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一人一人が輝く教育立県を目指して
本県では,これまで9次にわたって教育計画を策定し,県民の皆様の教育に対する熱い思いや関係者
の皆様の御協力をいただきながら,さまざまな教育施策を展開してまいりました。この間,子どもたち
本県教育の目標
茨城県教育委員会
ひとりひとりの能力を開発し
豊かな人間性をつちかう
じょうぶな身体をつくり
たくましい心を養う
郷土を愛し
協力しあう心を育てる
に確かな学力を身に付けさせ,豊かな心,健やかな体を育成するとともに,県民誰もが生涯学習,文化
芸術活動,スポーツ等に参加できる環境づくりに積極的に取り組んできたところです。
さて,今日,知識・情報・技術が社会のあらゆる領域で活動の基盤として飛躍的に重要性を増す,い
わゆる 「知識基盤社会」 の到来や,グローバル化の進展などにより,国際競争や地域間競争が激しくなっ
ております。このような中,資源の乏しい我が国においては,国際社会で活躍できる人材の育成がます
ます重要になっています。また,子どもたちの学力や規範意識の低下,家庭や地域の教育力の低下が課
題となっており,自立した個人の育成やこれからの時代に対応した地域社会づくりが求められています。
このため県教育委員会では,社会の変化や直面している教育課題等を踏まえつつ,本県教育目標の具
現化を目指し,第10次となる新しい教育計画である 「いばらき教育プラン」を策定いたしました。
新しい「いばらき教育プラン」では,「一人一人が輝く教育立県を目指して」という基本テーマのもと,
「社会全体での教育力の向上」,
「未来に羽ばたく力を育てる教育の充実」,
「豊かな心と健やかな体の育成」,
「生涯にわたって学べる環境づくり」,「質の高い教育環境整備」の5つの柱を基本方向として掲げ,それ
らに沿ったさまざまな施策を展開し,いばらきや日本の将来を支える人材の育成を図ってまいります。
なお,プランの推進にあたっては,主な施策に数値目標を設定し,有識者等から意見をいただきながら,
PDCAサイクルを活用し,適切に進行管理を行ってまいります。
今後も,県民の皆様の教育に対する強い期待に応えるため,新しい「いばらき教育プラン」を力強く推進
してまいりますので,教育関係者はもとより,県民の皆様の御支援と御協力をお願い申し上げます。
平成23年4月
茨城県教育委員会教育長 小野寺 俊
目次
1 計画策定の趣旨‥
Ⅰ 計画の策定にあたって
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2 計画の策定・位置付け‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
6
3 計画期間‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
6
1 プラン策定にあたっての背景‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
8
(1) 時代の潮流‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(2) 本県の教育をめぐる現状と課題から‥
Ⅰ
Ⅰ 基本的な考え方
6
(3) 災害に対する備え‥
8
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14
2 計画の基本的な考え方‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
(1) 基本テーマ‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 15
(2) 施策の基本方向‥
(3) 施策体系‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
第1章 社会全体での教育力の向上
第1項 いばらき教育の日,教育月間の推進
第1節 県民全体の運動の活性化‥
第2項 開かれた学校づくりの推進
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 26
第1節 地域の人材の積極的な活用‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28
第2節 地域に向けた情報の発信‥
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ 基本計画
第3項 家庭の教育力の向上
第1節 家庭教育の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 32
第2節 PTA と連携した子育て支援‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 34
第4項 地域の教育力の向上
第1節 いばらきっ子の多様な体験活動充実のための支援‥‥‥ 36
第2節 学校教育への支援体制の充実‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 38
第5項 お互いを認め合い,社会参画を促す取組の推進
第1節 人権教育の推進‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 40
第2節 男女共同参画社会形成への意欲の向上‥‥‥‥‥‥‥‥ 42
第3項 勤労観,職業観を育てる教育の充実
第2章 未来に羽ばたく力を育てる教育の充実
第1節 小・中・高等学校におけるキャリア教育の充実‥‥‥ 100
第1項 確かな学力を育む教育の充実
第2節 職業教育の充実‥
