田中博 教授 最終講義 生命・進化・疾患 Life, Evolution and Disease ∼情報論的-複雑系的アプローチはどこまで本質に迫れるか∼ 2015年3月12日 17:30 鈴木章夫記念講堂 司会: 石野 史敏 教授 (難治疾患研究所長) 生命系が非生命系と区別されるのは、「情報」を構成原理 として自己のシステムを構築している点である。「情報」 は、その本性から時間的志向性(「未来」)の枠組みのなか にしか存在しない。したがって生命は、志向的将来のもとに 自己を絶えず回帰的に生成する動的システムである。 本講演では、このような視座に立って、(1)「生命とは 何か」という繰返し問われる問いに情報生物学-複雑系生命 科学がどこまで迫れるか、(2)近年、Evo-Devo(進化 的発生生物学)から発展し、生命進化を統一的に説明する理 論として期待されている「進化的システム生物学」は既存の 進化学を根本的に変革できるか、(3)がんの転移やiPS細 胞などの再生医療のリプログラミングの基礎理論として期待 されている「定量的Waddington Epigenetic 地形」理 論は、発生・再生・疾患のグランドセオリーになりえるか、 などの話題を中心にして、最近の研究動向を概述するととも に講演者の研究を紹介し、標記の問いに対する講演者の将来 の展望を提示したい。 難治疾患研究所 生命情報学分野 田中 博 教授 (Dr. Hiroshi Tanaka) プロフィール: 平成3年11月より東京医科歯科大学、難治疾患研究所、情報 医学研究部門教授。田中教授は、ご自身の専門である生体医工学、医療情 報学、複雑系科学、人工知能の医療応用研究から、バイオインフォマティ クス、システム進化生物学、オミックス医療などにおいて新しい概念を提案 なされました。その成果として、総務省・情報通信月間推進協議会会長表 彰の「情報通信功績賞」をはじめ数々の受賞歴をお持ちです。 日時: 3月12日 17:30開演 場所: 東京医科歯科大学、 MDタワー2F、鈴木章夫記念講堂 連絡先: e-mail:[email protected] (担当: 森岡), 生命情報学(5839)
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