当日配布資料(709KB)

次世代のバイオ医薬品・診断薬の
開発を目指した画期的なタンパク質
修飾法の開発
筑波大学 池田豊
タンパク質の用途
•
•
•
•
医薬品
診断薬
バイオセンサー(プロテインチップ・抗体チップ)
製造・精製プロセス
タンパク質を化学修飾した際に
不活性化した事ないですか?
開発した技術
-従来の修飾方法と全く異なる化学修飾方法• 特徴
– 温和な反応条件(中性、低温)において速やかに
反応する
– 独自の結合様式
– タンパク質の構造・活性保持
-新しいタンパク質修飾技術で
次世代のバイオ医薬品・診断薬・センサーの開発を目指します-
技術紹介
ポリエチレングリコール(PEG)
• 様々な化粧品・医薬品に使用
• 毒性が極めて低い
• タンパク質を固定化する際のスペーサー
認可されたPEG化医薬品
PEG化の問題点
-大幅な活性低下PEGASYS
(C型肝炎治療薬)
7%の活性しか残っていない
従来のタンパク質のPEG化技術
-アミノ基と活性エステルの反応-
中性付近の水溶液中で反応するため、様々な分野で用いられている
欠点
• タンパク質中のアミノ基の塩基性がアミドになる事で
変化する。
→タンパク質の構造変化・不活性化
• 2級アミンを有するヒスチジンとも反応する
→非特異性
目的
新しいタンパク質PEG化技術を開
発してPEG化タンパク質の高活性化
を達成する
-これまで医薬品にならなかったタンパク質
の製品化
-活性を保持したタンパク質を用いた診断薬
やセンサー開発
タンパク質の修飾において重要な事
• 水中での温和な条件下でアミノ基と
反応する官能基の開発
-混ぜるだけ-でPEG化タンパク質が
できる
新しいタンパク質修飾反応
O
O
O
O
O
O
HO
CH
n 3
CH
n 3
R NH2
O
R N
O
HO
メリット
• 温和な条件で反応が進む
• 1級アミンとのみ反応する
• 反応後もアミンであり塩基性を保持して
いる
O
O
nCH 3
CH
n 3
-例1Lysozyme
1.5
• サイズが小さい (14.4 kDa)
1
• 基質が大きい分子
0.5
→従来法では完全に活性が消失する
Abs
PEG-NHS(5K)
Native
0
0
95
190
Time (sec)
285
PEG化タンパク質の精製
SDS-PAGE
HPLC
kDa
Intensity (mAu)
120
50
37
100
80
PEG化 Lysozyme
Lysozyme
60
40
25
20
15
20
0
0
5
10
15
Retention time (min)
20
10
1
2
3
PEG化
Lysozyme
Lysozyme
従来法とは桁違いの活性を示す
25
20
(a) 活性エステルPEG
(b) 2アーム活性エステルPEG
(c) 開発したPEG
15
10
5
0
(a)
(b)
(c)
開発した
従来の PEG化技術
PEG化技術
例2
-タンパク質の構造、分子認識能
への影響-
-構造維持従来法
開発した手法
東北大学和田先生提供
-分子認識能の維持未修飾
従来法のPEG化
開発したPEG化
東北大学和田先生提供
想定される用途
• PEG化タンパク質医薬品開発
– 酵素
– サイトカイン
– ペプチド
– バイオベター・バイオシミラー
• 本技術はタンパク質の活性を保持したまま修
飾する事が可能であるため、センサー表面へ
の展開も可能である。
診断用途での展開
• ラテックス粒子
• センサーチップ(プロテインチップ)
固定化タンパク質の不活化
・感度低下
・S/N低下
活性を保持したまま固定化
・高感度
・高いS/N
ヘテロ二官能基性PEGの開発
• 高活性タンパク質を材料表面に固定化する
→バイオセンサー、診断薬等への展開
Protein
PEG
Surface,Protein, etc・・・
開発した新規ヘテロ二官能基性PEG
材料への固定化部位
タンパク質固定化部位
企業への期待
• 医薬品として開発を期待しているタンパク質
を保有している企業との共同研究
• タンパク質を用いたセンサー表面の修飾技術
開発を行っている企業との共同研究
• タンパク質を固定化したカラム等、タンパク質
修飾を行っている企業
本技術に関する知的財産権
• 出願番号
– 特願2012-156495
– PCT/JP2012/082333
– 特願2013-156668
• 出願人
:筑波大学
お問い合わせ先
筑波大学
技術移転マネージャー
山本
信行
TEL 029-853 - 5914
e-mail [email protected]