日本株式マンスリーレター 2015年1月Pdf

Schroders
シュローダー日本株式 マンスリー・レター
2015 年 1 月号
日本株式チーム: 運用者の視点
平成 27 年度介護保険報酬の改定が示唆するもの
27 年度介護報酬改定の詳細が、厚生労働省より 2 月に発表されます。財政支出削減の圧力が高まる中、
今回の改定は 9 年ぶりのマイナス改定となる見込みですが、介護事業の経営にどのようなインパクトを与えるので
しょうか。昨年 12 月に既に公表されている改定の論点から考察します。
団塊の世代が後期高齢者となる 2025 年までに、自宅をベースに高齢者が十分な生活支援及び介護サービス
を受けられる仕組みである「地域包括ケアシステム」の構築を行うことが、現在、国の高齢者福祉における政策の
中心となっています。今回の改定では、その具現化を考慮した報酬改定がされる見込みです。また、膨らみ続け
る介護報酬全体の削減策として、提供するサービスの質とコストに見合った報酬体系への変更が、一段と進む内
容になっています。ポジティブな点として、制度を支える介護職員の給与増加に直結する介護職員処遇改善加
小林 あゆみ
算については、加算率引き上げが見込まれており、構造的な人手不足を考慮した調整がされる予定です。想定
日本株式 小型株チーム
される改定のインパクトをサービス別にみてみますと、まず地域・自宅密着サービスとしての居宅系サービスについて
ファンドマネジャー兼アナリスト
は訪問介護を中心に、比較的穏やかな改定が見込まれます。地域包括ケアの重要なコンセプトでもある、より手
厚いサービスを提供する“定期巡回・随時対応型訪問介護”についても、介護業者の採算が想定以上に悪い状
本コラムでは、日本株式運用チームの
況を勘案して加算の仕組みなどが取り入れられる可能性があります。居宅系のうちのデイサービスや施設系のサ
ファンドマネジャー、アナリストが毎月入
ービスでは特別養護老人ホームにとって基本報酬の引き下げを中心に厳しい改定となる見込みです。
れ替わりで市場や業界での注目点、
本改定による介護業界への影響を考えますと、まず零細事業者をとりまく環境が厳しくなり淘汰が進むと考えられ
気になった話題などをご紹介します。
ます。安定した介護報酬を確保するためには、より付加価値の高いサービスの効率的な提供と、質の高い人材を
雇用する力が事業者には今後ますます必要となります。また、「地域包括ケアシステム」が今後実現化される過
来月は、ファンドマネジャーの前田建が
程では、国の細かな方針や介護報酬には連続的な変更が予想されることから、事業の前提条件の変化に対
担当致します。
し、企業はフレキシブルに戦略を変更していくことが求められます。幅広い分野の介護事業の実績、周辺事業を
M&A などで取り込んでいける財務的な体力などは、大きな競争力になります。これらの環境の変化は、現状の
介護事業の主要な担い手である家族的経営の多い社会福祉法人に比較して、上場会社を筆頭とした民間の
大手事業会社にとって、より有利に働く可能性が高いと考えます。数少ない内需の長期成長市場である介護の
分野で存在感を増していく企業を、長期投資の観点から注目しています。
2014 年 12 月の市場環境
220
130
TOPIX 配当込
2011 年 12 月=100(左軸)
200
120
12 月の市場は、月初は円安進行により上昇しましたが、原油安やロ
180
シア不安により下落に転じ、また月後半は米株高と円安で上昇となる
160
など、変動性の高い展開となりました。TOPIX(配当込)は-0.1%
140
と若干の下落となりましたが、年度初来では+18.2%、年初来のリタ
120
80
ーンは+10.3%と良好な結果となっています。
100
70
110
100
ドル円(右軸)
90
80
60
11/12
12/04
12/08
12/12
13/04
13/08
13/12
14/04
14/08
14/12
パフォーマンス一覧速報(対ベンチマーク超過収益)
2014 年 12 月の主要戦略運用パフォーマンス
戦略
1 ヶ月
2014 年度初来
市場は、通信や食品などのデフェンシブ業種の他、その他金融、証券、銀行などの
コア
-0.2%
+0.4%
オポチュニティ
+2.5%
+5.3%
アルファ
+1.1%
-3.8%
イールド
+2.6%
+2.0%
グロース
+0.1%
+8.4%
小型
+0.9%
+0.1%
マイクロ
+1.6%
+6.8%
金融セクター、不動産が軟調に推移し、一方で石油や鉱業などは反発し、保険も
上昇しました。また小型株も反発し、大型株をアウトパフォームしました。
弊社の主要戦略は、若干マイナスの超過収益となったコアやほぼベンチマーク並み
となったグロースを除いて、良好なパフォーマンスとなりました。年度初来では、アルフ
ァを除いて堅調な運用実績を維持しています。
出所:シュローダー、各戦略コンポジット(運用報酬控除前)、超過収益は対ベンチマーク、TOPIX 配当込及びラッセル野村小型、マイクロ指数
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第90号
加入協会 / 一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
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2015 年 1 月
シュローダー日本株式 運用戦略概要
投資哲学
市場は非効率であり、徹底した調査に基づく分析と規律のあるポートフォリオ構築により、個別銘柄でのそうした市場の非効率性を捉えて、
超過収益を稼得することが出来ると信じています。