第1節 基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得と
活用する力の育成‥‥‥ 46
第2節 自ら課題を見つけ解決しようとする学習意欲の向上‥‥‥ 48
第3節 言語活動の充実‥
第4節 理数教育の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 52
第2項 国際化に対応できる教育の推進
第1節 外国語によるコミュニケーション能力の向上‥ ‥‥‥ 54
第2節 国際教育の推進と多文化共生のための環境づくり‥
第3項 時代の変化に対応した教育の推進
第1節 情報活用能力を育てる教育の充実‥
‥‥‥ 56
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 58
第2節 ものづくりを担う人づくり‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 60
第3節 環境教育の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 62
第4節 少子高齢社会に対応した教育の充実‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥ 64
第4項 教師力の向上と指導環境の整備,拡充
第1節 教員の資質向上‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 66
第2節 保幼小中高連携の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 68
第3節 教員が子ども一人一人に向き合う時間の拡充‥ ‥‥‥ 70
第5項 自立と社会参加を目指す特別支援教育の充実
第1節 特別支援学校のセンター的機能の充実‥‥‥‥‥‥‥‥ 72
第2節 一人一人の教育的ニーズに応じた指導の充実‥ ‥‥‥ 74
第3節 就学前からの一貫した支援体制の充実‥‥‥‥‥‥‥‥ 76
第4節 発達障害等の理解の促進‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 78
第4項 生徒指導の充実
102
第1節 問題行動への対応‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 104
第2節 相談体制の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第5項 命を守り,共生の心を育てる教育の充実
106
第1節 災害等に対応できる力を育む取組の推進‥‥‥‥‥ 108
第4章 生涯にわたって学べる環境づくり
第1項 生涯にわたって質の高い学びを進める環境づくり
第1節 生涯学習の普及・啓発の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 112
第2節 多様な学習機会や場の提供‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 114
第3節 学習成果の活用と体制の整備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 116
第4節 県民の読書活動への支援‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第2項 心に潤いと感動をもたらす文化芸術活動の推進
118
第1節 全国高等学校総合文化祭茨城大会の開催‥‥‥‥‥ 120
第2節 幼い頃から文化芸術に触れるための環境づくり‥ ‥‥ 122
第3節 地域に根ざした伝統文化の継承‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 124
第4節 美術館・博物館活動の充実と活用‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
126
第5節 文化財の保護活用‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 128
第3項 活力あるスポーツの振興
第1節 選手強化体制の充実‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 130
第2節 生涯スポーツを推進する組織の育成・充実‥
第3章 豊かな心と健やかな体の育成
‥‥‥
132
第3節 スポーツ関係組織の連携強化‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 134
第1項 豊かな心を育む教育の充実
第1節 県全体をあげて取り組むマナーアップ運動の推進‥ ‥‥ 82
第2節 道徳教育の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第4節 国民体育大会開催に向けた準備‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 136
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 84
第3節 学校教育における人権教育の充実‥
第4節 子どもの読書活動の推進‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 86
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 88
第5節 郷土の伝統と文化への愛着を高める教育の推進‥‥‥ 90
第6節 体験活動・ボランティア活動の推進‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥ 92
