バイオグラススケール対策 結果データ 合同会社 Brain Storming 株式会社アーティリード Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 温泉施設の現状 小浜温泉とは ⻑崎県雲仙市小浜町にある温泉。島原半島の⻄側、雲仙国⽴公園の⻄麓に位 置し、橘湾に臨む風光明媚な温泉地でリウマチ・神経痛に効果のある⾼温で 湯量の豊富な温泉として昔から多くの⼈に親しまれており、『湧出量×湯温』 で求められる放熱量が⽇本⼀といわれている。 また、2013年には小浜温泉の未利⽤温泉を活⽤した210kW級の小浜温泉バ イナリー発電所が稼働を始めた。 小浜温泉 泉質と効能 <泉質>塩化物泉 <効能>神経痛・筋⾁痛・リウマチ・切り傷・やけど・慢性⽪膚病・痔など 泉質の定義 温泉水1kg中の溶存成分が1,000mgを超え、そのうち陰イオンの主成分が塩化物イオンのもの。 小浜温泉バイナリー発電所 小浜温泉では⽇量1万5千トンが湧出するが、その70%の温泉水または熱が未利⽤のまま海に捨てられている。こういった 小浜温泉の未利⽤温泉水の⼀部を利⽤したバイナリー発電の実証実験(環境省事業)が2013年4月から2014年3月までの約1年 間実施される。 発電設備 ● 定格出⼒:約210kW (72kW×3機) ● 神⼾製鋼所製のマイクロバイナリーMB-70H ● 運転開始:2013年(平成25年)4月7⽇ ● 作動媒体:フッ素化合物HFC245fa Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 伊勢屋旅館について 天然温泉かけ流しの湯 小浜温泉やすらぎの宿 伊勢屋旅館(有限会社小浜伊勢屋旅館) 〒854-0514 ⻑崎県雲仙市小浜町北本町905 TEL : 0957-74-2121 FAX : 0957-74-5977 担当 : 管理部部⻑ 草野洋平 様 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 伊勢屋旅館簡易配管図 伊勢屋旅館では源泉から供給している温泉水の約8割が捨てられています。その源泉水はオーバーフロー⽤配管内を100℃の 蒸気で、かなりの水圧で流れているため、配管にはスケールが溜ってしまいます。これを改善するため、オーバーフロー⽤配 管にバイオグラスを12kg設置しました。 バイオグラス設置 ※施工上の注意 配管の上部に支えが無いので交 換する配管を外す際に上部の配 管が落ちてくる可能性がある。 オーバーブロー用配管 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. バイオグラス設置前のオーバーフロー配管 川へ続いているオーバーフロー配管内のスケール写真 ※配管設置期間は9カ月。その期間ごとに配管の交換及び配管内の清掃作業を⾏っている 配管内に詰まったスケールをハンマーで取 り出したもの 配管外部の⾚錆の状態も悪く、⻑期間の利 ⽤によって錆の個所より穴が開く可能性あ り ステンレスの配管のナットの固定箇所が9 カ月で損傷 配管内はスケールはそれほど溜っていない が、⾚錆と塩分の効果によって⿊くべっと りとした状態 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. バイオグラス設置方法 中央を空洞にして源泉水の通り道を作り、配管の膨らんでいる個所にバイオグラスを設置することによって、配管内にスケー ルが溜りにくく、そして詰まりにくい構造になっています。 外⾒ 内部 設置状態 配管内の左右にバイオグラスの緑・⿊ を斑に装着。上下のパンチングメタル の切り込みにより配管内の対流の調整 を⾏う。 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 図面作成製品製造 株式会社アーティリード 担当:木村誠⼀ 〒981-3121 宮城県仙台市泉区上谷刈字小堤26-3 Mail:[email protected] バイオグラス設置による効果 バイオグラス装着した配管内に流れ込んだスケール写真 ※平成26年9月13⽇に試作品1号機のデモを設置。 構造 100Aのステンレスの配管に10kgのフランジを付け配管内にバイ オグラスを12kg装着。他の温泉と同様の⼀番簡単な構造である。 メリット 蒸気でもバイオグラスの効果が確認できた。 デメリット スケールの剥離がスケールの性質によって変わるので配管内に剥 離後、詰まる可能性がある。 ※試作品1号設置時に他の配管が破れたとお客様より報告有り。 ⇒バイオグラス処理水を触れた他の配管の⾚錆をはがしてしまい、⿊錆に変化する 前にはがれた個所の穴が開いてしまった。古くて穴のあきそうな錆びた配管がある 際は注意が必要である。 流水1.5⽇後、元のタンク側のスケールが剥離され、配管 内にスケールがはがれおちた。配管内には、透明な塩分で のスケールと⾚錆の塊・通常のスケールと何種類かが確認 された。⿊い粒は逆流した際に上部の配管からはがれた⾚ 錆である。 設置後、配管内の水圧が強すぎたため、逆流 が起こり、配管上部やタンク内のスケールが 剥離されて詰まってしまったため、1.5⽇で ⼀度配管を外すこととなった。 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. バイオグラス設置前/設置後 設置前 平成26年8月27⽇ 設置後 10月14⽇(12⽇流水) 設置後 設置後 12月4⽇(64⽇流水) Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 12月24⽇(84⽇流水) バイオグラス設置後 12月4⽇(64⽇流水) コンクリートに付着していたスケールが剥離 された。本来であれば水圧が剥離に関係する が、今回は落水でもスケール内に水が浸透し スケールが剥離する確認ができた。 バイオグラスを通した水を通過させることに よって流水経路のスケール内に水が浸透して 徐々にスケールが剥離されている。 本来であればスケールの剥離に水の水圧が関 係してくるが今回は流水でもバイオグラスの 量によってスケールの剥離が可能なことが確 認できた。 元々の概念ではスケールをはがすのには ①⼀定の温度 ②水圧 ③流量 が必要との⾒解であったが、 ある程度のバイオグラスを設置すること によって温泉水の親水性を上げることが 確認できた結果となった。 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. バイオグラス設置後 12月24⽇(84⽇流水) 剥離後に川底から拾い上げたスケール 今回の結果によって、スケールが剥離さ れることの確認ができた。 剥離に必要なのは、 ①バイオグラスの設置位置 ②バイオグラスの量 の2点が問題であると確証された。 バイオグラスを通した水を通すこ とによってロスの温泉水の流れる 通路が出来た。以前は流れる水路 が極めて少ないために全体が濡れ ていたが、今は水路が深くなりス ケールの剥離が確認できた。流水 量も以前に⽐べて上がっている。 剥離されたスケールが川底に 沈んでいるのを確認できる。 川底に降りて、スケールの付着し たコンクリートの壁を、手で叩い た後の写真。 これにプラスαとして ❶水圧 ❷温度 ❸対流 が加わってくる。 現在設置している現場では上記❶〜❸が 期待できないので①〜②の設定が合って いると確証づける。 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved. 検証結果 バイオグラス導入後 平成26年10月22⽇ バイオグラス導入後 平成26年12月24⽇ スケールの剥離を確認。配管下 部にスケールの塊を、タンク内 にも⾚錆の付着したスケールが 確認出来た。 バイオグラスによるスケールの 剥離は成功と⾔える。 ● スケールの塊を剥離・・・①水圧 + ②⼀定以上の温度 + ③流量 ● タンクや配管等のスケール対策・・・バイオグラスの重鎮量によって対策が可能 スケールの「清掃・配管交換・赤錆対策」費用のコストカットを実現。 Copyright © 2014 Brain Storming. All Rights Reserved.
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