2014年12月25日更新 0.5MB - ワールド・ソブリンインカム

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2014 年 12 月 22 日
Evercore ISI
エバコア
インターナショナル
ストラテジー
&
インベストメント (Evercore ISI)
666 Fifth Avenue, New York, NY 10103
【エド
ハイマンからのメッセージ】
1. 今のところ良好:先週堅調なレベルに増加したリテーラー(小売り)・カンパニー・サーベ
イから判断すると、原油価格の急落はマイナス面よりプラス面のほうが大きいようです(た
だし、油井採掘数は減少)
。
2. ゴールドマンサックス商品指数(GSCI)は先週下落して、前年比-31%となりました。世
界中の消費者物価指数(CPI)は低下しており、金融政策の操縦の余地が出てきました。
3. 過去 2 ヶ月で先週のスイスの利下げを含む 33 件の緩和策が見られました。1 月は欧州中央
銀行(ECB)、中国人民銀行(PBoC)、日銀などが緩和に動くと予想します。これらは株式
市場のサポートになっています。
4. 先週はさらに以下のような 520 億ドルの M&A ディールが成立しました。BT/EE 200 億ドル、
Xerox/Atos 10 億ドル、出光/昭和 40 億ドルなどです。これは株式市場をサポートしていま
す。
5. Evercore ISI の中国およびヨーロッパのカンパニー・サーベイは先週また弱くなりました。
ソフトなグローバル需要とドル高の組み合わせは商品価格を抑制しています。
6. 原油価格急落を受けて、ロシア、ベネズエラがリストに挙がるような、どこかで危機が起き
る確率はかなり高くなってきました。
【今週のコメント】
より大きなインパクト
先週の重要なデータを以下で議論します。しかし、いろいろなデータがより大きなインパクトを与
える可能性があることから、重要なデータになるかもしれません。
•
Evercore ISI のグローバル景気動向指数はヨーロッパの改善、例えば、ドイツの Ifo 経済研
究所が発表する景況感指数、中国の銀行ローンの改善などが牽引して上昇しました。
•
先週のキューバ、北朝鮮、ベネズエラ、ロシアに関するニュースは、如何に自由がより良い
経済成長を促すかを再確認させられました。中国は自由経済を選択しており、キューバ、北
朝鮮、ベネズエラ、ロシアとの経済格差は劇的です。
•
ビジネス・ウィークのトヨタのカバーストーリーは、「内燃機関を搭載したエンジンは終わ
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■本資料は、情報提供を目的として Evercor ISI が作成した資料であり、特定の投資信託の投資勧誘を
目的として作成したものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任で行う
ようお願いいたします。■本資料は、作成日現在の Evercor ISI の見解であり、事前の予告なしに訂正、
修正等が行われる可能性があります。また、内容の正確性・完全性についてはこれを保証するものでは
ありません。■本資料のいかなる部分も一切の権利は Evercor ISI に帰属しており、電子的または機械
的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行うことはできません。
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った。世界の No. 1 自動車会社は次の段階に」
•
米国の量的金融緩和(QE)では、株式市場のラリーとともに債券利回りは上昇する傾向が
あり、景気見通しは改善しました。従って、1 月に ECB が QE を開始する時、ドイツの債券
利回りの動きが注目されます。
•
先週は賃金の加速がやってくる一連のサインを示すデータがありました。安倍首相は賃金の
引き上げを支持すると発表しました。全米自動車労働組合(UAW)は賃金引き上げ追及を誓
約しました。英国の賃金は加速しました。米国では 1 月 1 日より 21 州で最低賃金の引き上
げがあります。過去米国では失業率が 5.5%以下に低下した時に賃金の加速が起こりました。
•
先週日本の 10 年国債利回りが 5bp(1bp=0.01%)低下し、0.35%となりました。また、ド
イツの 10 年国債利回りは 3bp 低下し、過去最低となる 0.59%となりました。これらは米国
の 10 年国債利回りの低下を促し、世界中の投資家を代替投資(オルタナティブ投資)に向
かわせています。
•
先週は異常な乖離現象が見られました。米国の 2 年債利回りが+10bp、0.64%に上昇した反
面、ドイツの 2 年債利回りは-4bp、-0.08%に低下しました。別に驚くことではありませ