第2項 健やかな体の育成
第1節 健やかな体を育む学校体育の充実‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 94
第2節 学校保健と健康教育の充実‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 96
第3節 食育の推進と学校給食の充実‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 98
第5章 質の高い教育環境整備
第1項 時代の進展に対応した魅力ある学校づくり
第1節 高校教育改革の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 140
第2節 特別支援学校の教育環境の整備の推進‥‥‥‥‥‥‥ 142
第3節 公立小中学校の適正配置の促進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 144
第2項 安全・安心な教育環境の整備
146
第2節 学校施設整備の推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 148
第3節 教育機会均等の確保‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 150
第1節 学校危機管理体制の確立‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第3項 社会の変化に対応できる教育環境の整備
第1節 学校の情報化の促進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 152
第2節 生涯学習環境,スポーツ環境の充実‥ ‥‥‥‥‥‥‥ 154
ⅠV 計画を推進するに
あたって
1 計画の点検・評価について‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 158
2 計画を推進するにあたっての関係機関との連携‥‥‥‥‥‥‥ 158
数値目標一覧‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
参考資料‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
159
165
Ⅰ 計画の策定にあたって
1 計画策定の趣旨
本県の教育行政の基本方針を定めるため,昭和38年に「茨城県教育振興計画」を策定して以来,昭和44年,
47年及び51年に「茨城県教育振興対策」を,昭和55年,61年及び平成3年に「茨城県教育振興計画」を策
定してきました。
また,平成7年には平成17年度を目標年度とする第8次の教育計画である「いばらき教育プラン」を策定し
ましたが,社会経済情勢の変化などにより,平成12年度に県計画が改定されたことに併せ,「いばらき教育プ
ラン」 も改訂し,これに基づいて教育施策の計画的・総合的な推進を図り,本県教育の水準の維持向上に努
めてきました。
平成18年度からの茨城県総合計画「元気いばらき戦略プラン」の策定に合わせて,平成18年度から22年度
までの県教育行政運営の基本方針とし,
「未来を拓くたくましい人づくり」を基本テーマとして取り組んできた
ところです。
今回の新しい茨城県の総合計画「いきいきいばらき生活大県プラン」の策定に伴い,総合計画が目指す茨
城の将来像や,いばらきの快適な社会づくり基本条例が目指す社会の実現に向けて取り組むべき教育施策,
教育を取り巻く様々な課題への対応などを明らかにした,
「いばらき教育プラン」を策定し,平成23年度から
27年度までの5年間における県教育行政運営の基本方針とするものです。
2 計画の策定・位置付け
茨城県総合計画「いきいきいばらき生活大県プラン」の部門別計画としてその整合性を確保し,本県におけ
る第10次の教育計画として位置付けられた計画です。
また,教育基本法第17条第2項にあるように,平成20年に策定された国の教育振興基本計画を参酌して地
方自治体で策定することが求められている本県の教育振興基本計画としても位置付けるものです。
3 計画期間
この計画は,茨城県総合計画(計画期間:平成23年度から27年度まで)における部門計画であることから,
計画期間を平成23年度(2011年度)から平成27年度(2015年度)までの5年間とします。
○基本計画の施策体系
基本計画は,基本テーマに基づき,5つの柱に基づいて 「章」 をおき,その下に,各章の施策の
展開の方向を示した 「項」 を,さらに各項の主要な施策を示した 「節」を設け,体系的に示してい
ます。
○数値目標
様々な施策を展開するにあたり,目標年度である平成27年度までにその達成を目指していく数
値目標が設定されています。これらの数値目標については,毎年度達成状況と進捗状況を点検しな
がら評価を行い,公表してまいります。
Ⅰ
Ⅰ 基本的な考え方
1 プラン策定にあたっての背景
(1)時代の潮流
① 人口減少社会の到来と急速な高齢化の進展
③ 環境・エネルギー問題の深刻化
【県総合計画における時代の変化のとらえ】
・経済の発展や生活の利便性の向上などにより,人々が快適な生活を送れるようになっている一
【県総合計画における時代の変化のとらえ】
方で,地球温暖化やオゾン層の破壊など地球規模の環境問題が人類の未来を脅かす重大な問題
・人口減少や急速な高齢化の進展により,国内需要や労働力人口の減少などによる経済規模の縮
として取り上げられるなど,地球環境保全への意識が高まっている。
小,地域活力の低下や高齢単独世帯の増加等,多方面にわたる影響が強く懸念される。
