中間評価改訂版の策定にあたって 「食」は、生きる上での基本であり、健全な食生活を実践 することは、私たちが心身ともに健康な生活を送るために欠 かせないものです。また、「食」は、地域の自然や伝統文化 等を引き継ぐための手段でもあります。 近年、食べ物の流通は盛んになり、それに伴って私たちの ライフスタイルは多様化し、食を取り巻く環境も変化してま いりました。こうした中、本市では、平成 21 年 3 月に食育推 進計画を作成し、「食に関わる人々への感謝と思いやりの心 を深めつつ、食べることの大切さを理解し、安全・安心な食 べ物を選択する力や望ましい食習慣を育てる」という現行の 食育推進計画の基本理念のもと、次世代を担う子どもたちが、健やかに、明るく、元気 に育ってほしいという願いを込めて、食育の推進に取り組んでまいりました。 平成 23 年 3 月 11 日、東日本大震災によって本市は甚大な被害を受けました。 また、多くの尊い命と貴重な財産を失ったばかりではなく、環境の変化から、不規則 な食事や栄養摂取の偏りによって、肥満や生活習慣病の増加等、様々な健康問題を生じ させました。さらには、供給の寸断、放射線の影響等、食の安定確保と食の安全という 社会的問題も浮き彫りとなりました。 これらを経験したことで、食の一層の大切さと、家族や地域の「絆」と「支え合い」 が再認識され、食育の重要性や求められる役割も増しているものと考えております。 こうした状況を踏まえ、この度の食育推進計画の中間年に伴う改訂におきましては、 かまいしの風土や文化等への理解を深め、生産してくれる方や調理してくれる方、恵ま れた地域の環境等、全てのものに対し感謝する心を大切にして欲しいという願いを込め て、「噛んで かまいし 感じる 感謝の心」という新たなスローガンを掲げました。 食育の「実践」に重点を置き、市民の皆様が目指すべき「実践目標」を設定するとと もに、ライフステージに応じた行動指針を示し、市民の皆様の「実践」を支援してまい ります。 市民一人ひとりの健全な食生活の実現、食文化の継承、そして、健康の保持が図られ るよう、食に関する知識と選択する判断力を正しく身につけ、次の世代に継承すること が重要であることから、家庭を中心としながら、学校・地域・企業等の皆様との連携強 化し、市をあげて食育推進運動に努めてまいります。 結びに、本計画の改訂にあたりまして、ご尽力をいただいた関係者の皆様をはじめ、 貴重なご意見をお寄せいただきました市民の皆様に、心より感謝申し上げます。 平成 26 年 3 月 釜石市長 野 田 武 則
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