NECビッグローブ株式会社

Customer Success Story
ビッグローブ株式会社
手順書ベースの運用オペレーションからの脱却、完全自動化
を目指し、BMC Atrium Orchestrator の採用を決定
NEC ビッグローブ株式会社(以下、BIGLOBE)では、
手作業によるインシデント対応がビジネスの生産性
の課題となっていた。今後も 2 倍、3 倍と事業を拡大
していく中で、IT インフラの障害について、より効率
的な対処方法が求められていた。今後、迅速なインシ
デント対応を提供していくため、BMC Atrium
Orchestrator と BMC Remedy ITSM でインシデント対応
の自動化システムを構築。パイロット運用において、
地域:日本
業界:IT サービス
ソリューション:
BMC BladeLogic Server Automation Suite
自動化システムでインシデント対応時間の 30%を削
減しただけなく、開発期間の大幅な削減を実現した。
Before:


インシデントを手作業で対処・今後、中期計画ベ
After:

ースで 2 倍、3 倍に事業を拡大していく
で、月間約 120 時間を必要としていたインシデン
プロビジョニングなどの構築領域では自社開発
ト対応時間を 30%削減
による自動化が進んでいたが、インシデント対応

については、手つかず状態であった

特定サービスシステムにパイロット適用すること
運用オペレーターによる障害切り分け作業に多
くの時間がかかっていた
BMC Atrium Orchestrator を導入することで、高い
汎用性と再利用性を実現

