sedb.com Singapore Business News_ シンガポール EDB 経済・投資ニュース January - March 2015 http://www.singaporeedb.jp 1月号の特集記事は都合によりお休みをさせて頂きます Business News 01 NEC、EDBとサイバーセキュリティ、 スマートエネルギー、ヘルスケア、IoT分野でMOUを締結 N ECとシンガポール経済開発庁(EDB)は、サイバーセキュリ ティ、スマートエネルギー、ヘルスケア、IoT(Internet of Things)など、安全・安心・効率的な社会の実現に重要となる領域 における共同研究や連携に関する基本合意書(MOU)を締結しま した。本連携は、NECの先進的なITソリューション、およびシンガ ポールにおける人材開発プログラムや共同研究を通して、産業界の 発展を促進・加速することを目指しています。 IoT領域においてNECは、EDBの協力のもと、様々な業界に利益 をもたらし新たな可能性や事業機会を創出する共通ビジネス基盤 の開発を目指します。 また、ヘルスケア領域について、NECとEDBは より効率的な高齢者向けソリューションの共同開発などに取り組ん でいきます。 さらに、サイバーセキュリティ領域では、 シンガポールお よび周辺国のセキュリティ能力を高めるための人材開発、スマート エネルギー領域では、エネルギー管理、スマートグリッド、蓄電シス テムと再生可能エネルギーの連携などを推進していきます。 また、NECとEDBはSDN(Software-Defined Networking)、 衛星技術、流通ソリューション、およびリーダーシップ人材開発など 写真提供:NEC の領域における連携についても今後検討を進める計画です。 NEC代表取締役 執行役員社長 遠藤信博氏は、 「 NECは、新たに がシンガポールのデジタル技術力や実証実験環境を活用して、アジ る。を事業ブランドメッセージとして掲げました。 このたびのEDBと NECの事業戦略は、 シンガポールをアジアのデジタル・イノベーショ ジョンを具現化するものです。本連携を通じて、NECはシンガポール ガポールの高度化するニーズを活用することにより、ヘルスケアや流 す。 シンガポールはアジア太平洋における技術とビジネスのハブとし EDBのヨー・キートチュアン (Yeoh Keat Chuan)次官は、 「NEC アにおける成長を推進していくことを大変喜ばしく思っています。 ンの中心にしていくEDBのビジョンに合致するものです。NECがシン 通などの業界を超えた新たな製品やソリューションおよびサービス を開発することを期待しています」 とコメントしています。 Orchestrating a brighter world 世界の想いを、未来へつなげ の連携は、安全・安心・効率・公平な社会の実現を目指すNECの本ビ が科学・経済・社会の中心として繁栄を続けることに貢献していきま ての役割を担っており、 このたびの連携が同地域の研究と成長に向 けた新たな機会を創出することを確信しています」 と述べています。 01 January - March 2015 SINGAPORE BUSINESS NEWS Business News 02 村田製作所、 シンガポールの 「エコキャンパス」事業に参画 村 研究協力の合意書を締結し、NTU傘下のエネルギー・リサー クターであるリュウ・ ラムへ参画することとなりました。 NTUのエコキャンパス事業は、 キャン 「 土 地 建 物レベ ル でにエネルギー消費や水利用、廃棄物の量を35%削減し、世界で最も ソリューションを開 田製作所は2014年11月14日付で、南洋工科大学(NTU) と チ・インスティチュート (ERI@N) が主導するエコキャンパス研究プログ パスレベルの持続可能性ソリューションの新たな枠組みで、2020年ま 環境に優しいキャンパスの1つにすることを目的としています。 ティアムセン (Leow Thiam Seng) 氏は、 のクリーンテック・ 発するための『生き この度の研究協力合意により、村田製作所はキャンパス各所に据え た実験室』環境を提供するクリーンテック・パークで実施されるERI@ 基づいた開発を進めることが可能となります。実証期間は2年以上を す。 より多くの企業と研究機関が新しい持続可能な都市ソリューショ JTCコーポレーションの航空宇宙・海運・クリーンテック部門ディレ ことに期待を寄せています」 と述べました。 付けた同社のスマートエネルギー管理システムの実証試験と、 それに 予定しています。 Nと村田製作所の共同研究をJTCが支援できることをうれしく思いま ンを、 このクリーンテック関連の研究開発の中心地で開発・実証される Business News 03 参天製薬、 シンガポールアイリサーチインスティテュートとの眼科治療薬開発のための共同研究を発表 参 スティテュート(以下SERI)と、アジア領域で頻発する眼科疾 天製薬は、2014年11月12日、 シンガポールアイリサーチイン ような革新的な治療や技術のプラットフォームの探究を続けていきま 患に対する新たな治療薬の開発を目的とした、眼科領域の研究・開発 における両社の強みを活用する複数年度の戦略的共同研究を立ち上 SERIのエグゼクティブ・ディレクター、ティン・アウン教授は「参天 製薬とともに着手しつつある今回の共同研究は、非常に革新的・野心 げたことを発表しました。 