算 数

中学受験新演習 小 4 上 算数 指導のポイント
1
かけ算・わり算
▼指導ページ P5 ~ 12 ▼
★整数のかけ算・わり算の計算をする。
★わり算の,わる数・わられる数・商・あまりの関係を理解する。
★整数のわり算で,わられる数の少数点以下に 0 をおぎなってわり進む計算をする。
指導のねらい
例題1 整数のかけ算
授
業
【基本1,練習1,6】
◎かけ算が同じ数のたし算として成り立つことを理解
例題3 終わりに 0 がある整数のかけ算・わり算
◎終わりに 0 のある整数のかけ算やわり算の計算の工
させる。
○+○+… ○=○×△
夫を学ぶ。始めに工夫したい計算をやり,工夫した
△個
ときとの差を実感させるとよい。
  27400
  27400
同じ数のたし算 → かけ算
×    380
◎ 2 けた以上のかけ算に慣れさせる。くり上がりに注
展
  00000
意させる。
例題2 整数のわり算
【基本 1 ,2,練習3,
4,6】
◎ 等 分 除 に 対 し 抱 含 除 と い わ れ る。 ト レーニ ン グ ⑵
開
【基本1~3,練習1,2,5】
は,商は整数で,あまりも答えるようあらかじめ指
×   380 
→
2192  
  219200
822    
  82200   
  10412000
10412000
↑
省いた3 個の0
示しておく。
◎余りのあるわり算の逆算では,商の意味をしっかり
例
理解させることが重要。
商…わ られる数の中にわる数がいくつ入っているか
を表す。
基本1
練習1
◎単位の変換の再確認をさせたい。
⑼ 終りに 0 のあるわり算の計算のくふうでは,
⑸,⑹は単位をそろえてから計算することを徹底さ
①わる数とわられる数の 0 を同じ数だけはぶく。
②あまりには,はぶいた個数の 0 をつける。
せる。
※②を忘れないよう注意させる。
重
⑴ 58(mm)× 15 = 870(mm)   58
1cm = 10mm より,
× 15
       19
2000)38400
870mm = 87cm
←①
290
       20   
要
←②
答 19 あまり 400
基本2
⑹ 1dL = 100mL より,
       24
84dL = 8400mL
  350)8400
8400 ÷ 350 = 24(dL)
      70  
     140  
◎⑴は抱含除(単位の等しいわり算),⑵は等分除(単位
題
     140  
が違うわり算)である。
⑴ あまりの処理のしかたに注意させる。
れさせる。
380 ページ÷ 30 ページ= 12 日あまり 20 ページ
⑴ 基本3
⑴ 200 × 30 筆算
□人 ×3 こ
(524 + 67)÷ 3 = 591 ÷ 3 = 197(人)
◎⑴では,残りのお金ではなくノート 3 さつと消しゴ
×  30   
ム 6 このお金を答えとしてしまう例がある。求める
答えが何であるかをしっかり考える習慣をつけさせ
= 6000mL ←(1L = 1000mL)
10000 ÷ 200
たい。
答 6L
= 6L
⑴ 残りのお金…3000 -( 280 × 3 + 80 × 6 )
280
  840
3000
      50
200)10000
↓ 0 を 2 つずつ消す       10 
= 100 ÷ 2
= 50(日)
答 197 人
練習5
  200
(2 × 3 の 6 に 0 を 3 つつける)   6000
⑵ 10L = 10000mL
不足の 67 こ
場合の処理のしかたを学ばせる。
暗算
例
524 こ
答 13 日
12 + 1 = 13(日)
◎ 0 を含むかけ算・わり算の筆算とともに暗算できる
説
答 24dL
◎過不足など,おりにふれて線分図を用いることに慣
↓
何日かかるか→ 12 日目では終わらない
解
       0  
練習4
380 ÷ 30 = 12 あまり 20
の
答 87cm
  870
       180  
        400
問
   58  
      184  
      0  
答 50 日
×  3 
+  480
-1320
840
1320
1680
答 1680 円
中学受験新演習 小 4 上 算数 指導のポイント
2
指導のねらい
小数のせいしつとたし算・ひき算
▼指導ページ P13 ~ 20 ▼
★小数の意味がわかり,小数のしくみを理解する。
★長さ,重さ,かさの単位のしくみを理解し,数量をいろいろな単位で表す。
★小数のたし算・ひき算をする。
例題1 小数のしくみ
