福島大学松川資料室に関する要望書 福島大学 学長 中井勝己 様 2015 年 月 日 住 所 職業・役職名 名 前 2011 年の大震災・原発事故後、大学運営に多分の支障を来しながらも、福島県の復興 に大きく寄与され、時代と社会のニーズに応える人材育成大学として広く社会に貢献され ていることに敬意を表します。 貴大学が松川事件現場近くの福島市松川町に移転したことを契機に 1984 年、、「松川事 件の資料収集と資料室の開設」を福島大学の教授会が決議し、広く関係者に資料収集への 協力が呼び掛けられ、4年後には、松川資料の公開もはじめられました。 20 世紀最後の年、福島県内の新聞各社は、「20 世紀の十大事件」で、日露戦争や第二次 世界大戦をおさえて松川事件を第一位に選びました。これは松川事件が国民・県民の関心 を集めた重大事件だったからです。また、その事件の内容、裁判、無実の労働者を救えと の国民的な救援運動など、戦後史にとっても特筆すべき事件でした。そのため、「松川資 料室」を大学が開設し運営する事は、学問・研究のみならず、日本社会や地域に貢献する 意味をもつものとして、事件関係者、学会、法曹界、冤罪事件の救援運動関係団体、マス コミ、さらには国際的な人権機関など広範な人々から大きく評価されています。 2009 年の松川事件発生 60 周年記念全国集会、2013 年の松川事件無罪確定 50 周年記念 全国集会は、貴大学を会場に開催されました。いずれも 1,500 ~ 2,000 人をこえる参加者 がありました。また、NPO 福島県松川運動記念会は 2012 年に貴大学の協力で「松川事件 語り部養成講座」を開催(10 回)しました。のべ 700 人をこえる参加がありました。参加 者は、福島大学松川資料室が存在し、研究・公開されていることに感謝の意をあらわすと ともに、「松川資料を世界記憶遺産に」との評価もあり、松川資料室の充実・発展を願い ました。松川事件・裁判・運動を広く深く調査、分析することによって日本の戦後史や権 力犯罪、そして松川運動の姿などを解明する「松川学」も提唱されています。 近年、国の教育・研究関係予算が削減され、貴大学におかれましても、削減が余儀なく されているとのことですが、その中にあって、福島大学松川資料室の運営はどのようにな るのか、と心配する声も寄せられています。 松川資料室には、毎年数百人にのぼる見学者が訪れると聞いております。それが大学及 び関係者のご努力で行われてきたことに深く感銘するものです。私たちは、福島大学松川 資料室を中心に、今後とも資料の収集・整理・研究・公開の活動が発展されていくことを 願っています。 貴大学におかれましては、こうした声や強い願いをお汲み取りいただき、今後も松川資 料の収集・整理・公開の継続および研究員などの人的保障について、積極的な対応を計ら れますよう心からお願い申し上げます。 貴大学のさらなる発展を願い、要望致します。 以 上 取扱団体 特定非営利活動法人福島県松川運動記念会 960 - 8103 福 島 県 福 島 市 舟 場 町 3 番 2 6 号 -1-
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