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国連での「多国籍企業行動規範」作り(第三報) : 対立す
る南北の基本態度とコード完成の見通し
小島, 清
世界経済評論, 27(3): 17-22
1983-03
Journal Article
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/16755
Right
Hitotsubashi University Repository
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対 立す る南北 の基本態度 と コード完成 の見通 し-
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らす ので'今から関心を高 めてほしいと希望をもた
にたえ
マニラ会議 の重要な意義が
ろに、
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私は本誌 一九七七 ・八4
と 一九七八 ・(
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たりW ・G発足当時 の雰囲気を報告してお い回にわ
なお現在あ
入手
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。能な格好の資料として'次
ておき
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木多加史 「国連 における多国籍企業観 のた。ま
た鈴
本誌 一九八 t,
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は, コード作 りの広 いバ変遷」
ラウ ンドをよし伝えている。私は 一九七七年 ックグ
つき の条文草 ならびにシノプ シス (
梗概) カ ッコ
案
82.
こ れにはtW ・Gで合 意 ず みとそうでない
参加し、若干 の貢献を果たしてき たのであるとして
のシノプ シスに依 るところが多 い。同誌には述も こ
られているので、便利 である。以下 の私 の論が載 せ
一六名 の エキ スパート ・アドバイザーの 一人以来、
回で任期切れとな った。そ こで コード作りのが'今
年
が) でき上 ると'日本 の企業 にも多大 の影響
外に北側先進国'南 のG77㌧ ソ連圏、労働組 、その
る'
。ビ
ジネ スをそれぞれ代表す る論説が含まれてい合
た現時点 での問題点と今後 の見通しに ついて到達し
しておき たい。 この コードがなんらかの形 で'報告
対 立 す る南 北 の基 不明だ
とかガイドラインとなるか国際協定となるか (
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棉 ) の成功 (一九 七三年 一〇月) に力 を得、石
社 ) の介 入 であ った。o pEC (
石油輸出 国機
止 しょうとし たITT (
米 国 の国際屯信蒐話会
リで アジ エンデ社会 主義政権 が成 立する のを阻
も な ってき た。 こう な ると先進投資母国 の立場
企業 進出 が増 加 してき て いる。 つま り かれらは
投資 受 入れ国 であ ると同時 に投資 母国 の地位 に
ブ産 油国 のよう に'開 発途上国 間 の直接投資、
ま た近年 ' イ ンド やアジア新 興 工業 国' アラ
と根本的 に対 立す る主張 を生 ん でく るのであ ろ。
法 律、裁判 所 によ って処理す べLなど の'北側
途上 国 に有利 な差 別待 遇が必要だ と いう。国有
そ のギ ャ ップ を埋 める ことが でき るような開発
せをは められるti
jけ である ことに対 して反省 の
も解 るよう にな -、進出 する投資 が手 かせ足 か
ら にプ ロダ クシ ョン ・シ ェアリ ング (
生 産分与
の直接 投資 ではな-合弁 形 態が ふえてき た。 さ
の中央計 画経済 国 (
社会主義 国) にお いても'
示 されて いる)
。 な お 同様 に' ソ連 および 東 欧
うな '所 有権 を- たな いで経済 開 発 に貢献する
方式 )と かタ ー ンキ イ方式 な ど に代表 されるよ
開 発途
この出 発点 における南 側G 77の基本視 点 は'
色が出 てき た (既出 鈴木論文 にも この ことが明
上国 の要望 に応 えるよう に、完全所有
化 の是認、 国有化 を めぐ る諸問 題を受入 れ国 の
油 や銅 に ついての国有化 が進 められた。
阻 害 Lt利潤 を吸 い上げ て いくも のだ と の いわ
先 進国多 国籍 企業 は南 側 の望ま し い経済発展 を
って多 国籍 企業 の活動 の弊害面 を消去 す るよう'
ば 「
多 国括 企業性悪説」 に立 って いた。 し たが
権を絶対的 に優先す ろ立場 から コント ロ」 ルす
ると いう のである。
う し て 「多 国籍 企業 に対 す るバーゲ ニング ・パ
国 に有利な差 別待 遇」 を認 める べきだ' ま たそ
進出 TNC企業 の取扱 いに ついて' 「
開 発途上
積 極的貢 献が ある分だ けを歓 迎 した いのだ が'
基本 態度 は'開 発途 上国 の国民経 済的 発展をど
う態度 が加味 さ れるに至 ったOだ が両者 を貰-
ら かれら に有利 な 「差 別待遇 」 を要求
歓迎 す るが'開 発途 上国 は弱者 の立場 にあるか
から、多 国籍 企業 の経済 発展 への積 極的 貢献 は
多 国籍 企業 性悪 説 に立 つ 「コント ロー ル主義」
が
う 1つの傾 向 である. 日本 は この新形感 の採用
にお いて先頭 を切 って いる。
多 国籍 企業 への非難攻 撃 は' 1九 七四年 1月