2011 年上期中に自動化によるインシデント対応工
数削減目標を 800 時間に設定。最終ゴールは、全
インシデントの 3 分の 2 を完全自動化オペレーシ
ョンに移行
急拡大する顧客基盤
インターネットアクセスへの需要は、世界的にも継続して衰えておらず、インターネット・サービスプロバ
イダーは顧客基盤が拡大するにつれて様々な問題に直面する。それは、BIGLOBE においても例外ではない。日
本を代表する IT 企業、日本電気株式会社のグループ会社である BIGLOBE は、283 万人のユーザー数(2011 年 6
月末時点)を誇る国内屈指のインターネット・サービスプロバイダーである。BIGLOBE は、「ISP(Internet Service
Provider)事業」「ブロードバンドメディア事業」「プラットフォームサービス事業」の 3 つの事業を展開して
おり、これら事業は、信頼性、安定性、柔軟性が高く、環境に配慮し、省エネ機能を凝縮した高品質なクラウ
ドサービスを実現する「BIGLOBE サービス基盤」と呼ばれる IT インフラにより 24 時間×365 日で展開されてい
る。この IT インフラで発生する故障などのインシデント対応を自動化する仕組みとして、BMC Atrium
Orchestrator と BMC Remedy IT Service Management(ITSM)が 2010 年 4 月に採用されている。
手作業によるインシデント対応の限界
BIGLOBE では顧客満足度を最優先事項と考えており、今後、2 倍、3 倍と事業を拡大していくには、IT インフ
ラのインシデントに迅速に対応するには手作業では限界があると感じていた。 BIGLOBE の IT インフラは、ネッ
トワーク装置や物理サーバ、仮想サーバなど、あわせて一万台以上のシステム規模で構成されており、24 時間
×365 日の運用・監視が必要となる。これら IT インフラで発生するインシデントは、システム管理者の手作業に
よる対応を余儀なくされていた。基盤システム本部 サービス運用管理グループ マネージャーの三間章喜氏は、
「24 時間体制で、人手による IT インフラの運用・監視業務を行っていましたが、今後、2 倍、3 倍と事業を拡
大していくためには、手作業によるインシデント管理では限界があると感じていました。そこで手作業ではな
く、いかに自動化によりインシデント対応を効率化するかが大きな課題の 1 つでした。」と話す。
BIGLOBE の基盤システム本部 サービス運用管理グループは、ネットワークから OS、ミドルウェアまでの、
いわゆる IT インフラと呼ばれる部分の設計・構築から運用(監視・保守)までを担当している。基盤システム
本部 サービス運用管理グループ グループマネージャーである中島啓氏は、次のように語る。「コンシューマ
向けのサービスからエンタープライズ向けのサービスまで、BIGLOBE が提供するあらゆるサービスで、IT イン
フラが活用されています。BIGLOBE のサービスは、24 時間×365 日の稼働が不可欠であり、そのための IT インフ
ラの監視から故障した際の保守対応などの運用業務を担当しています」。
「弊社は自社開発が中心の会社でしたが、BMC Atrium Orchestrator を
採用したことで、同じ機能を自社開発することに比べ、自動化機能
をリリースするまでのサイクルを大幅に削減できたと考えていま
す。」
三間 章喜
BIGLOBE 基盤システム本部 サービス運用管理グループマネージャー
また、サービスシステムごとに、インシデント対応手順は整備されているが、それでも、日々変化するイン
フラにおいて、インシデントの対処方法は膨大な数に上っていた。中島氏は、次のように語る。「現状、一つ
のインシデント対応において、複数の対応手順書を参照しなければならない。その上、インシデントが複数発
生すれば、それだけ手順書の確認作業も増える。ここでは、確認ミスが発生する危険もあり、オペレーターに
とって非常に負担が大きい。これをなんとか改善する必要があった」。
三間氏は、「インシデント対応のオペレーション自動化を考える上では、類似事象を分析し、対応できる範
囲を正確に設計して開発をしていくよりも、簡単に自動化できる範囲から開発を進め、運用しながら試行錯誤
を繰り返して、徐々に適用領域を広げていくほうが、都合がよいと思います。この点で、運用現場に近い人間
のワークフローを定義や結合、世代管理を支援してくれるプラットフォームがあれば利用したいと考えていま
した。つまり、フルスクラッチで開発するより適用スピードがあり、継続したメーカーによるメンテナンスが
提供されるパッケージ製品が今の自分たちには、有効であると判断をしました」。
BMC ATRIUM ORCHESTRATOR の操作性や拡張性、ライセンス体系を評価
BIGLOBE では 2009 年の年末より、導入製品の検討を始め、2010 年初頭に 4 製品を選定して基本的な機能の比
較検討を開始。2010 年 4 月に 2 製品に絞り、実際にワークフローを作成してインシデント対応の検証を実施し
た結果、
既に導入済みであった Remedy ITSM との相性のよい BMC Atrium Orchestrator の採用を決定した。
その後、
2010 年 9 月より、監視システムから上がってくるアラームドリブンのインシデント対応の設計を開始した。当
初、運用手順書は整備されていたが手順書に記載のない SE による経験則や暗黙の了解による作業のシステム落
とし込みに苦労をした。
11 月から BMC Atrium Orchestrator を本格的に導入して評価を開始。2011 年 4 月より、BMC Atrium Orchestrator
と BMC Remedy ITSM を組み合わせたインシデント対応の自動化システムのパイロット運用を開始している。
パイロット運用が開始された自動化システムは、BIGLOBE の各種サービスが稼働する IT インフラの障害に対
して、BMC Atrium Orchestrator に定義された対応処理が実行される。具体的には、切り分けのための様々な初動
アクション、途中経過のインシデントシステムへの起票・更新、障害対象へのアクションまでの一連を自動化
した仕組みだ。
三間氏は、「これまで、オペレーターは、ある機器でアラートが発生した場合に、決められた手順書に基づ
いて対処をしていました。しかし、BMC Atrium Orchestrator を導入したことで、アラートが発生しても、オペレ
ーターは対応をせず、システムが自動的にアラートに対応することが可能になりました。現状では、自動切り
分け後、プロセスを再起動するという基本的な対処に対してのみ、自動化を実現しています。今後は自動化の
範囲をより複雑なものにも拡大していく予定で、今年度上期の目標である 800 時間の工数削減を目指すつもり
です」と話す。
「BMC Atrium Orchestrator を本格的に運用することで、2011 年上期の
目標である自動化による工数 800 時間削減に向け、達成の実現性が
見えてきました。次の大きな目標である、全インシデントの 3 分の
2 のオペレーション自動化が現実味を帯びてきます。最終的には、
こうした活動を通じて、経営層に対しての貢献ができると考えてい
ます。」
中島 啓
BIGLOBE 基盤システム本部 サービス運用管理グループ グループマネージャー
