モトクロス競技会における安全対策の指針

⼀般財団法⼈ ⽇本モーターサイクルスポーツ協会
MFJ モトクロス委員会
Ver. 2015.02.04
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競技会開催中に発⽣した事故への責任
例えば、モトクロス競技会の開催中に、選⼿がコースを逸れ、コース脇で⾒ていた観客と接触
する事故が発⽣してしまった場合、その⼤会の主催者だけでなく開催された施設の過失が問
われる可能性があることを認識しなければなりません!
事故発⽣で受けるダメージ
① 事故の発⽣は、モトクロス競技の印象を著しく低下させ、競技⼈⼝の減少やファン離れに
つながる恐れがあります。
② 観客賠償事故が発⽣すると、保険の掛け⾦が値上がりし、結果として競技会申請料が
値上がりします。
つまり、MFJ公認競技会・承認競技会主催者の負担が増える結果を招きます!
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過去の事例
過去の事故事例で、⽬⽴って⼤きな事故が発⽣しているのは、スノーモビルやモトクロス等、観客エリアと
競技エリアの境界線がわかりずらい場所で⾏われている競技に多く発⽣しています。
発⽣要因
1.
2.
3.
4.
モトクロッサーの性能の向上の認識の⽢さ
施設内の設備不⾜
⽴⼊制限⽤備品、場内保安スタッフ、コース境界線表⽰等の不⾜
観戦者や参加者の同伴者、主催者、施設の⽴ち⼊り区域の認識不⾜
などが考えられます。
★関係者全員が、意識しなければならないこと
事故は、発⽣した後のことを考えるのではなく、未然に防ぐ努⼒をしなければなりません。
MFJモトクロス委員会では、事故発⽣防⽌を主眼に置き、全国のモトクロスサーキット・競技会
主催者様に、ぜひご対応頂きたい事項を「モトクロス競技会における安全対策の指針」としてま
とめました。
安全対策は、競技会主催者だけでなく、サーキット・エントラント・観客の理解と協⼒が無けれ
ば成⽴しない為、より多くの啓蒙活動を⾏っていきましょう。ご協⼒をお願いします。
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事故を未然に防ぐ ①
【⽴ち⼊り禁⽌区域の明確化】
ロードレース施設や野球場のように、フィールドと観客席を分離させることが難しいのがモトクロスコースだが・・・
万⼀、コースアウトしても観客エリアにまでマシンや選⼿が到達しない(⾶びださない)程度
の間隔を外周に設け、⽴⼊の制限を⾏うこと。
<特に、間隔を広めにとるポイントはココ!>
 第1コーナーの外側(スタート直後の両側)
 最終コーナーの外側
 ウォッシュボードの両側
 ビッグジャンプ着地点周辺
 直線からコーナーへの延⻑線⽅向外側
 ビッグバンクの外側
 轍(わだち)等の荒れた路⾯の両側
 ⾼速セクションの両側
※対策:インフィールド⼊場禁⽌
観客がコースを渡り内側に移動するような⾏為を禁⽌。
外周より外側を観客エリアとして設定。
⻘線より内側は、競技エリア(選⼿・PITクルー・プレス・競
技役員のみ)とする。
※対策:安全管理を⾏うスタッフ(場内警備)の常駐化
全⽇本選⼿権は、スタッフの常駐を義務化とし、 “⽴⼊
禁⽌”コーステープや⽴⼊禁⽌看板等でエリアを制限。
地⽅選⼿権以下の格式は、“⽴⼊禁⽌”コーステープや
⽴⼊禁⽌看板等でエリアを制限。
★⽴⼊禁⽌の意志表⽰を必ずしなければならない。
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事故を未然に防ぐ ②
【⼆重柵の優位性】
エンクロージャースペースを、
救急導線、役員移動路に使⽤できるようにし、
緊急時の移動をスムーズに⾏う
最低3m以上間隔
最低1m以上間隔
コース
エンクロージャー
スペース
競技役員・プレス以外
⽴⼊禁⽌
50cm程度の⾼さ
進⾏⽅向側へ傾斜させること。
1m程度の⾼さ
コースアウトした⾞両の初期受け⽌めとしては、メッシュ
ネットやターポリン素材で全⾯をカバーすることが望ましい
が、「ここで⾞両が⽌まる」との想定は危険である為、観
客エリアまで3m以上のマージンを確保し、観客エリアへ
到達しないようなスペースで防御する。
