生物化学 講義 第17章、第18章 担当 中村崇裕(植物分子機能学研究分野) 平成25年度 講義予定 12/19(金、本日) 第17章前半 1/ 9 (金) 第17章後半 1/13 (火) 第18章前半 1/30 (金) 第18章後半 解糖(第15章)� � 単糖から2分子のATP(高エネルギー化合物)を作り出す システム(2分子のATPを使って4分子のATP)。� 同時に2分子のピルビン酸が生成する。� � ピルビン酸中の炭素は、未だ還元状態なので、CO2まで 完全に酸化する過程で、エネルギーを取り出すことが出 来る。� 糖代謝においてはこの過程を、クエン酸サイクル(17章:今 回と次回の講義)と電子伝達系ー酸化的リン酸化(18章、2回の 講義)が果たしている。� 解糖系: グルコース1分子 → 2分子のATP� � 酸化的リン酸化: グルコース1分子 → 32分子のATP� � � *ただし、解糖系は酸化的リン酸化より100倍早い� (短距離走などの無酸素運動では解糖系でエネルギーを まかなう)� � � � クエン酸回路:酸化的リン酸化で用いるNADH(電子� 運搬体)などを産生。核酸やアミノ酸生合成などの 中心回路として働く。� ピルビン酸 クエン酸回路� � 8段階の酵素反応が連なっている反応。� アセチルCoA � アセチルCoAの生成も忘れずに。� � オキサロ酢酸 � 3NAD+ + FAD + GDP + Pi + アセチルCoA → 3NADH + FADH2 + GTP + CoA-SH + 2CO2 クエン酸 NADH、FADH2は電子伝達系へ � 重要?� � L-リンゴ酸 反応中間体� 酵素名(酵素特性)� イソクエン酸 � フマル酸 Pyruvate dehydrogenase 1. Cotrate synthase 2. Aconitase 3. Isocitrate dehydrogenase 4. α-ketoglutarate dehydrogenase 5. succinyl-CoA synthetase 6. Succinate dehydrogenase αケトグルタール酸 7. Fumarase 2-オキソグルタル酸 8. Malate dehydrogenase ピルビン酸デヒドロゲナーゼ クエン酸シンターゼ 2-アコニターゼ イソクエン酸デヒドロゲナーゼ 2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ スクシニルCoAシンテターゼ コハク酸デヒドロゲナーゼ フマラーゼ リンゴ酸デヒドロゲナーゼ コハク酸 スクシニルCoA Figure 17-2 次回は、クエン酸回路の調節� アセチルCoA オキサロ酢酸 クエン酸 イソクエン酸 L-リンゴ酸 クエン酸サイクル αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 フマル酸 コハク酸 Figure 17-14 スクシニルCoA クエン酸サイクルのエネルギー生産能 3NAD+ + FAD + GDP アセチル基1個 → 3NADH + FADH2 + GTP Figure 17-14 クエン酸サイクルのエネルギー生産能 3NAD+ + FAD + GDP アセチル基1個 → 3NADH + FADH2 + GTP 電子伝達系 (18章) NADH → 3ATP FADH2 → 2ATP GTP Figure 17-14 ヌクレオシド2リン酸キナーゼ (GTP + ADP → GDP + ATP) → ATP 解糖系とクエン酸サイクルからのエネルギー供給量 第18章 電子伝達系 酸化的リン酸化 解糖系 ピルビン酸 デヒドロゲナーゼ 複合体 クエン酸 サイクル 2.5 ATP / 1 NADH 1.5 ATP / 1 FADH2 ATP: 細胞のエネルギー通貨 解糖系とクエン酸サイクルからのエネルギー供給量 解糖系 ピルビン酸 デヒドロゲナーゼ 複合体 クエン酸 サイクル 1分子のグルコース → 32分子のATP 嫌気条件 1分子のグルコース → 2分子のATP 代謝の調節 細胞の状況に応じて、流路が変わる。 