南相馬市地域福祉計画(素案) [522KB pdfファイル]

南相馬市
地域福祉計画(素案)
平成27年1月
南 相 馬 市
目
第1章
次
市民の地域福祉をとりまく現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅰ.福祉のまちづくりの現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ.地域福祉を支える基盤の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅲ.暮らしや生活支援の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第2章
計画の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅰ.計画の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅱ.計画の理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
Ⅲ.計画の基本目標及び基本施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
Ⅳ.計画の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
Ⅴ.課題解決のためのそれぞれの役割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
第3章
計画の重点施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
Ⅰ.市民の相互協力による福祉のまちづくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・8
Ⅰ-1.地域での支えあい・ふれあい活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
Ⅰ-2.地域の見守り活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
Ⅰ-3.災害時における市民相互支援ネットワークの構築・・・・・・・・・・・・・・11
Ⅱ.地域福祉を支える基盤の確立・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
Ⅱ-1.社会福祉協議会や地域組織、事業者などとの連携・・・・・・・・・・・・・・12
Ⅱ-2.福祉ボランティアの充実、NPO活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・14
Ⅱ-3.支えあい・助け合う福祉意識を育む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
Ⅲ.安心して暮らすための生活支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
Ⅲ-1.総合的な相談体制の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
Ⅲ-2.人権尊重の社会づくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
Ⅲ-3.人にやさしいまちづくりの推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
Ⅲ-4.生活支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
Ⅲ-5.被災者への支援の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
地域福祉とは
個人が人としての尊厳をもって家庭や地域の中で障がいの有無や年齢に関わらずその人らしい
生活が送れるよう、地域住民がお互いに支えあっていくことです。
この「地域福祉」を充実させていくには、地域住民がさまざまな生活上の課題に目を向けてその
課題の克服について一緒に考えたり、お互いの顔が見えるような関係づくりをしていくことが必要
です。そしてこの生活上の課題は特定の人々だけの問題ではなく、自分の問題でもあることと、自
らもサービスの受け手であり、担い手でもあるということを意識し、住民が手を携えて共に生きる
まちづくりの精神を育てていくことが大切になってきます。
地域福祉計画とは
「地域福祉計画」とは、近年の少子高齢化や家族、地域との関係が変化している中で、生活の拠
点である地域に根ざし、お互いを思いやり、助け合い、その人らしく自立した生活が送れるような
しくみをつくるための「地域のつながり」「人と人のつながり」を大切にする計画です。
平成12年6月に社会福祉事業法が社会福祉法に改正され、平成15年4月から地域での福祉サ
ービス利用促進・住民の福祉活動参加促進など地域福祉計画に関することが施行されました。