・安定した経済成長と労働力の確保など,教育・訓練やイノベーションによる生産性の向上,人
材の育成,若者・女性・高齢者などの就業機会の拡大を図るとともに,若い人が結婚,出産,
子育てに夢や希望を持つことができ,高齢者が健康で生きがいを持って暮らせるような取組を
進める必要がある。
【教育をめぐる課題】
・環境問題への対応の観点からも,エネルギー効率のさらなる向上や消費量増加の抑制,再生可
能エネルギーの導入拡大などの取組が必要となっている。
【教育をめぐる課題】
教育の面では,持続可能な社会の構築を目指して,学校・家庭・地域が連携し,環境保護意識
の醸成に向けて,児童生徒の発達段階に応じた指導を行い,自然環境の保全や省エネルギーの取
組など,主体的な行動に向けた実践的な資質能力を育成することが課題となっています。
少子高齢化や核家族化等の進行とともに,子どもたちの生活体験や自然体験等の機会の減少や,
人と人とのつながりが弱まっていることなどから,規範意識や社会性の低下,また,子育てに不
安や悩みを持つ親の増加,家庭の教育力の低下が指摘されています。
こうした状況において,子育てに対する支援や,家庭の教育力の向上を図るとともに,社会全
体で子どもたちを見守り,育てるという意識を高め,具体的に取組を進めていくことが求められ
ています。
さらに,人口減少が進行するこれからの時代においては,県民が地域社会の中で,主体的に参画・
貢献しようとする態度を育み,様々な分野でそれぞれの能力を発揮できる社会づくりを進めてい
くことが求められています。
④ 日常生活への不安と安全・安心志向の高まり
【県総合計画における時代の変化のとらえ】
・近年全国的な医師不足などの地域医療が抱える問題,
高齢化の進展に伴う介護福祉に関するサー
ビスの充実への関心が高まっている。
・食品の安全性の問題など,安全に安心して暮らせる環境に対する人々の意識が高まっている。
・治安の面では,刑法犯罪認知件数は減少傾向にあるものの,生活に身近な場所で凶悪犯罪が発
生するとともに,インターネット・携帯電話を利用した犯罪が多発している。
・非正規雇用の増加や近年の景気後退による失業者の急増などにより,所得格差の拡大が社会問
② 社会経済のグローバル化
【県総合計画における時代の変化のとらえ】
・ICT( 情報通信技術)の飛躍的な発展などにより,資本・労働・情報などが国境を越えて活発に
移動し,世界における経済的な結びつきが深まるグローバル化が一層進展する。
・社会経済のグローバル化は,日常生活にまで大きな影響を与えている。
【教育をめぐる課題】
子どもたちが世界的な視野を持つとともに,他国の文化や習慣を理解し尊重する態度,郷土や
題化するとともに,フリーターなどの増加は,雇用の不安定さや職業能力の蓄積不足,結婚や
子育てにまで影響している。
【教育をめぐる課題】
教育の面では,経済・雇用情勢が悪化し,所得格差の拡大などが不安視される中で,家庭の経
済状況の差が進学機会や学力の差につながるのではないかということが,今までにも増して危惧
されています。家庭の経済状況にかかわらず,誰もが安心して教育を受けることができる環境が
求められています。
また,これらの労働環境の変化とともに,若者の目的意識の希薄さが指摘されるところであり,
我が国の伝統・文化を大切にし外へ発信しようとする態度,外国語の習得をはじめとする幅広い
地域産業界や NPO 等の協力を得て,勤労観・職業観の涵養をはじめ,自らの在り方生き方を考え
コミュニケーション能力を身に付けるとともに,国際社会で活躍できる人材の育成が重要となっ
る教育の必要性が高まっています。
ています。
⑤ 価値観の変化・多様化
【県総合計画における時代の変化のとらえ】
・人々の価値観や意識の変化は,物の豊かさから心の豊かさに重きを置くようになってきており,
こうした意識の変化に伴うライフスタイルの多様化は今後も一層進む。
・ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)などの取組により,一人一人が個性と能力を
発揮できる社会づくりをさらに進める必要がある。
・経済・社会環境の変化や利便性の向上,さらには,人々の意識の変化などにより,家族,地域,
職場におけるつながりが弱まっており,地域における支え合いの意識の低下などが懸念される。
・近年,「社会に貢献したいと思っている」などと考える若者が増えているほか,高齢者のボラ
ンティア活動への参加意欲が高まっている。
・「新しい公共」といった考え方に基づく地域づくりの取組が重要となっている。
【教育をめぐる課題】
このような中,地域社会における人と人とのつながりを守り育てていくための取組や,安心し
て生活できる地域社会づくりを進めていく必要があります。そのため,学校,企業,地域等が連
(2)本県の教育をめぐる現状と課題から
① 学校教育について
ア 学力及び学習状況
○ 全国学力学習状況調査の結果からは,基礎学力の確実な習得が課題としてあげられます。
また,児童の算数への関心については改善は見られるものの,低い傾向にあるため,児童
生徒の学習意欲を高め,主体的に学習に取り組む態度や家庭学習の充実も課題となっていま
す。
○ 学力向上に向けた研修体制や取組に学校間で差が見られ,教員の指導力の向上とともに,
PDCAサイクルの確立を目指した取組が求められています。
○ 高等学校においても,基礎的・基本的な事項の定着が不十分な生徒,表現力に課題がある
生徒,授業に臨む姿勢が受身である生徒などの問題があり,個に応じた指導を充実させてい
く必要があります。
○ 理数離れが指摘される中,本県においては,大学進学者に占める理系学部への進学者数の
割合が全国平均を超えているものの,医学部等の進学者数は全国平均に比べて少ない傾向が
あり,その増加に向けて取り組む必要があります。
携を図りながら,社会全体で子どもの安全・安心の確保や子育てを行う親を支援することが求め
