平 成 27年 度 国 債 管 理 政 策 の概 要 国債発行規模 平成 27 年度の国債発行総額は、新規国債(建設・特例国債)及び借換債が減少すること等により大幅に減少(対前年度当 初比▲11.5 兆円)し、170.0 兆円。 カレンダーベース市中発行額(通常の入札による市中への発行額)は、市場の流動性を確保するため 28 年度借換債の 27 年度への前倒し発行を進めることにより、その減額幅を抑制(同▲2.5 兆円)し、152.6 兆円。 〈発行根拠法別発行額〉 平成27年度の主な施策 ○ 平均償還年限の長期化 借換リスクの抑制や中長期的な調達コストの低減等を図るた め、市場関係者の声も踏まえ、カレンダーベース市中発行額に ついて、超長期債の増額や中短期債の減額等により平均償還年 限を長期化(27 年度の同発行額の平均償還年限は 9 年(対前年度+6 ヵ月))。 区 分 新規国債 (建設・特例国債) 26年度(当初) 26年度(補正後) 27年度(当初) 41.3兆円 40.5兆円 36.9兆円 復興債 2.1兆円 1.1兆円 2.9兆円 財投債 16.0兆円 16.0兆円 14.0兆円 借換債 122.1兆円 120.1兆円 116.3兆円 181.5兆円 177.7兆円 170.0兆円 ※27 年度末の国債発行残高の平均償還年限は、8 年 5 ヵ月(同+5 ヵ月)と推計。 ○ 国債市場の流動性維持・向上 国債市場の流動性維持・向上の観点から流動性供給入札を増額 (月 7,000 億円→同 8,000 億円、計+1.2 兆円)。 大量応札・落札による流動性の低下等を抑制し、国債の安定消 化を図るため、入札参加者の応札上限額を引下げ(発行予定額全額 →1/2)。これに伴いプライマリー・ディーラー(PD)の応札義務率 を引上げ(発行予定額の 3%以上→同 4%以上)。 ○ 物価連動債市場の育成 デフレ脱却後の市場環境の変化に対応し、国債の商品性の多様 化を促進する観点から、物価連動債の発行規模を対前年度当初 計画比で増額(1 回 4,000 億円→同 5,000 億円、計+0.4 兆円)するほか、 市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整。 28 年度後半より個人向けの新型窓販の取扱いを開始する予定。 国債発行総額 〈消化方式別発行額〉 区 分 市中発行分 カレンダーベース 市中発行額 個人向け販売分 日銀乗換 合計 26年度(当初) 26年度(補正後) 27年度(当初) 167.9兆円 164.0兆円 157.3兆円 155.1兆円 154.5兆円 152.6兆円 2.5兆円 2.6兆円 2.3兆円 11.1兆円 11.1兆円 10.4兆円 181.5兆円 177.7兆円 170.0兆円 国債発行総額の推移 財投債 (兆円) 借換債 200 復興債 年金特例国債 建設・特例国債 150 141.3 16.8 135.7 151.8 151.5 9.4 8.4 176.2 177.5 13.1 14.2 90.5 111.0 100.8 2.3 21.3 0.4 5.7 5.3 昭和50 52.0 34.0 25.4 120.1 116.3 93.9 2.1 1.1 2.9 2.6 0 122.1 11.3 9.0 170.0 16.0 14.0 110.2 42.4 50 16.0 164.3 8.6 100 99.2 177.7 10.7 109.0 76.4 181.5 33.2 2.6 42.3 42.8 47.5 22 23 24 40.9 41.3 40.5 36.9 25 26 26 27 (当初) (補正後) (当初) 12.3 60 平成10 19 20 21 (注1) 25年度までは実績。 (注2) 各計数ごとに四捨五入したため、合計において一致しない場合がある。 (年度) カレンダーベース市中発行額の推移 (兆円) 160 流動性供給 入札 物価連動債・ 変動利付債 超長期債 (10年超) 長期債 (10年) 中期債 (2~5年) 短期債 (1年以下) 137.5 6.3 140 120 100 80 17.7 109.7 1.2 6.4 106.3 2.3 2.1 12.1 13.6 22.8 22.8 60 40 44.4 19.2 144.8 7.2 20.4 149.4 7.2 22.8 21.6 27.8 25.0 26.4 26.4 55.6 60.0 60.8 62.8 32.9 30.0 30.0 30.0 21 22 23 24 155.1 8.4 7.2 28.8 0.6 24.0 154.5 8.4 1.6 28.8 24.0 152.6 9.6 1.8 2.0 26.0 28.8 28.8 67.2 64.8 64.8 30.0 27.5 26.7 26.2 25 26 26 27 (補正後) (当初) 60.0 44.5 20 0 142.8 7.2 156.6 22.8 21.0 19 20 (当初) (注1) 25年度までは実績。 (注1) 2011年度までは実績。 (注2) (注2) 短期債については割引債であり、中期債、長期債及び超長期債については固定利付債である。 短期債については割引債であり、中期債、長期債及び超長期債については固定利付債である。 (年度) カレンダーベース市中発行額の平均償還年限 19年度 20年度 21年度 22年度 7年0ヶ月 7年4ヶ月 7年3ヶ月 7年7ヶ月 23年度 7年9ヶ月 24年度 7年10ヶ月 25年度 26年度 7年11ヶ月 8年5ヶ月 (当初) 26年度 8年6ヶ月 (補正後) 27年度 (当初) (注)25年度までは実績。 9年0ヶ月 国債発行残高の推移 (兆円) 1,000 財投債残高 年金特例国債残高 900 復興債残高 848.1 特例国債残高 681.2 700 716.2 139.8 2.6 110.9 118.2 10.3 9.4 9.0 10.3 669.9 131.1 778.2 743.9 705.0 4.6 4.9 5.2 109.3 122.2 600 101.0 104.2 754.5 677.0 98.5 814.3 780.8 建設国債残高 800 905.6 879.2 10.7 636.3 500 594.0 541.5 471.6 545.9 390.0 400 410.9 503.3 526.6 442.2 355.6 普通国債 計807.1 304.5 321.0 236.9 224.9 238.3 246.3 248.3 249.9 258.0 260.6 265.6 19 20 21 22 23 24 25 26 27 300 200 100 0 (注1)計数ごとに四捨五入したため、合計等において一致しない場合がある。 (注2)計数は額面ベース。25年度までは実績、26年度は実績見込み、27年度は当初見込み。 (注3)ここでの特例国債残高には、承継債務借換国債等を含む。 (年度) 国債及び国庫短期証券(T-Bill)の所有者別内訳 (平成26年9月末速報) 合計 1,015兆1,153億円 出所:日本銀行 資金循環統計 (注1)「国債」は財投債を含む。 (注2)「銀行等」にはゆうちょ銀行、 「証券投資信託」及び「証券会社」を含む。 (注3)「生損保等」はかんぽ生命を含む。 (単位:億円) 物価連動債の個人向け販売の拡大 ※ 【相対取引による販売 (27年1月~)】 【新窓販による販売(28年度後半の開始予定)】 新窓販取扱機関 顧客 A金融機関 顧客 ○ 法人向けに物価連動債を販売していた大手証券会社等が 窓口販売・口座管理 顧客 国 国債の発行 C金融機関 顧客 募集・ 販売委託 B金融機関 相対取引 入札等による調達 国 (取扱の有無は経営判断) ○ 物価連動債を取り扱っていない「新窓販取扱機関」が新たに物価 個人向けに販売するケースが考えられる。その場合、既存 連動債を販売するケースが考えられる。その場合、金融税制システム の販売システム活用等により、比較的短期間で対応可能。 の改修に加え、新商品の募集・販売及び管理のシステムの構築や ※28年1月以降に満期償還を迎えるものに限り販売が可能。 社員教育・研修等について一定の準備期間が必要。
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