これまでの行政から住民への一方的な福祉のあり方ではなく、地域住民が協力して助け合い、地
域のいろいろな課題への参加と、行政・地域福祉を担う事業者の協働により計画に取り組んでいく
ということが求められています。市民一人ひとりの力がとても必要となります。
地域福祉取り組みのイメージ
第1章
市民の地域福祉をとりまく現状と課題
Ⅰ.福祉のまちづくりの現状と課題
地域福祉コミュニティを取り巻く社会環境は、地域における人と人との交流の減少や近所
づきあいの煩わしさ、隣組への未加入、個人情報保護やプライバシーの意識の高まり、更に
は災害及び原発事故による多くの市民の避難などから、地域での支えあい・助け合いの機能
が弱まってきています。
このため、地域住民が安全・安心に生活を送ることができる社会を実現するには、高齢者
や障がい者、妊娠・子育て中の方など多様な人々が共に生活でき、様々な立場の市民誰もが
尊重され、人と人との相互理解を深め、身近な場面において顔の見える社会的な繋がりをも
った福祉のまちづくりを進めることが必要です。
また、先の東日本大震災を教訓とし地震をはじめとする自然災害における要配慮者への避
難支援については、要配慮者に関する情報を平常時から収集し、安全・安心に暮らすことが
できるように災害時などの支援体制ネットワークや安心して避難できる福祉避難所の整備
が急務です。
このため、在宅での一人暮らし高齢者や障がい者などの個人情報保護による守秘義務の確
保など必要な措置を行いながら、要配慮者マップ情報の作成や避難誘導に関する避難支援プ
ランの策定などを行い、消防署、消防団、行政区長、民生委員児童委員や自主防災組織など
と協力し合う避難支援体制の整備が必要です。
【地域づくりに力を入れるべき事項】
全体 (N=1,635)
0
20
40
市政情報や市民活動に役立つ情報の提供
60
80
100
(%)
43.7
震災前のコミュニティを再生するまちづくり
36.6
コミュニティづくりのための各種イベントの
開催
31.9
拠点となる集会所や会議・研修などに利用で
きる場所の整備
31.7
市民活動をしている団体やグループへ資金や
交流の場などの支援
24.5
組織づくりや運営についての相談窓口の整備
13.8
特にない
12.7
1.8
その他
8.4
無回答
出典:南相馬市まちづくり基礎調査(20014.3 月)
1
Ⅱ.地域福祉を支える基盤の現状と課題
地域福祉を推進する上では、行政の施策だけで全面的に支えあう基盤づくりには自ずと限りがあ
ります。そのため、社会福祉協議会による福祉活動や民生委員児童委員、ボランティア、NPOな
どとの連携・協働による地域福祉活動の仕組みづくりが重要です。
また、地域福祉の充実には、ボランティアの存在を欠かすことはできません。そのため、地域福
祉活動の担い手の養成や次世代を担う小・中学生、高校生などに対する活動への参加の呼びかけ、
が大切であり、また、その育成支援が必要です。
そして、地域における繋がりや絆が希薄になりつつある今日の社会環境を踏まえ、地域という切
り口を単位とした一人暮らし高齢者や障がい者への声かけ・見守り活動や子育て家庭への支援の取
り組みなど、日常的な活動を実践する方策として、「自助」「共助」「公助」の理念を基本にした福
祉のまちづくりを進めるためにも、子どもから高齢者まで一貫した地域福祉を支える基盤の確立が
求められています。
【南相馬市を良くする活動を行いたいか】
○ 高校生
○ 中学生
出典:南相馬市まちづくり基礎調査(2014.3 月)
2
Ⅲ.暮らしや生活支援の現状と課題
社会福祉サービスによる体系は、措置制度からサービス提供者と利用者の対等関係による
契約制度へとなっています。利用者のニーズに応じた福祉サービスを提供するためにも、情
報提供は大切なものであり、利用者の立場で、より解かりやすい情報提供や相談体制の充実
が求められています。
また、高齢者、障がい者、幼い子どもに関わらず、人を思いやり支えあう共生社会への理
解を深め、ともに生きともに築くユニバーサルデザインの推進が今後のまちづくりにおいて
は重要です。市民誰もが地域で快適に安心して生活でき、そして生きがいをもった暮らしを
実現するためには、障がいのある人もない人も、子どもから高齢者まで誰もが自由に移動で
き、積極的に社会参加できる環境が必要です。
更には、生活保護は最後のセ-フティネットとしての役割を果たし、本市においてもここ
数年、生活保護世帯が増加傾向にあり、病気、失業、離婚、多重債務など複合的なリスクに
よって標準的なライフサイクルとかけ離れた問題が発生し、所得保障だけでなく、就労支援、
地域生活支援など生活保護受給者の自立に向けたサポ-トが必要です。
これらに加え、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故では多くの市民が住
み慣れた我が家からの避難を余儀なくされ、これまでの生活基盤とは一変した環境において
生活を強いられているため、一日も早く安全で安心できる生活環境に戻れるよう生活基盤の