エンクロージャースペースは関係者のみであることを
前提とし、この部分はコーステープでの表⽰で可とする。
1m〜1.5m程度
の⾼さ
観客エリア
⼦供がくぐって中に⼊らないよう、
成⼈男性の腰辺りまでの⾼さで、
メッシュネットやターポリン素材で
全⾯をカバーすることが望ましい。
この部分にコーステープは不可。
バナーなどの代⽤も推奨。
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事故を未然に防ぐ ③
【海外での参考例】
万が⼀、ライダーがコースアウトした場合でも、この間隔により、観客席まで到達する可能性は低い。
観客の安全とともに、出場するライダーも安⼼してレースに臨むことができている。
観客エリアとの境界にはフェンスネットが設置されているケースが多いが、世界選⼿権MXのコースではナイロ
ンメッシュはライダーが⾶び出した時に安全にキャッチする意味で使われており、その外に観客を守るため鉄
フェンスが施⼯されているのが⼀般的である。(幼児や⾏儀の悪い観客の乗り越せ対策にも有効)
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事故を未然に防ぐ
④
【サインボード、⽴⼊禁⽌コーステープ利⽤の優位性】
看板表⽰ 例
注意点
・ ⾬で破損しない
・ 泥で汚れても読める
・ ⾵で倒れない、⾶ばない
・ 誰もが⾒える⽬線の⾼さ
・ 読みやすい書体
・ すぐにわかる設置場所
・ わかりやすい設置箇所数
来場者の皆様へ ここは、⽴ち⼊り禁⽌区域 です。
絶対に⼊らないで下さい!
● 関係者(⼤会主催者に許可された者)以外の⽅は、絶対に⼊らないで下さい。
● コースサイドは、⾞両が⾶び出してくる可能性があります。危険ですのでコースから
離れてご観戦下さい。
● 許可なく侵⼊し、万⼀、事故が発⽣した場合でも、主催者ならびに施設は、
⼀切の責任を負いかねます。
● 必ず、許可されたエリアのみで、観戦して頂くよう、ご理解とご協⼒をお願いします。
⼤会主催者
全ての区域をテープや看板で明確に制限し、誰でも判別できるような表⽰をたてる
※観客の来場が想定される競技会だけでなく、「ライダーの同⾏者」も、当該競技会に登録され、かつ有効なMFJラ
イセンスを持つ選⼿またはピットクルーでなければ、レース関係者ではなく、⼀般の観客と同じ扱いと認識しなければならない。
※スタート時、ストレートの両サイドでも事故が発⽣した事例があることを認識。
スタート時は、コースの両サイドの観戦者(レース関係者であっても)に対し、必ず1歩後ろに下がるよう放送などで啓蒙
をすること。
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事故を未然に防ぐ ⑤
【特に注意しなければならない箇所を理解する】
コース設営時に予め想定することが重要!
① 観客エリアと競技エリアを、より積極的に分離すること。(テープ・ネットでの境界線表⽰、看板設置)
② ライダーとマシンが⾶び出しても絶対に⼈の居る場所までは届かない程度(約4〜5m程度)、⾛路と
観客エリアを制限するネットを⼆重にし、間隔を設け、コースアウト時に観客席まで到達させないこと。
③ ネットやテープは強度が弱い為、バイクの⾶び出し防⽌(防御壁)として役に⽴たないことを想定する。
④ 特に、観客を⼊れてはならない場所
 直線からコーナーの延⻑⽅向(アウト側)
 ⼤きなバンクの外側
 ジャンプ台付近
 フープスや轍、それに荒れた路⾯の両側
 ⾼速セクションの両側
⑤ ライダーが⾶び出した場合を想定する(ライダーの安全対策)
 コースサイドに⾞や重機(ブルドーザーやユンボなど)を置かない。
 ⾶び出す可能性のあるコース脇着地点が崖でないこと(転落防⽌)。
 杭は⻑すぎず、丈夫すぎず、ライダーが接触した時に前に倒れるように進⾏⽅向側に傾斜をつける。
競技中のコースアウト時における観客事故の発⽣防⽌を全ての施設ならびに主催者の責務として⾏わなければならない。
事故が発⽣したときに、「想定外」ということの無いように、観客エリアとコースを仕切る境界のフェンス設置ならびにコース
アウトを想定した充分なセーフティゾーンの確保、⽴⼊禁⽌区域の明確化等、主催者・施設の責務で必ず⾏うこと。