られています。
さらに,社会の一員として自覚し行動できる意識や態度を養うとともに,ボランティア活動等
を通して心豊かで創造的に生きていくことができる人づくりが大切です。
イ 豊かな心や健やかな体の育成をめぐる状況
<豊かな心の育成>
【高校の道徳教育について】
○ 高等学校における「道徳」の授業については,生徒,保護者とも肯定的にとらえ,その取
組が充実してきているところですが,教員対象に行ったアンケートの結果によると,6割を
超える教員が,
「家庭や地域への広報活動が十分にできているとは感じていない」など,
「道徳」
の公開授業の周知や授業内容のさらなる充実が必要となっています。
【郷土を愛する心の育成】
○ 郷土に対する愛着や理解を深める必要があります。
社会科の学習や総合的な学習の時間などで郷土の歴史及び産業や市町村のこれまでの移り
変わりについて取り上げていますが,今後いっそう各市町村,県の名所旧跡,特色ある産業
等を学校の教育活動で積極的に取り上げ,理解を深めさせるとともに,郷土に関する教員の
研修も充実させていく必要があります。
また,道徳教育の時間にも郷土に関する内容などを取り入れながら,充実させる必要があ
ります。
さらに,文化的施設の利用についても促進を図る必要があります。
10
11
【体験活動・ボランティア活動について】
② 家庭の教育力について
○ 子どもたちは直接体験が不足しており,社会奉仕体験活動,職場体験活動,生活体験や自
○ 家庭は,人格形成のための出発点として重要な役割を果たすものですが,平成20年度の「家
然体験が少ない状況にあり,特に,学年が進むにつれて,体験活動の減少が懸念されています。
各学校段階の特質や児童生徒の発達の段階を踏まえて,豊かな人間性や社会性を実践を通
して育むため,体験活動を重視する学校が多くみられるようになってきましたが,今後一層
の充実が求められています。
庭教育の活性化支援等に関する特別調査研究」(国立教育政策研究所)によると,約80%の保
護者が「家庭の教育力が低下していると思う」(「そう思う」,「ある程度そう思う」の合計)と
回答しています。
こうした状況において,家庭の教育力を高めるための施策を引き続き進めるほか,子どもた
ちの発達や学びの連続性を踏まえた幼児期の教育と小学校との連携など幼児教育の充実させる
<健やかな体の育成>
○ 日常生活における運動の機会や場が減少している状況はあるものの,児童生徒の基礎的な
体力や運動能力については回復傾向が見られます。
しかし,体力テストの結果では全国的に優れているものの,全体的に跳・投の基礎的運動
ことが求められています。
また,教育施策の推進に当たっては,地域住民が子どもたちの教育に参加・参画し,地域社
会全体で子育てを支える環境づくりを進め,家庭での子育てや教育に不安を抱える保護者を支
援するなど,学校・家庭・地域・企業等が一層連携していくことが求められています。
能力が低い傾向にあります。また,運動をする児童生徒とそうでない児童生徒の分散化が進
む傾向にあることから,積極的に運動に取り組む機会の充実が必要です。
○ 運動部活動の参加率について,中学校は,新入生対象の部活動オリエンテーションの充実
などから,74%前後で推移しています。また,高等学校は上昇傾向にあるものの,全国と比
較すると低い状況にあり,運動部活動の活性化が求められています。
③ 地域の教育力の状況について
○ ライフスタイルの変化や,人間関係の希薄化等により,地域社会が一体となって青少年の健
全育成を図っていくことが難しくなっているため,地域に根ざした多様な体験活動や交流活動
等の機会の提供が重要であり,地域社会全体で子どもを見守り,育んでいく取組を推進する必
<食育の推進について>
○ 校長のリーダーシップのもと食育を推進していくために,食に関する校内推進委員会を全
要があります。
このようなことから,子どもたちが地域での様々な社会体験活動などを行うことを通じて,
ての学校で設置することを目標に進めていますが,未だ全ての学校において設置されていな
基本的なきまりや善悪を判断できる力や,社会づくりに主体的に参画する意欲・態度を育む必
い状況にあります。
要があります。また,地域の大人が積極的に地域社会づくりに参画し,子どもたちとかかわる
健康で豊かな生活を送るためにも食育を充実させ,学校教育全体で推進していくための体
ことが重要となっています。
制づくりが重要となっています。
④ 生涯学習をめぐる状況
ウ 特別支援教育の充実に関する状況
○ 県立特別支援学校に在籍する児童生徒数は,平成13年度は2,533人でしたが,平成22年度
には3,416人と増加傾向にあり,特に知的障害特別支援学校の児童生徒の増加が顕著であるた
め,これらに対応した教育環境の整備の充実を図る必要があります。
○ 障害の重度・重複化,多様化とともに,学習障害,注意欠陥多動性障害,高機能自閉症等,
○ 本県では,社会参加・参画を促進する視点や,職業能力の向上につなげる視点等を基本方針
として,県民の多様で充実した学習活動を支援するための施策を体系化し,生涯学習の総合的
な推進を図ってきました。
今後,社会の急激な変化に伴い,新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域での活動の
基盤として飛躍的に重要度を増す中,知識や技術を高め,より豊かな人生を送ることができる
小中学校等の通常の学級に在籍する児童生徒への対応も含め,専門機関と連携しながら一人
よう,だれもが生涯にわたって学び続けることができる環境整備が一層求められています。
一人の教育的ニーズに対応した適切な指導及び必要な支援を行う体制の整備が求められてい
また,県民一人一人が社会の一員としての自覚を持ち,自ら進んで社会に参加・参画し,共
ます。