再建に向けた支援が必要です。
【今後の居住意向】
県内の南相馬市以外の場所で暮らしたい
県外・海外で暮らしたい
現在や震災前と異なるが市内で暮らしたい
その他
震災前と同じ地域で暮らしたい
市内で現在と同じ地域に暮らしたい
わからない 無回答
47.0
18.2
5.6
9.2
5.1
(%)
(N=1,635)
10.6
1.6
2.7
生活再建
出典:南相馬市まちづくり基礎調査(2014.3 月)
3
第2章
計画の基本的な考え方
Ⅰ.計画の趣旨
少子・高齢化の進行や家庭機能の変化など社会環境の多様化・複雑化に加え、災害によりもた
らされた生活環境の変化などから、これまで培われてきた伝統的な家庭や地域での相互扶助機能
が大きく変動し、地域住民の身近な交流やコミュニケーションなど相互の繫がりが希薄化してい
ます。
このような状況のもと、一人ひとりが人としての尊厳を持ち、生活の拠点である地域の中で、
安心してその人らしい生活が送れる地域社会を基盤とした地域福祉の推進が必要です。
そのためには、地域の中で元気に生活している人、一人暮らしの高齢者、障がいのある人、子
育てをしている人など、誰もが地域でかかわりを持ちながら支えあって暮らせるように、健康・
福祉に関する課題を取り上げ、地域住民、民生委員児童委員、社会福祉協議会、ボランティアや
NPOなどの民間団体などが、それぞれの地域で、それぞれの役割を果たし、サービスの担い手
として積極的に参加する支えあいの地域福祉づくりを推進することが大切です。
このような地域社会を築いていくには、地域社会を構成している市民や活動団体などが互いの
長所を活かし、ともに助け合う地域社会を構築することにより、より住みやすく、暮らしやすい
福祉の地域力を高めるため、社会福祉法第107条で規定する市町村地域福祉計画として、健康
福祉部における各計画を横断する計画に位置付け、地域における愛を基礎として、「助け合い、
支え合いの福祉のまちづくり」に向け、本市の地域福祉施策の充実・向上に資することを目的に
策定します。
Ⅱ.計画の理念
現在、様々な要因から地域における「人と人との繋がり」とういう昔から培われてきた良き習
慣が薄れかけています。この繋がりを取り戻すためには改めてそこに住む人たちが地域を愛し、
住民同士が愛を持って助け合い、支え合うことが必要であると考えます。
本計画は、地域における愛を基礎として地域福祉の実現を目指すことから、計画の理念を
健康で安心して暮らすことができるまち南相馬
~ 地 域 で 生 活 す る 人 々 の 助 け 愛 、 支 え 愛 ~
とします。
4
Ⅲ.計画の基本目標及び基本施策
これからの地域福祉を推進するには、新たな支え合い助け合いを求めて、誰もが安心して
住み続けるため、日常的な地域での支え合いによる福祉のまちづくりが必要です。
そのためには、地域における支え合いによる「共助」を目指し、地域住民主体による活動
の連携・協働を図りながら、活動の輪を広げ地域住民が主体となった、一人暮らし高齢者や
障がい者の見守り、子育て家庭への支援、要配慮者に対する災害時の対応など、支援が必要
な場合、地域に住む人が互いに思いやりをもって主体的に活動する仕組みづくりが必要です。
同時に地域住民が互いに助け合い支え合う活動を基礎に、社会福祉協議会をはじめ、民生
委員児童委員やボランティア団体などとの連携による地域活動を活発化させ、地域に根ざし
たボランティア活動の拠点づくりも視野に入れ、互いに助け合う福祉意識を育みながら、み
んなが結び合うまちづくりを進めます。
このことから、子どもから高齢者に至るまで、障がいの有無や性別に関わりなく誰もが人
権を尊重され、「市民の相互協力による福祉のまちづくりの推進」や「地域福祉を支える基
盤の確立」及び「安心して暮らすための生活支援の充実」を基本施策として掲げ、本計画の
基本理念である「健康で安心して暮らすことができるまち南相馬~地域で生活する人々の助
け愛、支え愛」の実現を目指します。
【
基本目標 】
地域の力を活かした地域福祉活動の活性化を推進します。
基本目標の実現に向け、南相馬市復興総合計画の基本指針である「福祉の充実」を図るため、
次の 3 つを基本施策として、地域福祉を推進していきます。
Ⅰ.市民の相互協力による福祉のまちづくりの推進
Ⅱ.地域福祉を支える基盤の確立
Ⅲ.安心して暮らすための生活支援の充実
5
Ⅳ.計画の体系
基本理念
基本施策
基本目標
地域の力を活かした地域福祉活動の活性化を推進します
~ 地 域 で 生 活 す る 人 々 の 助 け 愛、支 え 愛 ~
健康で安心して暮らすことができるまち南相馬
Ⅰ.
市民の相互協力によ
る福祉のまちづくり
の推進
施策の方向
Ⅰ-1.地域での支えあい・
ふれあい活動の推進
Ⅰ-2.地域の見守り活動の推進
Ⅰ-3.災害時における
市民相互支援ネットワーク
の構築
Ⅱ.
地域福祉を支える基
盤の確立
Ⅱ-1.社会福祉協議会や地域組織、
事業者などとの連携
Ⅱ-2.福祉ボランティアの充実・
NPO活動の推進
Ⅱ-3.支えあい・助け合う福祉意
識を育む
Ⅲ.
