クレーム情報 - 全国クリーニング生活衛生同業組合連合会

【クレーム情報】
ね つ か そ せ い
ポリエステルの熱可塑性を利用したプリーツ加工が、タンブラー乾燥やスチーム仕上げの
な形状のプリーツを作ることができ、プ
る性質)を利用して加工するもので、様々
成形しやすくなり、冷やすと再び固くな
以上にプリーツに与える影響が大きい
熱量も大きいことからタンブラー乾燥
上げは、短時間であっても温度が高く
熱 が加わることで消失した事例を紹介します。
ポリエステル素材のプリーツスカート
リーツの保持性にも優れている。しかし、
■事故の状態
の左脇側のプリーツが消失し、生地が伸
■タンブラー乾燥と
分間蒸
加工後に加えられる熱には弱いことから
℃の蒸気で
びたようになっている。
㎏/㎠・
プリーツの伸びについて
熱処理し、プリーツを固定したポリエス
℃・
分間の条件でプリーツが開
テルの生地をタンブラー乾燥する実験で
は、
き、保持性が低下し始める結果が報告さ
れている。
また、同じタンブラー乾燥機を使いタ
ハンガーなどに吊して陰干しで自然乾
とタンブラー内胴の表面温度を測定した
℃
結果では、タンブラー内の雰囲気温度が
燥するか、
~
になることが確認されている。プリーツ
℃のとき内胴表面温度は
・プリーツの形を整えてバキュームなど
製品をタンブラー乾燥する際には、高温
を行う
で 固 定 し、 浮 か し ア イ ロ ン で 軽 く ス
にも考慮した温度の管理と取扱いが必要
度に加熱されるタンブラー内胴との接触
~
℃以下のタンブラー乾燥
・乾燥はシワを伸ばしてプリーツを整え、 ンブラー内の雰囲気温度(大気の温度)
・脱水、脱液は軽く振りきる程度とする
リーニングでソフトに取り扱う
・ウエットクリーニングまたはドライク
ないようにする
・しつけ縫いなどをしてプリーツが開か
自然な状態になるように取り扱う
・ハンガーに吊るすなどしてプリーツが
取扱いには次のような注意を要する。
■原因
タンブラー乾燥の熱やスチームトンネ
ルでのスチーム処理によりプリーツが消
失したもの。
特 に プ リ ー ツ を 固 定( し つ け 縫 い な
ど)しない状態のまま、スチームトンネ
ルを通したことに問題がある。
20
チーム仕上げをする
85
■事故の防止対策
70
62
プリーツが消失しないように適切な処
理を行う。
30
72
■処 理 方 法…石油系溶剤によるドライクリーニング、
タンブラー乾燥、スチームトンネル仕上
・スチームボックス、スチームトンネル
写真1 プリーツ加工されたポリエステルのスカート
ポリエステルプリーツは、ポリエステ
低
■取扱い絵表示…
■ポリエステルプリーツ製品の
取扱い方法
3
60
となる。
■素 材…ポリエステル
40
での仕上げは不可。スチームによる仕
左脇部分
ル繊維が持つ熱可塑性(加熱で軟化して
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会制作
機関誌「クリーニングニュース」より
1
1
5
■品 名…プリーツスカート
写真 2 スカート左脇部のプリーツがほぼ消失
している
ポリエステルプリーツの消失
右脇部分