んがユーロは対ドルで 2%下落し、1 ユーロ=1.22 ドルとなりました。
•
小売ガソリン価格は先週 17 セント下落し、2.41 ドルと 6 ヶ月前の 3.68 ドルに対して大幅に
下落しています。これが現在、消費者支出を押し上げています。ガソリン先物価格から判断
すると 1 月の小売ガソリン価格は 2.30 ドルに下落する見込みです。
•
カナダ中銀は 2014 年 12 月のリサーチレポートに、「ETF(上場投資信託:証券取引所に上
場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託)は投資家に一般的に株式
のように流動性が高いと理解されているが、一旦市場の緊張が高まると、この流動性はファ
ンドによっては架空のもととなりかねない」と警告しました。
•
今週のバロンズ誌に、Howard Marks が Rudy Dornbusch の「経済においては人が予想する
よりもっと長い時間かかるが、同時に予想したよりもっと早く進行することも事実である。
」
と引用しています。ところで、Rudy Dornbusch と米連邦準備制度理事会(FRB)副議長である
Stan Fischer は一緒に米マサチューセッツ工科大(MIT)で教鞭をとり、ベスト・セラーの
テキスト、”Macroeconomics”を執筆、発行しました。
•
Evercore ISI のヘッジファンド・サーベイから判断すると、S&P が過去 6 年で 677 から 2071
に急騰したにも拘らず、投資家は依然強気(ブリッシュ)ではありませんし、かといって弱
気(ベアリッシュ)でもありません。先週サーベイは 52.2 と過去のレンジ(45.0=弱気、
60.0=強気)の中間でした。
評価されないが重要なこと
過去 2 ヶ月間で、韓国の利下げを筆頭に世界中で 33 件の緩和策が見られました。
以下は先週分です。
•
スイスは利下げ
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■本資料は、情報提供を目的として Evercor ISI が作成した資料であり、特定の投資信託の投資勧誘を
目的として作成したものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任で行う
ようお願いいたします。■本資料は、作成日現在の Evercor ISI の見解であり、事前の予告なしに訂正、
修正等が行われる可能性があります。また、内容の正確性・完全性についてはこれを保証するものでは
ありません。■本資料のいかなる部分も一切の権利は Evercor ISI に帰属しており、電子的または機械
的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行うことはできません。
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•
日本は企業減税を考慮中
•
安倍首相は財政刺激策を承認する方向
•
フランスは景気刺激の改革を発表
•
中国は海外の銀行の支店開業に関する規制を緩和
さらに 1 月の予想として、
•
ECB の QE 実施
•
PBoC は再度利下げ
•
日銀は再度バランスシートを拡大
•
中国は、ハンガリーからギリシャの Piraeus(ピレウス:港湾都市)のコンテナ港に貨物輸
送の線路を建設予定で、ハンガリー、セルビア、マケドニアを主要港湾に接続させる目的
Evercore ISI の連銀ウォチャーであるクリシュナ・グハは、先週連銀が 2 年債利回りを 10bp 高めに
誘導し、6 月の利上げをより確実なものにしたと指摘しています。しかし、米連邦公開市場委員会
(FOMC)の声明文に盛り込まれた”Patient”(忍耐強く)という言葉は、世界中の株式市場にとっ
て重要なものでした。
インフレは低下傾向
金融政策操縦の余地を持たせるように GSCI は先週も下落し、前年比では 31%の下落となりました。
この急落は世界中の CPI がさらに低下することを示唆しています。英国、米国、中国の 11 月の CPI
データも同様に低下を示しています。1 月のユーロ圏 CPI がマイナス領域に入る確率が高まってい
ます。
その上、ドル高が継続すると米国のインフレは低下方向のバイアスがかかります。
米国の小売物価デフレーターは過去 3 年間ほとんどフラットです。ドイツの生産者物価指数(PPI)
は 2 年間低下、中国の PPI は 3 年間低下、韓国の PPI は 2 年間それぞれ低下しています。11 月のイ
ンドの卸売物価指数(WPI)は前年比フラット、2010 年は前年比+11.0% でした。これらが示して
いるのは、インフレの低下は先週連銀が指摘したような一過性のものではないかもしれない、とい
うことです。
これにより 6 月引き締めは先送り?