ワーを強化 す べきだ 」と主張す るよう に変 って
心
そ こで南 のG 77の態度 は' 進出多 国籍 企業 活
方 式 が増 加 し てき た。 これら 「海外直接投資 の
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高 ま って いる のが'最近 のも
動 の弊害 を消去 す るよう コント ロー ルす ると い
の田中 元首相 の東南 アジア訪 問時 に激 しくも り
き た。 これを かり に 「
差 別待遇 アプ ロー チ」と
う やるかと い- 「マク ロ経済的 アプ ローチ」が
新 形態」 に関
うとす る も ので あ った。
.これを 「コント ロ ー
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一
ル ・アプ ロ ー チ 」と呼 ん でお こう。 1九 七四年
要約 す る に'開 発途 上 国 の感度 は'当初 の'
国営企業 と か協同組合形 態 であるが、直接 投資
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の流 入と流出 とが とも に増 加し て いる。
から本格化 してき た国連 での 「新国際 経済 秩序
う アプ ロー チだ け でなく' かれら の経済 発展 に
手 も足も縛 ってしまうと いう制限規制 を設 けよ
NIE O」主 張 の線 に沿 って'開 発途上 国 の主
上 った こと でも わ かる。 し かし そ の後事 態 はか
呼 ん でお こう。 これはNIEO に 一貫 して いる
主張 と共通 して いる。たとえば対開発途上国 1
般特恵 Gs Pと か 一次産品総合計 画 IPCと か
悶n
がそ の代表で る。
側 の採 る 「ビ ジネ ス ・アプ ロー チ」 によ っては
基本 態度 であ る。 それが' 以下 に述 べる先 進国
この 「マク ロ経 済的 アプ ロー チ」 こそG 77の
念頭 にあり、多 国籍 企業 が それ に積 層的 に役 立
つよう に受 入 れや待遇 を考 え、・
そ の弊害は規制
でき るよう にした いと いう こ と にあろう。
すると い
には多 国籍企業 の助 けが不 可欠 であ-、多 国籍
な-変化 し'開 発途上 国 の経済 発展促 進 のため
企業 の頓榛的 な貢献 に限 って'も つと受 け入れ
比較 にな ら ぬ程優越 し たパ ワーをも つ進出 多
十 分 に理解 されず 、 い- た の意見 の対 立を生 み
投資 は石油事件以来 ス ローダ ウ ンしたし (
と-
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国籍 企業 と、開 発途上 国 の ローカ ル企業 と.
を平
等 に待 遇す る (
内 国民待遇 ) こと は' 無差 別待
た いと いう態度 に変 ってき た. 世界 の海外直接
遇ではな-実質的 な不平等待遇 である。だ から
に アメリ カの それ)
' そ の中 でも 先進国間投資
は相 対的 に増加し て いる のに対 開 発途 上国投資
は減退 し て いる ことが'開発途上国側 の心配 で
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ある。
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8-
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国連での 『多国籍企業行動規範』作 り(
第 3報)
-
出 して いる のである。
な らな いLt受 入 れ国 ロー カ ル企業 と平等 に公
に本当に貢 献 す る のか' どう し たらそれを より
立 って いる。 コー ドが取扱 う対象 は'あ-ま で
いう のでなく' 企業 の積 極的貢 献 を評価 し促進
究 はビ ジネ ス ・アプ ロー チが支配的 であり' マ
深 いも のが あ る。学 問 の上 でも'多 国籍 企業研
こに南北 対 立 の根 渡 が あ る。
T NCが受 入れ開 発途上 国 の国 民的経済 発展
「企業 の行動 」 であ る。
きだ。第 二に、コード の起草 と実施 に当 って'開
ク ロ経 済的 アプ ロー チは見 る べきも のが な いし'
を
平 な待 遇 を受 け る べき であ るt と の基本態度 に
確 にし た ほうが よ い。 こう いう ねら いで(
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そ こで' 米 国 の 代表 たる ルービ ン
「バラ ン スのとれ た コード」 たる ぺLと主張 し'
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ビ ジネ スの代表 たるウ ェイ スグ ラ スは'aba
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calcode と言 い直 して ルービ
効果的 に促 進しう る のか' と い った マク ロ経済
は
ン博士 を支 持 して いる。何 と何 と のバラ ンスを
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自 由 な多国籍 企業 活動 制 約 す る こと にな る コ
と る のか多義的 で唆昧 であるが'第 1に'多 国
的視 点 は'明示的 に組 み入れら れ て いな い。 こ
博
ード作 り に賛成 でな か った ことは い,
ケま でも な
籍 企業 の惑 い面だ けを取上げ それを規制 す ると
B 先進国側 のビ ジネ ス ・アプ ローチ
自由な海外直接投資 や
先進国側はもともとへ・
た緩いガイドラ イ ンで十分 だ との考え方 であ
っ
.