BMC Atrium Orchestrator の採用を決めた理由を中島氏は、「容易な操作性や柔軟な拡張性、必要な機能がそろ
っていたことはもちろん、導入に際して、柔軟なライセンス体系も大きな決め手の 1 つでした。さらに、BMC
Remedy ITSM との高い連携性も BMC Atrium Orchestrator を選んだ理由です」と話している。
インシデント対応の作業時間の 30%を完全自動化
BMC Atrium Orchestrator と BMC Remedy ITSM によるインシデント対応の自動化システムを構築したことで、こ
れまで紙の手順書を見ながら手作業で行っていたインシデント対応の自動化を実現。現時点で、インシデント
対応の作業時間の 30%を完全自動化することが可能になっている。
中島氏は、次のように語る。「パイロット運用において、30%のオペレーションが自動化できることがわかり
ました。これは始まりにすぎません。今後は、自動化の範囲をさらに広げることで、運用全体における 3 分の 2
を自動化することを目指します」。
また三間氏は、「弊社は自社開発が中心の会社でしたが、BMC Atrium Orchestrator を採用したことで、同じ機
能を自社開発することに比べ、自動化機能をリリースするまでのサイクルを大幅に削減できたと考えています。
また、ちょっとした改善のネタを持っている現場に近いエンジニアが、自分たちの手で少しずつシステム化し
ていけることも BMC Atrium Orchestrator を導入した効果の 1 つです。さらに、新たな機能のリリースや使い勝手
の改善などは BMC ソフトウェアに任せることができるので、こうした面における作業負荷や開発時間を軽減で
きることも、副次効果です」と話している。
より広範なインシデント対応の自動化を目指す
BMC Atrium Orchestrator と Remedy ITSM による、
インシデント対応の自動化システムの今後について三間氏は、
「短期的な取り組みと、長期的な取り組みの両面から BMC Atrium Orchestrator による自動化を推進していきたい
と思っています」と話す。現在はパイロット運用のため、単純なインシデント対応の自動化のみを実現してい
るが、今後はより複雑なインシデント対応に関しても自動化していく計画だ。
「自動化の効果を高めていくためには、様々なインシデント対応を部品化・パターン化し、再利用が簡単な
標準部品として管理していくことが必要と考えています。そのためには、CMDB(Configuration Management
Database)のような、IT インフラの構成管理を行うためのデータベース整備なども含めた拡張、機能強化を長期
的な視点で検討していくことが必要です」(三間氏)。
一方、単純な手順でインシデント対応を完結できるものについては、迅速に自動化を実現していくことも重
要と考えている。たとえば、アラート発生時の対処としてサービス担当者に単純な連絡のみ行っているものに
ついては、自動的にメールを送るとともに、電話をかける仕組みを開発し、BMC Atrium Orchestrator と連携させ
ることで、完全自動化を 2011 年前半には実現し、インシデント対応の自動化の範囲を拡大していく計画だ。
中島氏は BMC Atrium Orchestrator に対する今後の期待を、次のように語る。「現在、BIGLOBE では IT インフ
ラの IaaS(Infrastructure as a Service)としてクラウドホスティングを展開しています。私は、単にインフラのみ
を提供するだけでなく、これに BMC Atrium Orchestrator で構築したインシデント対応の自動化機能を、運用オプ
ションサービスとして、直接お客様が選択できるような仕組みを提供したいと考えています。こうしたきめ細
かなサービスの提供が、BIGLOBE らしさであり、事業拡大につながるものと考えています」。
BMC は、企業がデジタル化を推進するための IT ソリューションを提供し、デジタルエンタープライズに競争優位性
をもたらします。これまでに多数のトップ企業と協働し、強力な IT マネジメントサービスを構築・提供してきまし
た。メインフレームからクラウド、モバイルまで、デジタル化と産業化を組み合わせることで、最適な IT パフォー
マンス、低コスト、コンプライアンスの徹底、高生産性といった素晴らしいユーザーエクスペリエンスを実現します。
テクノロジーはビジネスの心臓部であり、デジタル時代を推進するのは IT である、と BMC は考えています。
BMC – Bring IT to Life.
BMC, BMC Software, and the BMC Software logo are the exclusive properties of BMC Software, Inc., are registered with the U.S. Patent and Trademark Office, and
may be registered or pending registration in other countries. All other BMC trademarks, service marks, and logos may be registered or pending registration in the U.S.
or in other countries. UNIX is the registered trademark of The Open Group in the US and other countries. Tivoli and IBM are trademarks or registered trademarks of
International Business Machines Corporation in the United States, other countries, or both. IT Infrastructure Library® is a registered trademark of the Office of
Government Commerce and is used here by BMC Software, Inc., under license from and with the permission of OGC. ITIL® is a registered trademark, and a registered
community trademark of the Office of Government Commerce, and is registered in the U.S. Patent and Trademark Office, and is used here by BMC Software, Inc.,
under license from and with the permission of OGC. All other trademarks or registered trademarks are the property of their respective owners. © 2014 BMC
Software, Inc. All rights reserved. Origin date: 8/14