安心して暮らすため
の生活支援の充実
Ⅲ-1.総合的な相談体制の充実
Ⅲ-2.人権尊重の社会づくりの推進
Ⅲ-3.ひとにやさしいまちづくりの
推進
Ⅲ-4.生活支援の充実
Ⅲ-5.被災者への支援の充実
6
Ⅴ.課題解決のためのそれぞれの役割
福祉のまちづくりを実現するには、地域を構成するそれぞれが互いの得意な分野に関して、
主体的に役割を果たすことが求められています。
基本目標を支える施策の方向ごとに、自主・自立を意識しながら「市民の役割(自助)」、
「地域の役割(共助)
」、
「市の役割(公助)」として、補完性の原則※に基づき、それぞれの
役割分担を基本として第一義的に責任を持つべき主体を確認することにより、自助は市民
(家庭)自らが、共助は各地区まちづくり委員会、行政区、地域内事業所などが、公助は市が
主となり、それぞれ推進を図ります。
◆ 市民の役割(自助)◆
地域の課題解決のため、市民の自主・自立による役割を各施策の方向ごとに整理し
ています。
● 地域の役割(共助)●
地域の課題解決のため、地域の支えあい・助け合いによる役割を各施策の方向ごと
に整理しています。
■ 市の役割(公助)■
地域の課題解決のため、補完性の原則に基づき、各施策の方向ごとに整理していま
す。
※
住民自身や地域の小さな単位で出来ることは自助・共助に任せ、解決不可能、非効率的であるものは
公的機関の単位で行うという考え方。
7
第3章
計画の重点施策
Ⅰ.市民の相互協力による福祉のまちづくりの推進
地域における福祉活動を担う中心は、地域に住む市民のみなさんですが近年の核家族化や
都市化はもとより、災害による生活環境の変化に伴い、地域において互いに助け合うという
社会的風土が薄れてきています。さらには、単身高齢者や高齢者世帯が年々増加しているな
ど地域福祉の重要性は以前より増しています。
このようなことから、高齢者、障がい者、子育て家庭など、支援が必要な方々に対して、
みんなが関心を持ち、地域でお互いに助け合う福祉のまちづくりが求められています。
《施策の方向》
Ⅰ-1.地域での支えあい・ふれあい活動の推進
現在、「ふれあい」、「コミュニケーション」、「交流」といった人が生活するうえで大切に
しなければならないものが、薄れつつあります。
「人と人とが挨拶を交わす」ということは、これら薄れつつあるものを取り戻すための一
歩であり、また、この一歩が地域福祉の原点である「地域における支えあい活動」に繋がる
ものであり、市民みんなが周囲に関心を持ち、助けが必要な人に手を差しのべる地域社会づ
くりが求められています。
地域福祉を支える基盤である、行政区長、民生委員児童委員、社会福祉協議会、福祉ボラ
ンティア、NPO、事業者など、地域活動の主体間の連携を強め、地域住民が相互に協力で
きる仕組みづくりに努めていきます。
(1)住民相互の支えあい活動への支援
地域住民同士が交流し関わりあう機会をつくり、相互に支えあう福祉意識の醸成を図
ります。
(2)地域活動主体の連携強化
行政区長や民生委員児童委員などの地域の代表者やボランティア、NPOなどの団体
や事業者など、地域で活動する人々の連携を図り、協力体制の構築に努めます。
(3)新たな地域コミュニティ構築への支援
避難指示区域の解除や災害公営住宅の建築を踏まえ、新たな生活環境において地域住
民が助け合い、支えあいながら生活できるよう、新たな地域コミュニティの構築に努め
ます。
8
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
○
○
「挨拶」という言葉・行動の意味を今一度見つめ直し実践する。
市民による自主活動の会合などに積極的に参加する。
地域活動(例:地区運動会やミニサロンの開催、三世代交流など)に参加する。
保護者でなくても地域の学校行事などには関心を持つ。
● 地域の役割(共助)●
○
交流会(例:夏まつり、文化祭など)の開催を積極的に呼びかける。公会堂や空き家
などを利用した催しなどにより交流を図る。
○ 行政区長、民生委員児童委員、職場の仲間や友人などと互いに連携し交流の場をつく
り福祉意識の高揚を図る。
○ 高齢者にサークル活動への参加を呼びかける。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
地域住民が気軽に集まれる場所の確保に向けた支援をする。
行政区の見直しを行い、新たなコミュニティの構築を支援する。
地域の交流事業への助成や交流する場の確保を支援する。
9
Ⅰ-2.地域の見守り活動の推進
かつての向う三軒両隣といった地域共同体が機能していた頃には、近所のことは特に意識
せずとも自然に互いの状況を知り、付き合うことができていましたが、今日のプライバシー
重視の社会的風潮の下では、地域住民一人ひとりが、意識的に一人暮らしの高齢者や障がい
者への日常の見守りや児童及び高齢者への虐待の早期発見などに気を配ることが必要です。
このため、地域住民や隣組が地域内の状況に関心を払い、民生委員児童委員、ボランティ
ア、老人クラブ等の関係機関などとの相互連携により、地域の見守り活動を実施するなどし
安心して暮らすことができるまちづくりを推進していきます。
(1)隣組による地域組織活動の推進
地域を構成する最も身近な存在である隣組の加入促進を図り日常的な声かけ、手助け