い (ICC (
国際商業 会議所 ) や OEC D の作
った)
。 いや いや ながら にせよ' 国連 での コー
発途上 国側 の見解 に偏 し たも のであ ってはな ら
どう かわ からな いt と い.
った無秩序 状態 より は'
れ る か- しれな い' ま たそ の補 償 が得 られ るか
す ると の期 待 であ る。 たとえば ' い つ国有化 さ
それがビ ジネ スにと って の 「投 資 環境 を改 善 」
か無差 別 と同義 であ-∼ G 77の 「
差 別待 遇」要
公平 )と
とれ た」 と いう用語 は'結局 フ ェア (
ことが要 望 され る。第 三に、 この 「バラ ン スの
とく に' 国有化 やそ の補 償 問題 に ついて、 この
な バラ ンスのとれ た方 策 が とられねば ならな い。
南 北 間 の対 立 は宥 和 でき そう にな い。 コード作
かな るも のであ る のか の解 明 がな されなければ'
出 形態 ' つま - 「開発志 向的直接 投資 」とは い
るよう な'直 接 投資 の産業 別進出 順序 やそ の進
発展 にち ょう ど ミートし それを効 果的 に促進す
両者 を架橋 し た総 合 理論 は いまだ確 立され て い
(
班
な い。 開 発途上 国 の要 望す る着 実な国民経済的
か かる南 北 間 の基本 態度 の対 立はま こと に根
ド作 - に多大 な時間、費 用' 人的資 源 を つぎ込
む こと にな ったそ のねら いはど こにあ るであろ
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ず '先 進投資 国側にと っても 公平 (
そ れら に ついて国際的 ルー ルが明示 され遵守 さ
公平な ことだ' バラ ン スのとれ た ことだ と'主
求 に対 し'先 進国 側 は あく ま で無差 別待 遇 こそ
す ると いう' バ ラ ン スのと れた コード である べ
う か。
れ るよう にな るほうが'投資 を促進す るのに役
- よ-も この種 研究 の方 が先ずも つて必 要だと
そ の第 一は' 望まし い コードが作 られ れば'
立 つかも しれな いと見 る のであ る。
L
i ソ連東欧 圏 の姿勢
南北の対立のはかに、 ソ連東欧圏が第 三グ ル
痛 感 さ せられ る。
張 し対 立し て いる のであ る。
第 二に'巨大多国籍企業 が、独占 行動 と か行
ープ と し て介 入し ている の で' コード作 りを い
以上 の こと から で- わ かるよう に'先 進 国側
潤或 いは市 場 シ ェア拡大 のた めに行う海外直接
っそう 困難 にし て いるO ソ連東欧圏 は基本的 に
き過 ぎ た制 限的 商慣行 (RBP)と か'腐 敗行
でなぐ先進 国間投 資 に ついても、規制 し た方 が
投 資 を中 核 とす る多 国籍 企業 活動 は'若 干 の布
は南 のG 77の主張 を サポ ートす ると いう姿勢 で
ス ・アプ ロー チに立脚し て いる. ビ ジネ スが利
よ い。何 を行き過 ぎ の行動 と見 る かに ついて南 ・
き過 ぎが あ る にし ても'元来正常 なも のであり'
あ る。だ がG 77よりも、多 国籍 企業 に対 し' い
の' コード作 り の基本態度 は' ミク ロのビ ジ、
ネ
北間 に見解 の蒼 が当 然発生 す る のだ が、 あれも
であ る から、 みだ - にそ の行動 が規制 さ れては
投 資 国 と受 入れ国 の双方 に利 益 をも たらすも の
為 など'苦 手 の望 ましくない行動 をす る こと は
これも 悪 いとす る南 側 の要求 に振 り回 され る の
認 めざ るを えず' それは対開 発途 上国投資 だ け
でなく'先 進国 の立場 から規制 の対象範 囲 を明
- 1
9-
ルす る」 ことに主眼を おく べき であると強調 し
企業 の弊害を消去す るようt.
