AEDの導入とその維持管理について

不動産のお役立ち情報
2015 年 1 月 14 日
基礎知識: AEDの導入とその維持管理について
平成 16 年、医療従事者以外の一般市民にも AED の使用が認められて以来、公共の機関や大型の工場、
商業施設、オフィスなどにも AED の普及が進んできました。
AED の使い方については、販売会社や所轄消防などから講習を受けることが可能です。ザイマックス
グループの管理受託物件においても、消防訓練の際は AED の使い方や心肺蘇生法など、消防などによる
指導を受けながら、実地訓練を行うケースが多々あります。
一般市民にも使い方の理解、訓練が広まりつつある AED ですが、実際に自分のビル
や店舗に備えるとなった場合の導入方法、設置後の維持管理、交換時期など、予め頭
に入れておきたいポイントについて解説をします。
■AEDの導入方法は?
購入、レンタル、リースの3つの方法があります。購入は、トータルコストは一番安くなりますが、
初期投資がかかることや、会計上、資産計上し減価償却が必要となるため、手間の少ないレンタルやリ
ースを採用する場合も増えてきています。
レンタルは、大勢の人が集まるお祭りやイベント、スポーツ大会など、一時的に AED が必要といった
場合に、1日だけでも借りることができ便利です。
また、リースは AED を借りるといった点ではレンタルと共通していますが、AED をリース会社に取得
してもらい、取得代金等を契約期間に応じて割賦払いをする形式となるため、新品を入手することがで
きます。一方レンタルは、既にレンタル会社にある AED を借りることになりますので、必ずしも新品と
は限りませんが、必要なタイミング、期間で借りることができます。
【図表 1】に、購入・リース・レンタルのそれぞれの特徴をまとめましたのでご参考にしてください。
【図表1】 購入・リース・レンタルの主な特徴
金額
購入
レンタル
リース
トータルコストが安い
・初期コストが抑えられる
・初期コストが抑えられる
(30万円~40万円程度)
(日数により異なる)
(月額5千円程度~)
契約期間
-
短期(1日)から1年以上の長期あり
通常2年以上5年程度
途中解約
-
違約金の支払により可能(長期の場合)
不可
新品提供
本体機種
新品提供
在庫品の中からの提供
消耗品 ※
使用時、期限切れの際に購入
オプションで消耗品交換のプランを追加
使用時、期限切れの際に購入
できる
※電極パッドとバッテリー
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当社の事前の了承なく、複製、引用、転送、配布、転載等を行わないようにお願いします。Copyright©XYMAX corporation. All rights reserved
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■AED導入後に設置者が行うべきこと
過去、緊急時に AED を使おうとした際、バッテリー切れや機器の誤作動により使用できなかったケー
スもあるようです。AED は、常に正しく起動する状態でなくてはなりませんので、設置したらそれで終
わりではなく、適正な維持管理が必要です。しかし、難しい管理が求められているわけではありません
ので、次の【1】、【2】につきご注意ください。
【1】「設置情報登録」について
厚生労働省は AED の設置者に対し、設置情報を登録するよう呼びかけています。その主な目的は以下
の 2 つです。
(注:具体的な手続きは AED のメーカーや販売会社に依頼してください。譲渡や廃棄の際にも変更手続
きが必要となります。)
<設置情報登録の目的>
1)製造・販売会社からの安全性情報の提供を滞りなく実施するため
2)AED の設置場所を公開することで、万が一容体の悪い人が発生した際、最寄にある AED を誰しも
が取りに行け、救命活動をできるようにするため
登録は義務化されているわけではなく、また、非公開を選択することもできますが、多くの設置者が
登録、公開をしており、緊急時にはインターネット検索できる状況が整えられています。行政にて公開
しているエリアもありますが、参考までに、全国規模で一元管理をしている一般財団法人日本救急医療
財団のサイトを添付します。
(参考)AED 設置場所検索・・・http://www.qqzaidan.jp/AED/aed.htm
【2】「点検担当者」選任による日常管理の実施
AED 本体
AED を導入したビルのオーナーや店舗責任者は、点検担当者を配置し、
日常点検を実施することで、AED が正常に作動することをチェックしましょう。
<点検担当者の役割>
1)AED のインジケータの表示を毎日確認、点検結果を記録する
⇒AED にはセルフメンテナンスチェック機能があり、
※インジケータに正常、もしくは異常の別が示される
※インジケータ(正常)
ため、毎日目視確認する。(機種によってはインジケ
ータだけでなく、アラーム音によっても異常を知らせ
るタイプあり)
2)電極パッドとバッテリーの消耗品の交換時期の把握
⇒交換時期を※表示ラベルに記載し、AED 本体、もしくはケースに
取り付け明確にしておく。
3)消耗品の交換時期に適切に交換をする
⇒電極パッドとバッテリーの交換は基本有償。なお、電極パッドは
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※表示ラベル
使用期限にかかわらず、1回使用したら交換が必要。
⇒使用期限が近づくと、販売会社によってはハガキによる案内、もしくは消耗品自体を郵送して
くる場合もあり。
⇒レンタルの場合、レンタル料に消耗品費を含んだプランを策定することも可能
もしも日常点検が難しい場合は?
設置者は、点検担当者を選任して日常点検することが大事とお伝えしましたが、点検担当者が不
在がちであったり、点検自体を忘れてしまいそうな場合は、AED の販売会社へ契約で、日常点検の
委託をすることも可能です。例えば、前述のセルフメンテナンスチェック機能の診断結果を、自動
で販売会社にデータ転送できる機種であれば、異常時に販売会社から連絡を受けられるとか、消耗
品の交換時期をメールで案内をしてもらえるなど、色々なサービスがあります。受けられるサービ
スは、販売会社や AED の機種により異なりますので、サービスメニューを考慮しながら、どこのメ
ーカーの何の機種を導入するか検討してもよいかもしれません。
■AED本体の交換時期について
AED の本体は半永久的に使用できるのではなく、各メーカーの定める耐用期間(6~8 年程度が主流)
に従って交換が必要となります。耐用期間は、取り扱い説明書などに記載がありますので、予め確認し
ておきましょう。
■AED本体の廃棄、譲渡について
設置している AED を廃棄したり、譲渡する場合は、メーカー、もしくは販売会社への連絡が必要とな
ります。【1】にてご説明したとおり、AED は設置情報の登録が重要となりますので、登録内容に変更
が生じる際は、忘れずに変更手続きをお取りください。
■おわりに
AED の導入の方法や、設置後に必要な管理を中心にご説明、AED を常にきちんと使える状態にしてお
くことが重要だとお伝えしてきました。本稿では触れませんでしたが、AED を設置するだけでなく、AED
を使った救命方法を理解し、実際に行動できるように訓練しておくことが肝心です。管轄行政、消防署
等による一般市民向けの救急救命講習もあり、誰でも参加することが可能です。
(参考)AEDと心肺蘇生法についての講習会
・東京消防庁 http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/life01-1.htm
・東京防災救急協会
http://www.tokyo-bousai.or.jp/lecture/kyukyu/teate/teate01.html
本件に関するお問い合わせ先
㈱ザイマックス不動産総合研究所
TEL:03-3596-1477
[email protected]
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