PDF - 富山大学

年中児の一人遊びに及ぼす環境構成の影響
-製作コーナーでの製作活動の多様性に焦点をあてて富山大学
人間発達科学部 准教授 若山育代
【本研究の目的】
本研究では,年中児保育室内に,保育環境評価スケール(ECERS)と小川(2010)の提案モデルを参考にした製作コーナーを
設置する。その製作コーナーでの年中児による「一人造形遊び」の種類を,別クラスの年中児による製作コーナーでの
「一人造形遊び」の種類と比較する。
この研究を通して,年中児が多様な製作活動を展開することができる製作コーナーとはどのようなものであるか検討する。
【従来の研究との比較】
• 乳児が「落ち着き,集中し,じっくり」遊べるような保育室の空間的環境の検討(汐見・村上・松永・保坂・志村,2012)
• 素材との多様なかかわりを見出すことが幼児期の発達においては重要(無藤,1997)
→幼児が一人でじっくりと多様な製作遊びを展開できる環境構成の検討はほとんど行われていない。
介入クラス
【A幼稚園の特徴】
(モデルを参考にした製作コーナー)
保育者と子どもが一緒に遊びを発展させていく保育を重視
2013年7月8,9,10日
【研究の実施に際して】
観察時間:8時45分~9時30分
統制クラス
・担任との繰り返しの面談を通して,園児に不利益が生じない実施方法を検討した。
(通常通りの製作コーナー)
・介入クラスの担任に日頃の子どもたちの姿を聞き取りながら協働的に進めた。
2013年7月2,9,10日
・製作コーナーにおける
好きな遊びをビデオ記録
・この記録を文字化し,
年中児が展開した一人で
行う製作遊びの種類を
分析した。
・この「一人で行う製作
遊び」とは,一人で一つ
の作品を作る遊びとした。
【まとめ】
【今後の課題】
幼児が一人でじっくり
と多様な製作遊びを展
開できる環境構成とし
て,本研究のようにコ
ーナーと素材の配置だ
けでなく,新しい素材
を配置することの効果
を検証していく。
【地域社会での活用方法】ほとんどの保育所・幼稚園等のクラスに製作コーナーが設定されている。じっくりと多様な製作
遊びを可能にする製作コーナーの在り方について,本結果をもとに県内の乳幼児教育施設に伝えていきたい。
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富山大学リエゾンオフィス・TLO
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