により、地域における見守り活動を推進します。
(2)関係機関と行政との連携
老人クラブ、PTAといった地域の関係機関と行政が連携を図ることにより、地域に
おいて支援を要する人の早期発見に努めます。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
○
○
隣組に加入し、公共的な事柄への協力関係を保持する。
自分の周囲に虐待や援護が必要な人がいないか気配りする。
高齢者は積極的に老人クラブや地区行事に参加する。
子どもを見かけたら声をかけ、挨拶を交わしたり危険なことに注意するよう呼びかけ
る。
● 地域の役割(共助)●
○
○
○
○
○
○
○
地域での民生委員児童委員などの役割を周知する。
老人クラブ、PTA、婦人会、子ども会などの組織が主体的に交流会を行う。
地域で虐待や援護が必要な人がいないか注意する。
一人暮らし、ひきこもりの高齢者や障がい者へ気を配る。
地域内で、高齢者・障がい者への見守り強化を行う。
子どもたちの登下校時には通学路に立ち見守りをする。
日常生活の中で変化を見逃さないよう気配りを行う。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
○
○
転入手続きなどをする際、隣組加入をすすめるパンフレットなどを配布する。
市の広報紙等は隣組を活用して住民に配布する。
民生委員児童委員の配置基準を見直し、適正な配置をする。
民間事業者と協定を結び、地域以外からも高齢者・障がい者への見守りをする。
地域内での見守り活動を支援する。
10
Ⅰ-3.災害時における市民相互支援ネットワ-クの構築
災害が発生したとき、最初に援護が必要な障がい者や高齢者などの要配慮者に対して、地
域住民による自主防災組織を核とした市民相互支援ネットワ-クを構築します。
また、どのような支援が必要とされているのかを把握し、情報連絡体制の充実強化を図る
とともに、福祉避難所の充実を図り、災害時に要配慮者が安心して避難できる体制整備を図
ります。
(1)講習会等の実施
地域を単位として自主的に日頃から避難経路や避難場所を確認していただくなど、防
災に関する意識啓発のため、地域における防災に関する講習会の実施や様々なケースの
災害を想定した避難訓練を実施するなど、地域住民間のネットワークづくりをします。
(2)災害時支援体制の構築
災害時における安否確認のための名簿整備や避難誘導体制の確立など、地域の住民組
織と連携した要配慮者のための支援体制の整備に努めます。
(3)福祉避難所の充実
市内の福祉施設と連携し福祉避難所を設置するなど、災害時において要配慮者が安心
して避難できる環境の整備に努めます。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
周囲に災害時に援護を必要とする人がいないか注意する。
災害時は誰もが被災者になり得ることを想定し、災害時の避難経路等を日頃から把握
しておく。
● 地域の役割(共助)●
○
地域に災害時に援護を必要とする人がいないか注意する。
自主的な防災組織をつくり要配慮者の把握に努める。
災害発生時でも安全で安心に住み続けられるよう住民同士が事前の準備を協力して
行う。(マップの作成)
。
災害時の避難経路等(集合場所、避難方法)の情報を共有する。
○
災害時に備え、要配慮者を含めた避難訓練等を地域全体で行う。
○
○
○
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
要配慮者の情報を把握する。
福祉避難所の指定を行い、要配慮者が安心できる避難所の運営を行う。
地域・事業所と協力し、要配慮者の避難・受入れ等の訓練を行う。
11
Ⅱ
地域福祉を支える基盤の確立
市民が地域の中で安心して暮らしていくためには、地域での福祉を支える組織や人材の確
保が必要です。住民、社会福祉協議会、ボランティア、NPOなどの福祉関係機関が行政と
協力して、地域福祉の推進に取り組んでいく意識を育むことが大切です。
市民誰もが地域の一員として「ともに支え合い・助け合い」「ともに歩む」福祉意識を持
ち、人材の育成や組織の連携、既存の施設を活動の拠点とすることなどを通じて、一人ひと
りの地域福祉を支える基盤づくりを推進します。
《施策の方向》
Ⅱ-1.社会福祉協議会や地域組織、事業者などとの連携
社会福祉協議会は、地域に密着しながら地域福祉を推進する公益団体として中心的な役割
を担い、社会福祉関係者のほか、保健、医療、教育などの関係機関の参加・協力のもと、各
種福祉サービスや相談活動、ボランティアや市民の活動支援などの地域福祉活動に取り組ん
でいます。今後、行政との連携を一層強化し、福祉活動の充実を図ります。
(1)社会福祉協議会の活動内容の周知
社会福祉協議会は行政とは別に独立した組織であることを周知しながら、会員の拡大
を図り、社会福祉協議会への理解と支援の促進に努めます。
また、同協議会の各事業を掲載した機関紙について多くの市民に読んでいただき、事
業への理解を深めていただくよう広報の充実についても努めます。
(2)社会福祉協議会の機能強化
社会福祉協議会においては、研修などによる職員の資質向上や、市民ニーズに合致す
るよう各事業内容の見直しを行い、地域福祉を支えていくための機能強化に向け取り組
