民意を圧殺しようとする安倍政権 暴力に屈しない沖縄県民に連帯を 示 と し て、 2 0 1 4 年、 そ の ﹁選択﹂に重ねて応えた。 名護市長選、県知事選、衆院 選。いずれの選挙も、これ以上 ないほどに争点は明白だった。 一つには、辺野古に基地をつ くらせないこと。 二つには、政治の裏切りを許 さないこと。 年、 年、 沖 縄 が た 翁長知事の誕生は戦後 日本復帰から どった幾多の苦難の延長線上に 導き出した県民の答えだ。 工事資材の搬入を阻止しようとゲート前での座り込みが続く。機動隊が立ちはだかり、出入りをふさぐ市民らを強制的に排除。その様子を監視・撮 影する県警、防衛局員らの姿も見える。1 月 24 日には全県から100 人の議員団が結集し、抗議の意志を示した =キャンプ・シュワブゲート前、名護市 喝、分断、妥協⋮。苦く、悔し アメとムチによる懐柔と恫 長新知事を支える国会議員を誕 強い団結をもって、確実に、翁 党 派 を 超 え て 候 補 者 を 絞 り、 それでも政府は、沖縄に対す 対立させられる県民 生させた。有権者の審判だ。 いことはたくさんあった。 それでも、日常的に繰り返さ れる主権の侵害や環境破壊が子 や孫の代にまで課されていくこ とを断じて認めまいとする強さ を、県民はマグマのように蓄え る態度を変えてはいない。その そのため、戦中戦後を生き抜 強行さはむしろ強まっている。 てきた。 だからこそ、民意が一顧だに いた 歳を超える方々をも抵抗 への方向を定める主権者として 力に屈しない意思を示し、未来 場でケガを負わせるなど深刻な の戦列に駆りたたせ、衝突の現 となって進める自民党4名の現 辺野古への基地建設を政府一体 の 選 挙 区 で、 公 約 を 破 綻 さ せ、 続く衆院選でも、県内すべて て、県民同士の対立がつくられ 対峙を余儀なくされる。こうし れ、抵抗する市民と最前列での もにガードマンとして立たさ り、ゲート前で民間警備員とと 沖 縄 県 警 は、 政 府 の 命 に よ 職候補の裏切りを県民は決して ていく。 ︵3面へ続く︶ 広がるばかりだ。 内外から寄せられる友情の声は い。世界中からの連帯声明、国 その不正義が暴かれる日も近 して、見て見ぬふりの米政府の これを日本国内の政治問題と 機能を果たせるだろうか。 迎されない基地が、安全保障の の圧倒的民意を踏みにじり、歓 しかし、そもそも地域の人々 いるのかもしれない。 地提供は最大の公益だと考えて むのかもしれない。米軍への基 で、国民の目を意識しなくて済 ディアがさほど報じないこと わせていないのか。本土全国メ 主国家としての矜持すら持ち合 安倍政権は、世界に冠たる民 ﹁安全保障﹂とは何なのか 見逃さなかった。 た。 事態も生じている。 じて毅然と﹁政治﹂に問い、圧 されない理不尽さを、選挙を通 ▲コンクリートブロックが次々と投入される中「海を殺すな」と抗議 の決意と責任をこの選択に賭け 80 沖縄県議会議員 仲村 未央 警備の域を超えた﹁弾圧﹂ 翁長雄志沖縄県知事は1月 日、海上保安庁と沖縄県警に対 し、辺野古新基地建設への抵抗 を続ける市民への過剰警備をや めるよう申し入れた。 基地建設現場では連日、市民 26 ら が 海 上 に カ ヌ ー を 繰 り 出 し、 また陸上では、キャンプ・シュ ワブゲートからの資材搬入を阻 止するバリケードを張って抗議 を続けている。 日も、現場海域に大 一方、政府は、県知事が申し 入れた翌 型船を投入し、大規模な作業を 展開した。 海上保安庁の展開規模は常軌 を逸している。取材する報道関 係者、映画監督をも暴力的に排 除する。まるで﹁弾圧﹂だ。 日米地位協定を盾に、一夜に して、埋立水域2キロ沖まで民 間を含むすべての船の操業・航 行を禁止する制限をかけた。国 家権力を挙げて、実力で民意を 圧殺する光景は、もはや民主国 家とは認め難い様相だ。 踏みにじられ続ける民意 確かに民意は示された。 