本共同研究では、参天製薬の現行製品ポートフォリオ並びに将来 の薬剤候補と、SERIの新技術および実績が豊富なトランスレーショナ ルリサーチ機能を活用して、新製品開発における相乗効果を生み出す ことができる複数プログラムを立ち上げました。互いの高い専門性を 生かし、患者の治療に真に貢献できる新製品を創出し、多岐に渡る眼 す」 と述べています。 的な戦略的取り組みであり、その成功を大いに期待しております。参 天製薬の薬剤研究・開発・販売における経験とSERIの多様なトランス レーショナルリサーチ力が結びつくことで、新たな治療薬およびデリバ リーシステムが数多く生み出され、世界中の患者さんへの貢献につな がるでしょう。眼科領域において新たな治療機会を提供できるように、 SERIでは、多くの研究分野で培った先端的プラットフォームを基に、 シ 科研究開発領域における参天製薬とのパイプラインを、 さらに強化す ンガポールで開発される新技術をさらに活用し、同社との共同研究を 参天製薬常務執行役員、チーフ・サイエンティフィック・オフィサー ることを目的として、今回の強力なパートナーシップを一丸となって強 ることを目指しています。 兼研究開発本部長ナヴィード・シャムズ氏は 「複数の眼疾患領域にお ける包括的研究プログラムを通じて、 当社の事業目的を達成するため 実施していきます。SERIは眼科疾患に対する優れた治療法を開発す 化・発展させていきたいと考えています」 と語っています。 の長期的なパートナーシップをSERIと結ぶことができたことを嬉しく 思っています。 当社の研究開発戦略目標を達成するためには、 トランス レーショナルリサーチや疾患原因の深い理解に基づくドラッグディス カバリーなど複数の学際分野や機能横断的な研究開発を行うことが 求められています。 この度スタートした共同研究は、 当社の研究開発力 のさらなる強化を通じて、将来のパイプラインを充実させる重要な原 動力となるでしょう。今後、 このパートナーシップを活用して、眼科領域 における将来の未充足ニーズを顕在化させるとともに、それを満たす Business News 04 NTTデータ経営研究所、 シンガポール支店を開設 N TTデータ経営研究所は、2014年9月1日、 アジア太平洋地域 における顧客のビジネスを支援する高品質なコンサルティン グサービスの提供を目的とし、 シンガポール支店を開設しました。 国内金融機関の海外ビジネス展開をはじめ、各種日本企業のグ ローバル化が進む中、顧客のグローバル化を支援するため、経済発 展が著しいアジア太平洋地域の要衝に位置するシンガポールにNTT データの協力を得て、初の支店を開設することとなりました。 02 シンガポールは社会インフラや法制度が充実していることから、 アジア太平洋域内の統括拠点として注目されており、金融・物流・IT産業 を中心に世界各国企業の進出が続いています。同研究所シンガポール 支店は、その立地を生かし広く東南アジア地域を活動領域として、市場 調査・経営戦略の立案や企業のプロセス改善活動の支援を行います。 ま た、今後増加が見込まれるアジア太平洋地域における金融・決済関連の コンサルティング・ニーズへの対応を中心に事業を展開する予定です。 January - March 2015 SINGAPORE BUSINESS NEWS Business News 05 日立、 シンガポールに東南アジア鉄道信号システムセンターの設立を計画 セ 信号システムを導入し、列車の運行間隔の短縮を目指します。 ントーサ・エクスプレス・モノレールは、 日立が開発した新しい この度の契約は3,000万SGD(27億円)相当となり、2両1編成の車 す。 シンガポール経済開発庁(EDB)は、多くの現地企業が、資金調達 やプロジェクト管理などでこの分野に参画することを期待しています。 EDBの都市、 インフラ・産業ソリューション担当のゴー・チーキオン 両も新たに納入されます。 また同社は、ASEAN諸国がインフラ投資を (Goh Chee Kiong)局長は、 「この度の日立の案件は、今後シンガ みの一環として、シンガポールに東南アジア鉄道信号システムセン ものです。シンガポー 開放しつつある流れの中で東南アジアの鉄道需要を開拓する取り組 ポール国外の企業がインフラ分野で多数参画してくることを予見する ターの設立を計画しています。 ルは企 業と密に協力 日立レールのグローバルCEO、アリスター・ドーマー(Alistair し、アジア地域のハブ Dormer)氏は、 「シンガポールは鉄道と信号について卓越した信頼性を としての役割を担い、 させるには最適な場所であると言えるでしょう。 