会社法・商業登記法及び関連規則の改正並びに改正に伴う新たな通達及び依命通知について司法書士試験受験生の皆様へ平成 27 年 2 月 15 日辰已法律研究所皆様ご存じのとおり、平成 26 年の会社法の改正をはじめとして、司法書士試験の試験科目である会社法・商業登記法につき影響がある法令の改正がなされ、またこれに関する通達も出されております。これらに関する情報をまとめましたので、ご参照ください。なお、平成 27 年度司法書士試験は、これらの改正等がすべて反映されたものとして出題されることが、法務省より発表されています。１概要 ①会社法・商業登記法改正日等施行日平成 26 年 6 月 27 日改正平成 27 年 5 月 1 日法律第 90 号，91 号 ②商業登記規則平成 26 年 12 月 18 日公布（①に関する改正）法務省令第 33 号 ③会社法施行規則・会社計算規則平成 27 年 2 月 6 日公布（①に関する改正）法務省令第 6 号 ④改正に関する通達・依命通知平成 27 年 2 月 6 日公表（①に関するもの）法務省民商第 13 号，14 号 ⑤商業登記規則平成 27 年 2 月 3 日公布（①とは関係のない改正）法務省令第 5 号２ ①と同じ ①と同じ平成 27 年 2 月 27 日司法書士試験に対する影響 (1) ①について監査等委員会設置会社制度の導入、キャッシュ・アウト制度の創設等新設されたものだけでなく、社外取締役・社外監査役に関する改正、発行可能株式総数の 4 倍規制に関する改正等、従来の規定に対しても、多くの重要な改正がなされています。択一式試験だけでなく、記述式試験においても大きな影響がありますので、必ず対策を取る必要があります。市販の六法も平成 27 年度版であれば改正された会社法が載っているはずですので、重要な改正条文には目を通しておきましょう。なお、辰已法律研究所では、重要条文の新旧対照表が付いた「新しい会社法条文集」（電子書籍版無料ダウンロードサービス付）を発売しております。 (2) ②③について ①の改正に対応する条文の読み替えが中心となっていますので、内容的に司法書士試験に影響するものはないと思われます。 (3) ④について依命通知に記載されている登記記録例は、記述式試験における申請書の記載内容に影響があります。目を通しておいた方が良いものは、以下のとおりです。依命通知の項目 (ア) 会社法改正により新設された、監査等委員会設置会社に関する登記記録例第 1 節第 1.2，第 1 節第 2.1，第 1 節第 2.2，第 1 節第 2.3，第 1 節第 2.5，第 1 節第 3，第 1 節第 4，第 1 節第 5 (イ) 会社法改正により名称が変更された、指名委員会等設置会社の登第 1 節第 6.3 記に関する経過措置の登記記録例 (ウ) 会社法改正により義務付けられた、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めに関する登記記録例 (エ) 会社法改正により対象者が拡大された、責任限定契約に関する登記記録例第 1 節第 1.1，第 1 節第 2.4，第 1 節第 6.1（経過措置）第 1 節第 2.7，第 1 節第 6.2（経過措置） (4) ⑤について司法書士試験の内容に大きな影響を及ぼす商業登記規則の改正です。この改正により、取締役・監査役等の就任の申請をする場合には、原則として本人確認情報の添付が必要となりました（改正商登規 61 条 5 項）。また、代表取締役等が辞任する場合には、原則として、印鑑証明書を添付する必要があるとされました（改正商登規 61 条 6 項）。これにより、記述式試験で必ず記載させられる添付書面が異なってくることになります。また、役員の婚姻前の氏をも記録することができるようになりました（新設商登規 81 条の 2）。これらの改正の詳細は、法務省のＨＰ（http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00085.html）に掲載されていますので、必ず目を通しておいてください。辰已法律研究所では、従来より、平成 26 年会社法改正完全対応として、上記①につき、改正後の法律を基に全講義及び答練を実施し、また、改正関連の各種ガイダンスを実施してまいりました。今後も、改正関連の情報を受験生の皆様へ提供してまいります。末筆ではございますが、辰已スタッフ一同、受験生の皆様のご健闘をお祈り申し上げます。