事務局の薦めで近畿支部躍進大会に行ってみることに。
そこで今までの感動と違う何か別の 違和感 を感じました。これが私が初めて知った「全
日本選抜 QC サークル大会(本部長賞大会)」の発表でした。
「この違和感は何?これはいっ
たい何なんだろう?」自分に問い質すうちに「自分もやってみたい、自分もああいう活動
をしたい、あんなリーダーになりたい」という気持ちに気付きました。帰って私の思いを
サークルメンバーに話してみると、なかなか理解して貰えず、賛同を得る事は出来ません
でした。私が情熱を持って何度も話していると、メンバーの中から「社外で認められるサ
ークルになろう。そんな活動をしよう。」という声が出るようになりました。そこから私達
の挑戦は始まり、「本部長賞大会に出場」を目標に取組みを開始しました。
「自分たちの活動や成長を多くの人に知って欲しい。」と言う思いで、小集団活動に真摯に
向き合うことができるようになりました。そして、私にとっても何時しか全日本選抜大会
の日比谷公会堂の舞台が「夢の舞台」に変わっていきました。この大会は QC サーク大会
の甲子園とも呼ばれ、通常の改善事例発表とは少し異なります。2 つ程度の改善事例を織り
交ぜながら個人・サークルの成長を軸に 3 年程度の運営事例をまとめた難度の高い大会。
しかも近畿支部は、シャープさんやダイハツさんのような強豪が揃う中、2 サークルしか選
抜されず、全国大会出場は
狭き門
となっています。私の会社からは過去に一度、事務
部門でこの大会に出たことはありましたが、製造部門としては初挑戦で、要領も得ず気持
ちだけが焦り、近畿支部の予選会時点では他社と比べ、かなりの「出遅れ状態」でした。
「わかりにくい。ストーリーの構成を初めから全部やり直す必要がある」という厳しい審
査員の言葉に落ち込み、肩を落していると、上司に「まだ日はあるからあきらめるな。自
分たちの活動は他にも絶対負けていないから自信を持て。
」と言われ、目が覚めました。そ
んなに簡単にあきらめられるような思いでやっていないこと。自分たちの活動を多くの人
に伝えたいと思ったこと。私たちが社外に目を向けて取り組むことで社内全体ももっと活
性化できたら。と色々な思いが詰まった挑戦だったことを思い出させてくれました。思え
ば、予選会であの悔しい思いがなければきっとここまで実直に自分たちの活動に向き合う
こともなかったと思います。
「自分たちの活動をどのようにしたらうまく伝えられるか」一からやり直し。表現方法に
非常に苦しみ、何度も挫折しそうになりましたが、事務局や上司やその他大勢の人に助け
られ励まされ、何とか近畿支部大会にまで漕ぎ着けることができました。最終選考でその
努力と熱意が伝わったのでしょう。強豪サークルが揃う中、私たちのサークルが全国へ選
考されました。今までの苦しかったことや辛かったことが一瞬で吹き飛びました。「全国大
会出場はかなり難しい」と自他共に認めざるを得ない状況だっただけに喜ぶ気持ちも一入
でした。喜びの中、以前の自分自身のことを思い出しました。「他社の発表は凄いな。でも
仕方ないよ。
」と気劣りし、あきらめていたあの頃。でも今は「目標に挑戦することで人は
変わる!変われるんだ!」と言う思いで心が熱くなり、自分もメンバーも大きく成長して
いることを実感しました。
そして夢の舞台当日を迎え、高まる緊張の中、
「今の自分達ができる最高の発表にしよう」
とメンバー全員と舞台袖で硬い握手をして舞台へ。舞台の上から見る景色(光景)は本当
に素晴しく、こんな大勢の人に自分たちの活動を知ってもらえる喜びを全身に感じました。
この経験で私は大きな自信を得ると共に「挑戦することは素晴しいことだ。」と思えるよう
になりました。
最近は社内の活動も活性化してきており、新たに「本部長賞大会」に挑戦するサークルも
出てきました。一人の小さな挑戦が、サークルに広がり、職場へ広がり、そして会社全体
にも影響を与えるということを痛感することもできました。
最後に「もう一度あの場所に立ち、次は金賞を受賞する」のが私の新たな夢。夢は自分か
ら掴みとろうとしないと掴めない。今回の経験ではっきりとわかりました。この夢に向か
って、これからも挑戦し続けていきたいと思います。