シンガポールでビジネス クトの 開 発 、資 金 調 持っている国であると考えています。 アジア地域で当社の技術力を成長 域内におけるプロジェ 展開をすることで、 より広い地域への拡大を目指します」 と語っています。 達、進行を積極的に支 アジア開発銀行によると、 アジアは2010年から2020年まで10年 援していきます」 とコメ 間で、 さらに8兆USD (960兆円) 相当のインフラ投資を必要としていま ントしました。 Business News 06 ニデック、 シンガポールに現地法人を設立 ニ 港より車で5分の物流センターや宿泊施設が近くにある最新 デックは、2014年10月10日、 シンガポールのチャンギ国際空 のビジネスエリア、チャンギビジネスパーク内に現地法人NIDEK SINGAPORE PTE. LTD. を設立しました。 同社の現地法人設立は、現地でのマーケティング活動や代理店の 販売支援を目的としており、 アジア全域における売上拡大を狙います。 Business News 07 大陽日酸、 シンガポールでも液化炭酸ガス製造設備新設を発表 大 National Oxygen Private Limited(以下、「NOX」)を通じ、 陽日酸は、2014年9月30日、シンガポール子会社である 接向けに堅調に推移し、今後更なる拡大が見込まれています。NOXは 約950万SGD(8億6,000万円)を投じて2015年末までにシンガ ガス事業の更なる発展と安定供給力の強化を図るため、 シンガポール NOXはシンガポール、 マレーシア、 インドネシア・バタム地域にて産 を受け、同社構内に生産能力72トン/日の液化炭酸ガス製造設備を ポールに液化炭酸ガス製造設備を新設することを発表しました。 業ガス事業を展開しており、 当該地域の炭酸ガス需要は造船および溶 既にマレーシアに液化炭酸ガス製造設備を保有しておりますが、炭酸 西部に立地するNeste Oil社シンガポール工場から原料ガスの供給 設置します。 Business News 08 生物医学研究推進のための画期的な診療開発(DxD)ハブが発足 シ みとして、2014年11月26日、診療開発(DxD)ハブが発足し 開可能な診療ツールおよびソリューションの開発を加速させます。各 医療関係者からの需要の高まりに応えます。 プロセスに関する知識と経験を得ることができます。DxDハブは、診 産業大臣により発足されたDxDハブは、医療技術産業の一部として に、診断および医療機器分野の多岐にわたる専門性を統合する場とし ンガポールにおける生物医学研究をさらに進展させる取り組 ました。迅速な診断でよりよい治療成果を実現する診療機器に対する S・イスワラン (S Iswaran)首相府大臣兼第2内務大臣兼第2貿易 医療診療を発展させ、診療ソリューションの開発を通してヘルスケア を向上させるとともに、最新診療機器の製品化を促進することを目的 としています。診療分野は、2013年10月に首相より発表された2億 USD(240億円)規模のイノベーション・クラスター・プログラム (ICP) において資金援助を受ける4つのイノベーション分野のひとつです。 科学技術研究庁(A*STAR) が技術移転機関ETPLを通して主導す るDxDハブは、臨床医、研究者、 イノベーター、起業家、業界専門家を 共通のプラットフォームに集結させ、臨床的に検証済みかつ市場に展 分野の専門家が参画することにより、診断分野の企業や組織は、診療 製品の実証試験から規制対応、 マーケティング、商業化までの一連の 断機器やソリューションの市場投入までの時間を短縮することを命題 ての役割を担います。 DxDハブの最高経営責任者シドニー・イー(Sidney Yee)博士は、 「DxDハブは、 シンガポールが診療分野でのイノベーション創出と発 展のための国際的なハブとなるよう業界の成長を刺激するため、 ボー ダレスな『ワン・シンガポール』のアプローチを採っています。シンガ ポールは、 アジアの他地域への玄関口であるのみならず、国際市場へ 展開するための入口でもあるのです」 と述べています。 03 January - March 2015 SINGAPORE BUSINESS NEWS Business News 09 A*STAR、 シンガポールの 「スマート国家」戦略推進に向けた新たな取り組みを開始 シ シンガポールのサイバーセキュリティ、エネルギー、輸送分野の 率、 および性能を向上させる通信、情報、 自動車改革のための様々な研 進に向けた多数の新たな取り組みを発表しました。 I2R) を立ち上げました。同センターは、公共交通機関のサービス向上を ンガポール科学技術研究庁(A*STAR) は2014年10月23日、 強化を目指した官民連携など、 シンガポールの 「スマート国家」戦略推 究、調査と実証試験を行う共同研究所を開設しました。 A*STARはまた、 アーバンモビリティ研究センター@I2R(UMRC@ スマートネットワークとサイバー セキュリティ分 野 において、 目指し、高度道路交通システムおよび自律走行車プログラム用の都市モ バーセキュリティ、HetNet(Heterogeneous Network) における新 ます。 