最近の都内経済状況

とみん経済レポート
平成 27 年 1 月 7 日
11
項 目
今後の見通し
(3ヵ月)
百 貨 店
売 上 高
人
スーパー
売 上 高
消
の
都
天気図
現在の景気動向
個
月
コンビニ
売上(関東)
費
乗 用 車
登録台数
住宅建設
公共投資
貿易
(東京税関管内)
設備投資
(法人企業)
企業収益
(法人企業)
労働需給
企業倒産
資金需要
(銀行)
工業生産指数(季調値)
( )は前年同月比%
内
経
コ
済
状
メ
ン
況
営業開発部
ト
11 月の都内の景気は緩やかに回復しているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動などから、弱い動
きも見られる。百貨店・スーパー・コンビニエンスストアの売上はいずれも前年を上回ったが、乗用車販売
は 8 ヵ月連続で減少した。住宅着工は 2 ヵ月ぶりに減少し、公共投資は 2 ヵ月ぶりに増加した。輸出は 5 ヵ
月連続で増加した。有効求人倍率は 4 ヵ月ぶりに前月から上昇した。工業生産(10 月)は前月から横這いで推
移した。26 年度下期の設備投資は、大企業を中心に増加を見込んでいる。
都内の景気は引き続き緩やかな回復が期待されるが、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の長期化
や新興国を中心とする海外経済の不確実性などが今後のリスク要因となっている。
百貨店売上高は、前年同月比 2.1%増と 5 ヵ月連続で前年を上回った (既存店ベース)。高めの気温を背景に
婦人コート等の冬物衣料は不振だったが、紳士服・子供服が前年を上回り、化粧品も免税制度改正の効果が加
わって順調に推移した。また、美術・宝飾・貴金属は消費税率引上げ後初めて前年を上回った。
スーパーの売上高は、前年同月比 2.8%増と 7 ヵ月連続で前年を上回り、増加幅も前月から 1.5 ポイント拡大
した(既存店ベース)。
関東地区のコンビニエンスストアの売上高は、前年同月比 4.9%増と 21 ヵ月連続で前年を上回った (全店ベ
ース)。既存店ベースの売上も、同 0.9%増と 11 ヵ月連続で前年を上回った。
乗用車販売台数(軽を含む)は、前年同月比▲10.1%と 4 月の増税以降 8 ヵ月連続で前年を下回り、下落幅も前
月から 3.7 ポイント拡大した。車種別でも、普通車(同▲8.5%)、小型車(同▲12.1%)、軽乗用車(同▲11.1%)
がいずれも前年を下回った。軽乗用車のマイナスは 3 か月ぶり。
住宅着工戸数は、前年同月比▲8.3%と 2 ヵ月ぶりに前年を下回った。利用関係別でも、持家(同▲29.8%)、分
譲一戸建て(同▲15.9%)、分譲マンション(同▲0.8%)、貸家(同▲14.0%)がいずれも減少した。
公共工事請負金額は、前年同月比 8.3%増と 2 ヵ月ぶりに前年を上回った。発注者別では、東京都(同▲11.8%)、
地方公社(同▲17.5%)は減少したが、国(同 304.4%増)、独立行政法人(同 43.8%増)、市区町村(同 62.8%増)が
増加した。
東京税関管内の輸出額は前年同月比 11.2%増と 5 ヵ月連続で前年を上回った。主要地域別でも、アメリカ向
け(同 18.6%増)、EU 向け(同 0.3%増)、中国向け(同 5.4%増)、アジア NIEs 向け(同 14.6%増)、ASEAN 向け(同
13.8%増)がいずれも増加した。
東京財務事務所「法人企業景気予測調査(10~12 月期調査)」によると、都内の法人企業(資本金 1 千万円以
上)の 26 年度下期の設備投資計画額は、全規模(前年同期比 14.1%増)
、大企業(同 15.7%%増)は増加見込
み、中堅企業(同▲13.2%)
、中小企業(同▲21.9%)は減少見込みとなっている。
同上調査によると、都内の法人企業 (同上)の 26 年度下期の経常損益は、全規模(前年同期比▲8.3%)
、大企
業(同▲8.5%)
、中堅企業(同▲4.5%)が減益見込み、中小企業(同 11.6%増)は増益見込みとなっている。
有効求人倍率(季調値)は 1.64 倍と、前月から 0.05 ポイント上昇した。有効求人倍率の上昇は 4 ヵ月ぶり。
先行指標とされる新規求人数は前年同月比▲2.9%と 57 ヵ月ぶりに前年を下回った。南関東の完全失業率は
3.3%で、3 ヵ月ぶりに前月から 0.2 ポイント低下した。
企業倒産件数は前年同月比▲21.1%と 2 ヵ月連続で減少したが、負債総額は同 42.1%増と 6 ヵ月ぶりに増加し
た。
1~11 月累計の倒産件数を業種別にみると、
全体が同▲16.1%で、
サービス業(同▲9.2%)、
卸売業(同▲9.2%)、
建設業(同▲22.3%)、
製造業(同▲30.3%)などが減少し、
運輸・郵便業(同 28.9%増)、
医療福祉・教育学習(同 20.0%
増)などが増加した。
銀行の都内向け貸出残高は前年同月比 3.7%増と 39 ヵ月連続で増加し、増加幅も前月から 0.4 ポイント拡大
した。増加幅の拡大は 4 ヵ月連続。
工業在庫指数(季調値)
( )は前年同月比%
消費者物価指数
(一口メモ)
2 年連続で増加した冬のボーナス
( )は前年同月比%
東京都が集計した都内民間 578 労組の 2014 年冬のボーナスの平均妥結
8 月 99.7 (▲3.6)
8 月 131.8 ( 1.7)
9 月 102.3 ( 2.8)
額は、
721,375 円で、
平均賃金の2.27カ月分、
前年と比べて金額で13,609
9 月 102.3 ( 2.0)
9 月 127.6 (▲2.6)
10 月 102.2( 2.5)
円、1.92%増加した。伸び率が最も高かった業種は鉄鋼業(同 25.98%)
10 月 102.3 (▲1.1)
10 月 137.6 ( 4.7)
11 月 101.8 ( 2.1)
で、低かった業種は宿泊業、飲食サービス業(同▲5.06%)であった。
*工業生産指数・在庫指数、消費者物価指数は2010 年平均=100。*工業生産指数・在庫指数の前年同月比は、原数値による。
表は、都内経済の最新のデータを集めた当行独自のものです。なお、お天気マークは当部の判断です。
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