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事故を未然に防ぐ ⑥
【安全対策で、必要なもの】
①
②
③
④
⑤
メッシュネットまたはターポリンネット
“⽴⼊禁⽌” 表⽰板
“⽴⼊禁⽌” コーステープ
杭
AED
↓
(⾚・⻩など旗と間違える⾊は避け、緑や⻘やオレンジを推奨)
<MFJ加盟団体事務局>
加盟団体事務局に、常時使⽤可能な状態にあるAED1台を準備し、主催者への貸出等へ対応すること。
※但し、購⼊しても5年程度で使⽤期限が過ぎてバッテリーやパッド等の交換が必要になることから、レンタルで
対応することも可。(以前、MFJ本部より、加盟団体へ寄贈したAEDは、使⽤期限が経過しようとしています)
<モトクロスサーキット>
近年はスポーツイベントにおいては配置が当たり前になってきており、競技会以外のスポーツ⾛⾏時においても必要
とされる可能性も視野に⼊れ、施設側の責務として、常時使⽤可能な状態にあるAEDの機器を準備すること。
※参考:AEDレンタルに関する情報サイト
http://aed.lend-out.info/free.html
http://www.secom.co.jp/business/medical/aed_charge.html
<上記はほんの⼀例です。AED購⼊ならびにレンタルの取り扱い企業は、他にもございますので、各⾃利便性の⾼いものをお選びください>
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事故を未然に防ぐ ⑦
【競技運営スタッフ(競技役員)の安全確保を考える】
① ヘルメットの着⽤義務付け(特に、コース役員と救護役員)
<転倒、落下、マシンとの接触等の衝撃から頭部を守る為、公認競技会での着⽤義務付け>
→
「コース役員と救護役員全員」
② コース内でのコース役員の⽴ち位置の安全性確保
<マシンがコースアウトした場合の逃げ場確保、万⼀転落等の危険性がある箇所の下にクッション等>
→
「各地区、各主催者ごとに開催コースにおけるフラッグ役員の⽴ち位置の拡⼤」
③ フラッグ知識向上
<競技役員のイエロー・ホワイトフラッグの提⽰の仕⽅、タイミングの理解、救護知識の向上を図る>
→
「各地区、各主催者ごとに競技役員へのフラッグ講習を実施」
※地区モトクロス委員⻑、モトクロス委員会、加盟団体が積極的に開催する
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付則:モトクロスコースに関する規定
 MFJ公認・承認モトクロス競技会を主催する者、開催するサーキットは、
MFJモトクロス委員会の定める「モトクロス競技会における安全対策の指針」を参考とし、本規定に則り、
事故発⽣予防対策に取り組まなければならない。
 MFJ公認・承認モトクロス競技会に出場するエントラント(選⼿・PITクルー・付添者)は、
主催者・開催サーキットの指⽰(⽴⼊禁⽌区域へ⽴ち⼊らない等)に従わなければならない。
 MFJ公認・承認モトクロス競技会に出場する選⼿は、
⾃らを主催者・開催サーキットと同等の⽴場と認識し、万⼀、⼀般観戦者が危険な箇所に
進⼊している場合等は、移動をお願いする等積極的に事故発⽣予防対策に協⼒しなければならない。
5,事故予防対策
5-1 観 客
① 特に観客数の多い競技会では、主催者の責務として観客と競技者が接触しない環境を作る
ことが必要である。
② 特にコースアウトしそうなコーナーやウォッシュボード両側、ジャンプの着地点付近には観客を⽴ち
⼊り禁⽌とする対策を講じ、不⽤意に観客をコースサイドに⼊れない。
③ ピットクルーとして登録されたピットクルーライセンス所持者以外のライダーの同伴者やチーム関
係者も観客と⾒なされます。ピットサインエリアを含むコース内全域の⽴ち⼊り制限を徹底すること。
④ コースレイアウトと同時に観戦エリアと⽴ち⼊り禁⽌エリアを、公式プログラムに明記することや
放送で随時注意を呼びかけること。
⑤ コースと観戦エリアに⼆重杭を設置し、コースアウトしても観客席に到達しない間隔を保つ。
5-2 コース
① コースは、スタート直後の⻑さを125m以下とし、ジャンプ等は⼀切設けず、平坦なくだりの直線は同じ
