第5回授業配布資料

2014 年度冬学期駒場初修スペイン語一列
第 5 回授業プリント(教員―藤田護)
駒場初修スペイン語一列 2014 年度冬学期第 5 回授業
―『Dímelo』第 9 課文法解説(前半)―
1.過去未来形
1.1 過去未来形の活用
(1)規則活用
過去未来形の活用は、-ar 動詞、-er 動詞、-ir 動詞ともに同じ活用をし、未来形と同
じ語根に-ía, -ías, -ía, -íamos, -íais, -ían という活用語尾を付ける。この活用語尾は-er 動
詞と-ir 動詞の線過去の活用語尾と同じである。
cantar「歌う」
cantaría
cantaríamos
cantar-ía
cantar-íamos
cantarías
cantaríais
cantar-ías
cantar-íais
cantaría
cantarían
cantar-ía
cantar-ían
comer「食べる、食事をする」
vivir「生きる、住む」
comería
comeríamos
viviría
viviríamos
comerías
comeríais
vivirías
viviríais
comería
comerían
viviría
vivirían
[練習]jugar「遊ぶ、
(ゲームや競技を)する」の過去未来形の活用を書いてみましょ
う。
escribir「書く」の過去未来形の活用を書いてみましょう。
(2)不規則活用
未来形で不規則な語根を取る動詞は過去未来形でも同様の語根となる。
haber, saber, poder, querer→最後の母音が脱落する
(1 人称単数)habría, sabría, podría, querría
poner, salir, venir, tener, valer→最後の母音が d で置き換わる
(1 人称単数)pondría, saldría, vendría, tendría, valdría
decir, hacer→語根が短縮される
(1 人称単数)diría, haría
[練習]poder「~できる」の過去未来形の活用を書いてみましょう。
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第 5 回授業プリント(教員―藤田護)
[練習]salir「外に出る」の過去未来形の活用を書いてみましょう。
[練習]decir「言う」の過去未来形の活用を書いてみましょう。
1.2
過去未来形の用法
過去未来形は、<過去の時点における未来形>のような働きをする。その意味で、現
在形に対する線過去形の位置づけに似ている。
(1)過去のことを推量する。
(1) Cuando llegué a casa, serían las dos de la tarde.(私が家に着いたときは午後の 2 時
だっただろう。)
(2) ¿Cuántos años tendrías cuando nos conocimos?(私たちが知り合ったとき、君は何
歳だったのだろうか?)
(2)過去から見た先のことを推量する。
(3) Yo te dije que a esta hora haría el trabajo.(私は君にこの時間にその仕事をやろうと
言った。)
(4) Pedro nos dijo que vendría pronto a recogernos.(ペドロはすぐに迎えに来ようと私
たちに言った。)
*過去の時点からすぐ先に確実に起きることであれば線過去形を用いることができる。
ただしこれは一回限りの動作を表す動詞に限る。
(5) Pedro nos dijo que venía pronto a recogernos.(ペドロはすぐに迎えに来ると私たち
に言った。)
cf. (6) Pedro nos dijo que vivía a gusto en Tokio.(ペドロは東京で楽しんで暮らしてい
ると私たちに言った。
(3)婉曲的に遠回しにすることで丁寧な言い方にする。
(7) Estás engordando. Deberías hacer más ejercicio.(君は太ってきているよ。もっと運
動をすべきじゃないかな。)
(8) Nos gustaría invitaros a cenar esta noche en casa.(今晩家で夕食を食べに私たちは
君たちを招きたいんだけど。)
(9) ¿Podrías ayudarme a llevar estos paquetes a correos?(これらの小包を郵便局に持っ
ていくのを(君は私を)手伝ってくれないかな?)
(4)仮定文の帰結節になる。この場合の仮定は現実とは違うことを仮に想定する。
(10) ¡Qué haría yo sin ti!(君なしでは私はどうするだろうか!)
(11) Yo, en tu lugar, lo aceptaría con mucho gusto.(私は、君の立場なら、それを喜ん
で受け入れるだろう。)
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*(3)の各文は「もし可能ならば」が裏に隠れていると思うと、(3)と(4)との
用法としての近さが分かりやすくなる。また(3)は<過去にすることで直接的な緊迫
感がなくなり穏やかな言い方になる>というもので、線過去にもこの用法がある。
(13) Venía a pedirle un favor.(私はあなたにお願いがあって来ました。)
*仮定文の<仮定>「もし~」にあたる部分を節(文)で書くと、その動詞は接続法過
去を用いることになる(第 12 課)
2.過去未来完了形
2.1 過去未来完了形の活用
<haber の過去未来形+過去分詞>で作る。
hablar「話す」
habría hablado
habríamos hablado
habrías hablado
habríais hablado
habría hablado
habrían hablado
[練習]hacer「する、作る」で過去未来完了形の活用表を作ってみましょう。
2.2 過去未来完了形の用法
過去未来完了形は<過去の時点での未来完了形>のような働きをし、過去の一時点に
完了していることを推量したり、過去の一時点から見て後に完了することを推量すると
きに使われる。
(1)過去の時点で完了していることを推量する。
(14) A su llegada al aeropuerto, el avión para Moscú ya habría salido.
(彼が空港に着いたときには、モスクワ行きの飛行機はもう出てしまっていただろう。)
(2)過去の時点から見て後に完了することをを示す
(15) Ana dijo que antes del fin de mes habría leído la novela.
(アナは月末より前には小説を読み終わっているだろうと言った。)
(16) ¡Tú me dijiste que a esta hora ya habrías hecho la maleta!
(この時間にはもうスーツケースを詰め終えているだろうと君は私に言ったじゃない
か!)
(3)仮定文の帰結節になる。この場合の仮定とは、過去に実現しなかったことを(多
くは後悔とともに)想定する。
(17) Yo, en tu lugar, habría reservado el hotel.(私は君の立場だったらホテルを予約した
だろうと思うよ。)
(18) Ayudándome él, habría reservado la mesa antes.(彼が私を手伝ってくれていたな
らば、私は前もってテーブルを予約しておいただろうに。)
*仮定文の<仮定>「もし~」にあたる部分を節(文)で書くと、その動詞は接続法過
去完了を用いることになる(第 12 課)。
(おわり)
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3.追加の練習問題
(出典: Ejercicios de gramática española por niveles(朝日出版)(一部改変))
1.
[過去未来]以下の空欄内の動詞を過去未来形に活用させて、文全体を日本語に訳
しなさい。指定がある場合はその人称と数で活用させること。
(1) Pensábamos que el concierto (empezar
) a las siete.
(2) Les prometí que (llevar
(3) (preferir
) un regalo a cada uno. [yo]
) no hablar con él ahora. [yo]
(4) Carlos no contestó la llamada. ¿Dónde (estar
)?
(5) Nadie (decir
) una cosa así.
(6) No (saber
) qué deciros. [yo]
2.
[過去未来完了]次の空欄内の動詞を過去未来完了に活用させて、文全体を日本語
に訳しなさい。
(1) Mi hija me prometió que (hacer
)
los
deberes antes de la cena.
(2) Él (quitarse
) el abrigo antes. Cuando entró, no
lo llevaba.
(3) Victoria ya sabía la noticia. ¿Quién se la (decir
)?
(おわり)
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