んでいきます。また、社会福祉協議会が行う事業を通じて、ボランティア団体や老人会、
PTAといった各地域における組織や団体との連携を図り、地域福祉活動の推進を図る
とともに、地域福祉を支える人材の育成を行います。
12
◆ 市民の役割(自助)◆
○
機関紙等により社会福祉協議会の意義や活動内容を理解する。
● 地域の役割(共助)●
○
○
○
各事業をとおして市民とのつながりを強めていく。
社会福祉協議会の活動の充実を図り、職員の研修等で専門性を高める。
各地域における組織や団体が社会福祉協議会と連携を図り、地域福祉活動の推進と地
域福祉を支える人材の育成を行う。
■ 市の役割(公助)■
○
社会福祉協議会との連携により福祉活動の充実を図る。
13
Ⅱ-2.福祉ボランティアの充実、NPO活動の推進
大規模災害を経験し、今後、地域においてますます複雑・多様化していくとみられる様々
な課題に対処するためには、行政など公的機関の活動だけでは限界があることから、豊富な
経験を持つ団塊の世代など地域福祉活動を担う市民の力が必要不可欠であるとともに、将来
の地域福祉活動を担う子供たちへのボランティア活動の推進も必要となってきます。
ボランティアやNPOは、行政の手の届かないきめ細やかな活動や、地域福祉活動の主要
な担い手としての役割も期待されていることから、子供たちから大人に至るまで多くの市民
のボランティア活動への参加促進やNPOなどの市民活動の支援を推進していきます。
(1)各種団体への支援
老人クラブや市民団体など地域の社会資源である各団体と行政とのネットワークを構
築し、支援体制の充実に努めます。
(2)活動参加の呼びかけ
元気な高齢者の社会貢献や福祉ボランティア活動への参加を促すため、活動情報を提
供するなど参加しやすい体制づくりを推進します。
(3)地域福祉の将来の担い手による活動
地域福祉活動の将来の担い手となる児童・生徒がボランティア活動を主体的に実施で
きる体制づくりを推進します。
(4)
外部ボランティア・NPOの活用
市内のボランティア・NPOが有する知識と経験の活用はもとより、市外のボラン
ティア・NPOと地域の方々との連携づくりも推進します。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
多様なボランティア活動を受け入れるようにする。
市民の誰もが積極的にボランティアに参加する。
● 地域の役割(共助)●
○
○
○
○
地域でボランティアの仲間づくりをする。
子どもや高齢者が参加できるボランティア活動を行う。
子どもたちのボランティア活動の受入れを行う。
市内外からのボランティア・NPOの受入れを行う。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
○
ボランティア活動を行いたい、あるいは、ボランティア団体を設立したい個人又は団体に対し、
社会福祉協議会と連携して情報提供を行う。
社会福祉協議会、教育委員会と連携し、子どもたちのボランティア活動の支援を行う。
ボランティアやNPOの活動内容について、市民に具体的に広報する。
社会福祉協議会と連携し、地域住民とボランティア・NPOとの結びつけを行う。
14
Ⅱ-3.支えあい・助け合う福祉意識を育む
誰でもひとりきりで生きていくことはできず、社会の中でそれぞれが互いに支え合いながら生
活しています。
市民それぞれが地域で安心して暮らすためには、地域に住む人たちが地域への愛着心を持つと
いった意識づくりが必要であり、この一人ひとりの愛着心が地域における支え合いといった意識
を育むことへとながります。
また、地域での高齢者と子どもたちとの世代間交流や子育て支援、障がい者の社会参加などを
進めることにより、支え合い、助け合うといった福祉意識を育んでいきます。
(1)地域への愛着心の醸成
地域において希薄化する人と人のつながりや支え合いといったものを取り戻すために地
域のへの愛着心の醸成に努めます。
(2)交流の促進
高齢者、障がい者、子どもなどが触れ合える機会の拡充を図り、互いに交流できる環境づ
くりを推進します。
(3)地域における活動の紹介
各地域における事業や活動する人・団体を広く周知することで、それぞれの地域における
福祉活動の活性化を推進します。
(4)福祉教育の充実
学校教育機関と連携し、小・中学校等における福祉教育を充実させ、高齢者や障がい者な
どへの理解の促進を図ります。
◆ 市民の役割(自助)◆
○ 自分が住む地域について今後「どうすべきか」、
「どうあるべきか」見つめ直す。
○
○
○
障がい児の親の悩みを解決するため、
「手をつなぐ親の会」の組織と連携する。
障がい者とふれあう機会をつくる。
子育てなどの悩みは、一人で悩まず、関係機関や団体などへ積極的に相談する。
● 地域の役割(共助)●
○
○
○
○
○
○
今ある地域を見つめ、今後「あるべき地域の姿」について見つめ直す。
障がい者施設へのボランティア活動の実施や地域のイベントでの交流をすすめる。
障がい福祉サービス事業所などと交流する機会を多くする。
夏休みなどに、高齢者と子どもがラジオ体操を一緒に実施するなど「できる交流」から始める。
他の地域での事業・活動・交流をもとに地域内での交流する機会を設ける。