く125m以下とすることでスピードを抑える。
② コーナーの数は、コース1周の km ×10箇所以上を⽬安とする。
③ ジャンプの⾓度は、極⼒前⽅の⾒通しが良い⾓度で設定することが望ましい。前⽅で転倒者があるこ
とをライダーが速やかに察知できるよう、フラッグ等の合図で知らせる体制であること。
④ フラッグの位置や数は、ライダーの視線に合わせて危険予告が事前に把握できるようにすること。
コースに設置する杭は進⾏⽅向から、さらに外側へ傾斜させて設置する。
⑤ イエローフラッグやホワイトフラッグ等の意味をライダーに深く理解させる為、⼤会前のブリーフィングで
説明する機会を設ける。
⑥ 夏場の競技は、熱中症等の危険性もある為、休憩が充分にとれるスケジュールで⾏い、
⽔分・塩分補給の推進啓蒙やクールダウンができる環境提供を推奨する。
5-3 競技役員
① 特にコース役員や救護役員は、レース中は常に危険にさらされているため、コース内では
必ずヘルメットを着⽤する。
② 可能であれば、コース役員と救護役員に胴部への保護パッドの装着を推奨する。
③ コース役員の⽴ち位置は、⾞両が突進してきた際に退避が出来るスペースを前後左右に確保する。
6,モトクロス会場
6-1 オフロードコースの管理運営に関するガイドライン
オフロードコースはロードレースサーキットとは異なり、コースがフェンスで隔離されておらず、パドック内の導線
も明確に区分が困難であり、会場への出⼊りも⾃由に出来てしまうことがほとんどの施設で⾔える。このよう
な環境で『安全』や『環境』に配慮して運営する為には、「この場所が競技スポーツを⾏う場所であり、定め
られた規則に従う必要がある」ということを、利⽤者の⽅々に理解して頂くことが重要である。
6-1-1 会場利⽤規定の公⽰
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コースイン、コースアウトの場所、導線の明確化
コースの進⾏⽅向の明⽰
⽴ち⼊り禁⽌区域の明⽰
コース横断禁⽌の明⽰
バイパスやショートカットの出⼊⼝に“⾛⾏注意”の明⽰
喫煙所の指定やゴミの持ち帰り、時間外の騒⾳禁⽌等、環境への配慮を⾏う公⽰を設ける
貴重品は各⾃の責任で管理することの明⽰
6-1-2 利⽤者の⾏動(会場利⽤規約)
(1)⾛ ⾏
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施設または主催者から指⽰された場合、ゼッケン等を着⽤する
パドックでは歩⾏者に気を付け、⾞両移動の場合は最徐⾏とし、ヘルメットの着⽤義務付け
コースイン、コースアウトは導線に従い、常に安全確認を怠らない
ブラインドコーナーやジャンプの先はコース内での停⽌を禁⽌する(追突される危険がある)
転倒、停⽌した場合、必ず周囲や後続者への合図を⾏い、安全に努める(左⼿を挙げる等)
もし負傷者を⾒かけたら、速やかに施設管理者に連絡し、必要に応じて救護活動を補助する
⾛⾏する⾞両の⾳量は、会場で指定された⾳量範囲を遵守するよう整備する
施設が定めたレベル別や排気量別のグループを遵守する
施設が定めた⾛⾏時間を遵守する
(2)その他
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ライダーは、オイル等を地⾯にこぼさないよう配慮する(整備は環境マットを敷いて⾏う)
各⾃監督責任の下、飼い⽝を野放しにしない(必ず鎖につないでおく)
各⾃監督責任の下、幼児から⽬を離さない
各⾃が騒⾳防⽌に配慮し、早朝や深夜等施設が許可する以外の時間にエンジンを掛けない
各⾃で出したごみは全て⾃分で持ち帰る。たばこは喫煙が許可されている場所のみで嗜むこと
会場内での貴重品は各⾃で管理する
6-1-3 施設管理者の留意事項
ライダーは事前受付を義務とし、施設で定めた⾛⾏の遵守事項に関する誓約書に署名をとる
ライダーが未成年者だった場合は、保護責任者の有無を確認し、誓約書に両者から署名をとる
パドック内の導線や⽴⼊禁⽌、コース横断禁⽌は、看板やコース図で分かりやすく公⽰する
⽴⼊禁⽌場所には、誰が⾒てもわかりやすい看板を⽴てる(コーステープ等の防⽌も効果的)
夏季の⾛⾏においては、熱中症予防の注意喚起を⾏う(放送、クーリングエリアの設定等)