に力を合わせて地域社会における教育力の向上や地域課題の解決等に取り組むことが重要と
なっています。そのため,学校・家庭・地域の連携方策や生涯学習センターの在り方について
の検討,学習成果の活用及び評価等について検討していく必要があります。
12
13
⑤ 地域の文化・文化財をめぐる状況
○ 県民が心の豊かさを実感し,潤いのある生活を送るためには,地域の文化資源を生かして多
2 計画の基本的な考え方
(1)基本テーマ
様な文化芸術に触れる機会を充実させるとともに,特色のある地域文化を創造していく人材の
人口減少や急速な高齢化の進展,社会経済のグローバル化,さらには環境・エネルギー問題の深
育成が重要です。特に児童生徒が早い段階から優れた芸術等にふれることが重要です。
刻化など,社会が大きく変化しています。また,近年若者の「内向き志向」や「理数離れ」が指摘
また,本県の恵まれた自然環境や歴史等を背景に各地域に豊かな文化が生まれ,数多くの文
されているところです。
化遺産が受け継がれてきていることを踏まえて,国や地域の伝統・文化,歴史,自然を大切に
資源が乏しい我が国においては,人材の育成が不可欠であり,また,平成23年度からの5ヵ年の
する心を育むことが重要です。さらに,本県の文化遺産の確実な継承と積極的な活用を図って
県の「茨城県総合計画」では,目標の一つとして,「人が輝くいばらき」が掲げられ,茨城,そして
いくことが求められています。
国を支えていく人材の育成が求められています。
人材の育成には,児童生徒一人一人に「生きる力」を身に付けさせ,基礎的・基本的な知識・技
⑥ スポーツの振興に係る状況
能を確実に習得させるとともに,思考力・判断力・表現力などを育成することが必要です。また,
○ スポーツは,明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や一人一人の心身の健全な発達にとって
自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性を育むと
欠かせないものであり,達成感や喜びをもたらし,体力の維持・向上や生活習慣病を予防する
ともに,たくましく生きるための健康や体力などを身に付けさせていかなければなりません。
など,心身の両面にわたる健康の保持増進に大変有意義なものです。
さらに,子どもたちが成長していくためには,親はもちろんのこと,地域でのふれあい,励まし
そこで,学校体育,スポーツ教室や総合型地域スポーツクラブなどを通して,一人一人の体
や支え,学ぶ意義を実感し意欲を高めていくことが重要であり,そのための出会いの場や体験活動
力や年齢,興味・目的などに応じて,いつでも,どこでもスポーツに親しむことができる生涯
等の充実が求められています。
スポーツ社会の実現が求められています。
次世代を担う子どもたちに,これからの社会において必要となる「生きる力」を身に付けさせる
また,スポーツは,人々に夢や目標,感動を与えるものであり,全国大会等で活躍できる選
ためには,学校や家庭だけでなく,地域や企業等を含めた社会全体で取り組むことが重要です。そ
手を継続的に育成したり,優れた指導者を養成したりするなど,競技力向上のための取組を総
のためには,教育に重要な役割を持つ学校・家庭・地域等が連携を深め,それぞれが持つ力を結集し,
合的に進めることを通して,さらなるスポーツの振興を図ることが必要です。
社会全体で教育力を高めていくことが重要です。そして,これまでの取組で得られた成果などを活
かすとともに,茨城の持つ教育資源である,豊かな自然や先端科学技術の集積,高等教育機関を最
(3)災害に対する備え
・平成 23 年3月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震は,東北地方のみならず,本県にも甚
大な被害をもたらした。
・今後,全県をあげて復興対策や防災対策を進めていくことが求められている。
教育の面では,震災の経験や教訓を忘れずに,児童生徒の防災に対する知識の習得や問題解決
のための行動力を育てる必要があります。
大限に活用しながら教育に取り組んでいく必要があります。
また,県民一人一人が心豊かで創造的に生活できる地域社会を作るためには,一人一人が生涯に
わたって学び続け,その成果として得られた学習成果等を発揮できる環境づくりが必要です。さらに,
様々な交流を通して潤いのある生活を築き,伝統や文化を守り継承発展させる人材の育成も求めら
れます。
これらのことから,様々な立場の力を結集し,一人一人が輝く茨城県を県全体で目指していくこ
とが重要であると考え,基本テーマを次のように設定しました。
また,学校施設の耐震性の確保等,安全・安心な教育環境の整備が重要です。
さらに,「支え合い」,「助け合い」,「つながり合い」のための人づくり,地域づくりの取組が必
要です。
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【基本テーマ】 一人一人が輝く 教育立県を目指して
15
(2)施策の基本方向
本県教育の基本テーマの実現を目指し,次の5項目を施策の基本方向としました。
1 社会全体での教育力の向上
【目指す方向】
未来を担う子どもたちに,社会の一員として自立できるための力を育てることや,生き
※「一人一人が輝く教育立県を目指して」を実現していくにあたって,今後5年間に特に力を入
れる事項を次のように取り上げることにしました。
(1)何事にも前向きに取り組む児童生徒の育成
○自ら課題を見つけ解決しようとする学習意欲の向上 ○キャリア教育の充実
る力を育むためにも,家庭,学校,地域や企業等が連携・協力していくことが重要であり,
<わかる授業の推進>
いばらき教育の日,教育月間の推進,学校,家庭,地域等の教育力の向上を図りながら,社
○教員の授業力の向上の推進