地域でイベントを行う際、障がい者に積極的に参加を呼びかける。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
○
関係機関、団体と連携し、支え合い・助け合う福祉意識を育むことの普及啓発をする。
子育てに関する相談機関・団体などの情報を提供する。
各地域における事業・活動などを市の広報紙やホームページ、「みなみそうまチャンネル」な
どで紹介する。
地域の再生に向けた必要とされる支援を行う。
15
Ⅲ
安心して暮らすための生活支援の充実
高齢者、障がい者、子育て家庭など、市内に住むすべての人々が今住んでいる地域で安心
して暮らしていける環境が必要です。このため地域医療体制や保健サービスの充実を図ると
ともに地域の人たちが相談できる体制づくりなども大切です。
また、介護が必要な高齢者や障がい者、介護している家族への支援など、助けを必要とし
ている人たちに対して、総合的な福祉サービスを提供する環境づくりが求められています。
《施策の方向》
Ⅲ-1.総合的な相談体制の充実
地域福祉の一層の進展のためには、必要とする情報にアクセスできる環境づくりと必要な
時にすぐにサービスを利用できるシステムづくりが重要となります。
行政や社会福祉協議会などの様々な各種関係機関との連携により、相談窓口の充実とネッ
トワ-ク化による相談体制の充実を図り、必要とするサービスや情報にすぐにたどりつくこ
とができる環境づくりを進めていくとともに、各種サービスを一体的に提供できるシステム
の構築に努めます。
(1)相談機能の整備
地域で安心して生活できる環境づくりの一つとして、社会福祉協議会をはじめとする
関係機関と連携し、相談窓口の充実と相談体制のネットワーク化の充実に努めます。
(2)地域包括ケアシステムの構築
市民の日常生活を総合的に支援するための保健、医療、介護、福祉、住まいの連携を
推進し、地域包括ケアシステムの構築に努めます。
(3)広報体制の充実
利用者の立場で、より分かりやすく、より役に立つよう各種情報を市の広報紙やホー
ムページ、みなみそうチャンネルに掲載するなど広報体制をより充実させます。
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◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
市の広報紙やホームページ、みなみそうまチャンネルなどから情報収集を行う。
生活において悩みがある場合は積極的に相談する。
● 地域の役割(共助)●
○
地域における高齢者、障がい者、子育て者で相談や支援を必要とする場合には相談窓
口を利用するように促す。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
○
相談窓口機能の強化、地域包括支援センターなどの関係機関との連携、支援サービス
の充実を図る。
関係各課及び関係団体と連携し、地域包括ケアシステムの構築を図る。
広報紙・ホームページ・
「みなみそうまチャンネル」などで市民へ周知する。
高齢者、障がい者、子育て者のために、相談窓口や利用可能なサービスが記載された
冊子(ハンドブック等)をつくる。
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Ⅲ-2.人権尊重の社会づくりの推進
一人ひとりの人権が尊重され、誰もが幸福を追求できる社会を実現していくためには、自
分の権利のみならず、他人の権利についても理解し認め合い、相互に尊重することが大切で
す。
人権尊重についての周知に努め、成年後見制度普及啓発の充実や、地域福祉権利擁護事業
の効果的な活用に努め、人と人が支えあう人権尊重の社会づくりを推進します。
(1)成年後見制度の周知・利用の推進
認知症や知的障害により判断能力が低下した高齢者や障がい者の権利を擁護し、財産
などを保護するため成年後見制度の周知や利用促進を図ります。
(2)虐待防止のネットワーク整備
高齢者や子どもたちなど、弱い立場にある人たちへの虐待に関する情報や配偶者やパ
ートナーへの身体的・精神的暴力に関する情報の一元化を図り、保護するネットワーク
を整備します。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
○
○
○
後見人を明らかにしておく。
成年後見制度を利用する。
高齢者や子どもなどの立場の弱い人を大切にする。
困ったときは我慢しないで周りの人々などに助けを求める。
自らも市民後見人としての登録を行う。
● 地域の役割(共助)●
○
○
成年後見制度を必要とする人がいないか気配りをする。
周囲に虐待・DVなどがないか気配りする。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
社会福祉協議会と連携し、市民成年後見人制度の周知や研修会の開催などを行い、後
見人となる人材の育成に努める。
虐待やDVについて相談できる窓口の周知を図る。
虐待・DV防止のネットワークを構築する。
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Ⅲ-3.人にやさしいまちづくりの推進
誰もが住みよいまちづくりの観点から、年齢や障がいの有無に関わらず、みんなが住みや