必要最低限の医薬品を常備する。⾛⾏時間は応急⼿当のできる医療従事者の常駐が望ましい
AEDの常備が望ましい。
施設管理者は、施設付近の病院の連絡先や地図をいつでも⾛⾏者に提⽰できるよう準備しておく
コースサイドに、重機等障害物を放置しておかない .⾛⾏中は、フラッグでライダーに合図のできる要員を
配置する
 コースレイアウトは、可能な限りジャンプやコーナーで視界を妨げないよう設定する
 施設は、⾛⾏時間中に必ず管理者を常駐させ、安全管理に努めなければならない
 ライダーの同⾏者や⼀般観客とライダーの事故を防ぐ為、コース横断やコース内への進⼊を禁⽌すること
を促す
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モトクロス競技会会場に関する規則(公認・承認競技会)
本規則は、⼀般財団法⼈⽇本モーターサイクルスポーツ協会(以下『MFJ』という)が、公認または承認す
るモトクロス競技会を開催することのできる会場の基準等に関して定める。
第 1条 コースの形状
1. コースの⻑さ
コース1周の⻑さは、3 km以下とする。
2. コースの幅
最も狭い地点であっても少なくとも5m以上とし、追越し可能なコースであること。
3. スタートライン
同時出⾛最多台数×1台につき85cmを最⼩限度とし、全ての参加者が均等な条件のもとにスタート
できるものであること。
4. 同時出⾛最多台数
少なくとも30台を確保することができるものであること。但し、地形、気象状況等により、
その時のコース状況から安全を期するため、主催者の判断により、増減することができる。
5. コース設営の条件
(1)直線の⻑さ
① スター⼘直後の直線の⻑さは、125m以下であること。この部分にジャンブがあってはならない。
② 平坦または、下りの直線の⻑さは、125m以下であること。
(2)コーナーの数は、コース1周のキ⼝数×10を最低とする。
(3)安全性の確保
① コース上に⼤きな⽯等の障害物はすべて撤去し、コースに深い溝の部分が無いこと。
② コース内及びコース周辺に危険物(建設機械・鋭利な突起物等)が無いことを確認し、コースアウト
時に接触が想定される障害物は全て、あらかじめ除去しておくこと。
③ 1周の平均速度は、当該競技会出場部⾨のうち最上級クラスの最⾼ラップが55km/hを越えないこ
とを⽬安とする。
④ 2本以上の⾛路が並⾏して設けられる場合は、万⼀コースアウトした場合でも、接触しないようその並
⾏⾛路間の間隔を充分に設けること。
⑤ 適切なライディングコンディションと安全性を確保するよう努める。防塵等を抑制する為、必要に応じて、
コースに適切に散⽔をすること。
⑥ 危険を招く恐れのあるコース設営は避ける。特に連続ジャンプを設ける場合は、クラス別にジャンプの間
隔、⾼さ、勾配等に充分配慮し、無理な体制でジャンプしなければならないようなレイアウトにはしない
こと。
⑦ 観客が特に集まるジャンプ、コーナー、スタート、ゴール付近には安全エリアの拡⼤とロープ、柵などで2
重に観客⽤の柵を設け、コースアウトしても観客席に到達しない程度の間隔を設ける。
参考:距離/タイム換算表
第2条 スターティングマシン
スターティングマシンを設置する場合は、
横断式のものであり、操作によって前または
後ろに倒れる機能を持つこと。
この装置は頑強な構造で、⼿動式もしくは
リモートコントロール式であり、
スターティングマシンの⾼さは、少なくとも
400mm以上とする。
1周距離
所要時間
1.0km
1'12"0
1.1km
1'19"3
1.2km
1'26"5
1.3km
1'33"7
1.4km
1'40"9
1.5km
1'48"1
1.6km
1'55"3
1.7km
2'02"5
1.8km
2'09"7
1.9km
2'16"9
2.0km
2'24"1
第3条 施 設
(1)ライダー⽤パドックは、スタートゾーンに直接出⼊りできる場所であり、参加台数の⾞両が充分収容
可能な⾯積を有していること。
(2)トイレと売店は、ライダー、競技役員および観客数に充分対応できるものであること。
(3)駐⾞場は、競技役員および観客の⾞両が充分収容可能な⾯積であること。
モトクロス施設の公認並びに主要競技会会場に関する規則