会全体での教育力の向上を目指します。
・訪問指導による具体的な指導
○小学校高学年での教科担任制の推進
2 未来に羽ばたく力を育てる教育の充実
【目指す方向】
新学習指導要領等の内容を踏まえ,将来の夢や目標に向かって努力する力を育てるため,
確かな学力を身に付けさせる指導を充実し,国際化や時代の変化に対応した教育の推進と
ともに,教員の指導力の向上と指導のための環境整備,拡充を図ります。
また,自立と社会参加を目指す特別支援教育の充実を図ります。
○非常勤講師の配置や学習支援員の派遣によるきめ細かな指導の推進
・高等学校基礎学力向上サポートプランの実施
<学び,求める機会の充実>
○高校生医学セミナー,高校生科学講座等の実施
○科学オリンピックなどの高度な科学技術に関する講座等の実施
○職場体験などキャリア発達を促す体験活動の充実
○小中高を通して勤労観や職業観,自らの生き方を系統的に育成するための指導資料の作成
3 豊かな心と健やかな体の育成
【目指す方向】
豊かな心を育むため,道徳教育や体験活動の充実を図るとともに,健やかな体の育成の
ため,学校体育やスポーツの機会を充実させていきます。
また,自己の生き方を深く考える力を育てるため,キャリア教育などの勤労観,職業観
を育てる教育の充実や,郷土の伝統や文化に対する愛着を高める教育を推進します。
4 生涯にわたって学べる環境づくり
○学校・家庭・地域・企業等の連携の強化
・将来の夢や目標を持たせることができる授業の展開。
(2)国際社会で活躍できる人材の育成
○国際社会で活躍できる力の育成
○国際交流等の直接的な異文化体験の充実
・ワールドキャラバン(国際理解教育講師等派遣事業)の活用
○外国語によるコミュニケーション能力の更なる育成
【目指す方向】
・小学校:歌や遊びを通した英語に対する関心の喚起
いつでもどこでも学べる機会を充実させるとともに,学んだことを社会づくりに活かせ
・中学校:基礎的な英語力の充実
る生涯学習社会の実現のため,生涯にわたって質の高い学びを進める環境づくりや,心に
・高等学校:発展的 ・ 実践的な英語力の育成
潤いと感動をもたらす文化芸術活動の推進,活力あるスポーツの振興に努めます。
○外国語指導助手を活用した指導の充実
・県立高等学校の外国語指導助手の派遣による英語課外活動やスピーチコンテスト等の指導
5 質の高い教育環境整備
【目指す方向】
安全・安心な教育環境の実現と教育の機会を保障するため,時代の進展や社会の変化に
対応した魅力ある学校づくりを推進します。
また,学習施設の整備の促進に努めます。
期間:長期休業中対象:小・中・高等学校の児童生徒及び教員等
(3)科学技術を担う人材の育成
○理数教育の充実
○大学や研究機関との連携による理数教育の推進
・教員の授業力の向上,外部人材等の活用による児童生徒の興味 ・ 関心を高める指導の推進
○小学校高学年での教科担任制の導入
○医学・難関理工系大学進学への支援
・いばらき版サイエンスハイスクールの指定校の取組の充実
○科学オリンピック,科学コンテスト等へチャレンジする生徒の育成
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17
(4)豊かな心を持った児童生徒の育成
○道徳教育の充実
○小・中学校における「道徳の時間」及び高校における 「道徳」 の授業の質の向上
○高等学校「道徳」の授業の2学年への拡充の検討
(5)郷土に愛着や誇りを持つ児童生徒の育成
○郷土の伝統と文化への愛着を高める教育の推進
○地域の伝統的・文化的行事への積極的な参加の促進
○地域の人々とのふれあいや郷土の伝統・文化とのかかわりを通した道徳教育の充実
○県内各地域の伝統や文化,産業のよさを誇れる児童生徒の育成
○児童の郷土についての学習を充実させ,その成果を「地域自慢」として県内外に発信
(6)学校統合などの教育環境の整備
○小中高等学校の統合の推進 ○学校施設整備の推進
○小中高等学校の適正規模・適正配置
○統合,学区見直し等への支援
・学校統合事例集等の活用,統合検討や学区見直しに必要な情報の提供
○新しい学校づくりへの支援
・教職員の加配,遠距離通学対策に要する経費の補助
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(3)施策体系
章
1
2
3
4
5
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基 本
テーマ
一 人 一 人 が 輝 く 教 育 立 県 を 目 指 し て
項
社会全体での教育力の向上
未来に羽ばたく力を育てる教育
の充実
豊かな心と健やかな体の育成
生涯にわたって学べる
環境づくり
質の高い教育環境整備
節
主な取組
(1)いばらき教育の日,教育月間の推進
①県民全体の運動の活性化
・市町村,企業,NPO 等の民間団体の取組拡大
(2)開かれた学校づくりの推進
①地域の人材の積極的な活用
②地域に向けた情報の発信
・企業退職者,学校支援ボランティアの活用
・地域と学校を結ぶ有機的な学校評価の推進
(3)家庭の教育力の向上
①家庭教育の充実
②PTAと連携した子育て支援
・家庭の教育力向上プロジェクト事業
・お手伝い・ボランティア奨励事業
(4)地域の教育力の向上
①いばらきっ子の多様な体験活動充実のための支援
②学校教育への支援体制の充実
・地域に生きるヤングボランティア推進事業
・放課後を活用した子どものための事業の推進
(5)お互いを認め合い,社会参画を促す取組の推進
①人権教育の推進
②男女共同参画社会形成への意欲の向上
・人権教育講師派遣事業,人権教育地域学習会
・女性のエンパワーメント推進事業,女性プラザ研修事業
(1)確かな学力を育む教育の充実
①基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得と活用する力の育成【重点】