規制 し コント ロー
第 一に' ソ連東欧圏 の代表 たる' (
東 ドイツ
C
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の) ハイ ニンガ I によると' コードは 「多 国籍
っそう厳 し い 「性悪説」的態度 を打出 して いる。
重要な メンバーとして留ま るのかt と いう疑問
コード作- に参画し今後も多国籍企業委員会 の
が コードの対象 にな るのを好まな いのに'なぜ
それ では' ソ連東欧圏 はその多 国籍事業活動
象 をも った.
な お多難 であり早急 には でき そう にな いと の印
自ら の開放経済化'外資 への態度 など検 討 の段
企業委員会 への参加がさ いきん の こと であるLt
な お中 国 の態度 は いまだ不明 である。多 国籍
からであろう。 一種 の フリー ・ライダ ーの特権
を享受 しようと いう のであろう か。
作戦を やる格好 の情報 を入手す る ことが でき る
⋮銅
コード草案 の大要
⋮雅 ,
描
圏とはいささか違 って- るのではあるま いか。
ると いう のがそ の基本姿勢 であるが' ソ連東欧
階 にあるから である。南 側 の要求 を サポ ートす
二
皇 O;;
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:
.i.IJ
晶 黒
がも たれる。私 の推測 にすぎな いが' ソ連東欧
第 二に' ソ連東欧圏 からの海外直接投資進出
.Sが
て いる。 G 打の啓蒙 された見解以前 のかたくな
な態度 である。
とそれ への流 入が近年増加して いる ことは既 に
触 れたが' それらは' コード の 「多国籍企業」
が問題 であ る ことを明記す るか。 ソ連東欧圏 の
な定義 を補 う か。巨大 にして独占力 をも つこと
資産額 )以上 の企業 と い った'プ ラ クテ ィカ ル
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onsは 六 章 から成 -' 「前
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onsCode ofCon
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ton Tra・
らな いt と いう強引な見解 を打ち出 している。
れ て いる。 そ の梗概 と未決定 の論争点 を要約 し
文 及び日的」 (
未定)の外 に、 七 一条が予定 さ
と いう膚義 の中 に入らな いLt したが って コー
ドによる規制 や情報 公開を求 められる対象 にな
そ の理由 は、 ソ連東欧圏 のは国営企業 な いし協
Ⅱ TNCの活動
これが最長の章にな るが、次 の三部 にわた っ
国営企業も含 める べき か。 これらが論争点 であ
る。
同組合 (
公団 )であ って'資本主義的利潤追求
に供 した い。
Ⅰ
て'参考
全く起草されていな いが' この コードが でき
と い った動機 (
m..
t
i
v
ati
on) によ って多国籍活
動 を や って いるわけではな い。したが って コー
ドによる規制 の対象 とす る弊害 を いささかも生.