ピ ル ビ ン 酸 ピルビン酸脱水素酵素 → アセチルCoA 乳酸脱水素酵素 → 乳酸 酵素A → オキサロ酢酸 酵素B → アラニン ピルビン酸 オキサロ酢酸 クエン酸 αケトグルタール酸 スクシニルCoA ピルビン酸デヒドロゲナーゼの調節 1. NADHとアセチルCoAによる生成物阻害 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ多酵素複合体 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (E1) ジヒドロリポアミド S-アセチルトランスフェラーゼ (E2) ジヒドロリポアミド デヒドロゲナーゼ (E3) からなる多酵素複合体 Figure 17-6 ピルビン酸 デヒドロゲナーゼ ピルビン酸デヒドロゲナーゼの調節 2. E1酵素のリン酸化/脱リン酸による活性制御 ピルビン酸 デヒドロゲナーゼ ピルビン酸デヒドロゲナーゼ多酵素複合体 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (E1) ジヒドロリポアミド S-アセチルトランスフェラーゼ (E2) ジヒドロリポアミド デヒドロゲナーゼ (E3) アセチルCoA⇧ アセチルCoA⇩ ・血糖値上昇に伴うインス リン分泌量の増加により 活性化 ・NADH, Acetyl-CoA により活性化 ・ピルビン酸、ADPでキナーゼ活性が阻害。 ・Ca2+、キナーゼを阻害、脱リン酸化酵素を活性化。 Figure 17-14 ご飯を食べたら… → 血糖値上昇 → インスリン分泌 グリコーゲン合成活性化 (エネルギー貯蔵) ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性化 → アセチル-CoA合成増加 → クエン酸サイクルが働く → ATP合成増加 → 各種代謝活性化 クエン酸サイクルに過剰に アセチル-CoAが流入すると クエン酸増加 → 脂質合成増加→ 肥満 クエン酸サイクルの律速酵素は? クエン酸サイクル Figure 17-14 律速酵素と、その制御因子(エフェクター)による調節を知るには 律速酵素の推定法 各酵素の性質、すなわち触媒する反応の 標準自由エネルギー変化(ΔGo')と、 生体内での基質と生成物の濃度から、 生理的自由エネルギー変化(ΔG)を求める。 ΔG<0の酵素が、律速酵素である可能性が高い (ΔGo'に比べて、生体内での生成物が少ない) クエン酸回路の律速酵素(候補) クエン酸サイクルでのΔGを求めるために必要な情報は? ・反応が起る細胞内部位(ミトコンドリア)での各基質と生成物の濃度 ・反応のΔG サイクル中間体がミトコンドリアとサイトゾルに存在し、分布が不明・・・。 ↓ この間で濃度平衡が保たれていると仮定し、細胞内濃度からミトコンドリア内濃 度を推定。 心筋と肝臓でのΔGの推定値 Table 17-2 心筋等の活発に動いている組織でのクエン酸回路の制御 (クエン酸回路の活性大) クエン酸回路の代謝流量は、細胞の酸素消費速度に比例 酸素消費、NADHの再酸化、ATP生産は緊密に共役 (at 電子伝達系;18章) ↓ エネルギー支出とNADH生成が同調するように、クエン酸サイクルはフィードバックメ カニズムで制御されている(はず?)。 競合的フィードバック阻害による制御 1)基質供給 2)生成物阻害 3)サイクルの後続ステップの中間体 (解糖系やグリコーゲン代謝と異なり、単純な制御) クエン酸回路の調節 いくつかの酵素が協調して流量を調節する。 (単独で調節するステップはない) 最も重要な調節因子(予測) 基質:アセチルCoA、オキサロ酢酸 生成物:NADH オキサロ酢酸 クエン酸シンターゼの基質であるオキサロ 酢酸とアセチル-CoAの濃度は酵素を飽和 しない低濃度 → 基質濃度に依存して代謝流量が変化 アセチルCoA濃度 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性で調節 「1)基質供給」による調節」 L-リンゴ酸 クエン酸 フマル酸 イソクエン酸 コハク酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 クエン酸回路の調節 いくつかの酵素が協調して流量を調節する。 (単独で調節するステップはない) 最も重要な調節因子(予測) 基質:アセチルCoA、オキサロ酢酸 生成物:NADH クエン酸シンターゼの基質であるオキサロ 酢酸とアセチル-CoAの濃度は酵素を飽和 しない低濃度 → 基質濃度に依存して代謝流量が変化 オキサロ酢酸 クエン酸 L-リンゴ酸 イソクエン酸 フマル酸 コハク酸 アセチルCoA濃度 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性で調節 「1)基質供給」による調節」 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 ピルビン酸デヒドロゲナーゼの調節 復習 2. E1酵素のリン酸化/脱リン酸による活性制御 ピルビン酸 デヒドロゲナーゼ ピルビン酸デヒドロゲナーゼ多酵素複合体 ピルビン酸デヒドロゲナーゼ (E1) ジヒドロリポアミド S-アセチルトランスフェラーゼ (E2) ジヒドロリポアミド デヒドロゲナーゼ (E3) アセチルCoA⇧ アセチルCoA⇩ ・血糖値上昇に伴うインス リン分泌量の増加により 活性化 ・NADH, Acetyl-CoA により活性化 ・ピルビン酸、ADPでキナーゼ活性が阻害。 ・Ca2+、キナーゼを阻害、脱リン酸化酵素を活性化。 Figure 17-14 クエン酸回路の調節 いくつかの酵素が協調して流量を調節する。 (単独で調節するステップはない) 最も重要な調節因子(予測) 基質:アセチルCoA、オキサロ酢酸 生成物:NADH クエン酸シンターゼの基質であるオキサロ 酢酸とアセチル-CoAの濃度は酵素を飽和 しない低濃度 → 基質濃度に依存して代謝流量が変化 オキサロ酢酸 クエン酸 L-リンゴ酸 イソクエン酸 フマル酸 コハク酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 オキサロ酢酸とリンゴ酸の濃度は、 [NADH]/[NAD+]比に依存. 1)基質供給 [オキサロ酢酸][NADH] 3)サイクルの後続ステップの中間体 濃度(K) = + [リンゴ酸][NAD ] 呼吸が盛んになり、NADHが消費されれば オキサロ酢酸の濃度増大 → クエン酸の生成速度増大 クエン酸回路の調節 アコニターゼ(クエン酸→イソクエン酸)は ほぼ平衡状態 オキサロ酢酸 イソクエン酸デヒドロゲナーゼ (イソクエン酸→αケトグルタル酸) はNADHにより強く阻害される (in vitroの実験) 2)生成物阻害 クエン酸 L-リンゴ酸 イソクエン酸 フマル酸 コハク酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 復習 3. NAD+依存的イソクエン酸デヒドロゲナーゼ 反応: イソクエン酸 + NAD+ → 2-オキソグルタル酸 + NADH + CO2 1. イソクエン酸の2級アルコールをケトンに酸化 して、オキサロコハク酸に。Mn2+(補因子)が 分極を助ける。 2. ケトンのβ-カルボキシル基をCO2として放出 (CO2はオキサロ酢酸由来) 酵素と結合 イソクエン酸酸 Figure 17-11 オキサロコハク酸 酵素と結合 αケトグルタール酸 (2-オキソグルタル酸) クエン酸回路の調節(その他) クエン酸が競合阻害(ク エン酸シンターゼ) スクシニルCoAが競合阻 害(クエン酸シンターゼ) オキサロ酢酸 オキサロ酢酸とアセチルCoAの濃度に依存 クエン酸 L-リンゴ酸 イソクエン酸 フマル酸 NADHで阻害(イソクエン 酸デヒドロゲナーゼ) αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 コハク酸 NADHとスクシニルCoA が阻害(2-オキソグルタ ル酸デヒドロゲナーゼ) クエン酸回路の調節(その他2) 阻害剤として働く中間体 NADH ATP ATPが多い:エネルギー供給十分 オキサロ酢酸 L-リンゴ酸 活性化剤として働く中間体 Ca2+ ADP ADPが多くATPが少ない: エネルギー供給不十分 クエン酸 フマル酸 イソクエン酸 コハク酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 クエン酸回路の調節(まとめ) ピルビン酸デヒドロゲナーゼの調節 1. NADHとアセチルCoAによる生成物阻害 2. リン酸化(不活性型)、脱リン酸化(活性型) クエン酸回路では、いくつかの酵素が協調 して流量を調節する。 