◎単位の位の対応を使って単位をおきかえる方法を定
◎各位の大きさを確認する。
授
着させたい。
☆整数は小さな位から大きな位へと指導したが,小数
例題3 小数のたし算・ひき算 【基本3,
4,練習2~6】
では逆に大きい位から小さい位へと指導していくこ
◎整数と同様にたし算,ひき算できることを確認する。
とになる。
1
1
1
☆ 100 の 10 は 10 ,10 の 10 は 1 ,1 の 10 は 0.1 ,…の
ように,整数と小数を連続的にとらえさせる。
業
展
【基本1,練習1】
例題2 長さ,重さ,かさの単位
特に小数点の位置をそろえて計算することを強調す
る。
☆整数の計算で末位をそろえることと,小数の計算で
小数点の位置をそろえることは,同じ意味を持つこ
【基本2,4,練習2~6】
とを強調。
◎長さ・重さ・かさの単位のしくみを学習する。m,
g,L を基準とするので,大きな単位から順をおって
確認するとよい。
開
長さの単位 1km = 1000m,1m = 100cm,1cm = 10mm
重さの単位 1t = 1000kg,1kg = 1000g,1g = 1000mg
例
かさの単位 1kL = 1000L,1L = 10dL = 1000mL
1
k
(キロ)
は 1000 倍,m
(ミリ)
は 1000 の単位をつくる。
基本1
練習4
◎小数は大人にとってはあたりまえでも子供にとって
◎数直線をつかって,求めたい道のりの計算方法を確
は,始めての経験なので,つまずきのないようてい
認する。
ねいに指導したい。
⑴ 1km = 1000m 扌 km 一の位が m の千の位
(千)
答 600 m
⑷ 1000g → 1kg
答 4.8 kg
◎単位をそろえてから計算することを強調。
⑴ 1.38km - 720m = 1.38km - 0.72km = 0.66km
答 0.64km
⑶ 0.64km - 400m = 0.64km - 0.4km = 0.24km
答 0.24km
◎整数のときにかけ算・わり算する。
⑴ 1L を 6 本⇒ 6L
答 2.5L
⑵ 6L = 60dL
60 ÷ 7 = 8(人)あまり 4(dL)
4dL = 400mL
答 8 人,残り 400mL
練習6
1000m = 1km
720m = 0.72km
例
6(L)- 35(dL)= 6(L)- 3.5(L)= 2.5(L)
(一)
練習2
説
⑵ 2300m - 1.66km = 2.3km - 1.66km = 0.64km
1 人 7dL ずつ,5 人に分ける⇒ 7 × 5 = 35(dL)
4800g = 4.8kg
答 1.66km
練習5
千 → 一
解
一 → 千
0.6km = 600m
の
まなぶ君
の家
答 0.72
基本2
出会う
◎単位のおきかえは位の変化を意識させるとよい。
題
400m
⑴ 460m + 1.2km = 0.46km + 1.2km = 1.66km
0.001 を 720 こ→ 0.72
問
1.2km
おかし屋
答 0.206
⑵ 0.001 が 100 こで 0.1 ,10 こで 0.01
460m
ゆう便局
要
⑴ 0.1 を 2 こ,0.001 を 6 こ
↓
↓
0.2
0.006
0.206
よしあき君
の家
重
2300m
◎重さの単位として (トン)
t
が使われる。重さの単位を
答 0.66km
整理しておくとよい。
◆重さの単位
1t
1kg
1000 倍
1g
1000 倍
1mg
1000 倍
中学受験新演習 小 4 上 算数 指導のポイント
3
和差算
指導のねらい
▼指導ページ P21 ~ 28 ▼
★数量の関係を線分図に表す。
★いくつかの数量の和と差がわかっているとき,数量の関係を線分図に表し,それぞれの数量を求める。
例題1 数量の関係を線分図に表す
授
【基本1,練習1】
◎はじめに,線分の長さで数量を表すことのよさを簡
させる。
◎全体量を 1 本の線分の長さで表し,残りが線分のど
こにあるか視覚化させる。
展
◆全体量と残り
A=○
B=○
◆和差算の線分図の書き方
大
小
全体量
残り
例題2 2 つの数量の和差算
【基本2,練習4,5】
◎和差算と和差算の線分図の書き方を例題を用いて説
明し,2 つの数量の和差算の公式につなげる。
例
AとBの和
AとBの差
・2 つの数量の大小を確かめ 2 段に線分図を書く。
使った数
開
・2 つの数量の和と差から,もとの 2 つの数量を求め
る問題を和差算という。
単に説明する。
☆例題などで,問題を解きながら線分図を書かせ慣れ
