情報ネットワーク・コミュニケーション学科の丸山研究室・岩田研究室および情報メデ ィア学科の小島研究室は、産学官*1)と連携し、NICT(独立行政法人情報通信研究機構)が 主催する“さっぽろ雪まつり”での実証実験の場に参加しました。 情報ネットワーク・コミュニケーション学科の丸山研究室は、世界初の試みとして東京 (大手町)―大阪(うめきた)―北陸間の 100Gbps の JGN-X テストベッドネットワーク およびクラウドによるエミュレーション基盤 StarBED3 の設備を用いて、8K(7680x4320 画素)超高精細映像素材を非圧縮のままストリーム型ビッグデータとして編集加工し、マル チキャストネットワーク技術を用いて配信する実験に成功しました。これにより従来は専 用装置でのみ実現できた、8K 超高精細映像素材の蓄積・配信や編集加工を、クラウド内の ノードを用いて仮想的に実現し、ネットワークを使った遠隔利用ができるようになりまし た。 本実験は 2015 年 2 月 6 日に、グランフロント大阪内のナレッジキャピタル(The Lab) 内で一般公開しました。東京-大阪-北陸の 100Gbps の回線に接続された複数の IP ルー タによりマルチキャスト配信機能を構成し、複数の 8K 超高精細映像素材(24Gbps)の選択的 な受信を行うことで、仮想的な映像スイッチング機能を実現しました。デモ会場では、丸 山研究室が制作した 4K×4 面の簡易型 8K 映像表示装置上にクラウドからの 8K 非圧縮映 像を綺麗に表示した他、岩田研究室が作成した映像切り替えソフトウェアを用いて複数の 8K 映像を瞬時に切り替えるデモを行いました。また、このマルチキャスト配信機能を使い、 8K 高精細映像素材コンテンツから生成されたさまざまなレートの映像コンテンツを KAIT や NAIST(国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学)に配信しました。 実験拠点は大阪(うめきた) 、北陸、札幌、東京(大手町)、KAIT に分散しましたが、映 像素材のネットワーク上における安定的な配信状況を可視化するために、丸山研究室が新 たに制作した 80Gbps 対応の 8K 映像トラヒックメータのリアルタイム表示が好評でした。 また、各拠点のネットワークシステムを学生が中心となって構築し、実験運用を行いま した。大阪(うめきた) ・東京(大手町) ・KAIT それぞれの会場で、ネットワークの物理的 な敷設から各種ネットワーク機器の接続、機器の設定、接続テストに至るまで、多くの作 業を専門の方々と同じ現場で朝から夜遅くまで行うことで、学生にとっても大きな学びの 場となりました。 *1) 今回の実証実験は、NICT が 2011 年 4 月から運用している新世代ネットワーク技術 の実現とその展開のためのテストベッド環境 JGN-X を利用した。KAIT は JGN-X 利用プ ロジェクトとして 2013 年 4 月に「リアルタイム指向ネットワークコンピューティング技術 を用いたストリーミングクラウド機能の検証」というプロジェクトを立ち上げた。KAIT が プロジェクトリーダーを務め、NICT、NAIST、エヌ・ティ・ティアイティ株式会社(NTT-IT) 、 株式会社 PFU、日本電信電話株式会社、アストロデザイン株式会社の各組織と共同で、高 精細映像伝送・蓄積配信実験を進めている。KAIT は、JGN-X に 20Gbps で接続を行い、 NAIST との間で各種の利用実験を行っている。また、実証実験の実施にあたり、シャープ 株式会社、北海道テレビ放送株式会社、ピュアロジック株式会社、およびトランス・ニュ ー・テクノロジー株式会社の協力を受けた。 関連プレスリリース: http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=7551 http://www.nict.go.jp/press/2015/02/05-1.html http://www.pfu.fujitsu.com/news/2015/new150206.html
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