沖縄県民は、最も肝心なタイ 70 27 ミングで、最も民主的な意思表 42 2 2015 年 2 月 10 日 第 1113 号(第三種郵便物認可) ▲新基地建設反対を訴える人々を民間警備員、県警が阻む 照屋寛徳さん さる1月 日、沖縄県議 会有志で主催した東京・連 合会館での﹁報告集会﹂に は、冷たい雨の中、400 人を超える人々が熱意を 日 に は、 首 都 圏 持って駆けつけてくれた。 続く の市民団体や県出身者ら が﹁ 国 会 包 囲 ヒ ュ ー マ ン チェーン﹂を主催。辺野古 の 海 の﹁ 青 ﹂ を 身 に 着 け、 ﹁沖縄の民意を無視するな﹂ と7000人もの人々が行 動を起こしてくれた。 年。必ずや辺野古 りある未来に向かって今日 希望の年になると信じ、誇 新基地建設阻止を勝ち取る 戦後 しあっている。 を、それぞれが感じ、励ま ない仲間が全国にいること た。この状況に決して黙し レーズを発するようになっ 現場では、誰となくこのフ いま辺野古の座り込みの いない﹂。 ﹁我々は決して孤立して 決し て 孤 立 し て い な い 前田哲男さん 15 も座り込みは続いている。 ▲▼1月 25 日に都内で開かれた沖縄県議会議員団報告集会、上は報告する筆者 2015年1月 日、東京・豊島公 会堂で﹁川内・高浜原発を再稼働させ ない! 東京集会&デモ﹂︵主催・さよ うなら原発1000万人署名 市民の 会︶が行なわれた。 呼びかけ人を代表して鎌田慧さん ︵ ル ポ ラ イ タ ー︶ は﹁ 安 倍 政 権 は 原 発 再稼働とともに武器と原発を輸出しよ うとしている。再稼働反対の声を広げ よう﹂とあいさつした。 佐 高 信 さ ん︵ 評 論 家 ︶ は、 ﹁原発な く そ う! 九 州 玄 海 訴 訟 ﹂ で の 自 身 の 陳述書を紹介し﹁原発における無責任 さについて述べた。福島原発事故は人 災。政府・東電・メディアは責任を取 るべき。被害者ばかりが苦しんでいて 加 害 者 は だ れ も 責 任 を 取 っ て い な い。 原発残りて地域滅びるでは困る。子孫 ﹁川内原発増設反対鹿児島県共闘会 に残す判決を﹂と訴えた。 議﹂の野呂正和事務局長は﹁再稼働が 目前だがまだ決まったわけではない﹂ とし、160㌔圏内に5つのカルデラ が あ り 巨 大 噴 火 の 危 険 性 が 高 い こ と、 避 難 計 画 は 自 治 体・ 企 業 に 丸 投 げ で、 キロ 実行性がないことなどの問題をあげ た。 知事の発言は無責任を極め、 が安全性を保障している﹂などと言っ て再稼働を承認した。県民のくらしや 命への責任を放棄している状態だ。地 元住民の反対だけではなく姶良市では 再稼働反対の決議、いちき串木野市・ 日置市は地元同意を求める決議、いち き串木野市・阿久根市は安全協定に基 づ く 誠 意 あ る 説 明 を 求 め る な ど、 粘 り 強 い 抵 抗 が 行 な わ れ て い る と 報 告。 ﹁命よっか大切なもんがあってよかで すか!﹂の言葉に決意がこもる。 ﹁原子力発電に反対する福井県民会 議﹂の宮下正一事務局長は、福井の反 ㌔圏内に関西地区のほとんどが入 原 発 運 動 の 歴 史 に 触 れ、﹁ こ の 原 発 か ら 日には経産省前に結集を﹂と呼び ︵池田︶ 能から︶守れ﹂と声を上げた。 らない、再稼働反対、子どもを︵放射 わ う 池 袋 駅 周 辺 を デ モ 行 進。 ﹁原発い 先頭に、土曜日を楽しむ人たちでにぎ 参加者は呼びかけ人の鎌田慧さんを かけた。 月 トが強制撤去されるかもしれない。2 現 在 訴 訟 中 で、 ﹁仮処分が出ればテン に設置されている﹁テントひろば﹂は 福島原発事故を契機に経済産業省前 帯してたたかうことを訴えた。 ち上がってほしい﹂と京都・滋賀に連 る。関西地方の皆さんも反対運動に立 90 25 70 26 東京でも抗議行動 ▲国会周辺を 7000 人が囲んで新基地建設に反対の声をあげた 23 圏内の避難は無理だと認めながら﹁国 30 第 1113 号(第三種郵便物認可) 2015 年 2 月 10 日 3 ▲思い思いの青を身につけてアピール 木内 みどり さん 川内・高浜原発を再稼働させない! 東京集会&デモ 「命よっか大切なもんがあってよかですか!」
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