今年 6 月のガソリン価格は 3.67 ドルでした。もし、来年 6 月のガソリン価格が 2.35 ドルだったら
前年比で 36%の下落です。ガソリンは CPI の 5%のウェイトです。従って 36%の下落は CPI を前年
比で 1.8%押し下げます。もしこうなった場合、その他の価格が 1.5%上昇したら CPI 全体は前年比
-0.4%となります。つまりデフレーションです。このような状態で連銀が引き締めするのは不思議
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的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転送等を行うことはできません。
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といえます。
その他株式市場の重要なサポート
刺激政策に加えて、M&A ディールの急増が市場のサポートとなっています。例えば、先週は Thomas
Bravo/Riverbed 36 億ドルが成立。さらに先週、
「中国の金融機関がヨーロッパの銀行の不良債権(資
産)を購入している」と、発表がありました。
昨日のニュースで、「中国の Xiaomi は 10 億ドルを調達し、スマートフォン・メーカーの価値 450
億ドルに」とレポートしました。
概算
良い友人、顧客が先週以下のような概算をしました。
原油価格下落による恩恵(利益):
+1,750 億ドル
設備投資減少によるロス:
-300 億ドル
雇用減少によるロス:
-500 億ドル
______
原油価格下落によるネット インパクト
+950 億ドル
上記の恩恵、ロスの両者ともすでに始まっています。例えば、小売ガソリン価格はすでに述べたよ
うに急落しています。また、油井採掘数はすでに減少し始めました。
強い年末商戦の背景
年末商戦が失望に終わる確率は非常に低くなってきました。まず、年末商戦ともっとも深い関係の
ある S&P はリバウンドしました。次に、小売ガソリン価格はたぶん今週 2.40 ドルに下落する見通
しです。3 番目は先週失業保険申請件数が 30 万人以下にとどまり、12 月の雇用が堅実に増加して
いることを示唆しています。その上、Evercore ISI の一時雇用・正社員雇用カンパニー・サーベイ
が先週初めて 60.0 を上回ったことです。これらのデータは原油価格下落の恩恵を受けて原油価格下
落による損失分を上回っていることを示唆しています。
先週、Evercore ISI のリテーラー・カンパニー・サーベイが 0.8 上昇の 53.3 となり、過去のサーベ
イの平均的なレベルから見ても高いレベルとなりました(過去 55.0 以上になったことはほとんどあ
りません)
。Evercore ISI のクリスマスツリー・サーベイは今のところ前年比+8.0%と 2010~2013
年の平均+6%を上回りました。
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12 月中旬の Evercore ISI トラッカー・カンパニー・サーベイは 3.1 上昇し、非常に強いレベルであ
る 65.4 となりました。また、12 月中旬のホテル売上と貨物積載量も異常に強いことを示しました。
月次データを見ると、目立ったのは上方修正を加味した鉱工業生産の+1.8%、これは同時に工場稼
働率を今回の拡大期で初めて 80%以上に押し上げました。これは通常設備投資の加速と関係があり
ます。第 4 四半期鉱工業生産は、実質小売売上同様、前期比年率+6%の軌道にあります。就労時間
は前期比年率+3%の軌道です。
(実質 GDP はこれに生産性を加える)従って、第 4 四半期の実質
GDP は前期比年率+3.0%またはそれ以上になりそうで、第 3 四半期は同+4.5%またはそれ以上の
上方修正になる軌道上にあります(実際に、23 日に同+5.0%に上方修正されました)。11 月の景気
先行指数は前月比+0.6%となり、12 月は同+0.5%となる見込みです。
S&P は連銀の引き締め中にラリー
•
1994 年最初の利上げから 2000 年最後の利上げ期間、S&P は 470 から 1400 にほぼ 3 倍とな
りました。
•
2004 年の最初の利上げから 2006 年の最後の利上げ期間、S&P は+15%増加しました。
マーケット
•
ハイライト
先週の一番の負け組はロシアの 10 年国債で、利回りが 55bp 上昇し、13.46%となりました。
ロシアの政策金利は 17.0%に引き上げられました。従ってイールドカーブ(利回り曲線)は
逆転して景気後退に陥る可能性を示唆しています。金もまた負け組みで 28 ドルの下落です。
•
先週の一番の勝ち組は、サザビーズ+9.3% 、中国上海総合指数+5.8%、英国の FTSE100
指数+3.9%です。
•
興味ある乖離:米 10 年国債利回りが 10bp 上昇し 2.18%となった反面、スペインの 10 年国
債利回りは 18bp 低下し 1.70%となりました。
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米国経済指標 EvercoreISI 予想
実質 GDP 成長率*
GDP 価格デフレーター*
名目 GDP 成長率*
FF レート**
S&P EPS
2015f
2016f
3.0%
3.0%
1.5%
4.5%
0.875%
$127
2.0%
5.0%
2.375%
$135
*年率
**期間末
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Evercore ISI カンパニー サーベイ全体指数
*************
エバコア インターナショナル ストラテジー & インベストメント(Evercore ISI):
エコノミストのエド ハイマン氏は、インスティテューショナルインベスター誌のエコノミストランキングで、
1980 年以来 35 年連続で、全米エコノミストランキング第 1 位にランク。自前のサーベイとユニークな分析
手法で高い経済リサーチ力を誇る。また、政治リサーチを担当するチームも、同誌政治アナリストランキング
で、2003 年以来 10 年連続で政治アナリスト第 1 位にランク。
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Evercore ISI レポートに関する留意事項
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この「Evercore ISI レポート」は、Evercore ISI(エバコア・インターナショナル・スト
ラテジー・アンド・インベストメント)が作成したものであり、岡三アセットマネジメ
ント株式会社が作成したレポートではありません。
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当該レポートの著作権は、Evercore ISI(エバコア・インターナショナル・ストラテジ
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ワールド・ソブリンインカム(愛称
十二単衣)に関する重要なお知らせ
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購入時手数料
換金時手数料
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運用管理費用
(信託報酬)
監査費用
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(委託会社)年率 0.50%(税抜)
(販売会社)年率 0.50%(税抜)
(受託会社)年率 0.05%(税抜)
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(委託会社)年率 0.40%(税抜)
(販売会社)年率 0.60%(税抜)
(受託会社)年率 0.05%(税抜)
<純資産 300 億円超に係る部分>
(委託会社)年率 0.30%(税抜)
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