すいまちづくりを推進することは、愛郷心を育むとともに、地域における福祉の推進にも資
することになります。
市民誰もが住んでみたい、住んで良かったと言われるまちの実現に向け、ユニバ-サルデ
ザインなどの考え方に基づき快適に生活できるまちづくりの推進に努めます。
(1)ユニバーサルデザインの推進
ユニバーサルデザインの考え方を事業者だけでなく、多くの市民が理解し協働して推
進できるように啓発活動を行います。
(2)バリアフリーの推進
建設担当部所と連携し、歩きやすい歩道の整備や解かりやすい案内板の設置など、人
にやさしいバリアフリーのまちづくりを推進します。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
○
ユニバーサルデザインの理念を理解する。
歩行するうえで周囲に障害となるものがないか注意する。
● 地域の役割(共助)●
○
○
地域住民が協力し、地域内にある障害物の状況を確認する。
歩道上の障害物を撤去する。
■ 市の役割(公助)■
○
○
。
ユニバーサルデザインの意識啓発を進める。
歩道の段差解消や点字ブロックなどの環境整備を進める。
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Ⅲ-4.生活支援の充実
市民生活の安心は、これまで第1のセーフティネットの社会・労働保険制度と第3のセーフ
ティネットの生活保護により包括的に提供してきましたが、近年、非正規雇用労働者の増加な
ど雇用状況の変化や高校中退、ニートの増加など人間関係の構築がうまくいかず生活困窮状態
に至るリスクを抱えています。さらには、生活保護世帯のうち稼働層に属する「その他の世帯」
も増加しています。
このため平成27年4月から生活困窮者自立支援法が施行され、制度の狭間にある生活困窮
者の方々が一人でも多く、早期の生活自立につながるよう支援を強化します。
(1)生活困窮者の自立支援
社会経済状況の変化に伴う生活困窮者が、生活保護に至ることなく早期の生活自立に
つながるよう支援します。
(2)要支援者の自立促進
生活保護受給者が日常生活の課題を解消し社会的な繫がりのもと、地域社会の一員と
して生活が送れるよう、自立に結びつくための支援に努めます。
(3)生活保護事業の適切な運営
生活保護事業を適切に運営し、必要な人に必要な支援が届く体制づくりに努めます。
◆ 市民の役割(自助)◆
○
自分の周囲に援助を要する人がいるか心配りをする。
● 地域の役割(共助)●
○
○
地域内において援助を要する人がいる際には、まずは地域での支えあいを基本としな
がらも、公的支援が必要と判断される場合は速やかに行政に繋いでいく。
一時的に生活に困っている人に対して、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を紹介す
る。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
○
○
安易に生活保護の受給者とならないよう相談過程において、自立促進に向けての的確
な指導を行う。
生活困窮者の相談窓口を設置するとともに、その周知に努める。
生活困窮者を支援するために、必要に応じた支援メニューに取組む。
生活保護の適切な運営に努める。
生活保護受給者の自立を支援する。
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Ⅲ-5.被災者への支援の充実
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故では、多くの市民が住み慣れた我が
家や地域から離れることを余儀なくされ、これまでの生活基盤とは一変した環境において今な
お避難生活を強いられています。
そこで、被災された市民が一日も早く、安全で安心できる生活に戻れるよう、生活基盤の再
建に向けた支援の充実を図ります。
また、長引く避難生活からくる身体的不調や精神的ストレスの増加に対処する必要があるこ
とから、生活支援相談員等の訪問により悩み事の相談を受けたりするなど、保健師による健康
状態の把握や見守り体制の充実を図ります。
(1)被災者の生活再建の取り組みへの支援
「被災者生活再建支援事業」の広報の充実と対象者への申請勧奨及び、「災害援護資金
貸付制度」の周知等により、被災者の生活基盤の再建への支援に努めます。
(2)仮設借上げ住宅入居者の見守りの実施
生活支援相談員や民間事業所などによる見守り体制の充実や、保健師による訪問指導の
実施など、仮設借上げ住宅入居者の身体的・精神的な負担を軽減させる支援を行います。
◆ 市民の役割(自助)◆
○ 避難者自身が生活再建に向けた各種制度を活用する。
○ 仮設住宅等の入居者自らも積極的に外部との交流を行う。
● 地域の役割(共助)●
○ 地域における被災者の生活再建に向けた制度の利用を促す。
○ 仮設住宅や災害公営住宅入居者同士においても見守りの意識を持つ。
■ 市の役割(公助)■
○
○
○
市民の生活再建につながる制度について広報の充実を図る。
制度に該当する対象者への勧奨を行う。
入居者の健康状態把握等のため生活支援相談員や保健師の訪問の充実を図る。
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