業
◆和差算
和
差
◆和差算の公式
小=(和-差)÷ 2
大=(和+差)÷ 2
例題3 3 つの数量の和差算
大=小+差
小=大-差
【基本3,練習2,3,6】
◎数量の数だけ線分を書き,和やそれぞれの差をまち
がいなく書かせる。
基本1
◎線分図がなくても解けるが,線分図をかく練習として
かかせるのもよい。
⑴
40 こ
子どもにあげた数
重
要
残り 16 こ
40 - 16 = 24
⑵ 24 ÷ 6 = 4
答 24 こ
答 4 こ
基本2
問
・和差算の線分図をノートに正しく書けるよう指導する。
・求める 2 つの数,2 つの数の大小,2 つの数の和と
差をはっきりさせてすすめるとよい。
題
の
⑴ 2 つの数 男子の人数,女子の人数
大小
男子>女子
和と差
男子
和= 39 ,差= 3
女子
解
3人
39 人
女子の人数の 2 倍…39 - 3 = 36
(人)
女子の人数…36 ÷ 2 = 18(人)
説
答 18 人
⑵ 2 m = 200cm
長い方
短い方
例
20cm
200cm
短い方の 2 倍…200 - 20 = 180
短い方…180 ÷ 2 = 90
長い方…90 + 20 = 110(cm)
父
母
ようじ君と弟
220 ÷ 2 = 110(cm)
答 110cm
4才
28才
90才
いちろう君
図より,父といちろう君の差は,
答 32 才
28 + 4 = 32
⑵ 90 - 32 - 28 = 30…いちろう君の 3 倍の年令
答 10 才
30 ÷ 3 = 10
練習4
◎おはじきをあげる前とあげた後で数のうつり変わり
を線分図で示す必要がある。
23こ
姉
82こ
妹
23こ
⑴ 姉…あげた後より 23 こ多い
妹…もらった後より 23 こ少ない
答 46 こ
23 + 23 = 46
⑵ あげた後の姉…82 ÷ 2 = 41
答 64 こ
41 + 23 = 64
練習6
◎ようじ君と弟の合計をまとめて 1 つの数量とみなす
必要がある。
⑴ ようじ君と弟のビー玉の数をひとまとめにして考える。
●ポイント●
3 人の合計→兄と(ようじ君と弟)の 2 つの和
兄
または,200 + 20 = 220
練習2
◎線分図が 3 本になるときは,どれか 1 つを基準とす
ること。とくに指定がないときは一番値が小さいも
のを基準とすると考えやすい。
⑴ いちろう君を基準とする。
5こ
119 こ
兄…119 - 5 = 114
114 ÷ 2 = 57(こ)
答 57 こ
中学受験新演習 小 4 上 算数 指導のポイント
4
指導のねらい
授
角のせいしつ 平行線と角
▼指導ページ P29 ~ 36 ▼
★角の大きさの表し方を学習し,直角の意味を理解する。
★直線が交わったときにできる角の大きさを求める。
★垂直と平行の意味を理解し,平行な直線の性質を利用して角の大きさを求める。
例題1 角の大きさの表し方
【基本1】
◎図を用いて,角と角の大きさの表し方を理解する。
テキストの 4 つの図を板書しながら説明するとよい。
例題3 平行な直線のせいしつ
◎平行線の性質を理解させることはこの単元の山であ
る。次のような板書を参考に説明し,同位角やさっ
角の大きさ=角度
業
展
開
例
… 1 回転の角度…360°
1
2 回転の角度…180°
角
頂点(回転の中心) 1 回転の角度…90°←直角
4
☆ 1 回転の角度の 360 という数は多くの数で割り切れ
ること,昔の人が暦の必要から 1 年を 360 日として
いたことを指摘しておくとよい。
☆導入として分度器を示し ,「これは何だろう」という
発問から入る方法もある。
例題2 直線が交わってできる角の大きさを求める
【基本2,3,練習1】
◎対頂角の説明を行う。なぜ等しくなるのかを考えさ
角が等しいことを定着させるため,いくつかの簡単
な問題を作り,答えさせるとよい。
◆平行線の性質と垂直
①平行と垂直
平行
②平行線の性質
11 以外すべて割り切れることを体験させるのもよい。
⑴ 1 回転の角度は 360 度
重
要
問
題
答 120 度
360 ÷ 3 = 120(度)
答 30 度
説
同位角は等しい。
さっ角は等しい。
☆垂直の垂の字のまちがいが多いので注意しておきたい。
「垂」の下部を 2 本線にするのは「重」の影響である。
練習5
◎「補助線の活用」がテーマである。練習 4 がヒント
となっている。
◎授業展開としては,以下の方法がある。
①重 要問題とノートに書かせ,ヒントなしで 1 分間
で解かせる。
②第 1 ヒ ン ト と し て「練 習 4 を 見 て 補 助 線 を 使 う」
