2015年1月4日 人民元為替週間レポート(PDF/718KB)

人民元週間レポート・新春特別号
~1枚で分かる2015年の人民元~
2015年のレンジをずばり予想!
<2014年人民元相場推移>
みずほ銀行(中国)・中国為替資金部
ドル人民元直物相場:6.0500 ~ 6.2900 (年末見通し:6.1300)
<2015年のポイントをぱっと見!>
<主要経済指標振り返り>
①中国ファンダメンタルズの回復時期
⇒当面は弱い経済指標が予想されるが、年後
半にかけて住宅市況中心に底打ちとなるか?
②主要国の金融緩和政策
⇒年前半は「米国の緩和縮小(引締め)⇔中国
の緩和拡大」が意識され、ドル高元安要因に?
③人民元国際化の進展
⇒永年の課題である「人民元国際化」に向けた
施策が進展すると人民元高要因に?
(詳細は左下「2015年人民元相場予測」をご覧下さい)
<2014年人民元相場振り返り>
☆まとめ☆
2014年の人民元相場は、前年末比約2.5%元安が進行。1年を通して大
きく分けて3つの局面があった。
【年初から6月のドル高元安局面】
1月2日に6.0525でオープンしたドル人民元は徐々に値を切り上げていた
が、3月に人民銀行(PBOC)が日中変動幅を拡大すると上げ幅を拡大さ
せ、4月末には1年半ぶりの水準となる6.2674(2014年最高値)まで上昇。
【7月から10月のドル安元高局面】
中国経済指標が比較的強いものとなったことで景気回復が意識され、じ
りじりとドル安元高方向が進み10月末には6.10台まで下落。
【11月からのドル高元安局面】
中国第3四半期GDPが7.3%となる等、中国経済指標が一転して弱くなっ
たことを受けて経済下押し圧力が強まり人民元が売られる展開。中国で
利下げが実施されたことやFRBのQE終了にもサポートされドル人民元は
6.22台近辺まで切り返し。12月31日は6.2040でクローズ。
☆ポイント☆
①ドル人民元変動幅の拡大(PBOC仲値±1.0%⇒±2.0%)
・為替相場の双方への弾力性向上を企図しており、いずれか一方向に向
かうこととは関係無いとされている。
・極端な相場変動に対しては「必要な調整を実施する」とされているもの
の、通常の介入は減少しており、上下双方向の変動性は高まっている。
②PBOCによる利下げ
・PBOCは11月に貸出基準金利、預金基準金利を引下げ。4月以降対象
を絞った金融緩和を実施してきたが、実体経済の融資コスト低減にはつ
ながっておらず、全面的な利下げに踏み切った。
・米国では2015年にも利上げが開始されると予想されており、米中両国
の金融政策の違いがドル人民元のサポート材料となっている。
<2015年人民元相場予測>
☆まとめ☆
2015年の注目点は大きく分けて以下3点。
①中国ファンダメンタルズの回復時期
②主要国の金融緩和政策
③人民元国際化の進展
☆ポイント☆
①2015年は、弱い中国経済指標を背景に人民元は弱含みの地合いが継続する展開となろう。
2014年は4月以降「ミニ刺激策」や「的を絞った政策」で景気の下支えを図っていたが、年後半は
失速。GDP、貿易統計、内需関連、物価とも軒並み弱い数字が出ており、今後も当面は人民元
の売り材料になると思われる。一方、住宅については価格が下落しているものの販売面積は回
復の兆しを見せており、このまま在庫調整が進めば住宅市況が改善する可能性がある。中国
ファンダメンタルズが回復に向かうバロメーターとなり得るため、不動産セクターの底打ち時期に
は注意が必要。
②2015年は従来以上に主要国の金融緩和政策に注目が集まる年になると言えよう。2014年後
半には、10月に米国がQE終了を決定する一方で、9月に欧州、10月に日本が追加緩和を実施、
中国も11月に利下げを実施と、各国の金融政策に変化が見られた。米国では早ければ2015年
半ばにも利上げが開始される見込みで、米金利上昇がドルをサポートしておりドル独り勝ちの状
態がしばらく続くだろう。PBOCは前回利下げ時に大胆な金融緩和に踏み切るつもりがないことを
示唆しているが、デフレ圧力が強まる中、利下げや預金準備率引下げといった追加緩和余地は
残されている。米国の緩和縮小(引締め)⇔中国の緩和拡大という両国の金融政策差異が特に
年前半は意識されドル高元安要因となろう。
<2015年末ドル人民元「我的予想」>
中国為替資金部カスタマーチーム・為替チーム
善野
よしお
あねご
ドキン
めぐみ
マリン
6.0888
6.1100
6.1814
6.1600
6.2200
6.2000
アニー
馬
ワッシー Cherry レザード ジャッキー
6.1100
5.9900
6.1300
6.2120
6.2800
6.1588
Rock
リーさん
NANA
呉
ニーさん
大内
6.1500
6.2400
6.1480
6.0500
6.1200
6.1910
年初のひとこと
昨年の世界の出来事を振り返ってみますと、ウクライ
ナ危機・エボラ出血熱感染拡大等、想像もしていな
かった出来事が起こりましたが、今年はきっと解決の
兆しが見えるはずです。というのも、今年の干支であ
③長期的な観点で考えると、中国はオフショア人民元センターの増加・人民元直接取引の範囲
る『未(ひつじ)』は、群れをなすことから『家族の安泰
拡大・海外での人民元建て債券発行・人民元の外貨準備組み入れ等の推進を通して人民元の
を示しいつまでも平和に暮らす事』を意味するとされて
国際化加速を図っている。そのためには人民元が安定して底堅く推移することが求められるため、 いるからです。
人民元切り上げの外圧とも相まって引続き人民元上昇圧力となろう。尚、2014年12月の中央経
今年の新年会は「羊に象徴される世界平和と安泰を
済工作会議では人民元国際化について「緩やかに推進する」とされており、本格的な金融自由
祈願して、乾杯!」との音頭で始めてみるのはいかが
化にはまだ時間を要すると思われる。
でしょうか?本年もよろしくお願いいたします。(鷲足)
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