3 ― ― １【シンポジウム】 13:30～16:30（地下大会議室）研修コード 2503（歯内療法）「エンドを究める」―アメリカ・スカンジナビアから学ぶ― 「劇的な効果を生む歯内療法」宮下裕志／宮下歯科：東京都開業実は私は歯内療法があまり好きではない。いくつか理由があるのだが、それは皆さんの理由とは若干異なるかもしれない。元々エンドが好きじゃない先生は少なくないと思う。エンドに限らないが人の口腔内は良く見えないことが多い。見えない部分では何がどうなっているのかがわからないことが多いのは当然である。時代は流れ、エンドの分野に様々なパラダイムシフトの波が押し寄せてきた。特にここ数十年でテクニックの部分が随分と変わってきた。この波は開業医にとっては良い波だと思う。ここさえ押さえれば、失敗はかなりなくなるし、患者の信頼を得やすい。ただ、もしかしたら本当はスカンジナビア由来のエンドの本質は何も変わってないのかもしれない。私自身、元々エンドは良く勉強しなかったので、エンドはテクニックだと思っていた。ところがそうじゃないことに気づかされたスカンジナビアの考え方は目から鱗であった。自分が器用じゃないと思っていた私には朗報だったわけである。今回はその劇的な効果を生むスカンジナビア流のエンドについて、いくつかのシチュエイション（う蝕治療後に臨床症状が出た場合・露髄してしまった場合の生活歯髄治療等）に分けてお話をしていこうと思う。何が違うかをじっくりとお聞きいただければ幸いである。実は私は歯内療法は比較的簡単な治療だと思っている。でも、好きではないのだ。＜略歴＞ 1986年 1986年 1988年 1989年 1990年 1993年 1995年 1996年 1999年 2001年 2002年宮下裕志（みやしたひろし）九州歯科大学卒業弘岡歯科勤務岡本浩歯周病研修会修了藤本研修会補綴コース修了スウェーデン王立イエテボリ大学短期留学スウェーデン王立イエテボリ大学院歯周病学教室留学同大学院診断学教室／歯内療法教室留学イエテボリ大学公認歯周病専門医および歯内療法専門医コクランレビューアー（Cochrane Oral Health Group）歯内歯周専門室宮下歯科 Swedish Postgraduate Dental Academy (SPDA) Head of SPDA Japan、 Academic Vice Chancellor 2005年 EPSDC研修会設立 Stage Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 主宰講師 2011年医療法人社団EPSDC設立 2014 年東京国際歯科六本木開設【シンポジウム】 13:30～16:30（地下大会議室）研修コード 2503（歯内療法）「エンドを究める」―アメリカ・スカンジナビアから学ぶ― 「アメリカの歯内療法から何を学ぶか〜日本の歯内療法において大切なものと足りないもの〜」田中利典／川藤歯科医院：東京都開業アメリカの歯内療法と聞いて、どのようなイメージをお持ちであろうか。やはり近年の商業誌を賑わせている手術用顕微鏡を用いた外科的歯内療法（ Endodontic Microsurgery）がまず思い浮かぶと思われる。ややもすると「アメリカのエンドの先生（およびアメリカ帰りのエンドの先生）は、すぐ外科処置をする」と思われがちであるが、これはある意味正しく、ある意味誤解である。日本では平成 26 年度から歯科用 CT と手術用顕微鏡を用いた歯根端切除術が保険導入され、また、同年秋の日本歯内療法学会専門医セミナーでも、外科的歯内療法が講演内容として取り上げられている。外科的アプローチを抜きにして今日の歯内療法を語ることはできないのである。しかしながら、やはりアメリカの外科的歯内療法というとどこか違和感を覚えざるを得ない。それはなぜであろうか。今回は、非外科的に、あるいは外科的にアプローチした症例をそれぞれご供覧いただき、私がどのような症例で外科的歯内療法を行っているのか、その根拠は何か、そしてなぜ外科的アプローチは治療の選択肢として外せないのかをお話したい。また、アメリカの歯科治療を語るときに我々日本人が持つ違和感の理由はどこにあるのか、アメリカの歯科治療から我々は何を取捨選択すべきかをお伝えしたい。＜略歴＞ 2001 年 2001 年 2004 年 2006 年 2006 年田中利典（たなかとしのり）東北大学歯学部卒業東京医科歯科大学補綴科（摂食機能評価学）入局専攻生澤田デンタルオフィス（歯内療法専門歯科医院）勤務藤本研修会補綴・咬合コース修了米国ペンシルバニア大学歯学部コンベンショナルエンドドンティクスコース、マイクロサージェリーコース修了 2008 年米国コロンビア大学歯学部歯内療法専門医課程入学 2010 年米国コロンビア大学歯学部歯内療法専門医課程卒業米国歯内療法専門医 2010 年川勝歯科医院副院長 2011 年日本歯内療法学会認定専門医 2013 年東北大学歯学部同窓会東京支部役員 2014 年日吉歯科診療所専門医診療室歯内療法担当医（非常勤） 2015 年日本歯内療法学会学術委員