茨城県内の感染症情報 2015年2月6日 ◆本県の流行状況 全国的にインフルエンザが流行しており,本県では,第3週(1月12日~1月18日)に1定点当たりの報告 数が今シーズン最大の30.92まで増加しました。第5週(1月26日~2月1日)では,21.40と減少しておりま すが,警報は継続中です。流行のピークは過ぎたとも考えられますが,今後もしばらくは注意が必要です。 ◆インフルエンザウイルスとは? インフルエンザウイルス(図1)は,A,B,Cの3型があり,ヒトは主にA型とB型に 感染します。ウイルス粒子表面には,赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA) という糖蛋白が存在しています。A型では,HAが16種類,NAが9種類あり,これら の組み合わせにより,亜型に分類されます。季節性のものとして,現在ではA型 のH3N2とH1N1,B型(Yamagata系統,Victoria系統)のインフルエンザウイルスが 図1.インフルエンザウイルス 検出されています。 (電子顕微鏡写真) 同一の亜型でも,ウイルス遺伝子に変異が起こると,抗原性が少しずつ変化す 国立感染症研究所 HPより出典 るため,毎年のように流行を繰り返します。数年から数十年毎に,従来とは異なる亜型のウイルス (新型インフルエンザウイルス)が突然出現すると,免疫を保持していないヒトが多数存在するため, 世界的な大流行が見られます。 50 ◆インフルエンザウイルス検出情報 昨シーズンは,主にA(H1)pdm09とAH3が流行して いましたが,今シーズンは,本県および全国ともにAH3 (香港型)が多く検出されております(図2,図3)。例年 では,A型の流行後にB型が流行することが予想されま すので,引き続き予防や対策をしっかり行いましょう。 また,今シーズンの抗インフルエンザ薬耐性株は,現 時点では全国でも報告されていません。 Yamagata系統 40 ( 検 30 出 報 20 告 数 10 ) 茨城県 B(山形系統) B(ビクトリア系統) AH3 B(系統不明) A(H3) A(H1)pdm09 0 36 38 40 42 44 46 48 50 52 2 4 (週) 図2.茨城県におけるインフルエンザ検出状況 ◆対策 ・ワクチンを接種しましょう。 ・適度な湿度を保持し,十分な睡眠とバランス のよい食事をとりましょう。 ・帰宅時には,こまめに 。 ・発症したときには,外出を控え,咳エチケッ トを心がけ,周囲の人に感染を拡げないように しましょう。 ( 検 出 報 告 数 ) 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 Yamagata系統 A(H1)pdm09 全国 B(山形系統) AH3 B(ビクトリア系統) B(系統不明) A(H3) A(H1)pdm09 36 38 40 42 44 46 48 50 52 2 4 (週) 図3.全国におけるインフルエンザ検出状況 ◆小児や高齢者は重症化することもある ため,症状が現れたときは早めに医療機 関を受診しましょう! 茨城県感染症情報センター (茨城県衛生研究所企画情報部) TEL 029-241-6652
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