核融合研究開発 - 日本原子力研究開発機構

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核融合研究開発
核融合エネルギーの実用化に向けて
核融合プラズマ研究
原型炉
核融合フロンティア研究
ITER及び原型炉に向けて
原型炉のための技術
基盤の構築
○原型炉のための新領域
開拓
○ITERを支援する研究
○人材育成
臨界プラズマ試験装置
JT-60 実験を完遂し
JT-60SAへの改造に着手
国際熱核融合実験炉(ITER)計画
ITER 計画における国内機関指定
核融合エネルギーの実証
・カダラッシュ
(仏)
・2007年12月に
建設着手
JT-60
○増殖ブランケット開発
○原型炉設計,研究開発
○燃焼プラズマシミュレー
ション,理論モデル
○遠隔実験
○材料照射施設の工学
実証・工学設計
国際核融合エネルギー研究センター
ブランケット
JT-60SA
JT-60SA
幅広いアプローチ
(BA)
活動
BA活動における実施機関指定
サテライトトカマク
ITERを支援し、原型炉の早期実現を加速
・国際核融合エネルギー研究センター
・材料照射施設の設計活動
2007年6月に着手
・サテライトトカマク
那珂核融合研究所
材料照射施設の設計活動
六ヶ所核融合研究所
図 9-1 核融合原型炉開発への展開
核融合エネルギーの早期実現を目指し、原型炉開発へ向けて、核融合プラズマ研究と核融合フロンティア研究を進めています。
核融合エネルギーの実用化に向けて、国際熱核融合
実験炉(ITER)計画、幅広いアプローチ(Broader
Approach : BA)活動等の国際協力を積極的に推進しつ
つ、
那珂核融合研究所では主に核融合プラズマ研究、
六ヶ
所核融合研究所では原型炉のための技術基盤の構築を目
指した研究開発(核融合フロンティア研究)を総合的に
進め、原型炉の実現(図 9-1)を目指しています。
ITER 計画
ITER 計画は、実験炉の建設・運転を通じて核融合エ
ネルギーの科学的・技術的実現可能性を実証する国際協
力プロジェクトです。2007 年 10 月に ITER 協定が発
効し、
原子力機構は我が国の国内機関に指定されました。
現在、我が国が分担する機器の調達活動を進め、種々の
技術開発成果(トピックス 9-1,
9-2)を挙げるとともに、
ほかの ITER 参加極に先駆けて超伝導コイルの実機製
作に着手しました。
BA 活動
BA 活動は、核融合の早期実現を目指し、ITER の支
援や ITER の次のステップである原型炉の開発のため
の研究開発を行う日欧の共同事業です。2007 年 6 月に
BA 協定が発効し、原子力機構は我が国の実施機関に指
定されました。BA 活動は、国際核融合エネルギー研
究センター
(IFERC)
事業,国際核融合材料照射施設の
工学実証・工学設計
(IFMIF/EVEDA)
事業,サテライ
ト・トカマク計画
(STP)
事業の三つのプロジェクトか
ら構成されます。トピックス 9-3 は IFERC の原型炉
R&D 活動で得られた成果です。また、トピックス 9-4
は、IFMIF/EVEDA において得られた成果です。STP
においては、JT-60SA の日欧共同建設が順調に進展し
ています(トピックス 9-5,9-6)
。トピックス 9-7 も
JT-60SA に資する成果です。
核融合プラズマ研究
JT-60 の実験データ解析を更に進めるとともに国際
装置間比較実験等を行い、高いプラズマ圧力を実現して
核融合炉の経済性を高めるための研究を続けています。
トピックス 9-8 は、高プラズマ圧力の形成を妨げる不
安定性を克服するための指針を示唆する成果です。
核融合フロンティア研究
原型炉のための技術基盤の構築に向けて、種々の研究
開発を実施しています。トピックス 9-9 は IFERC の
高性能計算機を使用した理論シミュレーション研究であ
り、核融合炉の安全な運転停止シナリオの確立を目指し
た成果です。トピックス 9-10,9-11 は増殖ブランケッ
トの開発に不可欠の成果です。
原子力機構の研究開発成果 2014
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