360 ÷ 8 = 45(度)
とよい。さらに発展的に「カミナリ問題」とでも称
360 ÷ 3 = 120(度)
360 ÷ 9 = 40(度)
して順に 5 回屈折ぐらいまでも作成し,黒板上で生
360 ÷ 4 = 90(度)
360 ÷ 10 = 36(度)
徒に解かせてみるのもおもしろい。
360 ÷ 5 = 72(度)
360 ÷ 11 = 32.…(度)
360 ÷ 6 = 60(度)
360 ÷ 12 = 30(度)
を与える。
360 ÷ 7 = 51.…(度)
◆カミナリ問題
①
②
◎平行な直線が 3 本以上ある場合 , その中の 1 組を選ん
で考えることを意識させたい。板書もあの角ではア
いて説明するとよい。
65
ア
110
イ
※角度は , 適当な数値を用いる。
◎チャレンジ問題がさらに発展となっている。
練習7
35
ア
イ
65
65
同位角
180 - 65 = 115(度)
⑤
しいことを利用する
⑴ あの角
ウ
④
◎平行な補助線を引き,平行線のさっ角や同位角が等
ウ
ア
③
⋮
150
例
同位角
◎練習 7 を練習 5 の発展問題として連続して解かせる
とウを書き抜いた図を,いの角ではイとウを書き抜
解
垂直
(90 )
の記号
⑵ 360 ÷ 12 = 30(度)
1
◎ 12 回転までの角度
360 ÷ 2 = 180(度)
練習2
の
垂直
さっ角
せるとよい。
基本1
1
1
◎ 3 , 12 回転の角を求めさせるが,発展として回転ま
1
でを求めさせ, n 回転で n が 12 までの整数なら 7 と
【基本4,練習2~7】
答 115 度
30
●ポイント●
平行線のさっ角は等しい。
平行線の同位角は等しい。
100
100
あ…35 + 30 = 65(度)
答 65 度
中学受験新演習 小 4 上 算数 指導のポイント
5
指導のねらい
第 1 回~第 4 回のまとめ
▼指導ページ P37 ~ 40 ▼
★第 1 回~第 4 回の学習内容の定着。
★月例テストの準備・対策。
2 基本・練習問題への挑戦
1 第 1 回~第 4 回の学習内容の確認
◎学習内容の対応関係は下記のようになる。
第 1 回…かけ算,わり算
授
→かけ算,わり算
第1回
→ 0 があるかけ算,わり算のくふう
第 2 回…小数のせいしつとたし算・ひき算
業
基本問題1,2
第2回
→たし算,ひき算
→重さ,かさの単位
基本問題3,4
→和差算
基本問題5,6
練習問題4,5
第4回
→線分図の利用
第 4 回…角のせいしつ,平行線と角
開
練習問題3
第3回
第 3 回…和差算
展
練習問題1,2
基本問題7,8
練習問題6,7
→直角,平行と垂直
→対角線,平行線のさっ角,同位角
◎第 1 回~第 4 回の学習内容をふりかえり,復習をす
例
ることで記憶への定着をはかり,総合問題への準備
をする。
練習5
基本2
⑵ [別解]
●ポイント●
かけ算…同じ数を何回かたす
ひろこ
わり算…同じ数を何回かひく
⑴ 毎日 10 題ずつ解く→わり算
答 15 日
⑵ 180 ÷ 15 = 12
300 円
答 12 題
2500 ÷ 2 = 1250(円)
答 1250 円
練習6
◎和差算として解くこともできるが,図を使って処理
基本3
問
2000 円
ひろ子…2000 + 500 = 2500
(180 - 30)÷ 10 = 15
要
800 円
500 円
妹
30 題残った→ 150 題解いた
重
100 円
⑶ 0.1 は 0.001 が 100 こ
⑵
10 は 0.001 が 10000 こ
したい。
20.6 = 10 × 2 + 0.1 × 6 より 20600
題
答 20600
⑹ 1000g = 1.00kg
40
40g = 0.04kg
の
答 10.04kg
基本5
解
和差算で
⑴ 合わせて 22 まい→和= 22(まい)
…8 まい少ない→差= 8(まい)
40 度
兄…22 + 8 = 30 30 ÷ 2 = 15(まい)
説
例
180 - 40 = 140(度)…あの 2 倍
弟…22 - 8 = 14 14 ÷ 2 = 7(まい)
答 兄 15 まい,弟 7 まい
答 70 度
図のようにいをわけるとあは,
⑴ 1 回転= 360 度
180 - 40 = 140
360 ÷ 9 = 40
答 40 度
⑵ 1 直角= 90 度
270 ÷ 90 = 3
140 ÷ 2 = 70(度)
[別解]
基本7
180 度
答 3 直角
140 ÷ 2 = 70
答 70 度