前文及び目的
むも のではな いから であると いう。
ておりt T NC の遵守 す べき義務 が詳細 に規定
(
.。
‖
也
デ メリ ットを最小 にLt メ- ットを最大 にす る
上 った経緯が述 べられ'目的 は、多 国籍企業 の
-椴的及び政治的問題
3 投資契約 の見直 しと再交渉 を許 す こと。
優先順位を尊重す べき こと。
るよう'ホスト国 の経済 目標'開 発目的 '政策'
その国内法規 ・行政慣行を層守す べき こと。
2 TNCは'受 入れ国 の経済 発展 に貢献す
1 TNCは投資受 入れ国 の主権 を尊重し'
A
先進国側 は' ソ連東欧圏 の多国籍事業活動も
と いう こと である旨 にまと められよう。しかし
当然 コード の定義 の中 に含 める ぺきだと の見解
既述 のよう に ソ連東欧圏は、多国籍 企業 の弊害
されて い る。な お この章 の大部分 は、草案 の合
意 に達し て いる。
一部 の発言があ ったよう に)同意見 であろ うと
であるLt G7も (
公式 に明言しては いな いが
規制 が主眼 であると' ゆず らな い。
ら闘 わされ てき たも のであるが' マニラ会議 の
か'数 カ所 の事業所 をも つ 一定売上高 (
或 いは
動をす るす べて の企業 と いう広義.のも のとす る
Ⅱ TNCの定義
これも未決である. 1国以上 の海外 で事業活
思 われる。 この論争 は' コード作-発足当初 か
幕切れ の時 にも'激 し い一
やりとりがあり' ソ連
東 欧圏 は絶対 にそ の見解 を変 えな い様子 であ っ
た。
この 一事 からしても' コード完成 の見通しは'
-20-
- 国連での r
多国籍企業行動規範」作 り(
第 3報)-
4 .ホ スト国 の社会 ・文化目的及び価値 の尊
5
南部 アフリカの少数入超差別政権 に協力
人権 及び基本的自由 の尊重。
重。
6
活動 の全貌 を伝 えるような情報 を公開す べき で
ある。 これは企業 にと ってサブ スタ ンシ ャルな
負担 になる こと であるLt企業秘密 にかかわる
も のま では公開 できな いと いう限界がある。 C
開 を求 めていたが、 ビ ジネ スを代表す る エキ ス
TC事務局 は当初非常 に広範 か つ詳細 な情報公
しな いこと。 (この間題 の討議 に非常 に多- の
時間を費 やした)
0
パート ・アドバイザ ーたち の勧告も あ って'事
実上'企業 の年次報告 の程度 に限 られてきたよ
う である。
7 国内政治問題 への不干渉。 (ITT事件
が念頭 におかれて いた)0
8 政府間関係 への不介 入。.
9 腐敗行為 の禁 止。
e
q
u
ate)補償を ホ スト国 の法律 や規則
切な (
ad
に従 って
決めて支払う'また紛争が生 じたとき
はやは- ホ スト国 の裁判 権 に従う (いわゆるカ
ルポ条項 )と主張す る。 これに対 し先進国側は'
mpt
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adequateandef
F
e?
国際法 に従 ってtpr
o
きだとし て'平行線 を当初 からたど って いる。
- ' 紛 争 の
あ
生
t
i
ve な補償 が 出 される べきで
じた場合も国際的 フォーラ ムにおいて審議す べ.
Ⅴ 政府 間協力
コードの遵守は直接 には多国籍企業 の責 任 で
あるが' この コードを適 用して実効 を あげ るに
は関連諸国政府 の協力がなければ ならな いoそ
の程度 は コードの法的 性格及び適 用範囲と いう
Ⅳ TNC の取扱 い
この章はTNCと進出 先政府 と の関係 に つい
って コード草案 は合意 には達 して いな い部分が
て の重要 か つ困難な問題を含ん でいる。 したが
B 経済的 ・財務的及び社会的問題
l 所有 及び支 配- 進出企業 への意思決定
権 の分散化'合弁'現地人登用などを要請0
2 国際収支及び資金調達 ・運用- TNC
問題にかかわ ってく る。 つま-法的強制 力をも
B 国有化及び補償
あるが'先進国内 でも自国企業 の国有化 は行わ
して認 める こと にな った。 これは大変な譲歩 で
る¢ CTCは コードの国際的履行機構 の役割 を'
かを国連 c TC (
多国籍 企業委員会 )に報告す
コードの目的 を達成 さ せるような措置 虐とる。
いかな る措置 をと ったか' いかな る経験 を得 た
Ⅵ 履行
各国政府は この コードを各国内 に周知 させ'
合意 された。最終段階 ま で決着 が みられな い問
題 であろう。
るかと いう選 択 である。各国政府が実施 心た措
置 や経 験 に ついて情報 を交換し話 し合う ことは
ル ・オブ リゲーシ ョンを負 うガ イドライ ンにす
った国際協定 とす るか'企業 及び政府 が モーラ
多 い。
TNC の受入れ国 によるTNCの取扱 い
にかかわ る l椴的問題
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の現地資金調達 や利 潤 の本国 への送金、短期資
然とする先進 国側と'受 入れ国企業 に有利 に働
本移動などが、 ホ スト国 の国際収支困難をも た
らさな いよう配慮す べき こと' さらには輸出 拡
大 に努力す べき こと。
3 トラ ン スフ ァー ・プ ライシング (
企業内
C 裁判管轄権
7側 の意見 が
く差別待遇を織 -込もうとす るG7
対 立して いる。
振替価格操作 )は差 し控 えるべき こと。
4 課税. トラ ン スフ ァー ・プ ラ.