最も重要な調節因子(予測) 基質:アセチルCoA、オキサロ酢酸 生成物:NADH オキサロ酢酸 L-リンゴ酸 クエン酸 フマル酸 イソクエン酸 クエン酸回路の律速酵素 クエン酸シンターゼ イソクエン酸デヒドロゲナーゼ 2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ コハク酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 赤:サイクル中間体を同化に用いる反応 クエン酸回路中間体を引き抜いてその濃度 を下げる。 カタプレロティック反応(消費反応) ・ 様々な産物(アミノ酸など)の生産 ・ 必要以上の蓄積の解消 緑:サイクル中間体の補充反応 消費した中間体の補充。 アナプレロティック反応(補充反応) Figure 17-17 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 赤:サイクル中間体を同化に用いる反応 クエン酸回路中間体を引き抜いてその濃度 を下げる。 カタプレロティック反応(消費反応) ・ 様々な産物(アミノ酸など)の生産 ・ 必要以上の蓄積の解消 緑:サイクル中間体の補充反応 消費した中間体の補充。 アナプレロティック反応(補充反応) カタプレロティック反応(消費反応) kataplerosis → Kata (下方に、後ろへ)+ Plerotikos(満たす) (ギリシャ語) アナプレロティック反応(補充反応) Anaplerosis → Ana (再び) + Plerotikos(満たす) Figure 17-17 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 赤:カタプレロティック反応(消費反応) グルコース合成(糖新生) ・サイトゾルで起る。 ・クエン酸サイクルのオキサロ酢酸が 用いられる。 但し、オキサロ酢酸はミトコンドリア膜を 透過しないので、 ・オキサロ酢酸をリンゴ酸または アスパラギン酸に変換して排出。 ・サイトゾルでオキサロ酢酸に再変換し、 次いでピルビン酸に変換。 Figure 17-17 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 赤:カタプレロティック反応(消費反応) アミノ酸合成: 出発材料はαケトグルタル酸と オキサロ酢酸 Figure 17-17 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 赤:カタプレロティック反応(消費反応) アミノ酸合成: アラニンはピルビ ン酸がグルタミン 酸のアミノ基の転 移を受けて生合成 される Page 589 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 緑:サイクル中間体の補充反応 消費した中間体の補充。 アナプレロティック反応(補充反応) 最も重要な反応は、ピルビン酸から オキサロ酢酸をつくるピルビン酸 カルボキシラーゼ反応 Figure 17-17 ピルビン酸カルボキシラーゼ反応 ピルビン酸カルボキシラーゼ (アセチル-CoAにより活性化) ピルビン酸 + CO2 + ATP + H20 →オキサロ酢酸 + ADP + Pi ・ オキサロ酢酸を補充し、クエン酸回路 を回す。 ・ クエン酸中間体の濃度が増すとクエン酸回路に 入るアセチルCoAの流量が増加。 (運動時の筋細胞で安静時の60-100倍、 中間体は4倍程度) Page 590 17-5 クエン酸サイクルの代謝中間物の利用と補充 緑:サイクル中間体の補充反応 消費した中間体の補充。 