2.大阪府の強みと弱み (2)弱み(短所) 大阪府 □ アジア、世界での相対的な地位の低下 □ 海外とのアクセス性の悪さ l l l 大阪では社会資本(生活や経済活動に必要な公共施設など)の老朽化が顕著。 関空・阪神港などのインフラは、国内・国際ともにネットワークが不十分。 関空・阪神港は、交通アクセスの不十分さ等からハブ機能が十分に発揮でき ていない。 日本国内との航空ネットワーク(2009.10 時点) ※大阪府調査 関空 釜山の支線化が進む日本の港湾 ※阪神港国際コンテナ戦略港湾の選定 に向けた計画書(H22.3) 仁川 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) 27 □ 外国人の受入環境水準の低さ l l l 言語、ビジネス参入障壁、在留資格、商慣行など、世界的な標準に対し、 閉鎖的・排他的である。 厳しい在留資格が外国からの高度専門人材の流入を阻害している。 外国人に選ばれる環境整備に遅れている。 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) l l 大都市と比べて少ない来訪外国人 都市ランキング海外からの訪問客数が 29/40 位、留学生数が 25/40 位と評価 が低い。 対象都市 指標 / Indicators 大阪 上位4都市 アジア主要都市 Osaka London New York Paris Tokyo Singapore Seoul Hong Kong Shanghai Beijing 23 1 2 3 4 5 6 11 12 14 36 海外からの訪問者数 / Number of Visitors from Abroad 29 1 7 9 17 2 6 4 11 13 37 留学生数 / Number of International Students 25 2 5 3 6 10 9 12 11 4 総合ランキング 出典:㈶森記念財団(2013)「世界の都市総合力ランキング」 28 □ 産業構造転換の遅れ l 80年代、首都機能や本社機能が集中する東京には、金融・保険、不動産、 情報通信、広告などのサービス産業が集積したが、大阪は全国平均並みであ る。 l 2000年代、都市で製造業の低迷が進む中、サービス産業は東京で引き続 き集積するが、大阪では全国平均を下回り、地位低下に拍車がかかっている。 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) 29 □ 東京への企業流出 l 本社機能は、東京への長期流出傾向が続く。特に、金融・保険業などで目立 った動き。これに伴い、情報発信力も低下している。 l 工場は、工場等制限法(~H14)の立地規制等により周辺部へ。近年は、 アジア等の海外へ移転・転出が進んでいる。 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) l 都市ランキングでGDP成長率が40/40位と最下位の評価 対象都市 指標 / Indicators 大阪 Osaka 総合ランキング 3 GDP成長率 / GDP Growth Rate 上位4都市 London New York アジア主要都市 Paris Tokyo Singapore Seoul Hong Kong Shanghai Beijing 23 1 2 3 4 5 6 11 12 14 40 17 35 30 39 7 10 15 2 1 出典:㈶森記念財団(2013)「世界の都市総合力ランキング」 30 □ 工場の周辺部等への分散 l 法人税率が高く、法規制も強いなど国としての経済自由度が低い中、特区政 策にも遅れをとったことにより、地域の経済成長を阻害。 l 特に近畿圏では、工場・大学の立地制限により、周辺部等への移転が進み、 産業集積としての力を喪失。 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) 31 □ 都心のみどり不足 l 都市ランキングで都心部の緑被状況が 31/40 位と評価が低い。 対象都市 指標 / Indicators 総合ランキング 59 都心 部の 緑被 状況 / Level of Green Coverage 大阪 上 位4都 市 アジ ア主 要都 市 Osaka London New York Paris Tokyo Singapore Seoul Hong Kong Shanghai Beijing 23 1 2 3 4 5 6 11 12 14 31 19 22 19 22 9 22 9 37 31 出典:㈶森記念財団(2013)「世界の都市総合力ランキング」 l 東京に比べ大規模な緑が少ない。 