②自ら課題を見つけ解決しようとする学習意欲の向上【重点】
③言語活動の充実
④理数教育の充実【重点】
・少人数教育充実プラン推進事業,学びの広場サポートプラン
・学力向上推進プロジェクト事業,算数・数学博士チャレンジ道場の実施
・優れた実践事例の共有,学校図書館を効果的に活用した取組の促進
・小学校高学年での教科担任制の導入,いばらき版サイエンスハイスクール事業
(2)国際化に対応できる教育の推進
①外国語によるコミュニケーション能力の向上【重点】
②国際教育の推進と多文化共生のための環境づくり【重点】
・国際社会で活躍できる人材育成事業,英語コミュニケーション能力育成事業
・国際社会に必要な態度・能力の育成,各学校における国際交流の推進,留学
生交流の促進,外国人学生の受入態勢の整備,国際ふれあい教育推進事業
(3)時代の変化に対応した教育の推進
①情報活用能力を育てる教育の充実
②ものづくりを担う人づくり
③環境教育の充実
④少子高齢社会に対応した教育の充実
・情報教育等推進整備事業,教科指導における ICT 活用の推進
・デュアルシステムの推進,企業技術者等の学校での実践的指導
・環境教育に関する実践事例の共有
・ボランティア活動などの社会貢献活動の推進
(4)教師力の向上と指導環境の整備,拡充
①教員の資質向上
②保幼小中高連携の推進
③教員が子ども一人一人に向き合う時間の拡充
・ライフステージに即した研修の充実,若手教員の育成
・スタートカリキュラム編成の推進
・校務支援システム導入の促進,「校務改善資料」の充実
(5)自立と社会参加を目指す特別支援教育の充実
①特別支援学校のセンター的機能の充実
②一人一人の教育的ニーズに応じた指導の充実
③就学前からの一貫した支援体制の充実
④発達障害等の理解の促進
・小中学校等における特別支援教育支援体制整備事業
・医療的ケア支援事業,交流及び共同学習推進事業
・視覚聴覚障害児早期教育推進事業,就労支援員配置事業
・全校種の教員を対象にした発達障害等に関する研修会の実施
(1)豊かな心を育む教育の充実
①県全体をあげて取り組むマナーアップ運動の推進
②道徳教育の充実【重点】
③学校教育における人権教育の充実
④子どもの読書活動の推進
⑤郷土の伝統と文化への愛着を高める教育の推進【重点】
⑥体験活動・ボランティア活動の推進
・さわやかマナーアップ運動
・いばらき版高等学校「道徳」教育推進事業
・人権教育研究指定校事業
・「みんなにすすめたい一冊の本」推進事業
・いばらきの魅力再発見事業
・異年齢,異世代,地域の人々との交流の充実
(2)健やかな体の育成
①健やかな体を育む学校体育の充実
②学校保健と健康教育の充実
③食育の推進と学校給食の充実
・児童生徒の体力アップ推進プロジェクト事業
・生 きる力をはぐむ健康教育推進事業,性に関する意識啓発,医療に
関する理解を深める教育の充実
・望ましい食習慣の形成に向けた食に関する指導の実践
(3)勤労観,職業観を育てる教育の充実
①小・中・高等学校におけるキャリア教育の充実【重点】
②職業教育の充実
・中学生社会体験事業,インターンシップの充実
・デュアルシステムの推進,地域を支える人材育成事業
(4)生徒指導の充実
①問題行動への対応
②相談体制の充実
・生徒指導総合支援事業,スクールカウンセラー配置事業
・教育相談体制整備事業,生徒指導実践サポート事業
(5)命を守り,共生の心を育てる教育の充実
①災害等に対応できる力を育む取組の推進
・防災教育の充実
(1)生涯にわたって質の高い学びを進める環境づくり
①生涯学習の普及・啓発の推進
②多様な学習機会や場の提供
③学習成果の活用と体制の整備
④県民の読書活動への支援
・学習相談の充実
・茨城県弘道館アカデミー推進事業,学習プログラム開発事業
・県民大学講座開設事業
・学校図書館支援活動の強化
(2)心に潤いと感動をもたらす文化芸術活動の推進
①全国高等学校総合文化祭茨城大会の開催
②幼い頃から文化芸術に触れるための環境づくり
③地域に根ざした伝統文化の継承
④美術館・博物館活動の充実と活用
⑤文化財の保護活用
・全国高等学校総合文化祭の開催準備の推進
・出前授業や移動博物館などの館外活動の充実
・地域の伝統文化の公開普及事業
・国内外の優れた美術作品や自然環境を最大限活用した魅力ある展覧
会の企画・運営
・歴史の道調査事業,茨城県文化財愛護推進セミナーの開催
(3)活力あるスポーツの振興
①選手強化体制の充実
②生涯スポーツを推進する組織の育成・充実
③スポーツ関係組織の連携強化
④国民体育大会開催に向けた準備
・一貫指導体制の確立,世界に羽ばたく高校生選手強化事業
・各種スポーツ団体の支援,総合型地域スポーツクラブの創設・育成
・県体育協会による国体選手への医・科学的支援
・いばらきグローアップ強化支援事業
・茨城県スポーツリーダーバンク
(1)時代の進展に対応した魅力ある学校づくり
①高校教育改革の推進【重点】
②特別支援学校の教育環境の整備の推進
③公立小中学校の適正配置の促進【重点】
・第2次県立高等学校再編整備計画の推進
・特別支援学校施設整備,県立特別支援学校整備計画の推進
・新しい学校づくり支援事業
(2)安全・安心な教育環境の整備
①学校危機管理体制の確立
②学校施設整備の推進
③教育機会均等の確保
・学 校安全教室推進事業,学校安全スマイルアップ推進事業,緊急情
報メール配信システム運用事業
・耐震補強事業,老朽校舎改築事業
・奨学金,修学奨励資金の貸与
(3)社会の変化に対応できる教育環境の整備
①学校の情報化の促進
②生涯学習環境,スポーツ環境の充実
・ITサポート推進事業,情報教育等推進整備事業
・生涯学習情報提供及び相談事業
・県営スポーツ施設整備の充実
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