ICT活用(タブレットの導入)について

横浜市交通局
ICT活用(タブレットの導入)について
横浜市交通局では、ICT(Information and Communication Technology)
の活用に取り組んでいますが、本稿では近年普及が進んでいるタブレット型パソ
コンの当局業務への導入・活用事例についてご紹介します。
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タブレット型バス接近表示機
まず、バス停でのタブレット型パソコンのお客様向け情報提供への活用事例に
ついてご紹介します。
(1) 導入の経緯
横浜市営バスでは、バスを待つお客様がバスの接近を把握できるよう、市
営バス沿線各所に接近表示機を設置してきました。
当初はバス停の標柱や上屋を設置対象とし、平成 23 年度までに市内 85
か所に設置しま
したが、機器 本
体が高額であ る
ことや、設置可
能な場所も少 な
くなってきた こ
とから、平成 24
年度から「タ ブ
レット型バス 接
近表示機」の 開
発・導入に着 手
しました。
タブレット型バス接近表示機(写真上)
5つ前のバス停に接近してきたバスを、通過するまで画面表示
します。
画面下段には広報や防災情報を表示します。
【設置台数】
平成 26 年 11 月現在の合計 82 台(46 か所)
(平成 26 年度末 累計 100 台予定)
(2) タブレット型接近表示機の特徴
このタブレット型接近表示機には、下記のような特徴があります。
①従来機器に比べ安価
これまで、設置費用を含めて1台あたり約 80 万円程度だったものが、
約 30 万円程度で整備できるようになりました。
②省スペース
小型で薄い形状を生かして、これまで設置できなかった場所、お客さま
の利便性の良い場所に設置が可能となりました(例:地下鉄駅構内、病院
の待合室、大型商業施設、コンビニエンスストア等)。
③消防局の防災情報メールと連動し、天気や注意報、速報等の防災情報を画
面下段に表示する機能があります。
(3) 今後の展開
今後は、市営地下鉄や市営バスの運行に遅延等が発生したときにその情報
をタブレット型バス接近表示機に表示する機能を持たせることで、お客さま
の利便性をさらに向上させたいと考えています。
(4) 手のひらバス接近表示機
また、タブレット型バス接近表示機の開発と平行して、同様の運行情報を
お客様の携帯電話・スマートフォンでも表示できるサービスを開発し、「手
のひらバス接近表示機」としてお客様に公開しています(H25.11/1~)。
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業務用タブレットの試行導入
次に、業務用タブレットの試行導入についてご紹介します。
当局では、
①業務の効率化・改善、
②輸送品質・お客さまサービスの向上
③安全運行の確保
を主な目的として、平成 26 年度からタブレット端末を局内の複数の部署
(バス・地下鉄)に試行的に導入しました。
(1) 試行での導入内容
今回は試行ということもあり、機能や使い勝手の比較ができるように2種
類のタブレットを選定しました。
① Windows 8.1 タブレット(60 台)
これまで業務で活用してきた資料を有効活用できるよう、Windows タ
ブレットを導入しました。また、専用の通信回線として、別途、WiMAX
ルータを用意しました(35 台)。
② iPad(20 台)
情報共有や会議用として企業での導入事例が多いiPadも導入しました。
こちらは通信回線を内蔵したモデルを選定し、屋外での機能性を高めました。
(2) 業務用タブレットの活用の方向性
当局が業務用タブレットに期待する活用と効果には、下記のようなものが
ありました。
① 資料共有
職員が持ち歩くマニュアル、図面などを電子ファイルにしてサーバーに
保存し、タブレット端末から閲覧可能とすることで大量の資料の持ち運び
や配布にかかる労力を軽減。
② インターネットでの情報取得
インターネット接続機能を利用してお客様案内や市内交通網の状況把握
等に活用。
③ リアルタイムでの情報共有
TV 電話機能等を活用し、現場で発生したトラブル等の状況を即時性の
ある映像で伝達することで、保守拠点・本局等との情報共有を促進。
(3) 実績
現在までのおもな活用実績には次のようなものがあります。
① 10/6 の台風 18 号の影響により、戸塚駅で発生した浸水の現場の状況を、
業務用タブレットを携帯した職員が TV 電話機能により本庁の対策本部に
配信したことで、対策決定プロセスの短縮を図ることができました。
② 会議での資料配付に業務用タブレットを活用し、本庁だけでも4か月で1
万ページ以上の印刷を削減しました。
③ 従来は調査票を手書きしていた屋外でのバス利用者数の添乗調査に業務
用タブレットを活用し、本庁でのデータ入力の手間を削減しました。
(4) 今後の展開
今年度試行での局内意見を基に、使用環境の整備や台数の追加等の対応を
行い、業務用タブレットの本格的な導入に繋げていきます。