コア戦略

日本株式運用チームを代表する戦略、4 名のファンドマネジャーで構成されるコア運用チームとアナリストによるチーム・アプローチ

GARP スタイル 「グロース・アット・リーズナブル・プライス」(中長期的に市場平均を上回る成長が見込め、資本コストを上回る利益を
上げることの出来る企業に割安な株価水準で投資する)

リスク管理にも重点を置いて安定的な超過収益を目指す運用

スペシャリスト戦略 ‐ 高アルファ型

ファンドマネジャー独自のアプローチで、ベンチマークを意識せずにポートフォリオ構築をしていく運用

リサーチ体制を活用し、ファンドマネジャー間の議論により投資アイデアを共有しながらも、それぞれ特徴ある戦略で高アルファを追求

小型株戦略

4 名の小型株専任スペシャリストを擁し、市場の非効率性の高い小型株式市場におけるリサーチ、運用に注力

成長力の高い企業を割安な水準で投資することで、高いリターンを実現
コア戦略
スペシャリスト戦略
運用戦略
コア
運用目標
TOPIX + 2.5%
TOPIX + 3.0%
TOPIX + 4.0%
TOPIX を上回る
TOPIX を上回る
リスク*
推定 TE: 2.4%
推定 TE: 4.8%
推定 TE: 5.2%
推定 TE: 4.8%
推定 TE: 5.4%
GARP
長期クオリティーバリュー
GARP+カタリスト
配当重視
グロース重視
*アナリストも含めたチ
*中核事業の収益力
*30-35 銘柄集中
*高配当、配当成長、
*40 銘柄程度の集中
ーム運用
とバリュエーションを重視
投資のベストアイデア
キャッシュリッチ
投資
*安定超過収益の
*低回転率
*想定投資期間 9-
*40-50 銘柄程度
*企業の国際競争力を
アプローチ
特徴
オポチュニティ
アルファ
追求
12 ヶ月
イールド
グロース
重視したグロース特性
小型株戦略
運用戦略
小型
運用目標
ラッセル野村小型
ラッセル野村マイクロを
+ 4.0%
上回る
推定 TE: 4.0%
推定 TE: 5.3%
GARP
GARP
*チームによる投資機会発
*マイクロ市場での投資機
掘と規律ある運用
会発掘
*安定成長株を割安に
*投資後の経営陣との
投資
対話重視
リスク*
アプローチ
特徴
マイクロ
出所:シュローダー、* リスクは代表口座における Barra の推定トラッキングエラー値、2014 年 12 月末現在
本資料中シュローダー/Schroders とは、シュローダー plc および同社が直接的または間接的に株式又は持分の 50%以上を保有する会社等の法人を意味します。
本資料はシュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社がお客様にご提供している運用戦略の概略です。当社は、主としてお客様との投資一任契約の締結、あるいは、当社
設定の私募投信にご投資いただくという形態にて運用戦略をお客様にご提供させていただきます。当社がご提供する戦略は、主として値動きのある金融商品等を投資対象としてお
りますので、元本が保証されているものではありません。受託資産の運用には、組み入れ有価証券等の価格変動リスク、金利や金融市場の相場の変動リスク、十分な流動性の
下で取引が行えない市場流動性リスク、及び株式やその他の有価証券の発行体の信用リスク等の影響を受けます。また、外貨建ての資産は、為替変動リスクの影響も受け
ます。従って、これらの影響により組入れ資産の価格が変動して損失を生じ、投資元本を毀損する可能性があります。受託資産の運用によって生じた損益はすべてお客様に帰
属します。当社が投資運用業としてお客様に資産運用サービスをご提供する際には、運用報酬の他、組み入れ資産の売買手数料、保管費用等をお客様にご負担いただきます。
運用報酬及びその他の手数料、費用等は、契約の種類、契約資産残高、運用手法、及び運用状況等により異なるため、あらかじめその料率やその上限額等を表示することはで
きません。受託資産の運用に係るリスクや費用は契約締結前書面に記載しておりますので、投資一任契約を締結する際、又は当社設定の私募投信の買い付け又はご購入をお
申込みの際には、必ず契約締結前書面又は約款をご熟読ください。本資料中の個別銘柄についての記述は、具体例の提示のみを目的としており、個別銘柄の推奨もしくは当該
銘柄の株価の上昇又は下落を示唆することを目的とするものではありません。
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