アナプレロティック反応(補充反応) 最も重要な反応は、ピルビン酸からオ キサロ酢酸をつくるピルビン酸 カルボキシラーゼ反応 ・ スクシニルCoAは奇数炭素脂肪酸、 ある種のアミノ酸から供給。 ・ αケトグルタル酸、フマル酸、オキサ ロ酢酸は、ある種のアミノ酸の可逆的 なアミノ転移でつくられる Figure 17-17 グリオキシル酸サイクル: アセチル-CoA からオキサロ酢酸を作る反応系(補充反応として働く) 植物、菌類、細菌に存在。 動物には存在しない。 脂質 → アセチル-CoA → オキサロ酢酸 β-酸化 グリオキシル酸サイクル 植物では、グリオキシソームに存在。 グリオキシソームは、ペルオキシソー ムが特殊に分化したもの。 ダイズ、ナタネ等の脂肪種子の発芽時 に形成される。 http://b-lab.nagahama-i-bio.ac.jp/?page_id=175 グリオキシル酸サイクル: アセチル-CoA からオキサロ酢酸を作る反応系(補充反応として働く) 貯蔵脂質 (トリアシルグリセロール) 反応1,2: オキサロ酢酸とアセチルCoA が縮合して、クエン酸になり (8) 、異性化 してイソクエン酸を生じる(9)。 反応3: グリオキシソームのリンゴ酸リアー ゼ*がイソクエン酸をコハク酸とグリオキ シル酸に開裂(10)。 反応4: リンゴ酸シンターゼ*がグリオキ シル酸ともう1個のアセチルCoAを縮合 してリンゴ酸を産生(6)。 反応5: グリオキシソームのリンゴ酸デヒ ドロゲナーゼがリンゴ酸をNAD+で参加 してオキサロ酢酸とNADHを生じる。 *は植物特有。 オキサロ酢酸 リンゴ酸 クエン酸 イソクエン酸 グリオキシル酸 コハク酸 http://b-lab.nagahama-i-bio.ac.jp/?page_id=175 オキサロ酢 酸 リンゴ酸 クエン酸 イソクエン酸 グリオキシル酸 コハク酸 http://b-lab.nagahama-i-bio.ac.jp/?page_id=175 Figure 17-18 クエン酸回路の代謝中間物の利用と補充 クエン酸回路中間体を引き抜いてその濃度を下げるカタプレロティック反応(消費反応) ・ グルコース合成(糖新生) ・ 脂肪酸合成 ・ アミノ酸生合成 消費した中間体を補充するアナプレロティック反応(補充反応) ・ピルビン酸カルボキシラーゼ反応が重要 (ピルビン酸からオキサロ酢酸をつくる) ・グリオキシル酸サイクル(植物などでは、アセチルCoAからオキサロ酢酸を作って、糖 新生の原料とすることができる。 (グリオキシル酸回路の反応は?、同回路に特有の酵素2種は?) クエン酸回路の進化 クエン酸回路:広く好気生物に存在し、エネ ルギー代謝の中心的役割を担う。 多くの原核生物にはクエン酸回路の一部の みがある。 コハク酸からオキサロ酢酸に至る最終3酵 素は良く保存。 ←ゲノム配列情報より類似配列を検索。 部分経路を逆行することで、糖の発酵で放 出される電子を受け取ることが出来る。 解糖系由来のNADHからNAD+の再生、 コハク酸を材料にした化合物の合成 オキサロ酢酸 L-リンゴ酸 フマル酸 コハク酸 クエン酸回路の進化 クエン酸回路:広く好気生物に存在し、エネ ルギー代謝の中心的役割を担う。 多くの古細菌はピルビン酸からNADHをつく らずにアセチルCoAを作る。 ピルビン酸:フェレドキシンオキシドレダクターゼ ⇅ ピルビン酸デヒドロゲナーゼ多酵素複合体 オキサロ酢酸 クエン酸 イソクエン酸 αケトグルタール酸 2-オキソグルタル酸 Methanocaldococcus jannaschii, 古細菌, 超好熱性のメタン菌(クエン酸回路をもたない) クエン酸回路の進化 一部の古細菌の 経路 多くの原核生物の 経路 L-リンゴ酸 イソクエン酸 フマル酸 クエン酸回路を完 成させる為に必要 な経路 クエン酸回路の進化 原始的なクエン酸回路を逆回転 させるとCO2を固定して生体物 質を合成出来る。 現代の独立栄養性細菌の多くに 関連酵素が存在している。 光合成以前のCO2固定反応?
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