(世界選⼿権・国際競技会・全⽇本選⼿権・特別競技会)
本規則は、⼀般財団法⼈⽇本モーターサイクルスポーツ協会(以下『MFJ』という)が、世界選⼿権・国際
競技会・全⽇本選⼿権・特別競技会の格式のモトクロス競技会を公認する際の基準について定める
(但し、スタジアムモトクロスを除く)。
*上記格式の競技会を開催する会場は、MFJによる査察で許可された「MFJ公認モトクロスサーキット」
でなければならない。
*世界選⼿権・国際競技会は、別途FIM公認基準に合致し、かつ指定された査察において承認され
なければならない。
1. 競技コース及び会場の基準
MFJ公認モトクロスサーキットは、『MFJモトクロス競技会会場に関する規則』に適合する他、以下条件を満
たしていること。
(1)常設のモトクロス施設であること。(「常設会場のガイドライン」は、別途定める)
(2)過去 2回以上の地⽅選⼿権⼤会の開催実績があること。
(3)主要道路から会場に通じる道路が、4tトラックが対⾯通⾏できる道路であること。
(4)パドックは概ね500台の⾃動⾞を収容可能なこと。
(5)駐⾞場は概ね1000台以上の観客⽤⾃動⾞を収容可能なこと。
(6)⼊場料が徴収可能な会場レイアウトであること。
(7)観客⽤の観戦エリア、会場内の移動路が充分であり、⽴⼊禁⽌区域等が明確にされていること。
(8)放送施設は、その放送が会場内のすべてに伝えることができること。
(9)トイレ、売店は観客に充分対応できること。
(10)救護⾞両の専⽤導線が確保されていること。
2. コースの公認申請等
公認を受けようとするモトクロスサーキットの代表者は、「MFJ特別会員申請書(モトクロス特別会員)」と
コース図、会場全体図、主要幹線道路からのアクセス図の3書類を添えてMFJ本部へ申請すること。
受理された後、第4条に則り査察を⾏い、本規則に適合していると判断された場合は、『MFJ公認モトクロス
サーキット』として登録される。
3. 査 察
(1)MFJは施設が本規則に適合するか否かを確認する為に、MFJモトクロス委員会代表他、必要な者
を以って構成する「査察団」によって、査察を⾏う。
(2)本査察は、コースの安全事項を始めとする事項について勧告指導を⾏う⽬的で実施され、査察を
⾏った施設において、万⼀事故が発⽣した場合であっても査察団ならびにその機関であるMFJは、
如何なる責任を負うものではない。
(3)査察に要した諸経費は、MFJからの請求により、公認申請を要望した施設が納めなければならない。
諸経費① 査察に要した諸経費の実費(査察委員旅費交通費・その他雑費等)
諸経費② 査察⼿数料
諸経費③ 公認料
モトクロス常設会場のガイドライン
モトクロス常設会場とは、競技会開催期間のみではなく、練習等で常時利⽤する事が出来るオフロードコー
スであり、以下の設備を備えている会場をさす。
(1)競技参加だけでなくオフロード⾛⾏を楽しむ者の為に、競技会開催⽇以外の⽇も⾛⾏可能なコー
スであること。
(2)観客スペースを⼗分にとり、要所に観戦エリアを設けていること。
(3)観客収容能⼒に⾒合った数のトイレや売店を備えていること。
(仮設トイレを設置する場合、可能な限り⽔洗トイレを設置し、⼿洗い⽤の⽔を確保することで衛
⽣⾯に配慮する)
(4)⼤会本部・コントロールタワー等は、極⼒テントでは無く、コンテナハウス等の建造物で設営すること。
(5)環境保全を考慮し、会場周辺に迷惑を及ぼさない為の有効な撒⽔設備を有し、充分な⽔が使⽤
できること。
モトクロス特設会場のガイドライン
モトクロス特設会場とは、ある⼀定の期間のみ利⽤できるコースであり、以下の設備を備えている会場をさす。
(1)観客スペースを⼗分にとり、出来る限り要所に観戦エリアを設けていること。
(2)観客収容能⼒に⾒合った数のトイレや売店を備えていること。
※仮設トイレを設置する場合、可能な限り⽔洗トイレを設置し、⼿洗い⽤の⽔を確保することで
衛⽣⾯に配慮する
(3)⼤会本部・コントロールタワー等は、極⼒テントでは無く、コンテナハウス等の建造物で設営すること。
(4)環境保全を考慮し、会場周辺に迷惑を及ぼさない為の有効な撒⽔設備を有し、充分な⽔が使
⽤できること。
(5)特設会場のコースで、競技会の開催実績を作ることが不可能な場合、テスト⾛⾏を必ず⾏う。