平成 26 年度税制改正の大綱の概要 Ⅰ 法人税 1. 復興特別法人税 改正前 法人税額×10% 改正後 復興特別法人税の課税期間が短縮され、1 年前倒しで廃止されることとなった。 普通法人実効税率 35.64%に 施行日 平成 27 年 1 月 1 日以後 2. 廃止後の法人税実効税率(東京都の中小法人の場合) 改正前 年 800 万円超 38.37% 年 800 万円以下 24.56% 年 400 万円以下 22.87% 改正後 年 800 万円超 36.05% 年 800 万円以下 23.16% 年 400 万円以下 21.43% 施行日 平成 27 年 1 月 1 日以後 3. 交際費の損金不算入 改正前 中小法人のみ 800 万円まで損金算入 改正後 中小企業者等(資本金 1 億円以下の法人のうち、資本金の額等が 5 億円以上の法人の子会 社等である法人を除く)のみに認められている特例(800 万円の定額控除制度)が延長され、 すべての法人に対し、支出交際費等の額のうち飲食に係る支出の 50%(上限額無し)が損 金算入されることとなった。 なお、中小企業者等については、定額控除との選択適用が可能である。 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後平成 28 年 3 月 31 日まで 4. 産業競争力強化事業再編損失準備金 改正前 新設 1 改正後 産業競争力強化法に基づく認定を受けた青色申告法人が、積立期間内に特定事業再編に係る 特定会社の特定株式等を取得した場合において、特定事業再編投資損失準備金を積み立てた ときは、その積立金額が損金算入される。 なお、特定事業再編投資損失準備金は、積立期間終了後に 5 年間で均等額を取り崩し益金 の額に算入する。 施行日 平成 26 年 1 月 1 日以後平成 29 年 3 月 31 日まで 5. ベンチャー投資促進税制損失準備金 改正前 新設 改正後 産業競争力強化法に基づく認定を受けた投資事業有限責任組合に係る契約を締結している 法人が、同組合に対して出資をし、新事業開拓事業者(仮称)の株式等を取得した場合にお いて、新事業開拓事業者投資損失準備金(その株式等の帳簿価額の 80%を限度)を積み立 てたときは、その積立金額を損金算入することができる。 なお、この準備金は、その積み立てた事業年度の翌事業年度に全額を取り崩し益金算入する。 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後平成 29 年 3 月 31 日まで 6. 産業競争力強化投資促進税制 改正前 新設 改正後 特別償却 50%(建物等は 25%、中小は即時償却)又は 4%(中小は 7%、資本金 3,000 万 円以下は 10%)税額控除 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後 7. 既存建物耐震改修制度 改正前 新設 改正後 既存建築物の耐震改修投資額に対し 25%の特別償却が認められるとともに、耐震改修 が完了した家屋に対し 2 年度分の固定資産税について 2 分の 1 の減額が行われる。 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後平成 27 年 3 月 31 日まで 2 8. 所得拡大促進税制適用基準緩和 改正前 給与増加割合 5%以上対象 改正後 雇用者給与等支給増加割合の要件(現行 5%以上)を、次の適用年度の区分に応じ緩和する。 ① 平成 27 年 4 月 1 日以前に開始する適用年度・・・2%以上 ② 平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日までの間に開始する適用年度・・3%以上 ③ 平成 28 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日までの間に開始する適用年度・・5%以上 施行日 平成 30 年 3 月 31 日まで 9. 研究開発税制拡充 改正前 控除税額上限 税額×20% 改正後 「増加型」の税額控除が、増加試験研究費の額の 5%から最大 30%に拡充された。 なお、上乗せ措置のうち、 「増加型」については、改正前の制度では増加割合が 5%以下で も適用されたが、改正後は 5%超の増加が適用要件となっている。 したがって、増加割合が 5%以下の場合には、「増加型」の適用がなく、上乗せ措置は高水 準型のみの適用となることに留意する必要がある。 施行日 平成 29 年 3 月 31 日までに開始する事業年度まで 3 Ⅱ 所得税 1. 給与所得控除の縮減 改正前 給与収入 1,500 万円以上 245 万円上限、未満は 5%+170 万円 改正後 ① 給与収入 1,200 万円以上 上限 230 万円 ② 給与収入 1,000 万円以上 上限 220 万円 施行日 ① 平成 28 年 1 月 1 日以後 ② 平成 29 年 1 月 1 日以後 2. ゴルフ・リゾート会員権の譲渡損 改正前 他の所得と損益通算可能 改正後 他の所得との損益通算不可 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後譲渡 3. 上場株式・非上場株式譲渡損益 改正前 通算可能 改正後 別々申告分離、損益通算不可 施行日 平成 28 年 1 月 1 日以後 4. 私募債利息 改正前 20%源泉分離課税、申告不要 改正後 役員の受ける利息は総合課税に 施行日 平成 28 年 1 月 1 日以後 5. 日本版 ISA 非課税投資口座 4 改正前 新設 改正後 500 万円までの投資非課税、移行可能に 施行日 平成 27 年 1 月 1 日以後 6. 特定の居住用財産の買換特例 改正前 譲渡対価 1 億 5,000 万円以下 改正後 譲渡対価 1 億円以下 施行日 平成 26 年 1 月 1 日以後譲渡、平成 27 年 12 月 31 日まで 7. 債務免除益の非課税 改正前 明文なし 改正後 事業を営む個人が有する債務につき、所定の債務処理準則などに基づき債務免除を受けた場 合において、所定の資産評定を行っているときは、その評価損相当額を必要経費に算入する こととし、収支両建てすることにより実質非課税とする。 また、個人が有する債務につき、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると 認められる事由により債務の免除を受けた場合には、その債務免除の額については、各種所 得の収入金額に算入しない。これは、現行の実務上の取扱いが法令に明記されたものである。 施行日 記載なし 5 Ⅲ 消費税 1. 簡易課税のみなし仕入率 改正前 ① 不動産業 第 5 種事業 50% ② 金融業・保険業 改正後 ① 不動産業 第 6 種事業 40% ② 金融業・保険業 第 4 種事業 60% 第 5 種事業 50% 施行日 平成 27 年 4 月 1 日以後開始課税期間 2. 軽減税率 改正前 ― 改正後 消費税 10%時に導入、平成 26 年 12 月までに結論 施行日 平成 27 年 10 月 1 日以後 3. 金融債権の譲渡 改正前 ― 改正後 消費税の課税売上割合の計算上、金銭債権の譲渡について、その譲渡に係る対価の額の 5% 相当額(現行:全額非課税売上)を資産の譲渡等の対価の額に算入する。 施行日 平成 26 年 4 月 1 日以後 以 6 上
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