情報メディア学科 小島研究室[PDF:669 KB]

情報ネットワーク・コミュニケーション学科の丸山研究室・岩田研究室および情報メディ
ア学科の小島研究室は、産学官*1)と連携し、NICT(独立行政法人情報通信研究機構)が主
催する“さっぽろ雪まつり”での実証実験の場に参加しました。
小島研究室では、本実験の場において複数地点(大阪と KAIT)のモーションキャプチャ
(MOCAP)のデータを用いて、リアルタイムで 4K 高精細映像素材を CG(Computer
Graphics)合成し、札幌の雪まつり会場内の北海道テレビ株式会社(以下「HTB」
)にイベ
ント用映像素材として提供する映像制作の実験を成功させました。
本実験は 2015 年 2 月 6 日に、グランフロント大阪内のナレッジキャピタル(The Lab)
内で一般公開しました。
KAIT と大阪会場には、光学式のモーションキャプチャシステムが設置され、それぞれの
拠点のモーションキャプチャ用赤外線カメラで得られたモーションキャプチャデータは、
小島研究室で作成された VRPN(Virtual-Reality Peripheral Network)に準拠したプロトコ
ルで、各地に伝送されます。受信先ではこのモーションキャプチャデータを使い、2 種類の
キャラクタの動作としてCG表示されます。また、KAIT と大阪の間では、演者が互いを見
ながらの掛け合いダンスを行うために、互いの様子をハイビジョン映像で非圧縮のまま双
方向伝送する低遅延のシステムを構築しました。
今回の KAIT と大阪での実験には、多くの学生が参加しました。KAIT 側では学生が主体
となってネットワーク機器の設置設定およびケーブル類の接続と、モーションキャプチャ
システムの構築を行いました。大阪会場との接続は無事成功し、モーションキャプチャの
データ作成をする準備ができました。
大阪会場では、学生が設置されたモーションキャプチャのカメラを用いてのキャラクタ
の振り付けを、KAIT との遠隔掛け合いをしながら行う練習を何度も行っていました。今回
の実験ではリアルタイムで遅延の無い CG 合成ができたため、あたかもキャラクタ 2 人が
同じ場所にいるかのような完成度の高い映像が、札幌雪まつり会場に送られました。
*1) 今回の実証実験は、NICT が 2011 年 4 月から運用している新世代ネットワーク技術
の実現とその展開のためのテストベッド環境 JGN-X を利用した。KAIT は JGN-X 利用プ
ロジェクトとして 2013 年 4 月に「リアルタイム指向ネットワークコンピューティング技術
を用いたストリーミングクラウド機能の検証」というプロジェクトを立ち上げた。KAIT が
プロジェクトリーダーを務め、NICT,
国立大学法人
奈良先端科学技術大学院大学
(NAIST)、エヌ・ティ・ティアイティ株式会社(NTT-IT)、株式会社 PFU、日本電信電
話株式会社、アストロデザイン株式会社の各組織と共同で、高精細映像伝送・蓄積配信実
験を進めている。KAIT は、JGN-X に 20Gbps で接続を行い、NAIST との間で各種の利用
実験を行っている。また、実証実験の実施にあたり、シャープ株式会社、北海道テレビ放
送株式会社、ピュアロジック株式会社、およびトランス・ニュー・テクノロジー株式会社
の協力を受けた。
関連プレスリリース:
http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=7551
http://www.nict.go.jp/press/2015/02/05-1.html
http://www.pfu.fujitsu.com/news/2015/new150206.html