イシングな
5 制 限的商慣行 を つつしむ こと。
どによ って税金 回避 をしな いこと。
6 技術移転 を促進し' ホ スト国 の科学技術
れて いるから であろう。意見 の対 立は、補償 と
定野的評価など の方法 で'果 たす Oこの コードは
先進国側も' ホ スト国 による国有化 を原則 と
8 環境保讃。
C 情報公開
裁判管轄権 に ついて生 じて いる? G 77側は'適
能力 か高 めるよう にする こと。
7 消 費者保護。
TNCは進出 先国 のパブ リ ックに' その企業
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採択後 退-とも 六 力年以内 に 見直 し (
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既述 のよう に' マニラでの第 八回多国籍企業
宥和を見出 さねばならな い重要 問題が沢山残さ
れて いる。
以上 のよう に、南北間 の政治的接渉 によ って
と長時間を要す るであろう。 TNC の定義問題
も傾き つつある。 しかし今春 のTNC特 別会合
途上国側は いうま でもな いことだが'先進国側
を行う。
委員会 は'参加国 オープ ン ・エンドの拡大 TN
1つをと っても で っである。そのう えTNC コ
ードと深 い関連 をも つ' 「企業会計報告国際基
準」
'「国際技術移転計画行動規範 」
'「
制限的商
コード完成 の見通し
し 二週間ず つ間 をおいて二回にわけて)開催す
慣行に関す る国連会議」
、「腐敗行為問題」など
三
る決議 を採択した (
本稿が発表 される頃 には最
の諸委員会 の結論待ち の部分も多 いし、 それら
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)] 世界 経済 評論 '
二 九七 八 二 ハ。
(3) 鈴木多加史 「国連 におけ る多 国籍企業観 の変
遷」 世界経済 評論 ' 一九 八 1・ 1二。
(4) 次 を参照 きれた い。
(
1) 小島清 「国 連 での 多
〝 国籍 企 業 行 動 規 範 ″ 作
り」 世界 経済 評論 、 一 九 七七 ・八O
(2) 小島清 「国連 での 〝多 国籍企業行動規 範〃作
だけで決着 が つ-とは到底期待できな い..A つ
初 の会合 が 開 かれて いる かも しれな いが)
。拡
c特別会合 を'本年春 四週間 にわた って (
ただ.
大会合 に移す ことによ ってへ これま での 四 八 カ
の結論をどう と- 入れるかに ついて'問題が残
っているから である。
国 から成 るTNC委員会 よ-は開発途上国 の参
加数が格段に増え'南 側 に有利 な政治的決着 が
はか-う ると期待 しての こと であろうか。 しか
し新参加国 のための解説と議論 のむし返 し'紛
遅れると の懸念も いだ かれて いる。 ・
糾 の加重 におわ-' コード案文完成 はかえ って
コードの最終的採択は'上部機関 たる国連経
済社会理事会 の総会 で行 われるわけであるから'
右 のTNC拡大会合 はそ の根 回し のためにも必
雪だと以前 から聞 いて いた。拡大会合と経社理
総会 でt G7
7が先進国側 の反対を押し切 って、
数 の力 で'開発途上国 にバイヤ スをも つた コー
ドを採択す ると いう こと に な れ ば' コードは
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局 は 1九 八 三年 申 に より 大音 な報 告 書
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る。
(6 ) 小島清 「現 代資 本 主義 と新国 際潅済秩 序」 世
界経済評論 t l九 八〇 ・ 二 。
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(7 ) 小 島 清 対
「 開 発 途 上 国 投 資 の新 形 態」 輪 銀 海
外投資研究所報 ' 一九 八 一・一〇。
同 「海外直接 投資 〝
新 形態″の進展」 右所 報 t
九 八 二 ・九。
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(1) 小島 浄 「
多国籍企業 論 の 新潮 流」 ﹃多 国籍 企
業 の直 接 投資﹄ ダ イ ヤ モンド社 、 t九 八 一㌧ 第 十
三章。
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2.
二 九 八三 ・ 一・ tO 稿)
る多 国籍企業 の行 動基準 の作成 過程 に ついて」 小
樽 商科大学 '商学討究 、 一九 八 一二 二。
よ って'与えられ ている。小原善雄 「国連 におけ
(
2
1) この第正章については'詳 し い検討 が、次 に
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5) それについては' マニラ会議 に提出 された次
の報告 が好 評を博 し ている。
長年 かけてここま で苦 労してき たのだ から'
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宣言」.
と いう形 にならざるをえな いであろう0
コードを何 とか完成 した いと いう気運 に'開発
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