また、陸上交通庁(LTA) などの政府機関やIDAと産業界との緊密 国立インフォコム研究所(I2R) とSTエレクトロニクス (インフォセキュ IDAのマネジング・ディレクター、 ジャクリーン・ポー(Jacqueline A*STARとシンガポール情報通信開発庁(IDA)は、 データ分析、 サイ 技術開発を目指した共同研究契約を締結しました。 またシンガポール リティ) は、 シンガポールの情報通信構造におけるセキュリティとデー タ調査能力を強化するために、高度なソリューションを開発する共同 バイル技術に関するA*STARの学際的な研究をまとめる役割を果たし な連携を実現するワンストップ・プラットフォームとして機能します。 Poh)氏は、 「シンガポールをスマート国家とするにあたり、国民生活 を向上させる技術や枠組みを革新し、必要であれば新たに発明する 研究室を設置します。サイバー脅威・攻撃防止ソリューションの開発 ことがますます重要になってきます。IDAは、 これを実現させるために キュリティ研究センターも設置します。 す」 とコメントしました。 ポール・パワーとナラダは、HDB住宅への電力供給や、送電系統に電 データと分析は、公的機関が日々のサービスを向上させるうえで革新 した。 この協力体制により、再生可能エネルギー供給のための信頼で ムの問題を共に解決していくことが可能になります。A*STARのデー を通して、国家のサイバーセキュリティを強化します。I2Rはサイバーセ エネルギーと交通分野において、住宅開発局(HDB)、I2R、 シンガ 力を戻す太陽発電電力の蓄電システム開発のための覚書を締結しま きる系統規模の蓄電システムの開発が期待されます。 またI2R、 コンチ ネンタル、TUM CREATEは、 シンガポールの輸送システムの安全、効 A*STARのようなパートナーと手を取り合えることを喜ばしく思いま A*STARのラージ・タンプラン (Raj. Thampuran)所長は、 「ビッグ 的な役割を果たしています。企業と協力することで、複雑な都市システ タ科学分野での能力を以て、 シンガポールのスマート国家戦略に貢献 したいと思います」 と述べています。 EDB新長官就任のお知らせ シ 2014年12月1日付で長官職を退任し、事務次官(内務)とし ンガポール経済開発庁(EDB) レオ・イップ (Leo Yip)長官が、 のEDBの運営責 任など数々の役職 て着任しました。後任として、 ベー・スワンジン (Beh Swan Gin)事務 を 歴 任 しました 。 レオ・イップ (Leo Yip)氏は、 シンガポール警察庁に入庁以来、2000 年には、通 商 産 業 次官(法務) が、EDB長官として就任しました。 年にリー・クワンユー上級相(当時)の筆頭秘書官、2002年にMOM 2006年∼2007 省 の 次 官( エネル レオ・イップ元長官 ベー・スワンジン新長官 審議官、2003年に労働力開発庁(WDA)長官、2005年にMOM ギー計画) とシンガ 新長官のベー・スワンジン(Beh Swan Gin)氏は医師出身で、 兼務しています。EDBの政策立案部門の副次官を経て2008年に次 事務次官と要職を歴任し、2009年よりEDB長官を務めてきました。 1992年にEDBに入庁以来、 バイオ医療科学グループの指導、北米で ポール科学技術研究(A*STAR) の事務局長(生物医学研究会議) を 官に就任、2012年より事務次官(法務) を務めていました。 1シンガポールドル(SGD)=90円、1米ドル(USD)=120円(12月30日現在) sedb.com Singapore Business News シンガポール経済開発庁(EDB) とは 経済開発庁(Singapore Economic Development Board : EDB) は1961年に設立された貿易産業省傘下の政府機関で、 シンガ ポールの産業育成、投資誘致を担っています。 「外資系企業誘致のワンストップセンター」 として、海外20ヵ所以上に事務所を持ち、外国 企業に投資先としてのシンガポールの情報を提供するだけでなく、世界の経済、技術、市場動向を把握することで、 シンガポールで競争力 を持ちえる産業や分野を育成するための経済戦略を立案しています。 日本には、東京に事務所を構え、 日本企業のシンガポール投資をサ ポートしています。 シンガポール EDB 経済・投資ニュース January - March 2015 発行:シンガポール経済開発庁(EDB) ▼本レターに関するお問合せは、以下にお願いいたします。 シンガポール共和国大使館参事官(産業)事務所 Tel. 03(3501)6041 http://www.singaporeedb.jp E-mail [email protected] This publication was funded by ASEAN-Japan Centre 04
© Copyright 2024 ExpyDoc