l 同縮尺でみた 衛星写真及び地形図 出典:NES/Airbus DS, Earthstar Geographics l 人口一人当たり都市公園面積が 47/47 位と全国ワースト1 出典:一般社団法人 32 日本公園緑地協会 □ 中間所得層の減少、低所得層の増加 l 国際競争下でのコスト削減や、近年の世界的な不況により、急速に雇用悪化。 l 経済低迷、構造不況業種からの失業者増加や急速な高齢化を背景に、低所得 者層が増加。所得300万円以下の世帯割合は全国を上回っている。 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) l 子育て世代の女性の非労働力化など、潜在労働力を活かしきれていない状況 人口減少下での社会活力低下が懸念 l 近年は現役世代が含まれる「その他世帯」の生活保護受給者が増加 大都市で生活保護受給者が増加 生活保護率(人口千人当たり)の推移 出典:大阪府「大阪の成長戦略」(2014.9 版) 33 □ 女性の就業率の低さ l 関西圏は女性就業率が低く、大阪は 45/47 位。女性の子育て期の離職も顕著。 出典:大阪府 HP「女性の就業機会拡大に関する調査報告書」 34 □ 津波災害に対する脆弱性 □ 密集市街地等の防災上の課題を抱える地区 都市防災上の主な災害リスク 35 □ 空家の増加 l 住宅数・世帯数・空き家数とも年々増加。平成 25 年の空き家数は、67.9 万 戸(空き家率 14.8%)、平成 20 年に比べ 5.4 万戸増加。 l 内訳をみると「賃貸用の住宅」が最も多く、平成 25 年では 41.9 万戸。 l 「その他の住宅」は一貫して増加、平成 25 年は 21.4 万戸にのぼる。 67.9 万⼾ 62.5 万⼾ 60.3 万⼾ +3.8 万 +4.7 万 +2.7 万 二次的住宅 :別荘やふだん住んでいる住宅とは別にたまに寝泊まりしている人がいる住宅 その他の住宅(空き家) :二次的住宅、賃貸用住宅、売却用住宅以外の空き家 【H20 年の地域別の住宅数・割合】 【H20 年の府内 63 万⼾の空き家の分布状況】 泉南, 5.1% 30 万⼾ 25 万⼾ 都心6区, 6.9% 泉南, 5.6% ベイエリア4区, 4.1% 泉北, 12.1% 18 万⼾ 53 万⼾ 南河内,6.2% その他14区, 24.1% 41 万⼾ 105 万⼾ 三島, 11.5% 北河内, 12.5% 54 万⼾ 南河内, 4.8% 3.2 万⼾ 7.0 万⼾ 3.0 万⼾ 大阪市, 40.8% 大阪市 153 万⼾ 27 万⼾ 中河内, 9.5% 泉北, 11.2% 豊能, 7.3% 50 万⼾ 中河内, 10.6% 25.5 万⼾ 6.6 万⼾ 7.3 万⼾ 北河内, 11.7% 4.6 万⼾ 5.4 万⼾ 豊能, 7.3% 三島, 8.6% 32 万⼾ 出典:第 34 回大阪府住宅まちづくり審議会(H26 年9月) 36 3.大阪の都市構造上の特徴 大阪府 □ 府域のほぼ全域が都市計画区域(99%) 都市計画区域面積 189,448 ha 都市計画区域外面積 1,006ha 岬町の一部:都市計画区域外 37 □ 市街化区域のほぼ全域が DID 地区(96%) DID 地区(人口集中地区) 出典:国土数値情報(DID データ)より大阪府作成 □ 北摂・金剛生駒・和泉葛城の周辺山系と淀川・大和川 38 Earthstar Geographics □ 都心部から放射状に延びる鉄道・広域幹線道路 □ 市街地が行政界を越えて連担し、多様な都市機能を享受でき る都市圏を形成 大阪府周辺の用途地域の指定状況 39 大阪府周辺の鉄道網図 駅勢圏の状況(半径 1km) 40 高次都市機能の集積状況 41 【パーソントリップ調査結果から見た人の移動】 通勤のパーソントリップを見ると、大阪市への通勤割合が 20%を超える市町が過半 であり、大阪都心を中心とし、兵庫、奈良の一部を含む一体の圏域を形成している。 パーソントリップ(出勤目的) 大ゾーン間流動量の割合 42 市町村間流動量の大阪市への割合 43 また、休日の自由トリップを見ると、隣接または近接した複数の市町村で形成され る一定の圏域が重なり合い切れ目なく連担している。 パーソントリップ(休日・自由目的) 大ゾーン間流動量の割合 44 市町村間流動量の割合 45
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